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JIS Z 8504:1999 規格概要
この規格 Z8504は、作業者が受ける暑熱環境による熱ストレスの評価を労働環境において簡単に行うことができ,また速やかな判断を可能にする方法について規定。作業者の活動中における平均的な熱の影響を評価する場合には適用できるが,短時間に受けた熱ストレスの評価,及び快適域に近い熱ストレスの評価には適用しない。
JISZ8504 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8504
- 規格名称
- 人間工学―WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価―暑熱環境
- 規格名称英語訳
- Hot environments -- Estimation of the heat stress on working man, based on the WBGT-index (wet bulb globe temperature)
- 制定年月日
- 1999年10月20日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 7243:1989(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 13.180
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1999-10-20 制定日, 2006-05-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 8504:1999 PDF [12]
Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS Z 8504には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) WBGT熱ストレス指数の基準値表
附属書B(参考) WBGTの基準値を示す曲線及び熱順化の方法
附属書C(参考) 評価報告書の例
附属書D(参考) 参考文献
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS Z 8504 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z8504 : 1999
(ISO 7243 : 1989)
人間工学−WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価−暑熱環境
Hot environments−Estimation of the heat stress on working man, based ontheWBGT−index (wet bulb globe temperature)
序文 この規格は,1989年第2版として発行されたISO 7243 (Hot environments−Estimation of the heat stress
on working man, based on the WBGT-index (wet bulb globe temperature) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様
式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
この一連の規格*の目的は,次のとおりである。
− すでに存在する規格,又は現在立案されているものを考慮しつつ,測定,試験及び解析の方法で使用
される用語の定義を完成させる。
− 温熱環境の特性を表す物理的パラメータの測定方法に関する仕様書を立案する。
− 一つ,又は複数のパラメータの解析方法を選択する。
− 快適な環境及び極端な環境(暑熱及び寒冷)との領域において,温熱環境にばく(曝)露される場合
の,推奨値又は限界値を確立する。
− 暑熱及び寒冷に対する個人又は集団の防護のための装置,又は手順の有効性を評価する方法に関する
仕様書を立案する。
注* ISO/TC159/SC5/WG1(国際標準化機構/人間工学/物理的環境/温熱環境)の一連の規格のこ
とである。このJIS以外の規格は,まだJIS化されていない。熱環境に関する幾つかの日本工
業規格が将来制定される予定である。
個人が温熱環境にばく露されることによって起こる問題に関心がますます高まる中で,この分野の資料
又は国の基準がほとんどないことを考えると,一連の規格がすべて立案されるのを待たずに,この規格を
提示することが望ましく思われる。
湿球黒球温度(wet bulb globe temperature以下,WBGTと略称する。)指数は,個人がばく露される熱ス
トレスを表す経験的な指数の一つであり,労働環境で容易に測定できる。この指数に基づいて熱ストレス
