JIS Z 4910:2015 診断用X線映像装置―汎用及び乳房用散乱線除去グリッドの特性 | ページ 2

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Z 4910 : 2015 (IEC 60627 : 2013)
注記 クロスグリッドは,入射面上に2本の実中心線をもつ。
3.2.6
中心線表示(CENTRAL-LINE INDICATION)
実中心線の位置及び方向を示すことを意図した,直線グリッドの入射面上の目印。
注記 ほとんどの場合,グリッド入射面の幾何学上の中心線と一致する。

3.3 物理的特性

3.3.1
一次放射線透過率,Tp(TRANSMISSION OF PRIMARY RADIATION)
散乱線除去グリッドにおいては,規定の測定条件下で,指定した放射線ビーム中に散乱線除去グリッド
を置いたときと,散乱線除去グリッドがないときとの一次放射線の線量又は線量率の測定値の比。
3.3.2
散乱放射線透過率,Ts(TRANSMISSION OF SCATTERED RADIATION)
散乱線除去グリッドにおいては,規定の測定条件下で,指定した放射線ビーム中に散乱線除去グリッド
を置いたときと,散乱線除去グリッドがないときとの散乱放射線の線量又は線量率の測定値の比。
3.3.3
全放射線透過率,Tt(TRANSMISSION OF TOTAL RADIATION)
散乱線除去グリッドにおいては,規定の測定条件下で,指定した放射線ビーム中に散乱線除去グリッド
を置いたときと,散乱線除去グリッドがないときとの全放射線の線量又は線量率の測定値の比。
3.3.4
選択度,Σ(GRID SELECTIVITY)
散乱線放射線透過率に対する一次放射線透過率の比として求めた散乱線除去グリッドの特性。
3.3.5
コントラスト改善比,K(CONTRAST IMPROVEMENT RATIO)
全放射線透過率に対する一次放射線透過率の比として求めた散乱線除去グリッドの特性。
3.3.6
グリッド露出係数,B(GRID EXPOSURE FACTOR)
全放射線透過率の逆数として求めた散乱線除去グリッドの特性。
3.3.7
イメージ改善係数,Q(IMAGE IMPROVEMENT FACTOR)
全放射線透過率に対する一次放射線透過率の自乗の比として求めた散乱線除去グリッドの特性。

3.4 その他の用語解説

3.4.1
中心ずれ(DECENTRING)
集束グリッドの実中心線と,グリッドの入射面に垂直に投影されたX線管の焦点との距離。
3.4.2
集束ずれ(DEFOCUSING)
X線管の焦点から集束グリッドの入射面までの距離と,そのグリッドの集束距離との差。
注記 中心ずれ及び集束ずれの説明については,A.1を参照。
3.4.3
製造番号(SERIAL NUMBER)

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Z 4910 : 2015 (IEC 60627 : 2013)
ある形式の機器又は附属品の個々の製品を識別するために使用する,番号及び/又は他の表示。

4 散乱線除去グリッドの構造

  通常,散乱線除去グリッドは,一定の間隔Dで交互に配列された,厚さd,高さhの,X線吸収の大き
い材料のはく(箔)で構成する(図1参照)。はく(箔)の高さhは,散乱線除去グリッドの面上にわた
って一定であり,又は,テーパグリッドにおいては,はく(箔)の最高値(高さh0)からその両端の方向
に漸次減少する。
注記 D及びdは,グリッドの入射面で計測される。
通常,はく(箔)の間の中間物質は,X線吸収の小さい材料で充される。散乱線除去グリッドは,機
械的損傷に対して保護し,かつ,必要な剛性を確保するため,枠及び被覆材を用いてもよい。
グリッド密度は,次の式に従って決定しなければならない。
1
N
(d D)
グリッド比は,次の式のいずれかに従って決定しなければならない。
h
− 平行グリッド及び集束グリッドについては, r
D
h0
− テーパグリッドについては, r0
D0
h1 h2
− クロスグリッドについては, r1 r2
D1 D2
数字がつかない記号は,直線グリッドの一般的な性質を表す。数字“0”がついた記号は,実中心線で
の量を表し,数字“1”又は“2”は,クロスグリッドを構成する,直線グリッドに対する量を表す。

5 物理的特性の測定及び数値の決定

5.1 測定の方法及び配置

5.1.1  物理的特性の決定
この規格の目的のために,一次放射線透過率,散乱放射線透過率,及び全放射線透過率の値は,5.1.2に
規定する測定器具,5.1.3に規定するファントム,5.1.4に規定する配置,及び5.1.5に規定する放射線条件
によって得られる二つの測定値の比として決定しなければならない。
5.1.2 測定器具
5.1.2.1 全般
蛍光板及び光検出器を内蔵する放射線検出器を使用しなければならない(図2参照)。蛍光板は(望ま
しくは無染色の)テルビウム活性化ガドリニウム酸硫化物(GOS又はGd2O2S:Tbという。)で作られなけ
ればならない。
蛍光体の面積密度は,次のとおりとする。
a) 汎用散乱線除去グリッド 75 mg cm−2±10 mg cm−2
b) 乳房用散乱線除去グリッド 30 mg cm−2±3 mg cm−2
注記 蛍光体の材料として,従来規定していたタングステン酸カルシウムは,市場での入手が困難

