JIS Z 7201:2017 製品含有化学物質管理―原則及び指針 | ページ 2

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Z 7201 : 2017
について示しており,製品含有化学物質管理の有効な活用の基盤の構築が期待できる。
− 5.4(支援 : support)では,製品含有化学物質管理の運用のために重要となる基盤の整備について示
している。
− 5.5(運用)では,トップマネジメントのリーダーシップの下で,計画に従い,整備された基盤を活
用して実践すべき製品含有化学物質管理の具体的な活動について示している。
− 5.6(パフォーマンス評価及び改善)では,PDCAサイクルにおけるCheck及びActについて,要点
をまとめている。
d) 製品含有化学物質管理におけるリスク及び機会への取組み 組織が,この規格の示す製品含有化学物
質管理を実践する際には,それに伴うリスク及び機会への取組みを計画し,実施することが重要とな
る。
製品含有化学物質管理におけるリスクは,例えば,不適合の発生であり,その波及的及び間接的な
影響として,製品回収,損害賠償,取引停止などのビジネスへの影響が生じる可能性もある。このよ
うなリスクへの取組みの例として,製品含有化学物質管理における起こり得る不適合を除去するため
の予防処置,発生した不適合の分析,分析結果の反映などの再発防止のための取組みがある。
製品含有化学物質管理に関わる機会としては,例えば,新製品の研究開発,生産設備,情報システ
ムなどの新設・更新,新規の部品の採用,製品含有化学物質に関係する法規制の変更への対応などが
挙げられる。これらをいかして製品含有化学物質管理に取り組むことで,組織の顧客からの評価を高
め,製品含有化学物質規制に対応した製品を開発し,効率よく生産し続けることを可能にするような,
望ましい状況を生じることがある。機会への取組みには,関連するリスクを考慮することも含まれ得
る。

1 適用範囲

  この規格は,製品含有化学物質管理に取り組む各組織が,製品含有化学物質管理の有効性向上,伝達す
る製品含有化学物質情報の信頼性向上及び不適合の発生防止のための基礎を築けるように,設計・開発,
購買,製造及び引渡しの各段階における製品含有化学物質管理の原則及び指針を示す。
この規格は,化学品を製造及び販売する組織から,化学品及び/又は部品を組み合わせたり加工したり
して完成品を製造し,引渡しする組織までの製品含有化学物質管理を適用範囲とする。対象となる組織は,
化学物質,混合物,部品及び完成品のサプライチェーンに関わる全ての組織である。完成品使用後のリサ
イクル及び廃棄物処理に関わる組織は含まない。
組織が,この規格を参考とすることで,製品含有化学物質管理に主体的に取り組むことを可能とするこ
とを意図している。
この規格は,製品含有化学物質に関するマネジメントシステムの審査登録を意図していない。
注記1 対象となる組織は,その種類,成熟度及び規模を問わず,いわゆる,製造請負事業者,ファ
ブレス事業者,商社などを含む。
注記2 この規格の指針と既存のマネジメントシステム規格(JIS Q 9001:2015及びJIS Q 14001:2015)
とで関連する部分との対比を附属書Aに示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。

――――― [JIS Z 7201 pdf 6] ―――――

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Z 7201 : 2017
JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム−基本及び用語

