JIS Z 8524:1999 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―メニュー対話 | ページ 5

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b) メニューパネルの背景との色対比,及び他の選択肢との色対比を考慮して,色を使用するのがよい(JIS
Z 8518 6.5色差の箇条を参照)。さらに,一つのメニューパネル内で5色以上を使わないほうがよい。
8.2.8 書体 文字の書体又は大きさを,選択肢グループ又は見出しの見分けやすさを高めるために用いる
場合は,次による。
a) 視認性 書体と大きさは,使用する表示装置上で視認できるもので,互いに弁別可能であることが望
ましい。
b) 使用数 一つのメニュー内で使用する書体・大きさの組合せ(例えば,10ポイントの太字クーリエ,
12ポイントの太字クーリエ,12ポイントの斜字クーリエ)は,3種類以内にするのがよい(大・小文
字の相違は,書体の数に算入しない。)。
備考 メニュー選択肢が,実際の書体・大きさを表しているのであれば,上記の制限は超えてもよい。
8.2.9 枠及び線 メニュー又はそのグループを見分けやすくするのに枠又は線を使用する場合には,次に
よる。
a) 選択肢以上に目立たないように,枠及び線は簡素なものを用いるのがよい。
b) 枠及び線は選択肢から十分離して,選択肢を読みやすくするのがよい。
参考 他の表示情報の上部に現れるメニュー(例えば,ポップアップメニュー)と区別を付けるため
に,枠を用いることもある。

8.3 文章型選択肢 (text option) の構造及び文法

 あいまいさがなく,なじみがあり,簡潔な名前を用い
ること,並びに一貫した選択肢の表示体裁及び構文規則によって,選択肢の識別と見分けやすさを向上さ
せ,素早く認識できるように支援することが望ましい。
8.3.1 あいまいさのない名前及び見出し 選択肢名及びグループの見出しは,同一メニュー内,同一アプ
リケーション内両方で,意味的に他と区別できる(すなわち,あいまいさがない)ことが望ましい。
備考 システムがいろいろな国で使われると想定される場合,選択肢名の翻訳の影響を,設計時に配
慮する。
参考 類似的に使われる言葉(例えば, “stop”,“quit” 及び “exit”)に区別のある新たな定義を与えて
区別を付けようとすることは,概して効果がない。
8.3.2 キーワード
a) 先頭にキーワードを置く 選択肢名を素早く認識させるためには,選択肢の機能を最も代表する語(す
なわち,キーワード)を,先頭に置くのがよい。
例 “index” が,選択肢を最もよく代表する言葉なので “system documentation index” ではなく
“index of system documentation” を使用する。
備考 キーワードとすべきものは,メニューグループ全体の前後関係に応じて変わることもある。例
えば,文書の印刷が,印刷グループの唯一の選択肢であれば,“印刷”がキーワードである,一
方,印刷グループの選択肢が幾つかある場合,“文書”がキーワードである。
b) イメージしやすさ (High-imagery) 選択肢として選ぶキーワードは,動作や対象に対して強い認知的
な連想をもつ(イメージしやすい)ことが望ましい,及び言外に広い意味をもつ(イメージしにくい)
キーワードは使用しないことが望ましい。
例 文書の一覧表を表示する選択肢としては, “information” (イメージしにくい)ではなく “index”
(イメージしやすい)を使う。
備考 イメージしやすくても,選択肢の意味にふさわしくない意味をもつキーワードは使用しない。
8.3.3 選択肢の用語法 利用者になじみのある用語を,選択肢の名前に使用するのがよい。

