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Z 8792 : 2011
a) 光波が+z方向に進むとき b) 光波が−z方向に進むとき
図2−ホログラムの記録特性の測定のための座標系と光波との角度の取り方
5.3 ホログラムの記録環境
ホログラムの記録は,常温かつ常湿の暗室で行い,機械的な振動及び空気の乱れに対して,十分な対策
がとられた条件下で行わなければならない。
注記 例えば,機械的な振動に対しては,防振装置をもった光学定盤上に,レーザも含んだ全ての機
器を搭載することで振動を防ぐ対策をとり,空気の乱れに対しては,光学定盤全体をプラスチ
ック製のカバー,暗幕カーテンなどで囲うことで,エアコンディショナなどからの空気の流れ
を遮断するなどの対策をとる。空冷タイプ又は水冷タイプのレーザのときは,レーザ自身から
発する空気の乱れ,振動などにも注意する。
5.4 測定装置及び器具
ホログラムの記録材料の記録特性の測定に当たっては,図1に示す光学系を用いなければならない。光
学系は,次の要素(部品)で構成される。
注記 推奨されるホログラムの記録光学系の組立手順及び安定性の確認方法については附属書Aを,
ホログラムの記録手順については附属書B,二光束干渉によるホログラムの干渉じま間隔と物
体波及び参照波の入射角度との関係については附属書Cを参照。
5.4.1 レーザ 出力の経時安定性が十分高いもの(例えば,30分間で出力変動が±5 %以下)であること
が望ましい。
5.4.2 対物レンズ コリメータレンズに照射されるレーザ光の放射照度がコリメータレンズの有効径内
でほぼ均一になるようにビーム直径を拡大できるもの(例えば,10倍40倍の倍率)を適宜選択する。
5.4.3 ピンホール 使用するレーザの波長,対物レンズなどの焦点距離に応じて,適切な大きさの孔径の
もの(例えば,525 μm)を用いる。
注記 対物レンズの焦点位置におけるビーム直径dの理論式は,式(1)で与えられるので,この値の2
倍程度をピンホール孔径の目安としてもよい。
4f 4
d ≒NA (1)
ここに, f : 対物レンズの焦点距離(μm)
λ : 空気中におけるレーザの波長(μm)
入射光のビーム直径(ビーム強度が最大値の1/e2となる幅)
(μm)
NA : 対物レンズの開口数
――――― [JIS Z 8792 pdf 6] ―――――
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5.4.4 コリメータレンズ 使用するレーザの波長に対して球面収差補正をしたレンズであり,レンズマウ
ントに設置したもの。
5.4.5 ミラー 面精度は,十分高いもの(例えば,1/10波長程度を超えるもの)であることが望ましい。
ミラー類を搭載するステージは,回転及びあおり機構の微動が可能で,その微動機構もマイクロメータを
用いたものが望ましい。
5.4.6 ハーフミラー 反射光と透過光との比率を1 : 1にできるものを用いる。
注記 例えば,誘電体多層膜又はクロム反射膜をコーティングしたもの,裏面反射による干渉ノイズ
を避けるためにくさび角が1°[π/180(rad)]程度のくさび形状をしたもの,反射防止コート
をしたものなどがある。
5.4.7 試験片ホルダ ホログラムの記録材料を装着した状態で,試験片サイズ程度の可動範囲をもって移
動可能であることが望ましい。ただし,可動機構を設けるときは,振動に強い構造のものを選択する。
注記 記録材料の着脱は,暗室の明かりのないところで行わなければならないので,暗所でも容易に
着脱が行える形態であることが望ましい。例えば,保持具として,試験片サイズとほぼ同サイ
ズで,縁取りした金枠(枠幅10 mm程度で,黒つや消し塗装する。)を用意し,試験片の押さ
えには,ばね板(クレンメル)を用いることが望ましい。
5.4.8 光検出器 測定対象とする光強度に対して十分なダイナミックレンジ及び応答性をもち,校正され
たもの。
5.5 露光特性曲線の測定方法
露光特性曲線の例を,図3に示す。
露光特性曲線(露光量と回折効率との関係を示す。η−E特性曲線)の求め方は,次による。
