JIS Z 4703:1995 医用X線機械装置通則

JIS Z 4703:1995 規格概要

この規格 Z4703は、JIS Z 4701に規定する医用X線装置に使用するX線機械装置について規定。ただし,個別規格がある装置については,個別規格を優先する。

JISZ4703 規格全文情報

規格番号
JIS Z4703 
規格名称
医用X線機械装置通則
規格名称英語訳
General requirements of mechanical units for medical X-ray equipment
制定年月日
1974年7月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60601-1:1988(MOD), IEC 60601-1:1988/AMENDMENT1:1991(MOD), IEC 60601-2-32:1994(MOD)
国際規格分類

ICS

11.040.50
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1974-07-01 制定日, 1977-09-01 改正日, 1980-01-01 改正日, 1985-05-01 確認日, 1987-01-01 改正日, 1993-03-01 改正日, 1995-03-01 改正日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS Z 4703:1995 PDF [12]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 4703 - 1995

医用X線機械装置通則

General requirements of mechanical units for medical X-ray equipment

1. 適用範囲 この規格は,JIS Z 4701に規定する医用X線装置に使用するX線機械装置(以下,附属品
を含め,装置という。)について規定する。ただし,個別規格がある装置については,個別規格を優先する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 1801 伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン
JIS B 1802 ローラチェーン用スプロケット歯形
JIS C 1502 普通騒音計
JIS C 1505 精密騒音計
JIS G 3525 ワイヤロープ
JIS G 3535 航空機用ワイヤロープ
JIS T 1001 医用電気機器の安全通則
JIS T 1005 医用電気機器取扱説明書の様式
JIS Z 4005 医用放射線用語
JIS Z 4701 医用X線装置通則
JIS Z 8731 騒音レベル測定方法
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
Safety of medical electrical equipment, Part 1 : General requirements for safety
IEC 601-1 (1988)
IEC 601-1 Amendment 1
IEC 601-2-32 (1994) Medical electrical equipment, Part 2 : Particular requirements for the safety of
associated equipment of X-ray equipment
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS T 1001, JIS Z 4005及びJIS Z 4701によるほか,
次による。
(1) 保持装置 人体の位置付け手段をもたず,X線管装置,X線映像装置などを保持する装置。
(2) 車載用装置 自動車などに積載して使用するか,又は輸送するように設計された装置。
(3) 静安全率 最大静荷重に対する安全動作荷重の比。
備考 安全動作荷重は,その部分が安全に動作する限界の荷重,又はその部分について製造業者が指
定する破断荷重。
(4) 安全装置 限界を超えた動きによる危険な力,又は懸垂保持機構の事故時における懸垂物体の落下か
ら,患者又は操作者を保護する機構。

――――― [JIS Z 4703 pdf 1] ―――――

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Z 4703 - 1995
(5) デッドマン形制御(デッドマンスイッチ) 操作器に人が力を加えている間だけその回路を作動状態
に保ち,人がその力を取り除けば直ちに回路が自動的に復帰する開閉回路の制御方式(スイッチ)。
3. 環境条件 環境条件は,JIS Z 4701の4.(環境条件)による。
4. 種類 装置の分類は,次による。
(1) 使用目的による分類
(2) 移動方法による分類
5. 性能
5.1 負荷質量 成人を対象とする装置においては,少なくとも100kgの体重まで正常に動作しなければ
ならない。
5.2 騒音 装置が連続的に発生する騒音は,正常使用状態においてA特性で60dB以下であることが望
ましく,65dBを超えてはならない。ただし,3s以内の非継続音は含まない。
5.3 衝撃 可搬形装置(車載用装置を含む。)は,通常の取扱い,運搬及び移動時の衝撃に耐えなければ
ならない。
5.4 許容差 特に精度を必要とする部分[例えば,断層撮影台のせつ(截)断面など]を除き,装置に
関する許容差は,次による。
(1) 移動の許容差 動力又は手動によって移動する装置の最大移動量での最終停止位置の許容差は,表1
による。

