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Z 8141 : 2022
3) 生産統制の方法
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4301 管理盤 control board
作業者別又は機械別の作業予定を提示し,作業進度及び作業余力の統制
状況について,作業伝票などを用いてそれを表示し,管理を行う盤
4302 流動数管理 flow control
流動数曲線を利用して,システムの問題点を把握したり,改善の方法を
検討する分析手法
注釈1 流動数曲線は,流動数グラフ,又は累積グラフともいい,時間
経過の中で,物財の流れの状況を把握するために,流入量と流
出量との対応関係を視覚的に表す方法である。
4303 visual management
目で見る管理 見える化ともいい,作業者又は管理者が,進捗状況又は正常か異常かど
うかといった生産の状況を一目で見て分かり,管理しやすくした工夫
注釈1 設備の管理を目的としたものとして,あんどんがあり,作業者
の管理を目的としたものとして,標準作業票又は作業限界線
(定位置停止線),原材料の管理を目的としたものとして,生
産管理板,在庫表示板,かんばんなどがある。
4304 カムアップシ come-up system,
あらかじめ一品ごとに作業開始を命令する帳票を日程順に整理し,棚,
ステム tickler system,
ケースなどの容器に保管しておき,所定の時期に自動的に命令,督促す
follow-up system
るとともに,完了の報告を受けて納期をフィードバックするシステム
注釈1 ティクラーシステム又はフォローアップシステムともいう。
4305 現品票 identification tag,
職場内を流動する仕掛品に添付されて,その現品の製造番号,品名,品
番,数量,次工程名及び納付を示す伝票 move ticket
注釈1 個別生産の場合には,移動票又は送付票ともいう。
4306 actual data
実績情報管理 日々の生産実績に関する情報を定期的に収集し,統計処理した上で,関
係部門に提供する行為 management
注釈1 資料管理ともいう。
4307 作業伝票 工程管理の伝票制度で使用される伝票の総称 job card,
job ticket
注釈1 作業伝票の基本的な様式として,作業票(作業内容の指示),
出庫票(材料の払出用),移動票(工程間の移動用)及び検査
票(検査の依頼,記録及び判定)がある。
4308 作業日報 daily work report
1日の作業実績(品名,作業名,生産数,直接作業時間,間接作業時間な
ど)を記録する伝票
注釈1 作業時間票ともいう。必要に応じて機械運転時間,材料使用
量,加工条件,不良率なども記録する。
4309 バーコード bar code
組み合わせることで読取可能な実体が完成する特定のシンボル体系で必
要なシンボルキャラクタと機能との組合せ(出典 : JIS X 0500:2020の
02.01.03)
注釈1 シンボルキャラクタ(symbol character) 明エレメント及び暗
エレメントパターンによるコード語の物理的表現(出典 : JIS
X 0500:2020の02.01.07)。
注釈2 工場内外での現品管理,現物管理,流通情報システム,物流情
報システムなどに利用する。データの標準化ができることに
よって,プロセス自動化,システム統合化などの効果が期待で
きる。また,情報の可視化及び共有化が進み,ボトルネック発
見,プロセス同期化などの効果が期待できる。
4310 initial production
初期流動管理 生産立上げ期間中における不具合及び問題の早期発見と解決とを図るた
めの管理活動 control
注釈1 新製品又は新材料の投入,設備の追加など,生産立上げ期間中
には,諸般の不具合が発生しやすく,目標の生産性を達成でき
ない場合がある。それらの状態から安定した生産ができるま
での期間を初期流動期間と呼ぶ。
注釈2 初期流動期間中には工程を重点的に管理する必要がある。
――――― [JIS Z 8141 pdf 21] ―――――
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e) 作業管理
1) 作業管理
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5101 作業管理 work management
作業方法の分析·改善によって,標準作業と標準時間とを設定して,こ
の標準を維持する一連の活動体系
注釈1 作業管理に必要な基礎的技術を,作業研究又は方法工学とい
う。
5102 作業研究 (米)motion and
