この規格ページの目次
24
Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5311 作業空間 working area
作業を遂行するときに作業者が身体各部を動かすのに必要な作業範囲
注釈1 作業域ともいう。作業空間には最大作業域と正常作業域(通常
作業域)とがある。最大作業域(maximum working area)とは,
固定した肩を中心に,手を最大に伸ばしたときの手の届く範
囲。正常作業域(通常作業域)(normal working area)とは,肘
を曲げて上腕を体側に近づけ,前腕を自然な状態で動かした
範囲。
5312 作業量 作業密度と作業時間との積 amount of work,
output
注釈1 同じ作業でも,作業者の能力が異なれば作業密度に差が現れ
る。
5313 作業環境 working
作業場における温湿度,気流,換気,採光·照明,騒音,振動,有害物
質,電磁波,電離放射線などの物理的な環境条件 environment
注釈1 作業環境には,上記に機器·機器システム又は職場の心理的社
会的条件を含める場合もある。
5314 ヒューマンエ human error
人間が実施する又は省略する行為と,意図される又は要求される行為と
ラー の相違
注釈1 人間が関与することで生じる全ての故障又はエラーの意味で
用いられることもある。
注釈2 ヒューマンエラーがエラーモードの意味で使用されることが
ある。
注釈3 “人的エラー”又は“人的過誤”ということもある。
(出典 : JIS Z 8115:2019の192-03-14)
4) 作業の編成
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5401 複数台もち作 一人又は二人以上の作業者が複数台の機械を受けもって行う作業 multi-machine
業 注釈1 複数台もち作業には,作業者が単に複数台の機械を受けもつassignment
多台もち作業と,作業の流れの順序に多工程(機械)を受けも
つ多工程もち作業とがある。いずれの場合にも,可能なもち台
数は,作業者と機械間とで生じる機械干渉によって大きく変
わる。
5402 部品供給 parts supply
職場,ライン,機械,工程又は作業者へ原料,材料及び部品を供給する
行為
注釈1 部品の供給方法には,機械又は作業者の生産速度に同期化さ
せて1個ずつ供給する同期化供給,所定のロット単位で供給
するロット供給及び必要部品を事前にそろえてセットで供給
するマーシャリング(キット供給)がある。
5403 人的信頼性 human reliability
一定の作業遂行期間又は機会において,人間がエラーを引き起こさない
確率
注釈1 通常は,エラーを引き起こす確率を用いた次の式で表される。
エラーを引き起こす確率=エラーの数/(作業遂行時間又は
作業遂行機会)
5404 勤務体制 職務に従事するための体制 work schedule
注釈1 勤務体制は労働時間,直,交替制などによって構成される。直
とは順序を決めて行う勤務の組のことであり,日直,宿直,一
直·二直·三直などがある。従業員を組に分け交替で就業させ
ることを交替制という。直と組が一致している場合と,三直4
交替というように直の数と交替制の組の数が一致していない
場合とがある。
――――― [JIS Z 8141 pdf 26] ―――――
25
Z 8141 : 2022
5) 作業の標準化
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5501 標準作業 standard operation
製品又は部品の製造工程全体を対象にした,作業条件,作業順序,作業
方法,管理方法,使用材料,使用設備,作業要領などに関する基準の規
定
注釈1 作業標準は製品又は部品の各製造工程を対象に,作業条件,作
業方法,管理方法,使用材料,使用設備,作業要領などに関す
る基準を規定したものである。
5502 標準時間 standard time
その仕事に適性をもち,習熟した作業者が,所定の作業条件の下で,必
要な余裕をもち,正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要
とされる時間
注釈1 標準時間の構成は,次のとおりである。
注釈2 主体作業時間とは,作業サイクルごと,又は一定周期ごとに発
生する作業時間で,主作業時間と付随作業時間とに分けるこ
とが可能である。準備段取作業時間とは,ロットごと,始業の
直後及び終業の直前に発生する準備,後始末,段取,運搬など
の作業時間をいう。
5503 正味時間 主体作業,及び準備段取作業を遂行するために直接必要な時間 normal time,
net time
5504 余裕時間 作業を遂行するために必要と認められる遅れの時間 allowances
注釈1 標準時間に占める余裕時間の割合を余裕率という。一単位の
作業に対する余裕時間を個別に直接求めることはできないの
で,標準時間を求める際には,余裕率として与える。
外掛け法では,余裕率=余裕時間/正味時間,標準時間=正
味時間×(1+余裕率)とする。
内掛け法では,余裕率=余裕時間/(余裕時間+正味時間),
標準時間=正味時間×{1/(1−余裕率)}とする。
5505 標準時間設定 standard time
用途,構成,必要とする精度などを考慮して標準時間を設定する方法
法 measurement
注釈1 標準時間設定法には,ストップウォッチ法,PTS法,標準時間
procedure
資料法,実績資料法,及び経験見積り法がある。実績資料法は,
作業の実績記録を基にした時間資料を用い,作業の類似性を
考慮して作業時間を見積もる方法。経験見積り法は,現場経験
の豊富な管理者が作業時間を見積もる方法。
5506 標準時間資料 standard time data
