JIS Z 8504:1999 人間工学―WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価―暑熱環境 | ページ 2

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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
5.1 不均一な環境に関する測定の詳細 ある温熱因子が作業者の周囲において一定の値にならないとき,
頭部,腹部,及び足首部のそれぞれの高さの位置でWBGT指数を決定する。作業者が立位のとき,その測
定は床面から0.1m, 1.1m,及び1.7mの高さで,座位のとき床面から0.1m, 0.6m,及び1.1mのそれぞれの
高さで行う。その指数を決定するための測定は同時に行うのがよい。
WBGT指数の平均値は,三つの加重平均から次の式を用いて計算する。
WBGThead 2 WBGTabdomen WBGTankies
WBGT
4
ここに, WBGThead: 頭部の高さでのWBGT値
WBGTabdomen: 腹部の高さでのWBGT値
WBGTankles: 足首部の高さでのWBGT値
測定点又は類似のタイプの測定点が実際上熱環境が均一(不均一性<5%)である場合には,腹部での
WBGT指数の測定だけを行う簡単な手順でもよい。
分析結果の解釈を議論する場合,どんな環境においても,標準の手順(3か所の測定)に従って決定さ
れたWBGT指数を基準値とする。
WBGT指数の迅速な測定のためには,熱ストレスの評価を安全側に過大評価する熱ストレスが最大とな
るレベルにおいて,1回の測定を行う。この方法を用いたときは,その測定報告に明示しなければならな
い。
通常の作業場においてセンサーを配置することが不可能な場合には,その環境から受ける影響とほぼ同
じ環境の場所にセンサーを配置するのがよい。
5.2 温熱因子の時間変動に関する測定の詳細 作業場及び活動量の分析から,温熱因子が時間によって
一定の値を示さない場合,代表的な平均値を決めなければならない。
最も厳密な手法は,この温熱因子を時間の関数として連続的に展開し,それを積分して平均値を導き出
すこととし,多くの場合において,この方法を用いるのには難しいので,それぞれの温熱因子の変動がほ
とんど一定の範囲にある場合には,一定値とみなす。温熱因子の平均値は,得られたそれぞれのレベルの
時間による加重平均によって求める。
平均値の計算の基礎となる時間Tは,作業−休憩を含む1時間とし,熱ストレスの最大値を示すので,
それは作業期間の始めから計算する。
n個のレベルに分解された時間の関数として求められた因子の平均値P(例えば : 代謝率,黒球温度及
び環境の三つの温熱因子の同時測定の場合におけるWBGT)は,次の式による。
p1 t1 p2 t2 pn tn
p
t1 t2 tn
ここに, p1, p2,···,pnは時間t1, t2,···,tnで得られたパラメータのレベル
t1+t2+···+tn=T=1時間
測定回数は,その因子の変動の速度,使用したセンサーの応答性,要求される測定の精度による。
5.3 エネルギー代謝の平均値 代謝率の平均値を決定するために適用される5.2の考えは,測定値及び参
照表による評価に基づくものとする。代謝率が4.で述べた五つの主な等級のうちの一つに簡単に分類され
る場合,その平均代謝率レベルは,それぞれの基本活動量に対して,表1で求める代謝率の平均値によっ
て5.2の計算式から決定する。
そのデータの解釈をする場合,最も正確と考えられるのは,連続的に測定された因子の変動から計算さ
れたものとし,次には,正確に測定された最も多数のレベルから計算したものとする。