作業を分析して実現し得る最善の作業方法である標準作業の決定と,標
time study,
準作業を行うときの所要時間から標準時間とを求めるための一連の手法
体系 methods
engineering,
注釈1 作業研究は方法工学ともいい,方法研究(method study)と作
(英)work study
業測定(work measurement)とによって構成される。作業研究
の対象となる作業の構成は,次のとおりである。
5103 方法研究 method study
作業又は製造方法を分析して,生産要素を有効に活用して目的を達成す
る作業方法又は製造工程を設定するための手法体系
5104 作業測定 work measurement
作業又は製造方法の,実施効率の評価及び標準時間を設定するための手
法
5105 主体作業 main activity
加工·組立など,物に付加価値を付与することに直接寄与する作業で,
作業サイクルに対して毎回又は周期的に行われる作業
注釈1 主体作業は,仕事の直接的な目的である材料·部品の変形,変
質など,対象の変化そのものに直接的に寄与している主作業
と,主作業に付随して規則的に発生するが,材料の取付け,取
外しなど,仕事の目的に対し間接的に寄与する付随作業とに
よって構成される。
5106 set-up operation
準備段取作業 主体作業を行うために必要な準備,段取,作業終了後の後始末,運搬な
どの作業
注釈1 ロットごと,並びに始業の直後及び終業の直前に発生する作
業。
5107 段取替え set-up,
品種又は工程内容を切り替える際に生じる材料,機械,治工具,図面な
どの準備及び試し加工 change over
注釈1 段取は,機械又はラインを停止しないで行う外段取と,機械又
はラインを停止して行う内段取とに大別される。また,10分
未満の内段取をシングル段取という。
5108 余裕 allowance
作業に関して不規則的·偶発的に発生する必要な行動で,作業を遂行す
る上での避けられない遅れ
注釈1 余裕の構成は,次のとおりである。
5109 単位作業 一つの作業目的を遂行する最小の作業区分 work unit
5110 要素作業 work element
単位作業を構成する要素で,目的別に区分される一連の動作又は作業
――――― [JIS Z 8141 pdf 22] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
5111 職場組織 workplace
生産活動を行うために,生産品種,機能,広さ,作業員数などによって
分割された管理単位 organization
注釈1 職場組織は,更に細分化された複数の作業組織(shop structure)
によって構成される。
5112 職務設計 job design
作業者の欲求を満足させ,勤労意欲を高揚させるために,作業者が担当
する仕事内容を計画する行為
注釈1 職務設計の主な考え方を,次に示す。
− 職務の幅を広げる水平的な職務拡大(job enlargement)。
− 計画及び統制のような管理的要素を含めて,職務遂行を垂
直的に拡大し作業者の自主性に任せる職務充実(job
enrichment)。
− 種々の職務に配置転換して,多くの知識及び経験を積ませ
るとともに,同一職務の繰返しによる単調感を防ぐことを
目的とするジョブローテーション(job rotation,職務交替
制)。
2) 作業研究の手法
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5201 工程分析 process analysis
生産対象物が製品になる過程,作業者の作業活動,及び運搬過程を,対
象に適合した図記号で表して系統的に調査·分析する手法
注釈1 工程分析では,生産対象物に変化を与える過程を工程図記号
(JIS Z 8206参照)を利用して分析する。工程図記号は,形状
性質に変化を与える加工工程,位置に変化を与える運搬工程,
数量又は品質の基準に対する合否を判定する検査工程,及び
貯蔵又は滞留の状態を表す停滞工程に大別される。
5202 flow process
製品工程分析 原材料,部品などの生産対象物が製品化される過程を工程図記号で表し
て調査·分析する手法 analysis,
flow process chart-
注釈1 製品工程分析の応用型として,複数の品種を分析する多品種
material type
工程分析,工程図記号を工場配置図上に示した流れ線図,及び
工程間の物の流量を“どこから(from)”,“どこへ(to)”の形
式で分析するフロムツウチャートがある。
5203 作業者工程分 operation process
作業者を中心に作業活動を系統的に工程図記号で表して調査·分析する