a) ホログラムの記録に用いる光源の波長,並びに物体波及び参照波の入射角度を適宜定め,図1の光学
系を用いて,露光量を変化させて露光した記録材料に,記録材料ごとに定められた規定の処理(現像,
漂白など)をする。
b) 次にJIS Z 8791の5.5(回折効率の測定方法)に規定するいずれかの測定方法によって回折効率を測
定する。
回折効率には複数の種類があり,それらの値は一般に異なるので,回折効率の測定は測定対象に応
じて,適宜測定方法を選択しなくてはならない。厚い反射型ホログラムにおいては,JIS Z 8791の5.5.4
(分光透過回折効率の測定方法)に規定する分光透過回折効率又は5.5.5(分光反射回折効率の測定方
法)に従った測定を用いるのがよい。
c) 露光特性曲線は,横軸を露光量(μJ/cm2),縦軸を回折効率(%)として測定結果をプロットする。
――――― [JIS Z 8792 pdf 7] ―――――
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a) ピークを呈する露光特性曲線 b) 飽和値に漸近する露光特性曲線
図3−露光特性曲線(η−E特性曲線)の例
5.6 半値露光量の測定方法
半値露光量は,5.5によって得られた露光特性曲線(図3)における最も高い回折効率の50 %(又は飽
和したとみなせる回折効率の50 %)となる露光量(μJ/cm2)のうち,最も少ない露光量を図4のグラフか
ら読み取る。
注記 数字が小さいほど,少ない露光量でホログラムが記録できることを示す。半値露光量は,ホロ
グラムの記録材料のホログラムの記録に関する感度を表す尺度として利用できる。
なお,この半値露光量は,露光量を決定する一つの目安であり,必ずしもホログラムの記録
時の最適な露光量を示すものではない。
a) ピークを呈する露光特性曲線 b) 飽和値に漸近する露光特性曲線
図4−露光特性曲線の例及び半値露光量の読取方法
――――― [JIS Z 8792 pdf 8] ―――――
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5.7 R値の測定方法
R値は,ホログラムの記録材料の解像力を示す指標であり,次によって求める。
a) コリメートされた二光束の入射角度θを変えてホログラムを記録する。
このとき,透過型ホログラムでは,物体波の入射角度をθ,参照波の入射角度を2π−θとして二光
束を入射させる。反射型ホログラムでは,物体波の入射角度をθ,参照波の入射角度をπとして二光
束を入射させる。また,記録材料の位置での空気中(n=1.0)の干渉じまの空間周波数が,例えば,
500本/mm,1 000本/mm,2 000本/mm,3 000本/mm,4 000本/mmとなるよう,入射角度θを設定す
る[透過型のとき : 式(C.4),反射型のとき : 式(C.8)を参照]。
b) IS Z 8791の5.5(回折効率の測定方法)に規定するいずれかの測定方法によって,それぞれのホログ
ラムの回折効率を測定する。
c) 空気中におけるそれぞれの空間周波数,例えば,500本/mm,1 000本/mm,2 000本/mm,又は3 000
本/mmの回折効率をR値とする。
例 ある記録材料に空気中での空間周波数1 000本/mmの透過型ホログラムを記録した場合の回折
効率が30 %であったとき,空間周波数1 000本/mmにおけるR値は30であり,R (1 000)=30
と表す。
5.8 屈折率変調量の測定方法
5.8.1 一般事項
厚い位相型ホログラムの屈折率変調量は,透過型ホログラム又は反射型ホログラムの回折効率の測定を
通じて求められる。
5.8.2 透過型ホログラムによる測定方法
透過型ホログラムを用いた屈折率変調量の測定は,次の手順による。
a) コリメートされた二光束を用い,物体波の入射角度をθ,参照波の入射角度を2π−θとしてホログラ
ムを作製する。
b) 5.5によって得られた露光特性曲線(図3)における最も高い回折効率の値(又は飽和したとみなせる
回折効率の値)を求める。
c) 式(2)によって,屈折率変調量( 滿 を算出する。
n cos Barcsin (2)
T 100
ここに, λ : 空気中の波長(μm)
T : ホログラムの厚さ(μm)
