3
Z 8101-2 : 2015 (ISO 3534-2 : 2006)
1.1.6
名義尺度 めいぎしゃくど(nominal scale)
順序付けされていない名前をもつカテゴリーからなる,又は慣習的な順序をもつ尺度(1.1.3)。
例 国籍,色,車種,犬の血統,故障の種類。
注記1 名義尺度は,カテゴリーごとに数え上げることは可能だが,順序を付けたり,又は測定した
りすることはできない。
注記2 分類尺度と呼ぶこともある。
1.1.7
順序尺度 じゅんじょしゃくど(ordinal scale)
順序付けされた名前をもつカテゴリーからなる尺度(1.1.3)。
注記1 順序尺度と離散尺度(1.1.5)との区別は曖昧になることがある。非常に良い,良い,どちら
ともいえない,良くない,及び非常に良くないといった主観的意見の格付けを例えば1から
5までにコード化すると,順序尺度を離散尺度へ変換したようにみえる。しかし,1と2との
差異は,例えば,2と3との差異又は3と4との差異と等しくないであろうから,これらの
コードを通常の数として扱うのはよくない。これに対して,大きさによって客観的に順序付
けられたカテゴリー,例えば放出エネルギー量によって0から8までの範囲をもつリヒター
尺度(リヒター尺度は,地震で用いられるマグニチュードのことで,8以上の値もあるので8
は上限ではない。),離散尺度に同等にうまく関連付けることができる。
注記2 名義尺度(1.1.6)は,慣習的な順序をもつことがある。例えば,血液型ABOは,常にこの
順序で記される。もし,英字1文字が様々なカテゴリーを意味する場合には,同様なことが
起きる。すなわち,それらのカテゴリーは,慣例によってアルファベット順に順序付けられ
る。
1.1.8
間隔尺度 かんかくしゃくど(interval scale)
同じ大きさの間隔からなる値であり,任意のゼロ点をもつ,連続尺度(1.1.4)又は離散尺度(1.1.5)。
例 セルシウス温度,カ氏温度(JIS Z 8202-4参照)並びに日付及び時刻の表記(JIS X 0301参照)
注記 二つの値の間の差は,尺度(1.1.3)のゼロ点の変更によって影響を受けない。
1.1.9
比例尺度,比尺度 ひれいしゃくど,ひしゃくど(ratio scale,proportional scale)
同じ大きさの間隔からなる値,及び絶対ゼロ点又は自然なゼロ点をもつ,連続尺度(1.1.4)。
例 質量(JIS Z 8202-3参照),長さ(JIS Z 8202-1参照)
注記 二つの値の比は,尺度(1.1.3)の単位(1.2.14)の変更によって影響を受けない。
1.2 データの背景
1.2.1
母集団 ぼしゅうだん(population)
<参照(reference)> 検討の対象とするアイテム(1.2.11)の全体。
注記1 母集団は,実在する場合及び仮想的な場合があり,更に有限の場合及び無限の場合がある。
注記2 有限で実在する母集団からのサンプリング(1.3.1)を拡張することによって,実際の相対頻
度又は頻度の分布(2.5.1)を考えることができる。この代わりに,又はここから考えて,確
率分布に基づく仮説的な母集団の理論的なモデルを導くことができる。これによって予測が
――――― [JIS Z 8101-2 pdf 6] ―――――
4
Z 8101-2 : 2015 (ISO 3534-2 : 2006)
可能になる。
注記3 母集団は,現在進行中のプロセスの結果で,将来の結果を含む場合がある。
注記4 母集団は,区別できる対象物,又はバルクマテリアルからなる。
注記5 < >の記号は,一つの用語が複数の概念を表す場合に,それぞれの概念が関係する主題又
は分野を表示して対象を限定し,区別するために用いる。ここで“参照(reference)”とある
のは,このpopulationの定義はデータの参照のために用いられる母集団の意味に限定される
こと,例えば人口(population)の意味は含まれないことを意味している。
1.2.2
(母集団)パラメータ,母数 (ぼしゅうだん)ぱらめーた,ぼすう(population parameter)
母集団(1.2.1)のある特性(1.1.1)の値を要約するための量。
例 母平均を 母標準偏差を
注記 母集団パラメータの記号は,通常ギリシャ文字の小文字の斜体が用いられる。
1.2.3
部分母集団 ぶぶんぼしゅうだん(sub-population)
母集団(1.2.1)の部分。
1.2.4
ロット ろっと(lot)
サンプリングの対象となる母集団(1.2.1)として本質的に同じ条件で構成された,母集団の明確に分け
られた部分。
注記1 サンプリングの目的には,例えばロットの合否を決定すること,ある特性(1.1.1)の母平均
を推定することなどが挙げられる。
注記2 通常は,“等しい条件下で生産され,又は生産されたと思われるものの集まり”と解釈してよ
い。
1.2.5
孤立ロット こりつろっと(isolated lot)
複数のロット(1.2.4)が一つの系列をなしているときに,以前はその系列を形成していたが,現在の系
列の一部になっていないロット。
1.2.6
孤立したロット系列 こりつしたろっとけいれつ(isolated sequence of lots)