析 手法 analysis,
flow process chart-
注釈1 作業者工程分析の応用型として,作業場配置図上に作業者の
移動を中心に示した糸引き線図がある。 man type
5204 時間研究 time study
作業を要素作業又は単位作業に分割し,その分割した作業を遂行するの
に要する時間を測定する手法
注釈1 時間を測定する方法の一つであるストップウォッチ法は,測
定終了までにストップウォッチを止めないで測定する継続
法,要素作業ごとにストップウォッチを止めて測定する早戻
し法,及び要素作業の連続した組を順次替えながら測定する
循環法に大別される。
5205 PTS法 predetermined
人間の作業を,それを構成する基本動作にまで分解し,その基本動作の
time standard
性質と条件とに応じて,あらかじめ決められた基本となる時間値から,
その作業時間を見積もる方法 system
注釈1 PTS法の手法には,WF(work factor)法,MTM(methods time
measurement)法,MODAPTS(modular arrangement of PTS)法,
MOST(Maynard operation sequence techniques)法などがある。
――――― [JIS Z 8141 pdf 23] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
5206 動作研究 motion study
作業者が行う作業を構成する動作を分析して,最適な作業方法を求める
ための手法の体系
注釈1 動作研究手法には,人間の行う動作順序に従ってサーブリッ
グ記号で記録する微動作分析(サーブリッグ分析法),対象作
業を撮影し記録するビデオ分析などがある。
5207 動作経済の原 principles of
作業者が作業を行うとき,最も合理的に作業を行うために適用される経
則 験則 motion economy
注釈1 動作経済の原則は,a)身体の使用に関する原則,b)作業場所に
関する原則,c)工具及び設備の設計に関する原則に大別され
る。
5208 therblig
サーブリッグ 人間の行う動作を目的別に細分割し,あらゆる作業に共通であると考え
られる18の基本動作要素に与えられた名称
注釈1 サーブリッグ記号は,改善の着眼を考慮して次の3種類に大
別される。第1類は作業を行うときに必要なサーブリッグで
あり,“手をのばす(transport empty)”,“つかむ(grasp)”,“運
“組み合わせる(assemble)”,
ぶ(transport loaded)”, “使う(use)”,
“分解する(disassemble)”,“放す(release load)”,“調べる
(inspect)”がある。第2類は作業の実行を妨げるサーブリッ
グであり,“探す(search)”,“選ぶ(select)”,“見出す(find)”,
“前置き(pre-position)”,“位置決め(position)”,“考える(plan)”
がある。第3類は作業を行わないサーブリッグであり,“保持
する(holding)”,“避け得ぬ遅れ(unavoidable delay)”,“避け
得る遅れ(avoidable delay)”,“休む(rest)”がある。
5209 稼働分析 utilization analysis,
作業者又は機械設備の稼働率若しくは稼働内容の時間構成比率を求める
手法 activity sampling
注釈1 稼働分析法の代表的手法には,連続観測法と瞬間観測法とが
ある。
注釈2 稼働率(ratio of utilization)は,作業者又は機械設備の働きぶ
りを示す指標(1237参照)。
5210 連続観測法 作業者又は機械設備の稼働状態を連続的に調査·分析する手法 continuous reading
method
5211 瞬間観測法 snap reading
作業者又は機械設備の稼働状態を行動分類に従い,瞬間的に観測して度
数によって調査·分析する手法 method
注釈1 瞬間観測法の代表的手法として,確率·統計理論に基づいて観
測回数及び観測時刻を決めて観測を行い,観測項目の比率を
推測するワークサンプリング法がある。
5212 multiple-activity
連合作業分析 人と機械,又は二人以上の人が協同して作業を行うとき,その協同作業
の効率を高めるための分析手法 analysis
注釈1 連合作業分析は,人と機械との組合せを対象とした人·機械分
析,及び人と人との組合せを対象とした組作業分析とに大別
される。
5213 物と情報の流 information and
顧客からの注文を起点とし,顧客に製品·サービスが届けられるまでの
れ図 material flow
