JIS Z 8115:2019 ディペンダビリティ(総合信頼性)用語 | ページ 3

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Z 8115 : 2019
番号 用語 定義 参考
対応英語 関連情報
192-01-22 ディペンダビ dependability,
アイテムが,要求されたときに,その要求どおりに遂 (R1)
リティ, 行するための能力。 <of an item>
総合信頼性 注記1 ディペンダビリティすなわち総合信頼性は,
“アベイラビリティ”(192-01-23),“信頼性”
(192-01-24),“回復性”(192-01-25),“保全性”
(192-01-27),及び“保全支援性能”(192-01-29)
を含む。適用によっては, (192-01-21),
“耐久性”
安全性及びセキュリティのような他の特性を
含むことがある。
注記2 ディペンダビリティは,アイテムの時間に関係
する品質特性に対する,包括的な用語として用
いられる。
注記3 ディペンダビリティを阻害する要因は故障,エ
ラー,フォールトなどである。
注記4 ディペンダビリティを実現する手段には,フォ
ールトプリベンション,フォールトトレラン
ス,フォールトリムーバル及びフォールトフォ
アキャスティングがある。
注記5 この用語は,ソフトウェア自体ではなく,ソフ
トウェアを含むシステム又は製品に適用する。
ソフトウェアではシステムの要素からなる製
品又はサブシステムのディペンダビリティの
ソフトウェア的側面として扱われる。
注記6 附属書JC及び附属書JF参照。
192-01-23 アベイラビリ availability, <of
要求どおりに遂行できる状態にあるアイテムの能力。 (A1)
ティ 注記1 アベイラビリティは,アイテムの“信頼性” an item>
(192-01-24),“回復性”(192-01-25)及び“保
全性”(192-01-27)を組み合せた特性,並びに
“保全支援性能”(192-01-29)に依存する。
注記2 遂行できる状態には,動作状態,アイドル状態
及び/又はスタンバイ状態を含む場合がある。
注記3 ハードウェア及びソフトウェアから構成され
る製品のアベイラビリティは,運用上の必要事
項を考慮して定義される。すなわち,アベイラ
ビリティとは要求された外部資源が用意され
たと仮定したとき,アイテムが与えられた条件
で,与えられた時点又は期間中に,要求機能を
実行できる状態にある能力である。
注記4 保全支援以外に必要となる外部資源は,アイテ
ムのアベイラビリティ能力には関係しない。
注記5 アベイラビリティは,分類h) 192-08 : アベイ
ラビリティ(概念及び尺度)の尺度で定量化し
得る。
注記6 Aを適切な尺度で数量化された“アベイラビリ
ティ”とすれば,1-Aを“アンアベイラビリテ
ィ”と呼ぶ。
注記7 アベイラビリティの用語として“可用性”,“可
動率”又は“稼働率”も用いられる。
注記8 附属書JC及び附属書JF参照。

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番号 用語 定義 参考
対応英語 関連情報
192-01-24 信頼性 (R3)
アイテムが,与えられた条件の下で,与えられた期間, reliability, <of an
故障せずに,要求どおりに遂行できる能力。 item>
注記1 持続時間間隔は,例えば暦時間,動作サイクル,
走行距離などのような,当該アイテムに適切な
単位で表現されてもよく,かつ,当該単位は常
に明確に記載することが望ましい。
注記2 与えられた条件には,動作モード,ストレス水
準,環境条件及び保全のような,信頼性に影響
する側面が含まれる。
注記3 一般的には,使用期間の始点で,要求機能が遂
行できる状態にあることを仮定する。
注記4 信頼性は分類e) 192-05(信頼性性能)の尺度で
定量化し得る。
注記5 ソフトウェアアイテムの場合,信頼性は系の運
用経過時間中に発生する故障要因の修正及び
変更で改善が進み,一般的には,信頼度は経過
時間とともに向上していく[信頼性成長
(192-12-03)参照]。
注記6 ソフトウェア信頼性は,特定条件下で使用する
ときのある性能を維持する能力を指す場合が
ある。
注記7 附属書JC及び附属書JF参照。
192-01-25 回復性, recoverability,
アイテムが事後保全を実施せずに,故障から回復する
復帰性 能力。 <of an item>
注記1 回復する能力は外部からの介在を必要とする,
しないに関わらない。外部からの介在を必要と
しない回復に関しては,“自己回復性”
(192-01-26)参照。
注記2 回復性は,規定の期間内に回復する確率などで
表される尺度を用いて定量化できる。
注記3 回復性の例として,コンデンサ,配線用遮断器,
ネットワーク,EMC 又は電磁両立性がある。
注記4 “回復可能性”,“復帰可能性”ということもあ
る。
192-01-26 自己回復性, self-
アイテムが外部からの介在なしに,故障から回復する
自己復帰性 能力。 recoverability,
<of an item>
注記1 自己回復性は,“回復性”(192-01-25)の特別な
場合である。
注記2 “自己回復可能性”又は“自己復帰可能性”と
いうこともある。