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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
6. 測定期間と継続時間
6.1 測定期間 この規格によるWBGT指数は,測定が行われたそのときに作業者が受けた熱ストレスの
評価だけに使用できるので,これらは最大熱ストレス下,すなわち一般に暑い夏の日中,又は発熱設備が
稼動しているときに合わせて行われることが望ましい。
6.2 測定の継続時間 それぞれの測定時間は,センサーの応答時間によって,場合によって十分に考慮
されなければならない(特に黒球温度)。
参考 1回の測定だけや,それぞれの因子を使ったそれぞれのレベルでの評価を行うことができる。
その測定の継続時間は,5.2で定義したような(時間を基準とした)正確な分析の時間から明確
になる。
7. 基準値 附属書Aに示されたWBGT指数の値は,科学論文のデータに基づいた基準値とし,これら
の値が限度を超えた場合,次のことを必要とする。
− 適切な方法(環境,活動量レベル,その環境にばく露される時間の調整,及び個人の保護)によって
当該作業場での熱ストレスを直接軽減する。
− より入念な方法に従った,熱ストレスの,詳細な分析を行う。
健康な作業者が,作業に適応した標準的な衣服[保温性Icl=0.6Clo(1)]を着用したときの基準値を
附属書Aに示す。
採用した代謝率の値が疑わしいとき,より一段高い代謝率に対応する基準値を採用すべきであり,
さらに,すべての測定,又は評価が不可能な場合には等級4(極高代謝率)とする。
注(1) lo:衣服の保温力の単位;1Clo=0.155m2・K/W
備考 着用衣服が標準的な作業着[通気性があり水無気を通す衣服,保温性Ici=0.6Clo(1)]でな
い場合には,基準値は衣服の特殊性と当該環境によって修正しなければならない。
参考1. これらの基準値は,かなり長期間にわたる作業における作業者への熱の平均的な影響の
代表的なものである。それらは,作業者が特別に暑い環境か,又は短時間の激しい身体
活動量など短い時間(数分)に受ける熱ストレスのピーク値は考慮に入れていない。平
均的な活動量,又は平均的な環境を代表する基準値を超えなくても,実際そのようなと
きは,熱ストレスが許容限界を超えることになる。
2. 一般に水蒸気を通さないような衣服の場合には,基準値を下げる(厳しくする)必要が
ある。また一方では,熱を反射する衣服の場合には基準値を上げる(緩くする)ことも
ある。修正を行うことが困難である場合,つまり標準的な作業者から明らかに異なる特
殊な衣服の組合せのときには,専門家に相談することが望ましい。
3. 附属書Bには,休憩場所でのWBGTの値が作業場でのWBGTの値と同じであるか,又
はかなり近い値であるという仮定に基づき,種々の作業−休憩のサイクルに対応した
WBGTによるいくつかの基準値の指針を示す。
4. 熱順化は,熱ストレスを徐々に増大することによって7日間で達成される。附属書Bに
は,一例として,作業期間を徐々に増大することと,次の休憩時間を調整することに基
づいた順化の方法を示した。順化していない人とは,作業する前の週に毎日熱にばく露
されていなかった人をいう。

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8. 評価報告書 ある状況において個人が被った熱ストレスの評価報告書は,次のようなデータを示すの
がよい。
a) 評価を行った場所(例 工場,職場,作業場)
b) 評価を行った期間(年,月,日,時間)
c) 評価を行った事業所又は個人
d) 温熱因子の測定値又は推定値(基準値)の詳細
e) BGTの平均値及び基準値に関してそのWBGT値の位置付け
附属書Cに,例としてその結果を表す方法を示す。

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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
附属書A(参考) WBGT熱ストレス指数の基準値表
表A.1 各条件に対応した基準値
代謝率区分 代謝率M WBGT基準値
単位体表面積総表面積(平 熱に順化している人 熱に順化していない人
W/m2 均体表面積 ℃ ℃
1.8m2)
W
0(安静) M≦65 M≦117 33 32
1(低代謝率) 35 234 2(中程度代謝率) 130 3(高代謝率) 200 ないとき るとき ないとき るとき
25 26 22 23
4(極高代謝率) M>260 M>468 23 25 18 20
備考 これらの数値は最高直腸温度38℃を許容限度として設定されている。

――――― [JIS Z 8504 pdf 9] ―――――

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Z8504 : 1999 (ISO 7243 : 1989)
附属書B(参考) WBGTの基準値を示す曲線及び熱順化の方法
B.1 作業−休憩サイクルに対応したWBGTの基準値を示す曲線 曲線は,休憩場所のWBGT値が作業場
のWBGT値と同じか,又はかなり近い値という仮定に基づいて作られている(条件は,基準時間を1時間
とし,熱に順化している人が気流を感じるときを前提としている。)。
これらの曲線は図B.1に示されており,作業−休憩サイクルを変えることで容易に作業の調整に役立て
ることができる。この規格を的確に適用するには,測定された各WBGT値に重みを加えることが望ましい。
B.2 熱順化の方法 順化とは,ある環境に一定時間十分ばく(曝)露されたとき,その環境に対する人の
耐性を高める生理的な適応プロセスから生じる状態である。順化している人は,順化していない人に比べ
ると,同じ熱ストレスに対し生理的負担が少ない。
この種の順化は,人工気候室の中で繰返しばく露することで人工的に達成できる。
また,現場では,作業者が,始めは短時間に作業を行い,次第に時間を長くすることで自然に達成でき
る。順化していない状態から順化した状態へ作業の持続時間を増やすのは,7日以上かけて徐々に行わな
ければならない。
順化した人と順化していない人の作業−休憩サイクルは,この規格と附属書Aの基準値に基づいて
WBGTを推定することで定められる。
図B.1 作業・休憩サイクルに対応したWBGTの基準値

――――― [JIS Z 8504 pdf 10] ―――――

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  • ISO 7243:1989(IDT)

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