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備考 一般的に,利用者の仕事で使われている用語を使うことが望ましい。
8.3.4 選択肢の言い回し 選択肢は,一貫した言い回しで簡潔に表現するのがよい。
備考 簡潔さのために見分けやすさを損なわないためには,選択肢の内容理解を促進する説明及び/
又は例を付加することを検討する。
8.3.5 動作を表す選択肢 選択肢名が動作を表すものであれば,動詞を用いるのがよい(使用する言語上
で不自然でなければ)。
日本語の場合,動作を表す名詞を用いてもよい(例えば,“削除する”の代わりに“削除”)。
例 “DELETE”
参考 動作を表す選択肢の名前を設計又は検討する際に,動詞の意味が動作内容をよく表しているか
を決めることは重要である。
8.3.6 対象を表す選択肢 選択肢名が,対象を表すものであれば,名詞を使用するのがよい。
例 “FOLDER”
8.3.7 動作及び対象の選択肢 選択肢名が,動作と対象の両方を表す場合,動詞−名詞構造を使用するの
がよい(使用する言語上で不自然でなければ)。
例 “DELETE FOLDER”
参考 使用する言語の文法との一貫性のほうが,動詞−名詞の順序より重要である。
日本語では,名詞−動詞構造を使用するのがよい(例えば,“フォルダーを削除”)。
8.3.8 コマンド言語への移行 メニューをコマンド言語と併用する,又はコマンド言語への移行を支援す
るために使おうとするのであれば,選択肢名の大文字の使用法や構文は,コマンド言語と一貫性をもたせ
るのがよい。
8.3.9 他のメニューへのつながり ある選択肢が,(何らかの動作を実行するのではなく)他のメニュー
へとつながる場合には,そのことを示す一貫した手掛かりを利用者に与えるのがよい。
例 下位メニューにつながる選択肢には,選択肢ラベルの最後に右矢印を付ける,又は選択肢名に“メ
ニュー”という言葉を含める。
参考 選択肢の大部分が,他のメニューにつながる場合,大多数の場合よりも,例外の場合を符号化
するほうが適切な場合がある。
8.3.10 他の対話へのつながり ある選択肢が,(何らかの動作を実行するのではなく)他の対話につなが
る場合には,そのことを示す一貫した手掛かりを利用者に与えるのがよい。
例 次に他の対話につながることを示すのに,省略記号 (...) を用いる。
参考1. 選択肢名から選択した結果が明らかに分かる場合,余分な手掛かりは必ずしも成績の向上を
もたらさない。
2. 選択肢の大部分が,他の対話につながる場合,大多数の場合よりも,例外の場合のほうを符
号化するほうが適切な場合がある。

8.4 図示型選択肢 (graphic option) の構造及び文法

 選択肢の動作,対象又は名称を,利用者が認識し
やすくするためアイコン(絵表現)を使用する場合,アイコンはあいまいさがない,利用者の期待に添う
及び仕事に適したものであることが望ましい。
参考 アイコンには,動作の選択肢を表すもの,対象の選択肢を表すもの,及び両方を表すものがあ
る。
8.4.1 アイコンのラベル アイコンが表そうとするものと一対一に対応しない場合には,それぞれのアイ
コンに文章ラベルを付加するのがよい。

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備考1. アイコンにラベルを付ける場合,文章型選択肢の構造と文法に関連した推奨事項(8.3)を参照
(ISO/IEC 11581,附属書Cをも参照)。
2. 見れば分かるようなアイコン(例えば,塗りつぶしパターン)の場合には,文章ラベルは必
要としない。
3. (同一アプリケーションによって作られるファイルのように)幾つかの対象が同じアイコン
をもつ場合には,文章ラベルを必要とする。
8.4.2 区分け 分けても仕事の要求事項と矛盾しない場合,対象を表すアイコンと動作を表すアイコンは,
メニュー内で別々のグループに分けることが望ましい。
8.4.3 見分けやすさ 選択肢を表すアイコンは,互いに見分けやすく,その意味が利用者に理解されやす
いことが望ましい。
備考 既成の絵表示をアイコンとして使うことを検討する。異なる文化圏で使用されそうな場合には,
文化の違いによってアイコンの意味が変わることを考慮する。
参考 見分けやすさは,一意な文章ラベルを用いた結果得られることもある(8.4.1参照)。