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192-01-27 保全性 (MM1)
maintainability,
与えられた運用及び保全条件の下で,アイテムが要求
どおりに遂行できる状態に保持されるか,又は修復さ<of an item>
れる能力。
注記1 与えられた状態は,保全性に影響する局面を含
む。例えば,保全の場所,アクセシビリティ(接
近性),保全手順,保守資源など。
注記2 保全性は,分類g) 192-07 : 保全性性能及び保全
支援(尺度)の尺度で定量化し得る。
注記3 ソフトウェアアイテムの場合には,“保守性”
と表現し,故障要因を修正したり,性能及びそ
の他の特性を改善したり,環境の変化に合わせ
たりすることの容易さを表す数値化できない
用語として用いられる場合がある。
注記4 ソフトウェアアイテムを変更し得る能力を指
す。この変更は,修正,改善及び系の環境変化
への対応,並びに要求事項及び機能仕様に適合
させることを含む。
注記5 “整備性”ということもある。
注記6 附属書JC参照。
192-01-28 保全支援 アイテムを維持するための資源の供給。 maintenance
support
注記 資源には,人的資源,支援機器,材料及び予備品,
保全設備,文書及び情報並びに保全情報システムを含
む。
192-01-29 保全支援性能, 保全支援に関する組織の有効性。 maintenance (MM2)
保全支援能力 注記 保全支援性能は,分類g) 192-07 : 保全性性能及support
び保全支援(尺度)の尺度で定量化し得る。 performance
192-01-30 integrated logistic
統合補給支援, アイテムの運用及び保全に対する要求を満足させるた
ILS support, <of an
めに必要となる,全ての材料及び資源の提供を決定し,
調整するための管理プロセス。 item>;
ILS
192-01-31 支援性 supportability,
アイテムの規定された運用プロファイル並びに補給資
源及び保全資源の下で,要求されるアベイラビリティ<of an item>
を維持するための支援能力。
注記1 アイテムの支援性は,要求される保全支援及び
補給提供をしやすくするようなアイテムへの
外部要因と結び付いた固有の“保全性”
(192-01-27)から帰結される。
注記2 支援性はディペンダビリティすなわち総合信
頼性の特性に含まれることがある。
192-01-32 システムソフ system software
アプリケーションソフトウェアの実行を支援するアプ ISO/IEC
トウェア リケーションに依存しないソフトウェア。 2382-1:
注記1 例えば,コンピュータ オペレーティングシス 1993
テムのソフトウェア。
注記2 附属書JC及び附属書JD参照。
192-01-33 アプリケーシ 利用者に直接サービスを提供するソフトウェア。 application ISO/IEC
ョンソフト 注記1 例えば,文書処理,表計算,データベースのソsoftware 2382-1:
ウェア フトウェア。 1993
注記2 附属書JC参照。