大きな系列の一部をなしていない,又は連続工程で生産された一部になっていない,連続したひとまと
まりのロット(1.2.4)。
1.2.7
特異ロット とくいろっと(unique lot)
そのロット(1.2.4)に固有の条件で形成され,通常のロットの系列の一部になっていないロット。
1.2.8
パイロットロット ぱいろっとろっと(pilot lot)
情報及び経験を得るために通常のロット(1.2.4)の系列に先だって生成されるサイズの小さいロット。
1.2.9
再提出されたロット さいていしゅつされたろっと(re-submitted lot)
以前に不合格になり,その後に追加の処理,試験,選別,再作業などを経て検査(4.1.2)のために再び
――――― [JIS Z 8101-2 pdf 7] ―――――
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Z 8101-2 : 2015 (ISO 3534-2 : 2006)
提出されたロット(1.2.4)。
1.2.10
部分ロット ぶぶんろっと(sub-lot)
ロット(1.2.4)の明確に分けられた部分。
1.2.11
アイテム あいてむ(item,entity)
別々に,記述及び検討することができるもの。
例 個々の形のあるもの,バルクマテリアルの一定量,サービス(1.2.33),活動,人,システム,又
はこれらの組合せ。
注記1 サンプリング単位(1.2.14)を参照。
注記2 英語で表記する場合,この意味で,objectという用語は用いないほうがよい。
注記3 “個々の形のあるもの”は,“単位体”と呼んでもよい。
1.2.12
不適合アイテム,不適合品 ふてきごうあいてむ,ふてきごうひん(nonconforming item)
一つ以上不適合(3.1.11)があるアイテム(1.2.11)。
1.2.13
不良アイテム,不良品 ふりょうあいてむ,ふりょうひん(defective item)
一つ以上欠陥(3.1.12)があるアイテム(1.2.11)。
1.2.14
サンプリング単位,抽出単位,単位 さんぷりんぐたんい,ちゅうしゅつたんい,たんい(sampling unit,
unit)
母集団(1.2.1)を実質的に最小単位に分割したものの一つ。
注記1 サンプリング単位は,一箱のマッチのように一つ以上のアイテムを含んでいてもよいが,一
つのサンプリング単位から得られる測定結果(3.4.2)は,一つである。
注記2 サンプリング単位は,複数個の離散的なアイテムでよいし,バルクマテリアルの一定量でも
よい。
注記3 サンプリング単位<バルクマテリアル>は,5.1.4を参照。
注記4 母集団を構成する単位,一つの場所から一度に取られサンプルを構成するもの。
1.2.15
不適合単位 ふてきごうたんい(nonconforming unit)
一つ以上不適合(3.1.11)がある単位(1.2.14)。
1.2.16
不良単位 ふりょうたんい(defective unit)
一つ以上欠陥(3.1.12)がある単位(1.2.14)。
1.2.17
サンプル,試料,標本,資料 さんぷる,しりょう,ひょうほん,しりょう(sample)
一つ以上のサンプリング単位(1.2.14)からなる母集団(1.2.1)の部分集合。
注記 サンプルの採り方には,種々のランダムな場合及び種々のランダムでない場合の多くの場合が
予想される。偏りのあるサンプリング(1.3.1)は,多くの分野(例えば,奇形児の出生によっ
て検知された家系のヒトの遺伝子)で不可避であり,偏りのあるサンプリングによって得られ
――――― [JIS Z 8101-2 pdf 8] ―――――
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たデータの集まりも,またサンプルである。調査のためのサンプリング(1.3.18)では,サンプ
リング単位は,しばしば既知の変数の値に比例した確率で採られ,偏りのあるサンプルをもた
らす。
1.2.18
標本統計量 ひょうほんとうけいりょう(sample statistic)
一つのサンプル(1.2.17)から得られる複数の観測値(3.2.8)を要約した量。
注記1 標本統計量(確率変数)の記号はローマ字の大文字の斜体(例えば,X及びS)が用いられ
るが,標本統計量の実現値(観測値)の記号はローマ字の小文字の斜体(例えば,x及びs)
が用いられる。これは,母集団パラメータ(1.2.2)の記号にギリシャ文字の小文字の斜体(例
えば, び が用いられているのと対照的である。
注記2 観測値を結合して一つの試験結果(3.4.1)又は測定結果(3.4.2)になることがある。例えば,
円柱の密度は,長さ,直径及び質量の観測値の結合である。
1.2.19
サブサンプル,部分標本 さぶさんぷる,ぶぶんひょうほん(subsample)
サンプル(1.2.17)の選ばれた部分。
注記 もとのサンプルが採られたのと同じ方法でサンプルからサブサンプルを採ってもよい。ただし,
そうである必要はない。
1.2.20
重複サンプル,重複標本 ちょうふくさんぷる,ちょうふくひょうほん(duplicate sample)