を評価する方法は,正確な指数を使いたいという要求と,労働環境で容易に測定を行う必要性との折衷案
である。この規格は現場での測定方法を示す。
人間と環境との間の熱交換の解析に基づいて温熱ストレスを評価する方法を用いることによって,より
正確にストレスを評価し,防護の方法を検証することが可能となる。しかし,この方法は,現在の測定技
術では時間がかかり,かつ,困難であるという欠点がある。
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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
そのため,このような方法は,暑熱下における作業条件の厳密な分析を行うことが望まれるときに用い
る。又は,この方法の最初の測定で得られたWBGTの値が,基準値の範囲を超えているときに用いる。
WBGT指数に基づいて熱ストレスを評価する方法を確立することは,両方の方法の利点を兼ね備えた指
数の提案へ導く第一歩である。しかし,現在このような指数がないので,労働環境で使用可能な規格の開
発を速やかに推し進めることが望ましいと考えられる。
1. 適用範囲 この規格は,作業者が受ける暑熱環境による熱ストレスの評価を労働環境において簡単に
行うことができ,また,速やかな判断を可能にする方法について規定する。
この方法は,作業者の主な活動中における平均的な熱の影響を評価する場合には適用できるが,短時間
に受けた熱ストレスの評価,及び快適域に近い熱ストレスの評価には適用しない。
備考 この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 7243 : 1989, Hot environments−Estimation of the heat stress on working man, based on the
WBGT−index (wet bulb globe temperature)
2. 原理及び基本的な定義 暑熱環境にばく露された人の受ける熱ストレスは,身体活動の結果生じた身
体内の熱産生 (production of heat),及び空気と身体の間の熱移動に影響を与える環境特性に依存する。
身体内の熱負荷は,活動によって生じた代謝エネルギーの結果であり,熱ストレスに対する環境影響の
詳細な分析は,気温,平均放射温度,気流速度及び絶対湿度の四つの基本的な因子を必要とする。しかし,
この影響の総合的な評価は,基本的な因子から導くことができるパラメータを測定することによって可能
であり,このパラメータは,その場所の物理的特性の関数とする。
WBGT指数は,自然湿球温度 (tnw) と黒球温度 (tg) との二つのパラメータの測定をし,また,ある条件
においては基本的な因子,すなわち気温(ta;乾球温度)の測定も行う。次の式は,異なる環境条件によ
るパラメータの関係式を表す。
− 屋内,及び屋外で太陽照射のない場合
WBGT=0.7tnw+0.3tg
− 屋外で太陽照射のある場合
WBGT=0.7tnw+0.2tg+0.1ta
熱ストレスを評価するこの方法は,これらの異なったパラメータの測定と,場所−時間の変動を考慮し
たパラメータの平均値の計算とに基づいて行う。この方法によって収集され,処理されたデータを基準値
と比較し,次のいずれかの方法をとる。
− 適切な方法によって,作業場での熱ストレス又は熱負担を直接軽減する。
− 通常は,より手間と時間とがかかるが,綿密な方法を用いて熱ストレスを詳しく分析する。
これらの基準値は,附属書Aに示す条件下においてばく露されてもほとんどの人々が,有害な影響を受
けないレベルに相当する。ただし,これは既応症がないことを前提とする。
参考 これらのばく露のレベルは,個人の健康にかかわるものであって,例えば,作業中の事故を引
き起こすような心理的感覚運動反応の変化などの関連でみたものではない。
3. 環境特性のパラメータの測定 WBGT指数の測定には,自然湿球温度及び黒球温度の二つのパラメー
タの測定,並びに基本的な因子である気温の測定を必要とする。
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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
3.1 導出されたパラメータの測定 すべての他の条件が等しい場合に,導出パラメータを測定するセン
サーによって得られる情報は,使用するセンサーの物理的特性によるものとし,これらの特性は,3.1.1及
び3.1.2による。
3.1.1 自然湿球温度センサー 自然湿球温度は,自然な対流中で,すなわち強制通風することなく環境に
置かれたぬ(濡)れたガーゼで覆った温度センサーによって示す値をいう。
温度センサーは,次の特性に従わなければならない。
a) センサーの受感部の形状 : 円筒形
b) センサーの受感部の外径 : 6mm±1mm
c) センサーの長さ : 30mm±5mm
d) 測定範囲 : 540℃
