JIS Z 8121:1967 規格概要
この規格 Z8121は、オペレーションズリサーチに用いられるおもな用語と,その読み方および意味について規定。
JISZ8121 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8121
- 規格名称
- オペレーションズリサーチ用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms used in operations research
- 制定年月日
- 1967年3月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.03, 03.120.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1967-03-01 制定日, 1969-10-01 確認日, 1975-11-01 確認日, 1978-12-01 確認日, 1984-02-01 確認日, 1989-02-01 確認日, 1994-02-01 確認日, 2000-01-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS Z 8121:1967 PDF [36]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8121-1967
オペレーションズリサーチ用語
Glossary of Terms Used in Operations Research
1. 総則
1.1 適用範囲この規格は,オペレーションズリサーチに用いられるおもな用語と,その読み方および意
味について規定する。
なお,参考のために対応英語を示す。
1.2 分類オペレーションズリサーチ用語を,つぎの9部門に分ける。
A オペレーションズリサーチ一般
B 在庫理論
C 投資取替理論
D 数理計画法
E 日程計画法
F 待ち行列理論
G シミュレーション
H ゲーム理論
I 情報・探索理論
2. オペレーションズリサーチ用語 おもな用語について,つぎのように定める。
備考 二つ以上の用語を並べた場合は,その順位にしたがって優先使用する。
(A) 一般
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
A1 オペレーションズ operations research
科学的方法および用具を体系の運営方策
リサーチ, に関する問題に適用して方策の決定者に問(米),
運営研究 うんえいけ 題の解を提供する技術。 operational research
んきゅう 第2次大戦中,米英の戦略,作戦,武器 (英)
に関する軍の研究に理工学者,心理学者,
経営学者などが参加して,問題の解決に協
力したのにはじまる。
戦後は軍ばかりでなく,一般の官庁や会
社においてもこの方法がとりあげられるよ
うになった。その特色は,多方面の専門家
の協力によって多面的な立場から計量的に
問題の解決をはかるという点にある。
A2 経営科学 けいえいか management science
経営管理上の問題(たとえば生産計画販売
がく 政策,在庫管理などの問題)に対する解答
を科学的に見いだすための原理および手法
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番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
の体系。
A3 科学的管理(法) かがくてき scielntific
広義には,近代科学に特徴的な諸方法と
かんり(ほ される調査,分析および測定などに基礎をmanagement
う) おく作業管理。
科学的管理法は成行管理(drifting
manage-ment;伝統,推察に頼る管理)に対
立する用語である。
狭義には,テイラー(F. W. Taylor(米)
18561915)が提唱した管理制度,すなわ
ちテイラーシステム (Taylor system) をさ
す。その特徴は,作業研究,時間研究に基
づいて,1日の公平な仕事量 (a fair day's
work) を決めて管理する工員の課業管理
(task management) であった。
A4 行動科学 こうどうか 人間の集団の行動を主として統計的およbehavioral science
がく び数量的方法により研究する学問的立場。
英語では,単数でbehavioral scienceとい
うのが行動科学で,複数でbehavioral
sciencesというときは行動諸科学と訳され,
心理学,社会学,文化人類学などの総称で
ある。
A5 人間工学 にんげんこ human engineering
機械の設計,作業方法および作業環境の
うがく 設定などを人間の能力や限界に合うように(米),
決める技術。 ergonomics(英)
A6 サイバネティック cyberneticws
人間の行動における神経,感覚などの機
ス 能と機械における通信と制御の機能とを統
一的,総合的に取り扱う科学。
A7 サーボ機構 さーぼきこ servo-mechanism
制御対象となる装置の入力が任意に変化
う するとき,その出力をあらかじめ設定され
た目標値に自動的に追従させる機構。
A8 体系 たいけい system
多種の構成要素が有機的な秩序を保ち,
同一目的に向かって行動するもの。
特に人間の機能を構成要素とする体系を
組織 (organization) という。大きい体系の一
部分となっている体系を部分体系
(subsystem) という。
A9 体系工学 たいけいこ system (s)
体系の目的を最もよく達成するために,
うがく 対象となる体系の構成要素,組織構造,情engineering
報の流れ,制御機構などを分析し設計する
技術。
A10 人間機械系 にんげんき man-machine system
人間および人間が操作する装置や機械類
かいけい を構成要素とする体系。
A11 情報処理体系 じょうほう information system
情報の収集,整理,保管,検索および伝
しょりたい 達のための体系。
けい 通信系 (communication system) は情報伝
達のための系であり,情報処理体系の一部
である。
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番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
A12 定式化 ていしきか formulation
問題の条件,目的および評価の尺度を明
らかにして,検討の範囲を限定すること。
オペレーションズリサーチの手順は,つ
ぎのように考えられる。
A13 模型 もけい 主題を画像(たとえば図面・写真など)model
や記号(たとえば楽譜・数式など),あるい
は類似現象を用いて表現したもの。
模型は,その表現様式によって画像模型
(iconic model)・記号模型 (symbolic model)・
類似模型 (analogue model) などといわれて