生産·業務プロセス全体における物の流れと情報の流れとを一つの図に
記載し,流れが停滞している箇所などの改善点を抽出する手法 diagram
注釈1 リーン生産方式を導入するための分析手法として,これを基
に開発されたValue Stream Mapping(VSM)がある。
――――― [JIS Z 8141 pdf 24] ―――――
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3) 作業の改善
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5301 工程改善 process
工程分析などの手法を用いて,一つ又は複数の工程の効率化を図る活動
improvement
5302 作業改善 作業研究の手法を用いて,一つ又は複数の作業の効率化を図る活動improvement of
operation
5303 段取改善 段取時間を短縮するための改善活動 set-up
注釈1 段取時間短縮の考え方として,段取回数の削減と1回当たり improvement,
set-up KAIZEN
の段取時間の短縮とがある。段取回数削減の例として,設備の
標準化,同じ部品及び製品をまとめて生産することなどがあ
る。1回当たりの段取時間の短縮例として,内段取の外段取化,
治工具の改良又は作業手順の効率化による内·外段取の時間
短縮などがある。さらに,内段取作業の改善目標として,シン
グル段取とワンタッチ段取とがある。
5304 モーションマ motion mind
作業方法又は動作方法について,その問題点が判断でき,より能率的な
インド 方法を探求し続ける心構え
5305 5W1H five Ws one H
改善活動を行うときの指針で,what(何を),when(いつ),who(誰が),
where(どこで),why(なぜ),how(どのようにして)の問いかけのこと
5306 改善のECRS ECRS
工程,作業,又は動作を対象とした改善の指針又は着眼点として用いら
れ,排除(Eliminate : なくせないか),結合(Combine : 一緒にできない
か),交換(Rearrange : 順序の変更はできないか)及び簡素化(Simplify :
単純化できないか)のこと
注釈1 一般的にE→C→R→Sの順に実施するのが望ましい。
注釈2 ECRSの原則ともいう。
5307 根本原因分析 問題の適切な解決のために,根本的な原因を明らかにする分析手法root cause analysis,
RCA
注釈1 系統的な分析手法で,真の原因を明らかにし対処することで,
同様の問題の再発を防止することを目的とする。
5308 作業強度 標準的な能力をもつ人の側からみた作業のやさしさ苦しさの程度 work intensity
注釈1 動的筋労作の場合はエネルギー代謝率(RMR)が評価指標と
して有効である。静的筋労作又は精神的緊張を要する作業で
は,作業の性質又は態様に応じて,種々の生理学的,心理学的
評価法が組み合わされる。筋労作は筋肉を動かすことをいう。
5309 作業疲労 fatigue
人間の生理的心理的変動の範囲内にある,継続的な,精神的又は身体的
作業によって生じる,生理的心理的機能の低下,作業能率の低下,又は
自覚的な疲労感の存在を伴う状態
注釈1 疲労の本態はまだ解明されていない。疲労は病的なものでは
なく,休息などによって回復する可逆的性質をもつ。作業疲労
は作業負担と混同されがちであるが,作業負担とは作業負荷
に対して人間が示す内的反応を意味し,過度な作業負担によ
って作業疲労が現れると解される。作業負担及び作業疲労の
定義は,JIS Z 8501の2.13及び2.9参照。
注釈2 精神疲労の定義は,JIS Z 8502の3.3.2.1参照。
5310 作業姿勢 working posture
作業遂行時における身体各部の相対的位置関係及び身体の三次元空間に
おける体位の総称
注釈1 姿勢は時間的変化に伴うか否かで動的姿勢,静的姿勢に大別
されるが,一般には姿勢は静的姿勢を意味することが多い。作
業中の姿勢は,作業要求,許容作業空間及び作業者の人体寸法
によって決定され,基本的に立位,ざ(坐)位,又はが(臥)
位姿勢に分かれる。
――――― [JIS Z 8141 pdf 25] ―――――
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JIS Z 8141:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.100 : 経営組織及び管理 > 03.100.50 : 生産.生産管理
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)