JIS Z 8141:2022 生産管理用語 | ページ 7

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Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6113 TPM total productive
生産システムの効率化を極限まで追求(総合的効率化)をする企業の体
maintenance
質づくりを目標にして,生産システムのライフサイクルを対象とし,“災
害ゼロ·不良ゼロ·故障ゼロ”などあらゆるロスを未然防止する仕組み
を現場·現物で構築し,生産部門をはじめ,開発,営業,管理などの全部
門にわたって,トップから第一線従業員に至るまで全員が参加し,重複
小集団活動によって,ロス·ゼロを達成する生産革新活動
6114 設備の7大ロ 設備の効率化を阻害するロスで,一般的に1故障,2段取·調整,3刃
ス 具交換,4立上がり,5チョコ停·空転,6速度低下,7不良·手直しの
七つのこと
2) 保全
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6201 設備保全 equipment
設備性能を維持するために,設備の劣化防止,劣化測定及び劣化回復の
maintenance
諸機能を担う,日常的又は定期的な計画,点検,検査,調整,整備,修
理,取替えなどの諸活動の総称
注釈1 具体的には,まず設備保全の目的及び組織を明示し,保全の計
画,実施及び評価·効果測定のための規則を整備した設備保全
制度を構築し,設備保全の実施及び管理に関する設備保全基
準を作成する。さらに,設備保全の活動の効果は,設備の信頼
性,保全性,生産性,経済性などを設備保全評価に基づいて測
定する。また,各設備に実施された保全活動を設備ごとに時系
列に従ってまとめる設備履歴簿(機械履歴簿ともいう。)を用
いることもある。
注釈2 設備保全を行う部門によって,設備の運転部門(主として製造
部門)と保全部門とが分担して実施する折衷保全,保全部門の
組織に属する保全員が行う専門保全,設備の運転部門(主とし
て製造部門)の組織に属する保全員が行う自主保全がある。
注釈3 設備保全標準には,次のようなものがある。
− 設備点検·整備標準 : 日常保全(点検,整備,清掃,給油
など)の作業条件,作業方法,注意事項などに関して定め
られたもの。
− 設備検査標準 : 検査対象箇所,箇所ごとの検査の周期,方
法,判定基準,記録などに関して定められたもの。
− 設備修理標準 : 設備の修理作業標準とみなされ,作業手順,
作業方法,作業時間,検収,記録などに関して定められた
もの。
6202 予備品管理 spare parts control
設備の正常な運転,使用可能な状態の維持,保全期間の短縮を目的とし
て常備しておく部品(予備品)の調達,保管,及び出庫を計画的·経済的
に行い,設備保全活動の効果を高めるための活動
6203 生産保全 productive
生産目的に合致した保全を経営的視点から実施する,設備の性能を最大
に発揮させるための最も経済的な保全方式 maintenance,
Prd. M
注釈1 生産保全の目的は,設備の計画,設計·製作から運用·保全を
経て廃棄,再利用に至る過程で発生するライフサイクルコス
トを最小にすることによって経営に貢献することである。
6204 事後保全 corrective
フォールト検出後,アイテムを要求どおりの実行状態に修復させるため
に行う保全 maintenance
注釈1 ソフトウェアの事後保全では,常に何らかの修正が含まれる。
注釈2 事後保全は,初動時の保全と,それ以降の保全とに分けて考え
ることがある。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-06-06)

――――― [JIS Z 8141 pdf 31] ―――――

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Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6205 予防保全 preventive
アイテムの劣化の影響を緩和し,かつ,故障の発生確率を低減するため
に行う保全 maintenance,
preventative
注釈1 予防保全には,“時間計画保全”(JIS Z 8115:2019の192-06-12
maintenance
参照)及び“状態基準保全”(JIS Z 8115:2019の192-06-07参
照)がある。
注釈2 主にハードウェアからなる製品では,アイテムの使用中の故
障の発生を未然に防止するために,規定の間隔又は基準に従
って,前もって実行する保全をいう。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-06-05)
注釈3 予防保全を実施する際に,対象設備ごとに定められた定期点
検,定期診断,定期部品交換,定期修理などを行う周期を保全
周期という。
6206 改良保全 corrective
故障が起こりにくい設備への改善,又は性能向上を目的とした保全活動
注釈1 設備の構成要素·部品の材質又は仕様の改善,構造の設計変maintenance,
CM
更,稼働条件の改善によるサイクルタイムの短縮,生産効率の
向上,工具の寿命延長などが具体例である。
6207 保全予防 maintenance
設備,系,ユニット,アッセンブリ,部品などについて,計画·設計段階
から過去の保全実績又は情報を用いて不良及び故障に関する事項を予prevention,
知·予測し,これらを排除するための対策を織り込む活動 MP
6208 定期保全 予定の時間間隔で行う予防保全 periodic
注釈1 “予防保全”(JIS Z 8115:2019の192-06-05)参照。 maintenance
(出典 : JIS Z 8115:2019の192J-06-104)
6209 予知保全 predictive
設備の劣化傾向を設備診断技術などによって管理し,故障に至る前の最
適な時期に最善の対策を行う予防保全の方法 maintenance
注釈1 状態基準保全(condition based maintenance)ともいい,定期保
全と対語をなす。対策には補修,負荷軽減,部品交換などが含
まれる。
6210 RCM reliability centered
信頼性工学の手法を用い,設備システムの故障モード及び故障による影
maintenance
響度の大きいアイテム(部位·部品)を選定し,ロジックツリー解析を
行い,安全と信頼性とを保ちつつ,合理的な予防保全方策を決定する活