8.5 音声選択肢 (auditory option) の構造及び文法

 音声選択肢メニューの構造及び文法は,仕事の要求
事項及び利用者の音声聞き取りの能力に添ったものであることが望ましい。
8.5.1 選択肢の数 音声によるメニューでは,少数の選択肢に限るのがよい(例えば,三つ又は四つ)。
備考 五つ以上の選択肢が必要な場合,すぐに分かる記憶記号の構造となるよう検討する。
8.5.2 文法 音声によるメニューで指示子を使う場合,選択肢名のほうを指示子より先に提示するのがよ
い。
例 “ヘルプにはF1を,終了にはF2を,属性表示にはF3を,その他の動作にはF4を押してくださ
い。”
参考 視覚提示する場合の構文は,一般的に聴覚提示には当てはまらないので,音声によるメニュー
構文の設計では,特別な配慮をすると効果的である。
8.5.3 聞き分けやすさ 利用者が適切に識別できるように,音声によるメニューは,十分に時間間隔を置
いた聞き分けやすい,一語又は短い句の選択肢から構成するのがよい。
例 “次の内から一つ選んでください ······組込み······アプリケーション······ユティリティ······ヘル
プ”
8.5.4 再演機能 利用者が,音声によるメニューの再提示を指示する手段を用意することが望ましい。
例 利用者が“もう一度”というと,音声によるメニューを再度繰り返す。

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附属書A(参考) 適用可能性及び適合を査定する手順例
1. 一般 この附属書は,この規格中の適用可能な推奨事項が満たされているかを決める手順の例を与え
る。記述してある手順は,手引としてのものであり,この規格そのものの代用として使用すべき厳密な過
程ではないのを留意することが望ましい。この手順は,二つの段階からなる。
− 該当する推奨事項を決める。
− 該当推奨事項へ適合しているかを決める。
インタフェースの設計は,仕事,利用者,環境,及び利用可能な技術に依存する。したがって,この規
格はインタフェースの設計や利用の状況の知識なしには適用不可能であって,全部をそのまま当てはめる
規範的規則群として使うように意図したものではない。それよりも,設計者が,仕事の内容,及び利用者
の要求事項についての適切な知識をもち,技術の使い方を理解していることを前提としている(これには,
資格をもつ人間工学専門家との相談も,実際の利用者で実験する経験も必要かもしれない。)。
評価手順は,代表的利用者の分析,その代表的及び重要な仕事の分析,並びに代表的利用環境の分析に
基づくことが望ましい。メニュー対話の評価は,一般に次の二つの場合に分けられる。
a) 利用者及び利用者の仕事が既知の場合,代表的な利用環境で代表的な及び重要な仕事を行っている状
況下で,評価者が製品を評価する,又は製品の典型的利用者を観察する。
b) 具体的利用者及び利用環境が未知の場合,評価者が評価対象である製品中のすべてのメニューを評価
する。
ある製品が,ある推奨事項を満たしているかどうかの決定は,上述の評価中で扱われたメニューに基づ
くことが望ましい。この規格中の推奨事項を満たすもの以上に優れていることを示すことのできるメニュ
ーも,この規格の推奨事項を満たすものとして受け入れる。
この規格の使用者は,評価するメニューの一覧(例えば,全メニュー,又はある仕事に関連する一部の
メニュー),適用可能かどうかを決めるのに用いた方法(この附属書の3.に記述),適合しているかを判定
するのに用いた方法(この附属書の4.に記述),及びその結果を列挙して,メニューシステムが推奨事項を
満たしているかを示してもよい。
2. 適用可能性 推奨事項の適用可能性は,次の二つの要因に基づく。
a) 条件部分が(もし条項にあれば)成立するか否か。個々の推奨事項は,条項の条件部分が成立すれば,
適用可能である。例えば,迅速な探索時間が重視されない場合は,本体の推奨事項5.1.4は,適用可能
とはならない。
b) 設計環境 利用者集団が未知である,仕事に差異がある,オフィスに騒音が多い,画面の分解能が異
なる,ポインティングデバイスが用意されていないなどの利用者・仕事・環境及び技術上の制約で,
推奨事項が適用できない場合がある。しかし,設計環境が,ある推奨事項で言及している利用者特性,
仕事又は技術上の特徴に該当すれば,その推奨事項は適用可能とする。例えば,ポインティングデバ
イスによるメニュー選択が可能な場合,本体の7.5の条件付き推奨事項を適用可能か検討することが
望ましい。
ある推奨事項が,適用可能であるかを決めるうえで利用できる方法には,次のものがある。
− システム資料の分析
− 資料的論拠