作業時間のデータを分類·整理して,時間と変動要因との関係を数式,
法 図,表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法 system
5507 作業速度 作業を遂行する速さ working speed,
working pace
注釈1 作業ペースともいい,平均的な作業者が十分な監督下で普通
の努力をして作業するときの作業ペースを正常作業ペース
(normal working pace)といい,熟練した作業者が刺激給制度
の下で集中して作業するときの作業ペースを平均刺激ペース
(incentive working pace)という。
5508 rating,
レイティング 時間観測時の作業速度を基準とする作業速度と比較·評価し,レイティ
performance rating
ング係数によって観測時間の代表値を正味時間に修正する一連の手続
注釈1 正味時間は,レイティング係数(rating factor)を用いて次の式
で表される。
レイティング係数=基準とする作業時間/観測作業時間
正味時間=観測時間の代表値×レイティング係数
――――― [JIS Z 8141 pdf 27] ―――――
26
Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5509 工数低減 decreasing of work
作業者の習熟,改善活動,対象製品の設計改良などによる,無駄な作業
時間又は延時間の減少 time
5510 習熟 learning
同じ作業を何回も繰り返すことによって,作業に対する慣れ,動作又は
作業方法の改善によって次第に作業時間が減少していく現象
注釈1 横軸に作業の繰返し回数,縦軸に作業時間をとり,作業時間の
減少を表した曲線を習熟曲線(learning curve)という。対数線
形習熟モデルで習熟曲線を両対数グラフに表すと直線になっ
て,その直線の勾配を習熟係数という。
6) 作業の維持·管理
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5601 能率管理 能率に関する目標を設定し,管理を行う活動 efficiency control
注釈1 能率を表す一つの指標として,次の式で表される総合能率が
ある。
総合能率=(標準工数×出来高)/負荷工数
=[(負荷工数−作業ロス工数)/負荷工数]×
[(標準工数×出来高)/(負荷工数−作業ロス工数)]
この式の[ ]で囲まれた第1項は稼働率を表し,第2項は
能率を表す。
5602 改善活動 improvement
現状での作業における問題点を発見し,より良い作業の状態を生み出す,
良い流れを創る活動 activity,
KAIZEN activity
5603 five Ss
5S(ごえす) 職場の管理の前提となる整理,整頓,清掃,清潔,及びしつけ(躾)につ
いて,日本語ローマ字表記で頭文字をとったもの
注釈1 整理とは必要なものと不必要なものを区分し,不必要なもの
を捨てること。整頓とは,必要なものを必要なときにすぐに使
用できるように,決められた場所に準備しておくこと。清掃と
は必要なものについた異物を除去し,きれいな状態にするこ
と。清潔とは,整理·整頓·清掃が繰り返され,汚れのない状
態を維持していること。しつけ(躾)とは,決めたことを必ず
守り習慣付けることをいう。
5604 モラール morale
集団の目標に向かって,集団成員の意志が統一され,集団の団結が固く,
しかも,その目標の達成に努力する気力に満ちた状態
注釈1 モラールの程度を調べることをモラールサーベイと呼び,そ
の方法として,質問紙法,面接法,及び投影法がよく用いられ
る。
注釈2 モチベーションはモラールの下位概念と考えられ,一般に,行
動を引き起こす原動力であり,その行動を維持し,一定の方向
へ導いていく力を意味する。
5605 刺激給制度 incentive wage
従業員の労働意欲を刺激することによって生産性向上を図ることを目的
として,仕事の成果に応じて賃金を支払う給与方式 system
注釈1 刺激給制度などを取り入れた給与制度を能率給制度という。
5606 スキル管理 skill management
スキルレベルの異なる作業者を集めて効果的な人員配置,機動配置がで
きるように,作業者の技能の維持·向上を図る管理活動
注釈1 仕事を通じて計画的に,必要な知識,技能,問題解決能力など
について実施する教育訓練を職場内教育(OJT : on the job
training)といい,仕事の場を離れて,職務遂行に共通的に必要
な知識,技能,態度などについて行われる教育訓練を職場外教
育(Off-JT : off the job training)という。
――――― [JIS Z 8141 pdf 28] ―――――
27
Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5607 スキルレベル 作業者がもっている技能の程度 level of skill
注釈1 各作業者のスキルレベルをスキルマップ(人材マップ)によっ
て可視化することで,効果的な人員配置,機動配置及び人材育
成を可能にするとともに,多能工の育成計画につなげること
も可能である。
5608 多能工 multi skilled
対象とする職場で扱う複数の作業群又は製品について一人で担当できる
作業者のこと worker
注釈1 単一の作業又は製品について,一人で担当できる作業者を単
能工(single skilled worker)という。
5609 労働科学 science of labour
労働者の安全,健康,福祉などの増進に寄与することを目的とした応用
科学
注釈1 労働科学の基盤をなす学問分野には,医学,心理学,理工学,
経済学,法学,社会学などが含まれる。