注釈1 1968年米国の航空会社でB-747開発に伴う予防保全の研究に
よって誕生した。
注釈2 信頼性中心保全又は信頼性重視保全ともいう。
6211 集中保全 maintenance by
設備保全の業務を専門とする保全部門を置き,集中して設備保全の活動
を実施する活動 centralization
注釈1 設備保全の業務の中で高度な専門技術を必要とする業務を保
全部門へ集中することが,技術水準の維持向上に有利である。
6212 部門保全 maintenance by
設備保全の業務を,設備の運転部門(主として製造部門)が部門別に分
散して実施する活動 decentralization
注釈1 設備の運転部門は地域的に分散していることが多いので地域
保全ともいう。
6213 故障物理 failure physics
設備を故障に至らしめる構造変化又は内部状態変化のメカニズム及び原

注釈1 上記のメカニズム及び原理を対象とする学問分野。
3) 工事
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6301 資産工事 流動資産,固定資産及び繰延資産に対して行う工事

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
6302 修理 repair
故障による停止,又は有害な性能低下をきたしている設備に対し,正常·
良好な状態を回復させる活動全般
注釈1 故障している設備を正常·良好な状態に回復させるために行
う工事を修理工事といい,緊急修理工事,事後修理工事,予防
修理工事,定期修理工事などがある。
注釈2 故障に至った真の原因をつかみ,再発防止を完璧に織り込ん
で設備を正常·良好な状態に回復させる完全修理と,機能停止
又は有害な性能低下をきたすほどの故障に至らず,正常·良好
な状態から外れている設備を元の状態に回復させる小修理と
がある。
6303 シャットダウ shutdown work
設備の点検及び性能回復を目的として,設備又は生産ラインを長期間に
ン工事 わたって休止して行う大規模な工事
6304 オーバーホー overhaul
設備の性能回復を目的として,総合的に分解検査し,設備を修理する活
ル 動
6305 設備保全工事 設備の性能の回復又は改善を目的として行う修理作業(保全工事)を計
管理 画的·経済的に遂行し,設備保全の効果を高めていくための管理
注釈1 設備保全工事管理の機能としては,日程計画,工事管理,進度
管理,(保全)外注工事管理,工事実績管理などがある。
注釈2 保全工事は,これを管理するために,次のように分類すること
がある。
− 実施時期別 : シャットダウン工事,定期修理工事,緊急修
理工事
− 形態別 : 定形工事,非定形工事
− 施工者別 : 直営工事,外注工事
6306 repair work control
外注工事管理 設備所有者が一定の条件の下に契約した専門の外注業者に,施工させる
for
保全工事を外注工事といい,これを計画的·経済的に遂行し,設備保全
の効果を高めていくための管理 subcontractor
注釈1 機能として,工事施工者の選定,契約,工事監督,安全管理,
工事評価などがある。
4) 保全活動
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6401 日常保全 設備の性能劣化を防止する機能を担った日常的な活動 daily maintenance
注釈1 点検·整備,調整·部品取替え,注油·給油,清掃など,劣化
進行速度をゆるやかにするための日常的な諸活動の総称。
注釈2 日常保全の作業標準は保全部門で設定され,この作業標準に
基づく日常保全の実施は,設備運転者によって行われるケー
スが多い。
6402 点検 設備の劣化防止とその状況を調べる機能を担う方策との総称 check
注釈1 劣化防止を意図した点検は日常保全として実施される。
注釈2 設備の劣化状況を調べるための点検は,予知又は予防保全を
前提とした定期点検として実施される。
6403 定期点検 periodic check
従来の故障記録,保全記録及び点検記録の評価から,あらかじめ点検周
期を定めて実施する設備点検の総称
注釈1 主に専門保全で行われる。
注釈2 点検周期は,設備の負荷状況,運転条件,工程内での重要度な
どを考慮して設定される。周期は,週,月,年など,設備特性
によって種々である。なお,定期点検が法定で義務付けられて
いる設備もある。