θ'B : ブラッグ回折角(ホログラム内での角度)(rad)
η : 回折効率(%)
注記 ブラッグ回折角θ'Bと二光束の入射角度θとの関係は,スネルの法則によって,次の式で与え
られる。
B arcsin(sin/ n)
ここに, n : ホログラムの平均屈折率
arcsinの値は,度(°)単位ではなくラジアン単位で算出する。
ホログラムの平均屈折率は,作製されたホログラムについて測定された値を用いることが
望ましいが,一般には正確な測定が容易ではないため,ホログラムを構成する物質の組成に
――――― [JIS Z 8792 pdf 9] ―――――
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基づいて計算される値を用いてもよい。
例 厚さ7 μmの銀塩乳剤を使用し,波長0.532 μm,θ=π/8 (rad) でホログラムを記録し回折効率50 %
を得たとき,このときの屈折率変調量は,nを1.63とすれば, 滿 0.018と見積もることがで
きる。ただし,この値は,回折効率−露光量特性を示す図3 a) の透過型ホログラムの例におい
て,回折効率が最初に50 %になるときの屈折率変調量を示す。
5.8.3 反射型ホログラムによる測定方法
反射型ホログラムを用いた屈折率変調量の測定は,次の手順による。
a) コリメートされた二光束を用い,物体波及び参照波の入射角度をそれぞれ,0 (rad) 及びπ (rad),又は
θ (rad)及びπ−θ (rad)としてホログラムを作製する。
b) IS Z 8791の5.5.4(分光透過回折効率の測定方法)によって測定された回折効率を基にして露光特性
曲線(図3)を描き,当該曲線における最も高い回折効率の値(又は飽和したとみなせる回折効率の
値)を求める。
c) 式(3)によって,屈折率変調量( 滿 を算出する。
1 / 100
n cos B log (3)
2 T 1 / 100
ここに, λ : 空気中の波長(μm)
T : ホログラムの厚さ(μm)
θ'B : ブラッグ回折角(ホログラム内での角度)(rad)
η : 回折効率(%)
6 測定結果の記載
6.1 一般事項
測定報告書には,表1に示す報告事項を記載する。露光特性曲線又は半値露光量のいずれかを記載する。
また,測定対象としたホログラムの作製の手順及び条件についても併せて記載する。
6.2 測定対象に関する情報の記載
測定対象に関する情報の記載は,次による。
a) 記録材料の名称(例えば,商品名,開発コード番号など識別できる情報を指す。)
b) 露光前のホログラムの記録材料の厚さ(ただし,基板又は支持体部分は,含めない。)(μm)
c) 基板(又は支持体部分)の種類(ガラス,ポリマーフィルムなどの区別)
d) ホログラムの記録時に使用したレーザ光の特徴[波長(μm),及び連続発振レーザか,又はパルス発
振レーザかの区別]
e) 現像,漂白などの記録時に行った処理方法(該当する場合)。他者が再現可能な情報を最低限報告しな
ければならない。
6.3 露光特性曲線及び半値露光量の測定結果の記載
露光特性曲線及び半値露光量の測定結果の記載は,次による。
a) 記録特性は,5.5によって得られた露光特性曲線(η−E特性曲線),若しくは5.6によって得られた半
値露光量の値(μJ/cm2若しくはmJ/cm2)のいずれか,又はその両方で示す。
b) 露光特性曲線の記載に当たっては,次の情報についても併せて記載する。
1) ホログラムの記録時の物体波及び参照波の入射角度[度(°)又はrad]
――――― [JIS Z 8792 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8792:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.180 : 光学及び光学的測定 > 17.180.20 : 色及び光の測定
JIS Z 8792:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8120:2001
- 光学用語
- JISZ8791:2011
- ホログラムの回折効率及び関連する光学特性の測定方法