同時に,同じサンプリング方法又は同じサンプル分割方法で別々に得られた二つ以上のサンプル(1.2.17),
又はサブサンプル(1.2.19)の一つ。
1.2.21
一次サンプル,一次標本,主標本 いちじさんぷる,いちじひょうほん,しゅひょうほん(primary sample)
多段サンプリング(1.3.10)の第一段階で採られたサンプル(1.2.17)。
1.2.22
二次サンプル,二次標本,副次標本 にじさんぷる,にじひょうほん,ふくじひょうほん(secondary sample)
多段サンプリング(1.3.10)の第二段階で,一次サンプル(1.2.21)から採られたサンプル(1.2.17)。
注記 この定義は,第k段階(k>2)に拡張できる。
1.2.23
最終サンプル,最終標本 さいしゅうさんぷる,さいしゅうひょうほん(final sample)
多段サンプリング(1.3.10)の最終段階で採られたサンプル(1.2.17)。
1.2.24
単純ランダムサンプル,単純無作為標本 たんじゅんらんだむさんぷる,たんじゅんむさくいひょうほん
(simple random sample)
単純ランダムサンプリング(1.3.4)によって採られたサンプル(1.2.17)。
1.2.25
ランダムサンプル,無作為標本 らんだむさんぷる,むさくいひょうほん(random sample)
ランダムサンプリング(1.3.5)によって採られたサンプル(1.2.17)。
注記 JIS Z 8101-1で定義されたランダムサンプルが理論的な概念であるのに対し,この定義は実在
するサンプルに関する定義である。
――――― [JIS Z 8101-2 pdf 9] ―――――
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Z 8101-2 : 2015 (ISO 3534-2 : 2006)
1.2.26
サンプルサイズ,サンプルの大きさ,標本の大きさ さんぷるさいず,さんぷるのおおきさ,ひょうほん
のおおきさ(sample size)
一つのサンプル(1.2.17)中のサンプリング単位(1.2.14)の数。
注記 多段サンプルの場合は,サンプリング(1.3.1)の最終段階におけるサンプリング単位(1.2.14)
の総数がサンプルサイズである。
1.2.27
サンプリングフレーム,標本枠 さんぷりんぐふれーむ,ひょうほんわく(sampling frame)
サンプリング単位(1.2.14)の全体のリスト。
例 ある倉庫の中の部品の全目録,ある船の中の羊毛の包みの積荷目録,買掛金勘定の日程表など。
注記 サンプリングフレーム又は“サンプリングされた母集団(1.2.1)”が“目的の母集団”と一致し
ないことがある。例えば,ある地域での成人集団を表すサンプリングフレームとして選挙人名
簿が用いられることがある。選挙人名簿がその成人集団と完全に一致することは,まずあり得
ないことである。
1.2.28
クラスター,集落 くらすたー,しゅうらく(cluster)
ある方法で母集団(1.2.1)を互いに排反なサンプリング単位(1.2.14)からなるグループに分けたとき
の母集団の部分。
注記 クラスター(1.2.28)と層(1.2.29)とは,母集団を互いに排反でその全体が母集団に一致する
部分母集団(1.2.3)である点は共通である。ただし,層は,目的とする特性に関して,層内が
より均一になるように層を設定することに対し,クラスターは,目的とする特性に関して,ク
ラスター間の差が小さくなるように,クラスター内のばらつきが大きくなるように設定すると
ころが異なっている。
1.2.29
層 そう(stratum)
調べている特性(1.1.1)に関して母集団(1.2.1)全体より均一と考えられる,互いに排反でその全体が
母集団に一致する部分母集団(1.2.3)。
例 バルクサンプリング(1.3.2)では,主として時間,質量及び空間に基づいた層が用いられる。
− 生産時間間隔(例えば,15分ごと)
− 生産量(例えば,100 tごと)
− 貨物船,貨車及びコンテナ
注記1 英語では,stratum(層)の複数形はstrataである。
注記2 クラスター(1.2.28)と層(1.2.29)とは,母集団を互いに排反でその全体が母集団に一致す
る部分母集団(1.2.3)である点は共通である。ただし,層は,目的とする特性に関して,層
内がより均一になるように層を設定することに対し,クラスターは,目的とする特性に関し
て,クラスター間の差が小さくなるように,クラスター内のばらつきは大きくなるように設
定するところが異なっている。
1.2.30
層別,層化 そうべつ,そうか(stratification)
母集団(1.2.1)を層(1.2.29)に分ける分割。
――――― [JIS Z 8101-2 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8101-2:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3534-2:2006(IDT)
JIS Z 8101-2:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)