JIS Z 8522:2006 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―情報の提示 | ページ 2

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
そのため,JIS化に当たっては“符号化”という訳語を与えた。
3.2.1
記憶符号 (mnemonic code)
ユーザーにとって意味が分かりやすく,かつ,表わそうとする語を何らかの点で連想させる符号。
注記 記憶符号は,覚えやすく思い出しやすいような英数字列とすることが多い。記憶符号の多くは,
略号である。
3.3
コントロール (controls)
ダイヤル,ラジオボタンなどの物理的な操作具に似せた図形オブジェクトで,あるアプリケーション内
を行き来したり,表示してあるオブジェクト又はその属性を操作するのにユーザーが利用する。
3.4
カーソル (cursor)
文字を入力する位置を視覚的に示す指示。
3.5
フィールド (field)
データを入力するための又はデータを提示するための,範囲を定められた領域であり,一般に一定数の
文字又は空白からなる。
3.5.1
入力フィールド (entry field)
データを入力するのに,又は表示データを編集するのに利用できるフィールド(図2参照)。
3.5.2
読取り専用フィールド (read-only field)
データを表示するが,書き換えのできないフィールド(図2参照)。
氏名 : 青山___
入力フィールドの例 (3.5.1)
入力フィールドの例(3.5.1)
(3.5.2)
読取り専用フィールドの例
読み取り専用フィールドの例(3.5.2)
図2−各種フィールドの例
3.6
グループ (group)
表示上で知覚的に区別できるフィールドの集まり。
3.7
強調表示 (highlighting)
重要な又は決定的な情報を強調し目立たせる表示手法。
注記 明暗反転表示,点滅表示,下線,色付け,コントラストの強調(輝度による符号化),図形の付
加(例えば,枠で囲む),大きさ変化などの手法がある。

――――― [JIS Z 8522 pdf 6] ―――――

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
3.8
アイコン (icon)
オブジェクト,動作又は機能を表す画面上の図形要素。
3.9
見出し (label)
入力フィールド,読取り専用フィールド,表,コントロール又はオブジェクトに付ける短い説明標題。
注記 アプリケーションによっては,見出しを読取り専用フィールド(保護フィールド)に分類して
扱うものがある。一般に,見出しには,題目,フィールド入力の催促,説明文(例えば,アイ
コンの見出し)などがある。
3.10
リスト (list)
データ項目を縦又は横方向に並べて提示したもの。通常,アプリケーションの状態に応じて内容及び数
は変化する。
3.11
標識 (marker)
状態を指摘したり,ある項目に注意をひ(惹)くために使用する記号(例えば,*など)。
3.12
ポインタ (pointer)
ポインティングデバイスの操作に応じて画面上を移動する図形記号。
注記 ユーザーは,画面上に表示された要素の位置までポインタを動かし,操作を開始することでそ
の要素とのやり取りを行う。
3.13
表 (table)
一定の規則に従った関係をもたせてデータを規則正しく表示したもの。リストを列として並べたり,又
は方形の配列とすることが多い。
3.14
ウインドウ (window)
個別に操作可能な表示面上の領域で,オブジェクトを提示したり,及び/又はユーザーと対話を行った
りするのに用いるもの(図3参照)。
注記 ウインドウは通常長方形で,境界枠をもつ。
図3−ウインドウの例
3.14.1
主ウインドウ (primary window)

――――― [JIS Z 8522 pdf 7] ―――――

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
オペレーティングシステム,アプリケーション,又はオブジェクトの状況を表示するウインドウ。
注記 同時に複数の主ウインドウを提示する場合もある。
3.14.2
派生ウインドウ (secondary window)
主ウインドウでのやり取りから派生し,ある対話の間表示されるウインドウ。
注記 システム側からの契機で,派生ウインドウを表示させる場合もある。
3.15
ウインドウの配置 (windowing format)
複数のウインドウを同時に表示するときの配置。
注記 タイル形,重なり形,混合形など幾つかのウインドウ配置がある。
3.15.1
タイル形ウインドウ配置 (tiled window format又はside-by-side window format)
ウインドウを重ならないように,かつすき間なく並べる配置(図4参照)。
記号
1 2
1: ウィンドウ1
2: ウィンドウ2
3: ウィンドウ3
4: ウィンドウ4
3 4
図4−タイル形ウインドウ配置
3.15.2
重なり形ウインドウ配置 (overlapping window format)
ウインドウが,互いに一部又は全部重なり合うこともできるウインドウ配置(図5及び図6参照)。
1 記号
2 1: ウィンドウ1
2: ウィンドウ2
3: ウィンドウ3
3
図5−重なり形ウインドウ配置