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
6404 日常点検 daily check
主として設備劣化防止のために,始業時,終業時又はロット切換時など
に実施される設備の日常的な点検作業の総称
注釈1 通常は,設備運転者によって行われる。
6405 設備検査 設備の性能,構造などについて,設備検査規格に基づいて行う検査inspection for
注釈1 この検査は,一定の時間間隔で行う定期検査と設備の修理後equipment
などに行う臨時検査とに区分される。
6406 設備診断 equipment
設備の性能,劣化状態などを,設備の運転中に定量的に把握し,その結
果を基にして,設備の信頼性,安全性,及び寿命の予測を行う活動 diagnosis
注釈1 設備診断では,不具合現象を発見するのに,電力,潤滑油,振
動,音,温度,圧力などを調べる。
5) 設備効率
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6501 設備総合効率 設備の使用効率の度合を表す指標 overall equipment
注釈1 設備効率を阻害する停止ロスの大きさを時間稼働率,性能ロefficiency
スの大きさを性能稼働率,不良ロスの大きさを良品率で示す
と,設備総合効率は,次の式で表される。
設備総合効率=時間稼働率×性能稼働率×良品率
6502 保全性 maintainability,
与えられた運用及び保全条件の下で,アイテムが要求どおりに遂行でき
る状態に保持されるか,又は修復される能力 <of an item>
注釈1 与えられた状態は,保全性に影響する局面を含む。例えば,保
全の場所,アクセシビリティ(接近性),保全手順,保守資源
など。
注釈2 保全性は,JIS Z 8115:2019の分類g) 192-07 : 保全性性能及び
保全支援(尺度)の尺度で定量化し得る。
注釈3 ソフトウェアアイテムの場合には,“保守性”と表現し,故障
要因を修正したり,性能及びその他の特性を改善したり,環境
の変化に合わせたりすることの容易さを表す数値化できない
用語として用いられる場合がある。
注釈4 ソフトウェアアイテムを変更し得る能力を指す。この変更は,
修正,改善及び系の環境変化への対応,並びに要求事項及び機
能仕様に適合させることを含む。
注釈5 “整備性”ということもある。
注釈6 JIS Z 8115:2019の附属書JC参照。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-01-27)

――――― [JIS Z 8141 pdf 34] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
6503 瞬間故障率, instantaneous
非修理アイテムが,時刻0から動作を開始して時刻tまで故障が発生し
故障率 failure rate,
ていない場合において,次の時間区間(t, t+Δt)に故障が起こるときの
failure rate
条件付き確率を区間幅Δtで除した値で,Δtを限りなくゼロに近付けたと
きの極限値
注釈1 瞬間故障率は,有限の値である。有限の値が存在しなければ,
瞬間故障率は定義されない。
注釈2 時刻0とは,任意の動作開始時刻をいう。
注釈3 当該時点では故障していないアイテムが,次の瞬間に故障す
る事象の単位時間当たりの発生率である。
注釈4 瞬間故障率に対応して用いる他の用語に,“ハザード関数”,
“ハザード率”,及び[“死亡率”(FOM: force of mortality)]が
ある。
注釈5 尺度としての瞬間故障率は,数学記号λ(t)で表す。
注釈6 瞬間故障率λ(t)は,次の式で表される。
1 F(t+t)−F(t) =f(t)
λ(t)=lim R(t)
R(t)
Δt→0 Δt
ここで,F(t)及びf(t)は,各々,故障時点における分布(又は
不信頼度)関数及び確率(又は故障)密度関数とする。また,
R(t)は,信頼度関数として,R(t)=R(0, t)によって,信頼度R(t1,
t2)に関連する。詳細は,“故障率関数”(JIS Z 8115:2019の192J-
13-125)参照。
注釈7 一般に故障率として瞬間故障率と平均故障率とを使用してい
るが,単に故障率という場合には,瞬間故障率を指す。
注釈8 故障率の単位として,FIT[=個(回)/109h],%/103hなどが用
いられる。
注釈9 JIS Z 8115:2019の附属書JD参照。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-05-06)
6504 平均故障間動 故障間動作時間の期待値 mean operating
作時間, 注釈1 平均故障間動作時間は,修理アイテムに対してだけに用いらtime between
MTBF, failures,
れる。非修理アイテムに対しては,“平均故障寿命”(JIS Z
MOTBF 8115:2019の192-05-11 注記3)が使われる。 MTBF,
注釈2 ある特定期間中のMTBF(又はMOTBF)は,その期間中の総 MOTBF
動作時間を総故障数で除した値である。故障間動作時間が指
数分布に従う場合には,どの期間をとっても故障率は一定で
あり,MTBF(又はMOTBF)は故障率の逆数になる。
注釈3 部品,デバイスなどの場合は“平均故障間動作時間”,機器,
装置,システムなどの場合は“平均故障間運用時間”とするこ
とが多い。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-05-13)
6505 平均修復時 修復時間の期待値 mean time to
間, restoration,
注釈1 “平均修理時間”(JIS Z 8115:2019の192-07-21)は,MTTRの
MTTR 意味では用いない。 MTTR
注釈2 慣用的に“平均回復時間”も用いられるが,“修復”(JIS Z
8115:2019の192-06-23)と“回復”(JIS Z 8115:2019の192-06-
24)とは同義ではない。
注釈3 JIS Z 8115:2019の附属書JD参照。
注釈4 “mean time to repair”及び“mean time to recovery”は,平均修
復時間の対応英語としては使用できない。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-07-23)

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