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000によるほか,次による。
3.1
化学物質(chemical substance)
天然に存在するか,又は任意の製造工程において得られる元素及びその化合物。
3.2
混合物(mixture)
二つ以上の化学物質(3.1)を混合したもの。
注記 混合物の例として,塗料,インキ,合金のインゴット,はんだ,添加剤を含有する樹脂ペレッ
トなどがある。
3.3
成形品(article)
製造中に与えられた特定の形状,外見又はデザインが,その化学組成の果たす機能よりも,最終使用の
機能を大きく決定づけているもの。
注記 成形品の例として,金属の板材,歯車,集積回路,電気製品,輸送機器などがある。
3.4
化学品(chemicals)
化学物質(3.1)又は混合物(3.2)。
3.5
部品(part)
完成品(3.6)に至るまでの成形品(3.3)。
注記 部品の例として,次のようなものがある。
a) 化学品から初めて成形品へ変換された部品の例を次に示す。
− パーソナルコンピュータの例 : キーボードの一つのキー
− 電子機器の例 : 電話機用樹脂製ケース
− 輸送機器の例 : 自動車用ブレーキパッド
− 工作機器の例 : モータ用銅材
− 家具の例 : スプリング用鋼材
b) 部品を組み合わせて製造された部品の例を次に示す。
− パーソナルコンピュータの例 : パーソナルコンピュータのキーボード
− 電子機器の例 : 電話機用受話器
− 輸送機器の例 : 自動車用ブレーキ
− 工作機器の例 : 電動ドリル用モータ
− 家具の例 : ベッド用マット
3.6
完成品(end product)
化学品(3.4)及び/又は部品(3.5)を組み合わせたり,加工したりして製造した最終の成形品(3.3)。
注記 完成品の例として,次のようなものがある。

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− パーソナルコンピュータの例 : パーソナルコンピュータ
− 電子機器の例 : 電話機
− 輸送機器の例 : 自動車
− 工作機器の例 : 電動ドリル
− 家具の例 : ベッド
3.7
製品(product)
組織(3.8)が,その活動の結果として,顧客(3.10)に引き渡す化学品(3.4),部品(3.5)及び完成品
(3.6)。
注記 製品の包装に使用する包装材及び保護材もその製品に含める場合がある。
3.8
組織(organization)
責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつグループ。
3.9
供給者(supplier)
製品(3.7)を川下側に引き渡す組織(3.8)。
3.10
顧客(customer)
製品(3.7)を川上側から受け取る組織(3.8)。
注記 この規格では,消費者は顧客には含まない。
3.11
引渡し(delivery)
製品(3.7)を顧客(3.10)に送り出す行為。
注記1 JIS Q 9001:2015では,引渡しのほかに,類似の用語としてリリース(release)も使用されて
いるが,組織内部で次のプロセスに引き渡すことも含むため,この規格では製品を顧客に送
り出すことを示す用語として,引渡しを用いている。
注記2 引渡しを,出荷又は納品という場合もある。
注記3 引渡しをする組織には,商社を含む。
3.12
サプライチェーン(supply chain)
供給者(3.9)及び顧客(3.10)の連鎖。
3.13
製品含有化学物質(chemicals in products)
製品(3.7)中に含有されることが把握される化学物質(3.1)。
3.14
業界基準(industry standard)
各産業が構成する団体が作成し,かつ,公表している製品含有化学物質(3.13)の管理に関する基準。
3.15
製品含有化学物質管理基準(management criteria for chemicals in products)
製品含有化学物質(3.13)に関係する法規制及び業界基準(3.14)に基づいて,組織(3.8)が規定した

――――― [JIS Z 7201 pdf 8] ―――――

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基準。
注記 製品含有化学物質管理基準は,顧客から遵守する必要があると連絡された法規制及び組織と顧
客との間で合意した顧客の業界基準を含む。
3.16
製品含有化学物質情報(information of chemicals in products)
製品含有化学物質管理基準(3.15)で対象とした化学物質(3.1)に関わる情報。
3.17
トレーサビリティ(traceability)
製品(3.7)に関わる購買,製造及び引渡し(3.11)に関わる履歴が把握できる能力。
3.18
適合(conformity)
製品含有化学物質管理基準(3.15)を満たしていること。
3.19
不適合(nonconformity)
製品含有化学物質管理基準(3.15)を満たしていないこと。
3.20
利害関係者(interested party)
ある決定事項又は活動に,影響を与え得るか,その影響を受け得るか,又はその影響を受けると認識し
ている,個人又は組織(3.8)。
注記1 製品含有化学物質管理に関連する利害関係者の例として,顧客,供給者,外部委託先,行政,
組織内部の人々などが挙げられる。
注記2 “ステークホルダ”(stakeholder)という用語は,同じ概念を表す同義語である。
3.21
リスク(risk)
目的に対する不確かさの影響。
注記1 影響とは,期待されていることから,望ましい方向又は望ましくない方向にかい(乖)離す
ることをいう。
注記2 不確かさとは,事象,その結果又はその起こりやすさに関する,情報,理解又は知識に,た
とえ部分的にでも不備がある状態をいう。
注記3 リスクは,まだ発生していないが,将来発生する可能性が対象となる。また,専門的,統計
的及び科学的なリスクを意図していない。
注記4 リスクという用語は,広く一般に使われているが,各分野での概念が異なっていることがあ
る。この規格では,リスクは“化学物質リスク”とは区別し,製品含有化学物質管理に対す
る不確かさの影響を示す用語として用いる。
3.22
機会(opportunity)
組織の目的を達成するための取組みに都合の良い時機で,場合によっては,組織に望ましい影響をもた
らすもの。
注記 既に明らかになっている事象について,それを達成するのに有利な状況又は事態が対象となる。
リスクの反対の概念ではない。