5610 安全管理 safety management
生産現場において事故及び災害を防止するために計画を立て,実施する
ための活動
注釈1 安全管理業務の具体的内容として,次のような項目がある。
− 建設物,設備,作業場所又は作業方法に危険がある場合の
措置
− 安全装置,保護具その他の危険防止施設の定期点検及び整
備
− 従業員への安全教育及び訓練
− 事故又は災害の原因調査及び対策の実施
− 消防及び避難の訓練
− 安全関係重要事項の記録及び保存
5611 空気調和 air conditioning
空間の使用目的に応じて,その領域内の空気の温度,湿度,ふく(輻)
射,気流,清浄度及びそれらの分布を制御する行為
注釈1 空気調和は,その対象が人間であるか否かによって,保健用空
気調和と産業用空気調和とに大別される。空気調和のために
は,暖房,冷房,加湿,除湿,循環及び浄化[換気,除じん(塵),
殺菌,脱臭,有毒ガスの吸着など]が適宜組み合わされる。
f) 設備管理
1) 設備管理
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6101 設備 facilities,
生産活動又はサービス提供活動のためのシステムを構成する能力要素と
しての物的手段の総称。 equipment
注釈1 主な物的手段として機械,装置,工具類,計測器,土地,建物
などがある。
6102 設備管理 設備ライフサイクルにおいて,設備を効率的に活用するための管理equipment
management,
注釈1 計画には,投資,開発·設計,配置,更新·補充についての検
討,調達仕様の決定などが含まれる。 plant engineering
6103 機械管理 生産活動に必要な機械及び装置に関する計画,設計·製作,調達から運
転,保全を経て廃却·再利用に至るまで,機械及び装置を効果的に活用
するための管理
6104 工具管理 生産活動又はサービスの提供に必要な工具類に関する計画,設計·製作, tool management
調達から使用,維持を経て廃却·再利用に至るまで,工具類を効果的に
活用するための管理
注釈1 工具類には,切削工具のほかにジグ,取付具,型,限界ゲージ
及び各種作業用具を含み,いずれも容易に移動できることが
共通の特徴である。ただし,計測器はこれに含めない。
――――― [JIS Z 8141 pdf 29] ―――――
28
Z 8141 : 2022
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6105 計測器管理 生産活動又はサービスの提供に必要な計測器に関する計画,設計·製作, measuring
instrument and
調達から使用,保全を経て廃却·再利用に至るまで,計測器を効果的に
活用するための管理 apparatus
注釈1 計測器とは,計器,測定器,標準器などの総称である。 management
注釈2 保全には,日常的な点検·清掃,定期的な校正などを含む。
6106 ユーティリテ 生産活動又はサービスの提供に必要な共用的·消耗的資源の総称 utilities
ィ, 注釈1 主なるユーティリティとして電力,ガス,用水などがある。
用役 注釈2 ユーティリティの計画,調達,貯蔵,使用,及び回収·再利用
の全過程で,これを効果的に活用するための管理活動をユー
ティリティ管理又は用役管理という。
6107 保全 故障の排除及び設備を正常·良好な状態に保つ活動の総称 maintenance and
注釈1 計画,点検,検査,調整,修理,取替えなどを含む。 preservation
注釈2 保全活動を分類すると,次のとおりである。
6108 故障 設備が次のいずれかの状態になる変化 failure
a) 規定の機能を失う。
b) 規定の性能を満たせなくなる。
c) 設備による産出物又は作用が規定の品質レベルに達しなくなる。
注釈1 設備が生産ラインなどの大規模なシステムの一部となってい
て,システム全体を停止に至らしめるような重大な故障又は
停止が長期間に渡り企業活動に決定的な影響を与える故障を
大故障(通称として,ドカ停),逆に設備の部分的な停止又は
設備の作用対象の不具合による停止で,短時間に回復できる
故障を小故障(通称として,チョコ停)という。
6109 劣化 degradation
運転又は使用によってストレスが加わり,設備の強度又は性能が劣って
いく経時的変化
注釈1 規定の運転条件又は使用条件下で経時的に進む自然劣化に対
し,規定外の使い方又は使用環境の悪さによって進む劣化を
強制劣化という。
6110 陳腐化 obsolescence
技術の進歩によって,所有している設備の技術レベル又は経済的価値が
相対的に低下していく変化
6111 設備寿命 設備を導入し,使用を開始してから,廃棄又は更新するまでの期間
注釈1 設備の購入費用を年金換算した額と操業費用の年額とを合算
した値が最小となる運転年数。最も経済的な更新期間を経済
寿命という。
6112 設備ライフサ equipment life
設備の計画,設計,製作,調達·運用,及び保全を経て,廃却又は再利用
イクル までを含めた全ての段階及び期間 cycle
注釈1 設備のライフサイクルを通じての経済性の管理を行うことを
ライフサイクル管理という。ライフサイクル全体を通して必
要なコストをライフサイクルコストという。
――――― [JIS Z 8141 pdf 30] ―――――
次のページ PDF 31
JIS Z 8141:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.100 : 経営組織及び管理 > 03.100.50 : 生産.生産管理
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)