JIS Z 8803:2011 液体の粘度測定方法 | ページ 2

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a) 比較測定方法によって粘度を測定する場合は,粘度又は動粘度が分かっている標準液を用いて粘度計
を校正しなければならない。
b) 粘度の標準液として,表1に示す各温度における蒸留水及びJIS Z 8809に規定する粘度計校正用標準
液を用いる。
表1−蒸留水の粘度及び動粘度
温度 粘度 動粘度
℃ mPa・s mm2/s
0 1.790 6 1.790 9
5 1.518 5 1.518 6
10 1.306 4 1.306 8
15 1.137 8 1.138 8
20 1.001 6 1.003 4
25 0.889 9 0.892 5
30 0.797 0 0.800 5
35 0.718 9 0.723 2
40 0.652 4 0.657 6
45 0.596 0 0.601 9
50 0.546 9 0.553 5
55 0.504 3 0.511 6
60 0.466 8 0.474 8
65 0.433 8 0.442 4
70 0.404 5 0.413 7
75 0.378 4 0.388 2
80 0.355 0 0.365 3
85 0.334 0 0.344 8
90 0.315 0 0.326 3
95 0.297 7 0.309 5
100 0.282 1 0.294 3
注記 この表の値は,20.00 ℃における粘度1.001 6
mPa・sを基準にして定めたものを示す。
c) その他の粘度の標準液として,絶対測定方法によって粘度若しくは動粘度の値が求められている液体,
又は蒸留水を用いて比較測定方法によって粘度の値が求められている液体を用いることができる。

6 細管粘度計による粘度測定方法

6.1 特徴及び測定原理

6.1.1  特徴
細管粘度計による粘度測定方法の特徴は,次による。
a) 試料の密度を測定せずに直接動粘度が求められる。
b) 比較的よい精度で動粘度を測定することができる。
c) 試料が比較的少量でよい。
6.1.2 測定原理
細管粘度計による粘度測定方法の測定原理は,次による。
a) 細管粘度計は,内径均一な細管中に層流状態で試料を流し,一定体積の試料が流れるために要する時
間を測定してその試料の粘度を求めるもので,粘度は次の式(1)によって求められる。

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100πr4ght lmV
(π8100 (1)
(8l nr) V nr) t
ここに, 試料の粘度(mPa・s)
滿 動粘度(mm2/s)
試料の密度(g/cm3)
円周率
r : 細管の半径(cm)
g : 重力加速度(cm/s2)
h : 平均有効液柱高さ(cm)
t : 体積Vの試料が流れるために要する時間(s)
l : 細管の長さ(cm)
V : 時間tに流れる試料の体積(測時球の体積)(cm3)
m,n : 定数
注記1 式(1)は,本来の原理式と異なり,右辺の第1項及び第2項にそれぞれ係数100の値が掛け
られている。
注記2 式(1)において,右辺の第2項が運動エネルギーの補正項,nrが管端の補正という。
注記3 平均有効液柱高さhは,体積Vの試料の平均流量V/tと細管中の流量とが等しくなったと
きの液面の高さの差をいう。
b) 細管粘度計の構造及び寸法が決まれば,式(1)において,
100πr4h 100mV
c1 , c2
(8l nr) V 8(πlnr)
は一定値となり,式(1)は,次のように書き換えられる。
1 c2
ct (2)
t
ここに, c1 : 粘度計定数(mm2/s2)
c2 : 粘度計係数(mm2)
したがって,あらかじめ粘度の分かっている標準液を用いて実験的にc1,c2を求めておけば,任意
の試料の粘度は,一定体積の試料が流れる時間を測定することによって求められる。