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3.23
力量(competence)
意図した結果を達成するために,知識及び技能を適用する能力。

4 製品含有化学物質管理の原則

4.1 一般

  製品含有化学物質管理に関わる組織は,製品含有化学物質管理の原則を理解した上で,管理の仕組みを
構築し,実施し,維持し,パフォーマンス評価及び改善を行うことが重要である。製品含有化学物質管理
においても,PDCAサイクルによる管理が有効であり,リスクに基づく考え方を組み込んだサイクルを適
切に繰り返すことで,望ましくない影響の防止又は低減を,より確実かつ効率的に行うことが可能となる。

4.2 組織における製品含有化学物質管理

  製品含有化学物質管理は,製品含有化学物質管理基準を満たす製品を実現できるように,設計・開発,
購買,製造及び引渡しの各段階で次のとおり実施する。
a) 設計・開発段階では,製品含有化学物質管理基準を満たす製品を実現するために,自らの製品及び業
態に応じて購買,製造及び引渡しの各段階において実施すべき事項を考慮した上で,製品含有化学物
質に関わる管理基準を規定する。
b) 購買段階では,購買における製品含有化学物質に関わる管理基準に基づき供給者に発注し,供給者か
ら購買する製品の製品含有化学物質情報を入手し,購買における製品含有化学物質に関わる管理基準
を満たすように管理する。
c) 製造段階では,製造における製品含有化学物質に関わる管理基準に基づき,組成変化,濃度変化など
に着目して製品含有化学物質を管理する。
d) 引渡し段階では,引き渡す製品が製品含有化学物質管理基準を満足することを確認する。
注記 業態によっては,設計・開発,購買,製造及び引渡しの全ての段階があるとは限らない。

4.3 リスクに基づく製品含有化学物質管理

  サプライチェーンを構成する組織の製品及び業態は多種多様であり,製品含有化学物質管理上のリスク
の発生要因も様々なものが考えられる。各組織はその専門分野の知見をいかして,製品含有化学物質管理
上のリスクを特定し,分析し,評価して課題を明らかにし,適切な対策を講じリスクを防止又は低減し,
自らの製品含有化学物質管理を実践する。
製品含有化学物質管理上のリスクの発生要因としては,例として,化学物質に関わる法規制及び顧客に
おける製品含有化学物質管理基準の変更,外部から提供を受ける製品の製品含有化学物質の変化,誤使用,
汚染などが挙げられる。
注記 汚染には,例えば,生産設備,輸送容器などに残留した異物が混入することで生じる混入汚染,
生産設備,輸送容器などと接触することで,それらに含有された化学物質に汚染される接触に
よる移行汚染などがある。
リスクに基づく製品含有化学物質管理は,例えば,製品含有化学物質管理における起こり得る不適合を
除去するための予防処置を検討し実施する,発生した不適合を分析する,不適合の影響に対して適切な再
発防止のための取組みを行うことなどによって実践する。
各組織は,発生した際の問題の大きさと,その発生率を考慮し,業態に応じて,重点的な管理の必要な
項目を優先するなど適切かつ効率的な管理を考えることが重要である。

――――― [JIS Z 7201 pdf 10] ―――――

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JIS Z 7201:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 7201:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称