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JIS Z 8503:1998 規格概要
この規格 Z8503は、JIS Z 8502に示されている精神的作業負荷及びその影響に重点をおいた,作業及び装置の設計,並びに作業場所及び作業条件を含む作業システム設計の指針であって,JIS Z 8502に示すような減退的効果をなくすために,過大負荷及び過小負荷を防ぎながら,健康・安全,福利,遂行及び効用の面で最適な作業条件を送り出すことを意図した作業及び人間の能力の活用についての適切な設計に適用。
JISZ8503 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8503
- 規格名称
- 人間工学―精神的作業負荷に関する原則―設計の原則
- 規格名称英語訳
- Ergonomic principles related to mental workload -- Design principles
- 制定年月日
- 1998年8月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 10075-2:1996(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 13.180
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1998-08-20 制定日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS Z 8503:1998 PDF [12]
Z 8503 : 1998 (ISO 10075-2 : 1996)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS Z 8503には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 設計における解決策の例
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS Z 8503 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8503 : 1998
(ISO 10075-2 : 1996)
人間工学−精神的作業負荷に関する原則−設計の原則
Ergonomic principles related to mental workload−Design principles
序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 10075-2, Ergonomic principles related to mental
workload−Part2 : Design principlesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日
本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS Z 8502に示されている精神的作業負荷及びその影響に重点をおいた,作
業及び装置の設計,並びに作業場所及び作業条件を含む作業システム設計の指針であって,JIS Z 8502に
示すような減退的効果をなくすために,過大負荷及び過小負荷を防ぎながら,健康・安全,福利,遂行及
び効用の面で最適な作業条件を作り出すことを意図した作業及び人間の能力の活用についての適切な設計
に適用する。
精神的作業負荷は,個人的,技術的,組織的及び社会的要因の複雑な相互作用の影響であるので,作業
システムの設計に当たっては,個人的,技術的及び組織的要因並びにそれらの相互作用の影響を考慮に入
れなければならない。しかし,この規格は,技術的及び組織的要因だけを示し,選抜,訓練又は社会的要
因の問題は,この規格の範囲外にあるので考慮しないこととする。
この規格は,システム設計のための指針を示すものとし,精神的作業負荷の測定又はその影響は扱わな
い。
この規格は,人間のあらゆる種類の作業活動(JIS Z 8502参照)を対象とし,いわゆる狭義の認知作業,
精神作業だけでなく,身体的負荷を主とする作業にも適用する。
この規格は,このように,作業システムの設計及び使用に携わるすべての者,例えば,システム・装置
の設計者,雇用者及び被雇用者の代表者に適用する。
この規格は,新たな作業システムの設計に適用すると同時に,大きな変更を行おうとしている既存のシ
ステムの再設計にも適用する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この規格の制定時点では,ここで示す版が有効であった。あらゆる規格は改正されるものであるので,
この規格に基づくことに合意した関係者は,ここに示した規格の最新版を適用することの可能性を調べる
ことに努めるのがよい。
ISO 6385 : 1981 Ergonomic principles in the design of work systems
――――― [JIS Z 8503 pdf 2] ―――――
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Z 8503 : 1998 (ISO 10075-2 : 1996)
ISO 10075 : 1991*) rgonomic principles related to mental work-load−General terms and definitions
備考 JIS Z 8502(人間工学−精神的作業負荷に関する原則−用語及び定義)-1994が,この国際規
格と一致している。
3. 定義 この規格の目的のために,ISO 6385及びJIS Z 8502の定義を適用する。
4. 設計の原則
4.1 一般的な原則 作業システムの設計によって利用者に悪影響が及ばないように,作業システムを利
用者に合わせる。作業システムの設計又は再設計では,人間工学専門家ができる限り早期に設計工程に参
加し,人間,技術及び組織の状態,並びにその相互関係をまず最初から考慮に入れる。システムの再設計
のように,利用者が既に存在しているならば,設計の質の最適水準を達成し,かつ,それを確認するため
に,彼らの経験及び能力を設計又は再設計の工程で統合して生かすことが望ましい。
参考 この参加という方法によって,設計の質に関した利用者の期待を設計の工程に取り込むことが
できる。この方法によって,作業システムは利用者を指向したものとなり,利用者側に受け入
れられることになって,全体として作業システムの効率の向上に貢献する。
完全に新しいシステムを設計する場合には,設計者は,想定される利用者層の能力,技能,経験及び期
待を考慮に入れるとよい。訓練は,作業システムの設計を助けるものとみなし,訓練なしではシステムが
最適化しないような,設計上の欠陥を補うものとみなさないほうがよい,ということを記憶しておくこと
が望ましい。
システムの機能を定めるときには,設計工程の最初から利用者に対して配慮する。システムの機能及び
下位機能を決定したり,作業者と機械との間,及び異なる作業者間の機能配分を決定するときには,そこ
に関与する人間の特性を考慮する。