6.2 細管粘度計の種類

6.2.1  キャノン−フェンスケ粘度計
キャノン−フェンスケ粘度計は,一定体積の試料を粘度計内に入れ,測時球C内(標線EとFとの間の
体積)の試料が細管Rを通って流下する時間を測定して粘度を求めるもので,傾きによる測定値への影響
(6.6.3参照)を小さくするために,管Nの中心軸上に測時球C及び試料だめ球Aの中心がくるような構
造になっている。
図1に原理を示す形状を,表2に各部寸法の一例を示す。
この例以外のものを必要とする場合は,式(1)を用いて細管の近似内径を求めればよい。すなわち,式(1)
右辺の第2項を無視し,また,一般にnr≪lであるからl+nr≒lとすれば,式(1)から
8lVg
r4≒
100π ht
となる。したがって,適切な細管の長さ(cm),測時球の体積(cm3)及び平均有効液柱高さ(cm)をそれ
ぞれl,V,hに代入し,また,粘度測定範囲の最低粘度の値(mm2/s)を 歎 入してt=200(s)としてr
(cm)を求めればよい。この場合,次による。
a) 細管の長さlは,l>26V/(π 瀰

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b) 測時球の体積は,残留の影響(6.6.4参照)を考慮して,あまり小さくしない。一般に,2 cm35 cm3
が用いられるが,高粘度用の粘度計ほど大きいほうがよい。
c) 細管中の流れは層流でなければならないため,次の式によって計算されるレイノルズ数Rは,1 000
より小さくなければならない。しかし,運動エネルギーの補正が小さい状態で測定することが望まし
いので(6.6.5参照),実際にはRが約50より小さくなるように設計する。
100V
R
πr t
単位 mm
図1−キャノン−フェンスケ粘度計の形状
表2−キャノン−フェンスケ粘度計の各部寸法の一例
常用測定範囲 細管Rの内径 管N,Eの内径 球Dの体積 球Cの体積
mm2/s mm mm cm3 cm3
0.5 2 0.30 2.63.0 3.1 1.6
0.8 4 0.44 3.1
3 15 0.63 2.83.6
20 100 1.01
100 500 1.52 3.03.8
500 2 500 2.35 3.54.2
4 000 20 000 4.20 4.45.0 4.3

――――― [JIS Z 8803 pdf 8] ―――――

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6.2.2 キャノン−フェンスケ不透明液用粘度計
キャノン−フェンスケ不透明液用粘度計は,一定体積の試料を粘度計内に入れ,測時球C内(標線Eと
Fとの間の体積)又は測時球J内(標線FとIとの間の体積)へ試料が細管Rを通って流入する時間を測
定して粘度を求めるもので,主に不透明液体の粘度測定に用いる。
図2にその原理を示す形状を,表3にその各部寸法の一例を示す。
単位 mm
図2−キャノン−フェンスケ不透明液用粘度計の形状
表3−キャノン−フェンスケ不透明液用粘度計の各部寸法の一例
常用測定範囲 細管Rの内径 球Dの体積 管N,E,F,Iの内径 球A,C,Jの体積
mm2/s mm cm3 mm cm3
0.4 2 0.31 11 3.0 1.6
0.8 4 0.42 2.1
3 15 0.63 3.2
20 100 1.02
100 500 1.48 3.4
500 2 500 2.20 3.7
4 000 20 000 4.00 4.7
注記 この例以外のキャノン−フェンスケ不透明液用粘度計を必要とする場合は,6.2.1による。

――――― [JIS Z 8803 pdf 9] ―――――

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6.2.3 ウベローデ粘度計
ウベローデ粘度計は,適切な量の試料を粘度計内に入れ,測時球C内(標線EとFとの間の体積)の試
料が細管Rを通って流下する時間を測定して粘度を求める。
図3にその原理を示す形状を,表4にその各部寸法の一例を示す。
単位 mm
図3−ウベローデ粘度計の形状
表4−ウベローデ粘度計の各部寸法の一例
常用測定範囲 細管Rの内径 球Cの体積 管Pの内径
mm2/s mm cm3 mm
0.3 1 0.24 1.0 6.0
0.6 3 0.36 2.0
2 10 0.58 4.0
20 100 1.03
200 1 000 1.83
2 000 10 000 3.27 7.0
20 000 100 000 6.25 5.0 10.0
注記1 試料だめ球Aは,試料を測時球内に吸い上げるとき,液面がA
内にとどまるために十分な体積であることを必要とする。
注記2 この例以外のウベローデ粘度計を必要とする場合は,6.2.1によ
る。

――――― [JIS Z 8803 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8803:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8803:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB1501:2009
転がり軸受―鋼球
JISZ8809:2011
粘度計校正用標準液