――――― [JIS Z 4703 pdf 2] ―――――

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Z 4703 - 1995
表1 移動の許容差
単位mm
最大移動量 最終停止位置の最大許容量
1 000以下 +20−10
1 000を超えるもの +40−10
(2) 質量の許容差 装置の総質量の定格値に対する許容差は,±10%とする。
(3) 移動速度の許容差 移動速度の定格値に対する許容差は,±20%とする。
(4) 角度目盛の許容差 角度目盛の真値に対する許容差は,±2°とする。
(5) 長さ目盛の許容差 長さ目盛の真値に対する許容差は,±2%とする。
5.5 安定性 安定性は,次による。
(1) 装置は,装置の質量に相当する力の25%又は220Nのどちらか小さい方の力を,最も不利な方向に加
えたとき転倒しないこと。
(2) 装置は,正常な使用時に10°以下の角度で転倒しないか,又は,次の規定をすべて満たすこと。
(a) 装置は,正常な使用時のどのような姿勢においても5°以下の傾斜で転倒しないこと。
(b) 装置は,指定した移動時の姿勢においては,10°以下の角度で転倒しないこと。
(c) 移動時の姿勢について取扱説明書に記載し,装置には注意銘板で図示すること。
6. 構造
6.1 患者の支持及び固定 患者の支持部及び固定部は,次による。
(1) 患者を支持又は固定する部分は,患者を確実に支持又は固定でき,患者が動いても緩んだり患者を傷
つけたりせず,かつ,簡単に固定が解除できる構造とすること。
(2) 患者が持つ握り及びハンドルは,容易に滑らない構造とすること。
(3) 患者を支持して動力で回転,起倒などの動きを行う場合には,患者の体位,移動速度などを考慮し,
危険のおそれがある場合には,適切な安全手段を設けること。
(4) 位置調整が可能な患者踏台は,正常な使用時のあらゆる角度においてロックが外れない構造とするこ
と。
(5) 位置調整が可能な患者踏台には,患者が踏み間違えるような段差があってはならず,また,取り付け
たときに装置との間に危険なすきまが生じないこと。
6.2 懸垂保持機構
6.2.1 ワイヤロープ及び滑車 ワイヤロープは,JIS G 3535若しくはJIS G 3525に規定するもの,又は
これらに準じるものでなければならない。切断によって患者又は操作者に危害を及ぼすおそれがある懸垂
保持機構に使用するワイヤロープと滑車の直径との関係は,次の式 (1) 及び (2) を満足しなければならな
い。
D/d≧300 (1)
D/dr≧20 (2)
ここに, d : ワイヤロープ素線径
dr : ワイヤロープ直径
D : 滑車の有効直径
6.2.2 チェーン及びスプロケット チェーンは,JIS B 1801に規定するもの,スプロケットはJIS B 1802
に規定するもの,又はこれらに準じるものでなければならない。

――――― [JIS Z 4703 pdf 3] ―――――

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6.2.3 緩衝手段 正常な使用時に,急激な加速,減速などによって大きな動荷重が生じるおそれがある場
合には,適切な緩衝手段を講じなければならない。
6.2.4 多重懸垂 複数のロープ又はチェーンで構成されている多重懸垂保持機構では,構成要素の一つが
破損した場合には,操作者がその故障に気付くようになっていなければならない。
6.2.5 安全装置 ばね(隠れた欠陥をもつおそれがある。)を使用するか,又は7.3.1の規定に適合しない
支持部品を使用する懸垂保持機構には,破損した場合の落下量が安全な範囲に制限されていない限り,安
全装置を備えなければならない。
懸垂機構が破損して安全装置が動作した後でも装置の使用が可能な場合(例えば,予備のワイヤロープ
を備えている場合)には,操作者に故障の発生を明確に知らせる手段を講じなければならない。
備考1. 正常な使用時に負荷が加えられないように構成されているワイヤロープ及びチェーンは,安
全装置とみなしてもよい。
2. 予備のワイヤロープは,点検が可能でその点検方法が附属文書に記載されている場合には,
安全装置として使用してもよい。
6.3 動く部分
6.3.1 動く部分に対する保護 動く部分に対する安全のための保護カバー又はガードは,次のような場所
に取り付けなければならない。これらの保護手段は正常な使用時のほか,調整時及び附属品などの着脱時
についても考慮しなければならない。
(1) 保護カバー又はガードを備える場所
(a) 動く部分に身体又は着衣が引き込まれるおそれがある場所(例えば,歯車がかみ合う場所,ベルト
がプーリに巻き込まれる場所など)。
(b) 動く部分に身体又は身体の一部が挟み込まれたり,傷付けられたりするおそれがある場所。
(c) ワイヤロープ,チェーン,ベルトなどが外れたとき,患者や操作者に危険を与えるおそれがある場
所。
(2) 保護カバー又はガード
(a) 工具を使用したときにだけ取り外せること。
(b) サービス時に容易に着脱できること。
(c) 十分な強度及び剛性があること。
(3) 内蔵する動く部分 正常な使用時には露出しないが,露出すれば危険を生じるおそれがある動く部分
に対する保護は,次による。
(a) 可搬形装置 装置と一体のガードを設けること。
(b) 据置形装置 装置と一体のガードを設けるか,又は設置時にガードを取り付けること。
(4) 警告ラベル 動力駆動部分による危害から保護するために設けられている,工具を使用せずに取外し
ができるガードやカバーには,注意書きを表示すること。ガードされた危険部分に気付きにくい場合
には,もう一枚の注意書きをガード内の部品に表示すること。
6.3.2 すきま 正常な使用時に患者又は操作者に危害を与えるおそれがあるすきまには,危害を防止する
手段(例えば,力の制限,ガードの設置,すきまを9mm以下にするなど)を設けるか,又は安全のため
に次のような寸法のすきま又は間隔にしなければならない。
(1) 指を挟むことに対する保護 20mm以上
(2) つま先を挟むことに対する保護 40mm以上
(3) 腕及び足を挟むことに対する保護 100mm以上