作業システムの設計においては,作業は,課業の組合せを含むものとし,特定の作業環境の中で特定の
装置を使い,特定の組織構造の中で遂行されることに留意することが望ましい。
参考 精神的作業負荷を考慮する場合には,これらのそれぞれの要素が作業システムの設計に影響を
及ぼすことになる。
それ故に,設計の原則は,設計工程及び結果に次のように各段階で関与できる。
a) 作業負荷の大きさに影響を与えるためには
− 課業及び/又は職務の段階
− 技術的な装置の段階
− 環境の段階
− 組織の段階
b) 作業負荷を受けている時間に影響を与えるためには
− 作業の時間的な構成
附属書Aの表1は,設計工程の段階及び精神的負担の影響との関係を示したものとし,設計において適
用できる解決策の例も同時に示す。
技量,遂行能力,動機付けなどのような,個人内で変動があり,同時に個人差もあるというような個人
的要因が結果的に作業負荷に影響を与えるので,前に述べたような選抜及び訓練を,作業システムの設計
*) 改正される際に,この国際規格はISO 10075-1となる。
――――― [JIS Z 8503 pdf 3] ―――――
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Z 8503 : 1998 (ISO 10075-2 : 1996)
において適切に考慮する。
作業システムの設計は,システムの機能分析から始まり,作業者と機械との間の機能配分,課業分析と
続き,最終的には作業者に対する課業の設計及び配分に至るものとする。人間工学専門家は,結果として
与えられる作業者への要求(特に精神的作業負荷に関して)を視点にいれて,これらの段階を遂行できる
ように,最初から必ずこの過程に参加する。
参考 このような手順によって,システム設計の各段階で考慮されなければならない適切な要求事項
が明らかとなる。
作業システムの設計においては,更に環境上の要求事項やシステムからの要請,問題への挑戦,及び人
間自身が,技能,能力及び期待の向上によって常に心に留めておくとよい。
参考 このことは,システム設計はそのような変化に対応し,これらの要求に適応できるようにする
とよいということを意味する。これは,例えば,作業者が自分の状態に合わせて課業を機械に
割り当てたり,作業者自身に割り当てたりすることを許すようなダイナミックな課業配分によ
って実現できる。
参考 精神的作業負荷は一次元的な概念ではなく,質的に異なった側面をもっており,それが質的に
異なる影響を及ぼす(JIS Z 8502参照)こととなる。したがって,作業負荷を過小負荷から最
適負荷へ,過大負荷へと一次元上に(量的に)並べるというような単純な考え方は適切ではな
い。精神的作業負荷の減退的効果の幾つかには共通の原因があるが,これらの効果が同一であ
ると誤って解釈してはならない。以下に示す指針は,JIS Z 8502に述べられている減退的効果
に従って構成されている。これが,設計者にとって精神的作業の減退的効果を避けるための適
切な方法を用いる助けとなるとよい。原則の幾つかは,これらの効果のうちの複数に適用され
るので,重複は避けられない。
4.2 疲労に関する指針
4.2.1 一般的な指針 精神的作業負荷は,大きさと時間,及び作業者が受ける作業負荷の大きさの時間配
分によって示すことができるものとする。量的な面のほかに,精神的負荷の質的な差が考慮されなければ
ならない。例えば,認知−動作作業に対する記憶の負荷の大きい作業である。このように,作業者の疲労
を少なくするということを考慮した作業システムの設計に対するアプローチの仕方のなかで最も重要なも
のは,作業負荷の大きさを減らす若しくは最適化する,その負荷を受ける時間を制限する,又は休憩を入
れてその配分を変えることである。しかし,作業能率が低下していないのに,精神的作業負荷を減らすこ
とは,必ずしも最適な方法ではないということを覚えておく必要がある。精神的作業負荷を最適水準より
下げることは,4.34.5に述べるような障害を引き起こす可能性があるからである。
4.2.2 精神的作業負荷の大きさ 精神的作業負荷の大きさは,図1に示すように課業の段階から始まり,
認知,行動,環境及び組織の段階に至る次のような特性によって影響を受ける。
4.2.2.1 課業の目標のあいまいさ 課業目標のあいまいさは,作業者が課業を解釈し,優先して達成する
べき目標を決めるために必要とする。システム設計においては,明確な課業の目標が与えられ,かつ異な
った目標に対しては優先度が決められていなければならない。例えば,安全システムが機能するように維
持することは,生産効率に優先する。複数の作業者が関与するときには,作業者の間の課業の配分が明確
にされなければならない。
――――― [JIS Z 8503 pdf 4] ―――――
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Z 8503 : 1998 (ISO 10075-2 : 1996)
4.2.2.2 課業の要求事項の複雑さ 複雑すぎるということは,作業者が与えられた時間内に決定するべき
ことが多すぎるということを意味する。想定した作業者層にとって複雑すぎる場合には,意思決定支援シ
ステムを用いるとよい。複雑さが低すぎることは,単調感又は心的飽和を引き起こすことがあるので,避
けるほうがよい。
4.2.2.3 処理の順序 複数の要求にこたえなければならないようなシステムでは,それにこたえるための
明確な戦略が与えられなければならない(例えば,先入れ先出しに対する階層的戦略)。先入れ先出し戦略
は,より単純であり,階層的戦略はより複雑であるので,場合によって異なる戦略を採用するのであれば,
どの場合にどの戦略に従うかの条件は,常に明確に理解できるものであることが望ましい。
図1 精神的作業負荷と設計の各段階との関係
4.2.2.4 情報の適切さ 作業者は,不完全な情報をもとに,又は与えられた全情報の中から関連する情報
を選び出して意思決定をしなければならないから,不必要な情報はもちろんのこと,情報の欠落は精神的
作業負荷を増すので,課業を達成するために必要な情報が与えられなければならない。
4.2.2.5 情報のあいまいさ 情報のあいまいさは,作業者に情報を解釈することを要求するので,例えば,
表示システムでは範囲の情報(受容可能,受容不可能)を明示するなど,情報はあいまいさのない方法で
提示されることが望ましい。
4.2.2.6 信号の判別性 無関係な背景情報に対して信号のもつ情報の判別性が低いときには,作業者は,
信号を抽出するための努力を要する。信号の判別性は,例えば,信号の強さを変える,形,色,間隔,時
間的特性などを用いて異なった表示をする,背景(ノイズ)の強さを低くする,並びに技術的システムに
よってマスキング及びフィルタリングを行うことによって改善する。
――――― [JIS Z 8503 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8503:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10075-2:1996(IDT)
JIS Z 8503:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学