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番号 用語 定義 参考
対応英語 関連情報
192-01-34 コンピュータ computer
データ上で規定された論理的及び数学的演算を実行す ISO/IEC
プログラム るためにコード化された指示(命令)の集合。 program 2382-1:
注記 附属書JC参照。 1993
192-01-35 ファームウェ 読み出し専用メモリに内蔵されるソフトウェア。 firmware ISO/IEC
ア 注記1 例えば,パーソナルコンピュータの基本入力/ 2382-1:
出力システム(BIOS)。 1993
注記2 通常,ファームウェアは修正を意図しないが,
入替え又は再プログラムされたファームウェ
アが収容されたハードウェアデバイスが必要
となる。
注記3 附属書JC参照。
192-01-36 組込みソフト embedded
システムに内蔵された,計算することを主目的としな ISO/IEC
ウェア いソフトウェア。 software 2382-1:
注記1 例えば,自動車のエンジン管理システム及びブ 1993
レーキ制御システム中のソフトウェア。
注記2 附属書JC参照。
192J-01-101 保全実施単位 保全活動の観点からのシステムの区分水準。 indenture level(MA5)
注記 “実施単位”(192-01-05)参照。 from the
maintenance
perspective
192J-01-102 elementary
保全作業要素 規定の保全実施単位での保全の遂行のために,保全活 (MA21)
動を分解した場合の保全作業の最小単位。 maintenance
注記 “実施単位”(192-01-05)参照。 activity
192J-01-103 修理システ (G2)
repairable system
運用開始後,保全によって故障の修理が可能なシステ
ム, ム。
修理系 注記1 ある条件の下では修理システムであっても,他
の条件の下では“非修理システム”
(192J-01-104)になることがある。
注記2 “修理アイテム”(192-01-11)参照。
192J-01-104 非修理システ non-repairable
運用開始後,故障が起こっても修理不可能か,又は修 (G2 備
ム, 理可能でも修理しないシステム。 system 考2)
非修理系 注記 “非修理アイテム”(192-01-12)参照。
192J-01-105 機能モード アイテムのもつ実行できる全機能の中の一部。 functional mode(G7)
192J-01-106 優美縮退 graceful
階層構造のアイテムにおいて,故障が発生した下位ア (ST13)
イテムを順次切り離すことによって,アイテム中のよdegradation
り重要な機能を存続させること。
注記1 優美縮退状態は下位の階層のフォールトの結
果のことがある。
注記2 アイテム全体から見た各下位アイテムの機能
の重要度をあらかじめ分類しておく。
注記3 “縮退”ともいう。
注記4 “劣化”(192-01-20)の結果として優美縮退が
生じることがある。
192J-01-107 頑健性, アイテムが無効な入力又はストレスとなる環境条件robustness (G17)
ロバストネス で,正しく機能を遂行できる度合。

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Z 8115 : 2019
番号 用語 定義 参考
対応英語 関連情報
192J-01-108 ストレス stress
アイテムが受ける影響で,その振る舞いに関わるもの。 (G10)
注記1 ストレスを加えても,信頼性は必ずしも低減し
ない。
注記2 環境に関わる影響(温度,湿度,気圧など)を
環境ストレス,アイテムの動作に関わる影響
(電圧,電流,機械的応力など)を動作ストレ
スと呼ぶことがある。
注記3 影響を及ぼす根源(エネルギーなど)によって,
機械的ストレス,電気的ストレス,熱的ストレ
ス,化学的ストレスなどと呼ぶことがある。
192J-01-109 信頼性特性値 数量的に表した信頼性の尺度。 reliability (R5)
注記1 信頼度,故障率,故障強度,平均寿命,MTTF,characteristics
MTBF,アベイラビリティなどを総称する。
注記2 “信頼性”(192-01-24)参照。
192J-01-110 有効性 (G13)
effectiveness, <of
与えられた定量的特性の任務要求を満たすアイテムの
能力。 an item>
注記1 この能力は,アイテムの“アベイラビリティ”
(192-01-23)と“ケーパビリティ”
(192J-102-07)との両方に依存する。
注記2 ソフトウェアを含むシステム及び製品にも適
用されるが,その場合は,能力は他の部品又は
サブシステムとともにそのシステム及び製品
のもつ信頼性として検討し,取り扱う。
注記3 “有効度”とは,有効性について数量で評価し
た場合をいい,有効性の尺度である。
注記4 附属書JC参照。
192J-01-111 システム有効 system
システムが規定の任務を達成すると期待される尺度。 (G14)
度 信頼度,アベイラビリティ,能力などの関数として表effectiveness
す。
192J-01-112 cost effectiveness
コスト有効度 システム有効度を,システムのライフサイクルで必要 (G15)
となる費用の総額で除した値。
192J-01-113 事象率 事象の単位時間当たりの発生確率。 event rate
注記1 アイテムのある状態から異なる状態への遷移
を事象という。
注記2 アイテムのある時間幅をもつ有様を状態とい
う。
注記3 アイテムが動作可能状態からフォールト状態
に遷移する場合の事象率は,故障率となる。
192J-01-114 事象頻度 事象の単位時間当たりの発生回数の統計的期待値。event frequency
注記 アイテムのある時刻における事象率をλ(t)(1/h),
事象頻度をω(t)(1/h),時刻tでの状態の確率を
PA(t)とすれば,ω(t)=PA(t) λ(t)と表すことができ
る。

――――― [JIS Z 8115 pdf 15] ―――――

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JIS Z 8115:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60050-192:2015(MOD)
  • IEC 60050-192:2015/AMENDMENT 1:2016(MOD)

JIS Z 8115:2019の国際規格 ICS 分類一覧