いる。
また,質的模型 (qualitative model)・量的模
型 (quantitative model) に分けることもあ
る。
記号模型の中で特に数学記号を用いたも
のを数学模型 (mathematical model) という。
A14 確率的模型 かくりつて 確率変数を含む数学模型。 stochastic model
きもけい 確率変数を含まない数学模型は,確定的
模型 (deterministic model) という。
A15 構造分析 こうぞうぶ 体系を構成する各部門の相互関係およびstructure anaiysis
んせき 全体対する関係を明らかにすること。
たとえば,経済現象の量的な関係を定式
化した需要関数,供給関数を求めることや,
産業連関分析はその一例である。
A16 産業連関分析 さんぎょう input-output analysis
国民経済の各部門間の相互依存関係を表
れんかんぶ わす一覧表(産業連関表)に基づく分析。
んせき, 表1 産業連関表の模型
投入産出分析 とうにゅう
さんしゅつ
ぶんせき
表2 投入係数表
たとえば表1の工業では,その産出量200
を生産するためにどの部門の生産物を原料
として投入したかはその縦列に示され,農
業製品を30,工業製品を80,サービスを50
必要としたことがわかる。これらを産出量
200で割ったのが工業部門の投入係数であ
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番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
る。この投入係数表は,経済予測や経済計
画などに用いられる。
A17 目的関数 もくてきか 目的達成の評価の尺度(たとえば総費 objective function
んすう 用・利潤率・投下資本率など)が,関連す
る諸変量に対してどのような関係にあるか
を示す式。
A18 費用関数 ひようかん cost function
費用が,関連する諸変量に対してどのよ
すう うな関係にあるかを示す関数。
A19 最適化 さいてきか optimization
体系の目的を,与えられた環境・条件の
もとで最もよく達成させること。
A20 損益分岐点 そんえきぶ break-even point
生産量または販売量に対して引いた費用
んきてん の線と収益の線とが交差する点。
損益分岐点よりも生産量または販売量が
大きければ費用よりも収益が大きく,小さ
ければ逆になる。すなわち,この点が損失
と収益との分かれ目となる。
A21 グラフ理論 ぐらふりろ theory of graphs
グラフ(点と線の集り)に関する統一的
ん な数学理論。
ここでいうグラフは統計図表のようなも
のではなく,たとえば社会学におけるソシ
オグラム,通信における通信網など広範な
ものを含み,グラフ理論もゲーム理論,線
形計画法,ネットワーク問題などに広い応
用がある。
A22 発見的プログラム はっけんて heuristic program
いくつかの解のうちの最適のものを,電
きぷろぐら 子計算機で試行錯誤的に求めさせる方法。
む
A23 情報検索 じょうほう information retrieval
何らかの形で記録されている情報の集り
けんさく の中から必要な情報を見いだし,取り出す
こと。
備考 IRと略することが多い。
A24 媒体計画 ばいたいけ media Plan
広告を伝達する媒体(新聞・雑誌・テレ
いかく ビ・ラジオなど)の使用割合およびスケジ
ュールを計画すること。
媒体の組合せを媒体ミックス (media
mix) という。媒体計画のねらいは,費用が
少なく,広告効果の大きい媒体ミックスを
求めることである。
A25 物的流通管理 ぶってきり physical distribution
原材料・製品の輸送,保管,荷造,荷役な
ゅうつうか どを総合して行なう管理。 management
んり
A26 需要予測 じゅようよ 財貨またはサービスの需要量の予測。 demand forecasting
そく 需要予測の方法には選好度調査,時系列
分析法,計量模型法などがある。
dX およびdX
A27 弾力性分析 だんりょく 二つの変量X, Yの変化率 X X analysis of elasticity
せいぶんせ の比を用いて問題としている一方の変量の
き 変動を分析すること。
YのXに関する弾力性係数は,つぎの式
で定義される。
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番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
dY dX dY Y
Y X dX X
たとえば,所得Xが10%増加したのに対
して需要Yが8%増加したとすれば,需要の
所得弾力性係数 =0.08/0.10) であ
る。 ラス (+) にもマイナス (−)
にもなりうる。
合は弾力性大,または弾力的であるといい,
1より小さい場合は弾力性小,または非弾力
的であるという。
A28 時系列分析 じけいれつ time series analysis
経済統計・気象統計など時間とともに推
ぶんせき 移する変量の系列の構造を分析すること。
時系列分析では傾向変動,循環変動,季
節変動,偶然変動に分けて分析を行なうの
が普通である。
A29 季節変動 きせつへん 1か年を周期とする変動。 seasonal variation
どう たとえば,日銀券発行高,百貨店売上高,
一般財政の対民間収支などは季節変動が大
きい。
A30 季節変動指数 きせつへん 季節変動を表わす指数。 index of seasonal
どうしすう 季節変動指数の計算法には,月別平均法,variation
移動平均法,連環比率法およびフーリエ級
数法などがある。
A31 移動平均法 いどうへい 時系列の各項に対し,それを中心とするmethod of moving
きんほう 前後一定項数の平均値を計算し,この平均 averages
値をつらねて傾向線を求める方法。
たとえば月別指数Y1, Y2, ···,Ynの3か月
移動平均値は
Y1 Y2 Y3
y2
3
Y2 Y3 Y4
y3
3
···············
Yn 2 Yn 1 Yn
yn 1
3
である。
各項に重みをつけて平均する場合は,加
重移動平均法と呼ばれる。
A32 指数平滑法 しすうへい exponential
ブラウン (R. G. Brown) により始められ
かつほう た移動平均法の一種。 smoothing
たとえばt月の需要量をX (t) とすると
X (t) は
き,指数平滑法による平均需要量
t
X)( X(t) 1( ) X(t )1
で求められる。ここに 0< 懿 1の範囲
内に適当に定めた定数である。
――――― [JIS Z 8121 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8121:1967の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)