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になった。現在の最先端は,タリウム活性化よう化セシウムと対照的に中毒性及び吸湿性の
ないGOSである。実験結果によると,タングステン酸カルシウムとGOS蛍光体とは同等で
ある。
測定面の直径は,6.0 mm±0.5 mmとする。
蛍光板で発生した光は,発生した光子のエネルギー範囲内に敏感な光検出器で測定する。
散乱線除去グリッドの支持板と蛍光板の蛍光層との間の付加ろ過は,使用する放射線条件に対して,次
を超えてはならない。
a) 汎用散乱線除去グリッド 0.5 mm Al
b) 乳房用散乱線除去グリッド 0.1 mm Al
光検出器の暗電流及び放射線の直接照射は,測定結果に重大な影響を及ぼしてはならない。
光検出器の応答は,放射線の強度に比例しなければならない。
5.1.2.2 暗電流及び直接照射の試験
暗電流及び光検出器の直接照射の影響を確認するために,次の手順で試験を行う。
a) 5.2.3に規定する配置で散乱線除去グリッドを取り除き,5.1.5に指定されている放射線条件を適用する。
b) グリッドの測定に使用する最大X線管電流で,蛍光板で発光した光を光検出器から遮蔽したとき及び
遮蔽しないときの検出器信号を測定する。
c) 放射線照射をせずに,検出器信号を測定する(これが放射線検出器の暗電流の値である。)。
d) 暗電流の値を減算した後,遮蔽したときと遮蔽しないときの測定値の比を計算する。
e) これらの値の比は,0.002を超えてはならない。
5.1.2.3 直線性の試験
光検出器の直線性を確認するために,次の手順で試験を行う。
a) 5.2.3に示す配置で散乱線除去グリッドを取り除き,5.1.5に規定されている放射線条件を適用する。
b) 同一の管電圧で,グリッドの測定に使用する最大X線管電流,その半分の電流,及び照射しないとき
の3種類の測定を行う。
c) 最大X線管電流の半分で測定した測定値は,他の二つの測定値の平均の±5 %以内でなければならな
い。
5.1.3 ファントム
a) 汎用散乱線除去グリッドにおいて,一次放射線透過率及び散乱放射線透過率の決定のために使用する
ファントムは水で満たされた容器でなければならない。その容器は,次による。
− 外形寸法300 mm×300 mm±1 mm,高さ200 mm±1 mm
− 上面,底面,側壁それぞれ厚さ10 mm±2 mmのポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いる。
− 内部が水で満たされている。
ナロービーム条件下で使用する場合,上記ファントムの代わりに,そのファントムと等価で,外形
寸法を縮小させた他のファントムに置き換えてもよい。この場合,それらが等価であることを確認す
る必要がある。
上記ファントムの代わりに,その容器と同じ全体寸法をもつ,水と等価の固体材料で構成されるフ
ァントムを使用してもよい。この場合,それらが等価であることを確認する必要がある。
b) 乳房用散乱線除去グリッドにおいて,一次放射線透過率及び散乱放射線透過率の決定のために使用す