――――― [JIS Z 8522 pdf 8] ―――――

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
1
記号
1: ウィンドウ1
2
2: ウィンドウ2
3: ウィンドウ3
3
図6−重なり形ウインドウ配置(規則的な配置)
3.15.3
混合形ウインドウ配置 (mixed format)
タイル形及び重なり形の両方が混在する配置(図7参照)。
注記 基本配置はタイル形で,催促,助言などの一時的な要素を表示する場合に重なり形も使われる
混合形と,反対に基本配置は重なり形だが,あるウインドウ内を分割して内部の部分ウインド
ウをタイル形で配置する混合形とがある。
記号
1 2 1: ウィンドウ1
2: ウィンドウ2
5 3: ウィンドウ3
4: ウィンドウ4
3 4 5: ウィンドウ5
図7−混合形ウインドウ配置

4 この規格の適用方法

4.1 提示する情報の特性

  ユーザーが,提示した情報を効果的に,少ない負担で,快適にく(汲)み取って仕事(例えば,画面上
で情報を探す。)ができるように,情報を提示することが望ましい。これを実現するためには,視覚情報を
設計するときに,次の特性を考慮することが重要である。
− 明りょうさ(すなわち,情報内容が速く正確に伝わる。)
− 見分けやすさ(すなわち,表示した情報が,正確に区別できる。)
− 簡潔さ(すなわち,仕事達成に必要な情報だけを,ユーザーに与える。)
− 一貫性(すなわち,同じ情報は,ユーザーの期待に添うように,一つのアプリケーション中では同じ
ように提示する。)
− 気付きやすさ(すなわち,ユーザーの注意を必要な情報に向ける。)
− 視認性(すなわち,情報は,読み取りやすい。)
− 把握しやすさ(すなわち,意味が理解しやすく,あいまいでなく,解釈しやすく及び認識しやすい。)

――――― [JIS Z 8522 pdf 9] ―――――

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
視覚情報の設計では,システムの利用状況及びユーザー要求に照らして,上記の特性を満足することを
常に基本目標とすることが望ましい。視覚情報の設計では,次の様々な分野の知識を利用する。
− 生理学(例えば,感覚器官の特性)
− 心理学(例えば,精神的作業負担)
− 人間工学(例えば,利用の状況,JIS Z 8521参照)
− タイポグラフィ
注記 タイポグラフィとは,文字の視覚的表現に関する研究分野である。
− グラフィックデザイン
情報を適切に提示すると,ユーザーの視覚情報の把握能力が向上し,情報入力の速さと正確さが増大す
る。このことはユーザーの作業成績を向上させるので,人の能力発揮という観点からの利益をもたらす。
情報の組織化に関する推奨事項は,情報の探索に役立ち,また,個々の情報及び情報のまとまりの区別を
容易にする。

4.2 推奨事項の適用

  箇条5箇条7の各推奨事項が適用可能かを評価し,適用可能であれば,その推奨事項内容を実現する
ことが望ましい。ただし,推奨事項を適用することで,結果として設計目標から外れたり,全体としての
使用性を低下させるという確証があれば,必ずしも推奨事項を実装しなくてもよい。製品が推奨事項に適
合しているかを判定する場合,ユーザーが対話システムを使って仕事を行っているという状況下で製品を
評価すること,又はその製品の代表的ユーザーの利用状況を観察することが望ましい。適用可能性を決定
する場合及び推奨事項に従っているかを判定する場合の助けとなる見本の手順を,附属書Aに示す。

4.3 製品の評価

  ある製品が,この規格中の適用可能な推奨事項に適合していると主張するには,その情報提示の要求事
項を設定するときに用いた手順,並びにその情報提示を開発する及び/又は評価するときに用いた手順を
明確に指定しなければならない。手順指定の詳細度は,関係者間の協議事項とする。
この規格の使用者は,附属書Aに示す手順を活用してもよいし,それぞれの開発及び/又は評価環境に
合わせた別の手順を作り上げてもよい。

5 情報の組織化

5.1 情報の表示位置

  ユーザーの期待及び仕事上の要請に適合するように,情報の表示位置を決めることが望ましい(例とし
て,5.5及び5.8参照)。
注記 ユーザーの期待に添った場所にある情報は,その情報を探す所要時間が短くて済む。

5.2 ウインドウ使用が適切な場合

  次の5.2.1及び5.2.2に規定する仕事の要求事項及びシステム能力項目に,より多く該当すればするほど
ウインドウの使用が適切である。
5.2.1 仕事の要求事項
− ユーザーは,同時に複数のシステム,アプリケーション若しくはプロセスを監視する又は扱う。
− ユーザーは,複数の情報を評価したり,比較したり,操作したりする。複数の情報には,異なる情報
源からの情報,又は一つの情報源の見方を変えた複数の情報(例えば,情報を一つのアプリケーショ
ンから他のアプリケーションに移動したりコピーしたりする。)がある。
− ユーザーは,仕事,システムアプリケーション,ファイル,文書部分,視点などを頻繁に切り替えな
がら作業する。

――――― [JIS Z 8522 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8522:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-12:1998(IDT)

JIS Z 8522:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8522:2006の関連規格と引用規格一覧

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規格名称