――――― [JIS Z 4703 pdf 4] ―――――

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Z 4703 - 1995
6.3.3 動く部分の点検 摩耗,疲労などによって安全性を損なうおそれがある動く部分は,点検しやすい
構造にしなければならない。
6.3.4 動く部分の制御 動く部分の制御は,次による。
(1) デッドマン形制御 患者に危害を与えるおそれがある部分の操作は,デッドマン形制御にすること。
(2) 操作スイッチ 操作スイッチは,次の事項を満足すること。
(a) 操作スイッチを“切 (OFF) ”にしたとき,そのまま動き続けたり,“反転 (REVERSE) ”に切り換
えたとき,同一方向に動き続けないこと。
(b) 同一の部分を操作するために切り換えて使用する二つ以上の操作スイッチを備える場合は,操作ス
イッチを切り換えた場合に危険な動きを生じない構造にすること。
6.3.5 危害を与えるおそれがある動き 危害を与えるおそれがある動力で駆動する動きについては,診断
機能を損なわない範囲内で次の規定を適用する。ただし,移動形装置の移動時は除く。
(1) 動力駆動部と人体の接触 正常な使用時に動力駆動部が患者に接触することを意図しているか又はそ
の可能性があり,かつ,それが装置の意図する診断目的に必要であり,しかも,その接触が患者に危
害を与えるおそれがあるときは,患者との接触を検知し,その動きを停止する手段を講じること。
(2) 動力駆動部による圧迫
(a) 診断のために患者に加える圧力又は力については,圧迫される部位や診断目的,危害を与えるおそ
れなどを考慮すること。
特別に必要な場合を除き,患者に対する圧力は最大70kPa,力は200N以下に制限すること。ただ
し,X線透視撮影台の圧迫筒の圧迫の強さは,80Nを超えないこと。
(b) 動力によって補助される圧迫機構では,動きに抵抗する力よりも10N以上上回る力が加わらないこ
とが望ましい。
(c) 電動圧迫機構には,患者に加える力を,取扱説明書に記載した値に制限する手段を備えていること。
(d) 圧迫中は,患者に危害を与えるおそれがあり,かつ,診断に必要のない動きは,インタロックする
こと。
備考 X線透視撮影台の圧迫筒による圧迫中には,天板のすべての駆動回路が作動しないようにイン
タロックすること。ただし,診断上必要な場合に限り,このインタロックを解除するスイッチ
を設けてもよい。インタロックの解除スイッチは他のスイッチと異なる色(例えば,黄色)と
し,かつ,インタロック解除中であることを黄色(だいだい色を含む。)の表示灯によって明り
ょう(瞭)に示すこと。
なお,取扱説明書に“圧迫中に天板を駆動すると,患者のろっ骨を折るおそれがあるため,
このような操作は十分注意して慎重に行うこと。”という趣旨の注意書きを目立つように記載す
ること。
(3) 非常停止スイッチ
(a) 患者又は操作者に危害を与えるおそれがあるすべての動力駆動の動きには,非常停止スイッチを備
えること。
(b) 非常停止スイッチは,赤色で示して他の制御器と区別し,かつ,“切 (OFF) ”の状態を維持するこ
と。動きの再開には,意図的に異なった操作を必要とすること。
例 赤いきのこ形スイッチを用いて,押すと停止,引くと再開。
(c) 非常停止スイッチの作動によって他の危害を生じてはならず,かつ,初めの異常状態を除去するた
めに必要な操作を妨げないこと。

――――― [JIS Z 4703 pdf 5] ―――――

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