JIS Z 7152:2013 バーチャルインパクタによる排ガス中のPM10/PM2.5質量濃度測定方法 | ページ 2

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Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
ろ紙をセットするためのホルダ[ISO 15767:2009,2.4]。
3.7
測定断面(measurement plane)
測定位置においてダクトの中心線に垂直な平面[ISO 23210:2009,3.3.3]。
3.8
測定位置(measurement section)
バーチャルインパクタの挿入及び取出部を含む排ガスダクトにある測定孔及び測定断面などを含む領域
[ISO 23210:2009,3.3.2]。
3.9
測定場所(measurement site)
排ガスダクト及び測定装置が設置されている試料採取場所[ISO 23210:2009,3.3.1]。
注記 測定場所には,例えば,作業台,測定孔,電源などが設置される。測定孔は,例えば円形の場
合,直径100150 mmが望ましい。
3.10
PM2.5(PM2.5)
分粒径2.5 μmの分粒部で分離された微粒子[ISO 23210:2009,3.1.4]。
注記 PM2.5はISO 7708: 1995の7.1(Target population: sick and infirm, or children)で定義されている
“high risk respirable convention”に対応している。
3.11
PM10(PM10)
分粒径10 μmの分粒部で分離された微粒子[ISO 23210:2009,3.1.3]。
注記 PM10はISO 7708: 1995の箇条6(Thoracic convention)で定義されている“thoracic convention”
に対応している。
3.12
レイノルズ数(Reynolds number)
流れの状態を表す慣性力と粘性力との比で定義される無次元数であり,次の式によって算出される。
Re=
ここに, ρ : 密度(kg/m3)
v : 速度,粒子加速ノズル中のガス速度(m/s)
l : 長さ(m)
η : ガス粘度(Pa・s)
[ISO 80000-11:2008,11-4.1]
3.13
ストークス数(Stokes number)
ノズル付近のガス流中の粒子の慣性を表す無次元数であり,次の式によって算出される。
daeCmv
P,0
Stk=
9D0
ここに, Stk : ストークス数
ρ0,P : 粒子単位密度(1 000 kg/m3)
dae : 空気動力学径(m)

――――― [JIS Z 7152 pdf 6] ―――――

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Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
Cm : カニンガム補正係数
v : 粒子加速ノズル中のガス速度(m/s)
η : ガス粘度(Pa・s)
D0 : 粒子加速ノズルの内径(m)
[ISO 23210:2009,B.2]
3.14
粒子加速ノズル(particle acceleration nozzle)
粒子を含むガスを加速するためのノズル。
3.15
粒子捕集ノズル(particle collection nozzle)
粗粒子の分離及び捕集に使用するノズル。

4 記号及び略号

  この規格で用いる主な記号及び略号は,次による。
A : 分粒部の粗粒子分離効率
BF : バックアップフィルタ
Cm : カニンガム補正係数
CF1 : 1段目分粒部の捕集フィルタ
CF2 : 2段目分粒部の捕集フィルタ
D0 : 粒子加速ノズルの内径
D1 : 粒子捕集ノズルの内径
dae : 空気動力学径
dentry : 吸引ノズルの内径
d50 : 分粒径
f 'N : 水分量,ただし標準状態における乾きガスに対する水蒸気質量濃度(kg/m3)。
i : 成分要素番号,i=1, 2, 3,···m,又は粒径を特定するインデックス(i=2.5 μm又は10 μm)
j : ガス成分要素番号,j=1, 2, 3···n
l0 : 粒子加速ノズルの長さ
m(BF) : バックアップフィルタ上の粒子質量
m(CF2) : 2段目分粒部捕集フィルタ上の粒子質量
N : 分粒ノズルの数
n : 測定数
pamb : 測定場所の大気圧(気圧計圧力)
pN : 標準圧力
pst : 測定断面の静圧と測定場所の大気圧(気圧計圧力)との差
qV : 操作条件における体積流量
qV 0 : 分粒ノズル1本当たりの全流量
qV 1 : 分粒ノズル1本当たりの副流量
qV 2 : 分粒ノズル1本当たりの主流量
q'VN : 標準状態における乾き試料ガス体積流量

――――― [JIS Z 7152 pdf 7] ―――――

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Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
Re : レイノルズ数
Stk50 : 分粒径d50に関するストークス数
s : 粒子加速ノズルの出口と粒子捕集ノズルの入口との間の距離
T : ガス温度
TN : 標準温度
u(φ) : 測定の標準不確かさ
v : 粒子加速ノズル中のガス速度
vfg : 排ガス速度
V'N : 標準状態の乾き試料ガス体積
φ(PM2.5) : 標準状態におけるPM2.5の濃度
φ(PM10) : 標準状態におけるPM10の濃度
φ1,i : 1台目の測定装置によるi番目の測定値
φ2,i : 2台目の測定装置によるi番目の測定値
η : ガス粘度
ρN,WV : 標準状態における水蒸気密度
ρ0,P : 粒子単位密度(1 000 kg/m3)
ξ : 分粒部の副流量の割合

5 測定原理

5.1 概要

  粒子測定では,次の三つの粒子に関連する物理特性を利用する。
− 質量濃度(例えば,総ダスト,PM10,PM2.5など)及び質量分率の分布
− 粒子個数濃度及び個数基準粒径分布
− 粒子のモルフォロジー(例えば,形,色,光学的性質など)
ガス中粒子の慣性の違いを利用して分粒し,PM10及びPM2.5の質量濃度を求める。捕集板をもたない
ため,ガスの流れから粒子を分離するときに捕集されたダストの跳返り及び再飛散が起きない方法である。
また,2段バーチャルインパクタを用いることで,高い質量濃度のPM10及びPM2.5を精度良く分離し,
測定する方法である。