e) 測定精度 : ±0.5℃
f) センサーの受感部全体は白いガーゼのような吸水性の高い素材(例えば,綿)によって覆う。
g) センサーの支持部は,6mmに等しい直径にし,かつ,センサーの支持部からの熱伝導を減少させるた
めに20mmのガーゼで覆う。
h) そのガーゼは,覆いがきつ過ぎたり緩過ぎたりすると精密な測定に支障をきたすので,筒状に編み,
センサーの周りにきちんと覆いかぶせる。
i) ガーゼは,清潔に保つ。
j) ガーゼの下部は,水つぼ(壼)の蒸留水に浸す。空気中にある部分の長さは,2030mmとする。
k) 水つぼは,周囲の環境の熱放射によって水温が上がらないような設計にする。
参考 自然湿球温度は,通風乾湿計によって測定される熱力学的温度とは異なっている。
3.1.2 黒球温度センサー 黒球温度は,次のような特性をもつ中空黒球の中心に位置する温度センサーが
示す温度をいう。
a) 直径 : 150mm
b) 平均放射率 : 0.95(つや消し黒色球)
c) 厚さ : できるだけ薄いこと。
d) 測定範囲 : 20120℃
e) 測定精度
− 範囲 : 2050℃±0.5℃
− 範囲 : 50120℃±1℃
自然湿球温度又は黒球温度の測定装置は,ある特定の範囲でこう(較)正されたのち,同程度の測定精
度をもつものなら,どれを使用してもよい。
3.2 気温の測定 基本的な因子である気温の測定は,適切な方法を用いることによってセンサーの形状
がいかなるものであってもよい。ただし,気温の測定に関係する測定精度を遵守しなければならない。気
温センサーは,特に,センサーの周囲の通風を妨げない状態で,放射熱による影響を受けないようにする。
気温の測定範囲は1060℃で,かつ,測定精度は±1℃とする。
4. エネルギー代謝の測定及び推測 代謝率は,次のいずれかの方法によって測定してよい。
− 作業者の酸素消費量を測定する。
− 参照表から代謝率を推定する。
活動量は次の五つの主な等級に区分する。
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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
安静,低代謝率,中代謝率,高代謝率,極高代謝率
表1は,このような区分を簡単に推定できるように作られたものを示す。示した数値は,連続的な作業
に対して推定しているもので,その数値を判断するのが難しい場合には,最も正確であると考えられる直
接測定をする。
参考1. 身体内の熱産生量は,熱ストレスの一要因である。したがって,熱ストレスを評価するため
には,熱産生量を決定することが不可欠である。身体内で消費された総エネルギー量を表す
エネルギー代謝は,ほとんどの作業(外部仕事エネルギー量は無視する。)における熱産生量
のよい推定値となる。
2. WBGT指数の性格からすれば,参照表によって代謝率を推定しても十分である。代謝率の推
定には,多少の練習が必要であり,この分野での経験をもった人によることが望ましい。
表1 代謝率レベルの区分
区分 代謝率範囲 M 平均代謝率の計算に 例
使われる値
皮膚表面部分 1.8m2の皮膚表
に関して 面部分の平均
W/m2 W W/m2 W
0 M≦65 M≦117 65 117 安静
安静
1 65低代謝率 縫う,簿記);手及び腕の作業(小さいペンチツール,
点検,組立てや軽い材料の区分け);腕と脚の作業(普
通の状態での乗り物の運転,足のスイッチやペダル
の操作)。
立体;ドリル(小さい部分);フライス盤(小さい部
分);コイル巻き;小さい電気子巻き;小さい力の道
具の機械;ちょっとした歩き(速さ3.5km/h)。
2 130中程度代謝率 作業(トラックのオフロード操縦,トラクター及び
建設車両);腕と胴体の作業(空気ハンマーの作業,
トラクター組立て,しっくい塗り,中くらいの重さ
の材料を断続的に持つ作業,草むしり,草掘り,果
物や野菜を摘む);軽量な荷車や手押し車を押したり
引いたりする;3.55.5km/hの速さで歩く;追突。
3 200高代謝率 を使う;大ハンマー作業;のこぎりをひく;硬い木
にかんなをかけたりのみで彫る;草刈り;掘る;5.5
7km/hの速さで歩く。重い荷物の荷車や手押し車
を押したり引いたりする;鋳物を削る;コンクリー
トブロックを積む。
4 M>260 M>468 290 522 最大速度の速さでとても激しい活動;おのを振る
極高代謝率 う;激しくシャベルを使ったり掘ったりする;階段
を登る,走る,7km/hより速く歩く。
5. 測定の詳細
――――― [JIS Z 8504 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8504:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7243:1989(IDT)
JIS Z 8504:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学