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− 観察
− 分析的評価
− 経験的評価
例えば,メニュー構造を決めるうえで,自然な分類を当てはめられるかどうか(推奨事項本体の5.1.1)
を決める方法として,資料的論拠を使用することが考えられる。次に,適用可能性の決定手法について詳
しく述べる。
3. 適用可能性手法の解説
3.1 システム資料の分析 システム資料の分析とは,メニューシステムの全般的又は個別的性質を記述
していそうなすべての文書の分析を指す。それらにはシステム及び利用者要求事項を含んだ設計資料,操
作説明書,利用者の手引(ユーザガイド)などが含まれる。例えば,あるアプリケーションのシステム要
求事項に従えば,メニュー選択に英数字キーボードだけを利用することが分かる。
3.2 資料的論拠 資料的論拠とは,仕事の要求事項及び特性,作業の流れ,利用者の技能,適性,習慣
及び癖,類似システムの設計からの試験データなど,文書化された関連する情報すべてを指す。ある推奨
事項が適用可能かの判定に役立つ情報として使えることもある。例えば,タスク分析データによって,あ
る仕事環境でメニューシステムを利用する場合,迅速な応答時間が大事な配慮であることが指摘される場
合がある。
3.3 観察 観察とは,ある観察可能な性質(例えば,メニュー選択肢が明示的指示子をもつか,選択に
ポインティングデバイスを用いるか)をもつかについて,メニューシステムを検討又は点検することを意
味する。観察は,メニューシステムを系統立てて調べ,ある推奨事項の適用可能性に関連する特定の性質
があるかを判定するのに必要な技能をもっていれば,誰にでも可能である。もともと自明なものだから,
観察結果は別の人間によって直ちに確認できる。
3.4 分析的評価 分析的評価とは,メニューシステムの性質についての該当する(すなわち,その性質
に関しての)専門家による“有識者的”判断のことである。この方法は,一般に,他の情報や知識の文脈
の下でだけ判断できるような性質の評価に使われる。他にも,分析的評価は,システムが設計文書の形で
だけ存在したり,経験的評価用に利用者母集団が得られなかったり,時間や資源に限りがある場合に適切
であろう。分析的評価は,ある推奨事項が適用可能か,例えば,利用者の知っている慣習的又は自然な組
分けで選択肢が配置できるか,速い探索時間が重要かを決定するのに使うことができる。例えば,選択肢
を利用者の知っている慣習的組分けで配置するという推奨事項が適用できるかを決める際に,代表的利用
者及び情報の組分けに関する専門家の知識に基づいて,分析的評価を行う。
分析的評価は,メニューシステムの関連する性質を判断するのに必要な技能及び経験をもつ適切な資格
者なら誰でも行うことができる。性質が人間工学的原理の適用にかかわる場合は,専門家はソフトウェア
人間工学に通じている必要がある。性質が,作業環境,システム特性,その他の設計の側面にかかわる場
合は,判定者はその関連領域の専門家である必要がある。

――――― [JIS Z 8524 pdf 25] ―――――

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JIS Z 8524:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-14:1997(IDT)

JIS Z 8524:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8524:1999の関連規格と引用規格一覧