5.2 バーチャルインパクタの理論

  バーチャルインパクタにおける分粒は,粒子がガスの流れの中で加速又は減速するときに粒子の慣性に
よってガスの流線から逸脱する原理に基づいている。 分粒部の分離原理及び性能を決定する主要なパラメ
ータを図2に示す。
分粒部の基本構成は,内径D0及びD1をもつ共軸の粒子加速ノズル及び粒子捕集ノズルから成る(図2
参照)。粒子を含むガスは粒子加速ノズルに入り,加速され,流れの一部が粒子捕集ノズルに吸引させる。
粒子捕集ノズルを流れる流量(副流量と呼ぶ)は全流量の10 % 程度である。残りの主流は向きを変え,
粒子捕集ノズルをう回する。そのため,ある空気動力学径(分粒径)より大きい粒子は,副流に同伴して,
粒子捕集ノズルを通過し,フィルタに集められる。この分粒径より小さい粒子は,主流に同伴して,下流
に移動する。
分粒部の性能は粗粒子分離効率曲線によって特徴付けられるため,副流には分粒径より大きい粒子が,
また,主流には分粒径より小さい粒子が理想的には同伴される。

――――― [JIS Z 7152 pdf 8] ―――――

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Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
1 : 粒子加速ノズル D0 : 粒子加速ノズルの内径
2 : 粒子捕集ノズル D1 : 粒子捕集ノズルの内径
3 : 主流内微粒子の軌跡 l0 : 粒子加速ノズルの長さ
4 : 副流内粗粒子の軌跡 s : 粒子加速ノズルの出口と粒子捕集ノズルの入口との間の距離
5 : ガス流線 qV 0 : 全流量
qV 1 : 副流量
qV 2 : 主流量
図2−バーチャルインパクタの原理
分粒部は,いわゆる分粒径d50によって定義される。この空気動力学径をもつ粒子に対して,分粒部の
粗粒子分離効率は50 %である。分粒径d50の算出には,式(1)を用いる。
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9 πStk50 D0
d50= (1)
4 P,0CmqV0
ここに, d50 : 分粒径(m)
Stk50 : 分粒径d50に関するストークス数
η : ガス粘度(Pa・s)
qV 0 : 操作条件における分粒ノズル1本当たりの全流量(m3/s)
D0 : 粒子加速ノズルの内径(m)
ρ0,P : 粒子単位密度(1 000 kg/m3)
Cm : カニンガム補正係数
分粒部の設計には,次の条件及び式を適用する。
a) tk50の値は次のとおりとする[5]。
0.4≦Stk50≦0.5
b) 粒子加速ノズルの出口と粒子捕集ノズルの入口との間の距離sと粒子加速ノズルの内径D0との比は
0.8c) 粒子加速ノズルの長さl0と粒子加速ノズルの内径D0との比は
l0/D0<2.5
d) 粒子捕集ノズルの内径D1と粒子加速ノズルの内径D0との比は
D1/D01.33
e) レイノルズ数

――――― [JIS Z 7152 pdf 9] ―――――

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Z 7152 : 2013 (ISO 13271 : 2012)
粒子加速ノズル内のガス流れのレイノルズ数Reが層流(100

6 2段バーチャルインパクタに要求される性能

6.1 概要

  この測定法では,2段バーチャルインパクタを用いて,排ガス中のダストを次の三つの粒径範囲に分粒
する。
a) 空気動力学径が10 μmより大きい粒子(1段目分粒部の捕集フィルタで捕集)
b) 空気動力学径が2.510 μmの範囲の粒子(2段目分粒部の捕集フィルタで捕集)
c) 空気動力学径が2.5 mより小さい粒子(バックアップフィルタで捕集)
PM2.5の質量はc)の部分に対応し,PM10の質量はb)とc)との合計に対応している。空気動力学径が
10 μmより大きい粒子は,PM10及びPM2.5の算出には使用しない。

6.2 分離効率曲線

  排ガス中のPM10及びPM2.5の質量濃度測定における分粒部の粗粒子分離効率曲線は,ISO 7708:1995
で規定している大気中のPM10及びPM2.5測定に対する分粒部の粗粒子分離効率曲線に対応している必要
がある(図3参照)。バーチャルインパクタのPM10及びPM2.5分粒部の粗粒子分離効率曲線は,表1で
示す必要条件を満たすように設計する。表1の粗粒子分離効率の許容差は,ISO 7708: 1995(図3参照)
で示された曲線の粒径における分離効率A(単位 %)に対する許容差の絶対値である。
1 : ハイリスクグループの吸入性粉じん(PM2.5) 2 : 咽頭通過性粒子(PM10)
A : 分粒部の粗粒子分離効率(%) dae : 空気動力学径(μm)
図3−ISO 7708: 1995で規定したPM10及びPM2.5サンプラの粗粒子分離効率曲線
表1−バーチャルインパクタ分粒部に対する粗粒子分離効率許容差
粒径 PM10分粒部 PM2.5分粒部
3 μm以上 許容差,±10 % −
3 μm未満 許容差,±15 % −
1.5 μm以上 − 許容差,±10 %
1.5 μm未満 − 許容差,±20 %

――――― [JIS Z 7152 pdf 10] ―――――

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JIS Z 7152:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13271:2012(IDT)

JIS Z 7152:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 7152:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8808:2013
排ガス中のダスト濃度の測定方法