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るファントムは,両辺が150 mm±1 mmの正方形断面で,厚さが50 mm±1 mmのPMMAブロックで
なければならない。
5.1.4 配置
a) 汎用散乱線除去グリッドにおいて,測定のための配置は,図3(ファントムを上部に配置したナロー
ビーム条件)及び図4(ファントムを下部に配置したブロードビーム条件)に示すものでなければな
らない。
焦点,汎用散乱線除去グリッド,及び測定面の位置は,いずれの条件でも同一である。特に記載の
ない限り,図中の全ての寸法の許容差は最大±10 mmである。
汎用散乱線除去グリッドのX線管焦点から支持板までの距離は,測定対象の集束グリッドの集束距
離が100 cmでない場合でも,100 cm(1 000 mm)でなければならない。測定の結果は,集束距離f0
に影響されない。
汎用散乱線除去グリッドは,中心線表示が測定面の中心の上にくるように固定する。グリッドの支
持面と,焦点及び中心線表示によって明示する中心線を含む平面の垂直度は,±0.2°以内でなければ
ならない。グリッドの支持面と放射線検出器の蛍光板の蛍光出力面との距離は,20 mmでなければな
らない。
図3及び図4に示す絞り,並びに図4に示す一次放射線遮蔽板は,厚さ5 mm±1 mmの鉛で作らな
ければならない。上部の絞りは,焦点から150 mm300 mmの間に配置しなければならない。下部の
絞りは,グリッドの支持面から220 mmの距離で配置しなければならない。ナロービーム条件(図3
参照)では,ファントムは,上面が上部絞りの底面に接するように配置しなければならない。ブロー
ドビーム条件(図4参照)では,ファントムは,上面が下部絞りの底面に接して,その底面がグリッ
ドの支持面から20 mmの距離になるように配置しなければならない。
b) 乳房用散乱線除去グリッドにおいて,測定のための配置は,図5(ファントムを上部に配置したナロ
ービーム条件)及び図6(ファントムを下部に配置したブロードビーム条件)に示すものでなければ
ならない。
焦点,乳房用散乱線除去グリッド,及び測定面の位置は,いずれの条件でも同一である。それらの
位置は,ファントムを下部に配置した条件によって示している(図6参照)。特に記載のない限り,図
中の全ての寸法の許容差は,±5 mmとする。
乳房用散乱線除去グリッドの焦点から支持板までの距離は,測定対象の集束グリッドの集束距離が
60 cmでない場合でも,60 cm(600 mm)でなければならない。測定の結果は,集束距離f0に影響さ
れない。ファントム下部位置でグリッドを設置した測定(図6参照)について,焦点,ファントム底
面の中心と測定面の中心とは,同一線上になければならない。焦点からファントム底面への垂線は,
ファントム側面のいずれかを二等分しなければならない。
乳房用散乱線除去グリッドの入射面は,ファントム底面と平行でなければならない。中心線表示に
よって定義されたグリッドの中心線は,ファントムの一辺と平行でなければならない。グリッドの胸
壁側は,焦点からファントム底面への垂線に二等分される胸壁側に向いていなければならない。
乳房用散乱線除去グリッドは,焦点からファントム底面への垂線が中心線表示によって定義された
中心線で,グリッドの入射面と交差するように配置する。グリッドの支持面と,焦点及び中心線表示
によって示す中心線を含む平面との垂直度は,±0.2°以内でなければならない。グリッドの支持面と
放射線検出器の蛍光板の蛍光出力面との距離は,10 mmでなければならない。
上記の測定構成は,次の特別な状況のいずれか又は両方において,修正することができる。

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Z 4910 : 2015 (IEC 60627 : 2013)
− グリッドがファントムより小さい場合
グリッドはその際,グリッドの中心である焦点と測定面に中心とが同一線上になるよう配置しな
ければならない。
− グリッドのはく(箔)の方向が胸壁面に対して平行である場合
グリッドは,中心ずれを補償するため傾斜させる。測定面上の吸収はく(箔)が焦点に向かうよ
うに,傾斜角度を選択する。傾斜角度は,中心線表示と遠位のグリッド側面との上下動によって決
定する。
注記 実際には,傾斜角度は7°で十分である。
図5及び図6に示す絞り,並びに図6に示す一次放射線遮蔽板は,1 mm2 mmの厚さの鉛でなけ
ればならない。上部絞りは,焦点から200 mm又はそれ以下の距離で配置しなければならない。下部
絞りは,乳房用グリッドの支持板から60 mmの距離で配置しなければならない。ブロードビーム条件
の測定(図6参照)においては,ファントムは,その下部表面がグリッドの支持板から10 mmの距離
となるように,上部表面が下部絞りに接した状態で配置しなければならない。
ナロービーム条件の測定(図5参照)においては,ファントム上部表面がX線管に近接する上部絞
りに接し,ファントムの下部表面は,中部絞りに接した状態で配置し,放射線ビームは,ファントム
の中心近くを通るようにする。それ以外は,上記と同様でなければならない。
5.1.5 放射線条件
a) 汎用散乱線除去グリッドにおいて,測定は,5.1.4 a)に規定するナロービーム又はブロードビーム条件
を適用し,JIS T 61267に規定する,放射線条件RQR6に従って行わなければならない。
汎用散乱線除去グリッドが低エネルギー使用向けと明示される場合,追加測定は,放射線条件
RQR4に従って行ってもよい。
汎用散乱線除去グリッドが高エネルギー使用向けと明示される場合,追加測定は,放射線条件
RQR9に従って行ってもよい。
b) 乳房用グリッドにおいて,測定は,5.1.4 b)に規定するナロービーム又はブロードビーム条件を適用し,
JIS T 61267に規定する,放射線条件RQR-M2に従って行わなければならない。
X線管は,焦点外X線をほとんど発生しないものを選択することが望ましい。
注記 多量の焦点外X線を発生するX線管の使用は,散乱放射線透過率の値を僅かだが増加させる可
能性がある。
5.1.6 線源の安定性
X線管負荷条件は,個々の精度測定において,エネルギーフルエンス率の変動が±0.5 %以下になるよう
に制御しなければならない。

5.2 物理的特性

5.2.1  一次放射線透過率(Tp)の測定
一次放射線透過率を決定するために,次の二つの測定をナロービーム条件の下で行わなければならない。
− 5.1.4に規定したファントム及び散乱線除去グリッドを,図3又は図5に示すような適切な配置で測定
する。
− 散乱線除去グリッドなしで,それ以外は同じ条件で測定する。
散乱線除去グリッドの支持板面における,一次放射線のビームの直径は,8 mm10 mmの間でなければ

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JIS Z 4910:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60627:2013(IDT)

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