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Z 8804 : 2012
10.2.2 温度計
要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への
トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された温度計を用いる。
10.2.3 温度の制御デバイス
要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽,ヒータなどによる精密な温度制御システムを用
いる。
10.2.4 圧力計
要求される精度に応じて校正された圧力計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計量標準への
トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された圧力計を用いる。
10.2.5 試料液体の導入システム
試料液体を密閉容器中に導入するシステム。
10.2.6 真空排気システム
密閉容器を真空排気する真空ポンプ。
10.3 測定
測定は,次による。
a) 測定容器を真空排気システムによって排気し,シンカーをひょう量する。
b) 測定容器に水又は密度標準液を注入し,シンカーをひょう量する。このひょう量値,測定容器を真空
排気した場合のシンカーのひょう量値の差及び水又は密度標準液の密度からシンカーの体積を決定す
る。密度及び体積が校正済みの標準固体をシンカーとして用いた場合には,この操作は必要ない。
c) 測定容器を洗浄・乾燥させた後,試料液体を注入する。シンカーをひょう量し,測定容器内圧力及び
温度を測定する。
――――― [JIS Z 8804 pdf 21] ―――――
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Z 8804 : 2012
シングルシンカーシステム ダブルシンカーシステム
図7−磁気浮上式密度計(例)
10.4 計算
10.4.1 シングルシンカーシステム
シングルシンカーシステムを用いた場合,試料液体の密度は,次の式(20)によって計算される。
ms, sample
ms, vacuum
t (20)
Vs
ここに, 温度t ℃における試料液体の密度(kg/m3)
ms,vacuum : 真空排気した試料容器内でのシンカーのひょう量値(kg)
ms,sample : 試料液体を充した試料容器内でのシンカーのひょう量
値(kg)
Vs : シンカー体積(m3)
ms,sampleを測定するときの測定容器内の温度及び圧力が,シンカー体積の校正条件と異なる場合には,シ
ンカー体積を補正する。シンカー材料の線膨張係数及び等温圧縮率が既知の場合は,式(21)を用いシンカ
ー体積を算出する。これらパラメーターが不明の場合は,標準液体を用い,測定条件でのシンカー体積を
算出する。試料液体の比重は,水の密度で 銖 湛 度は,表1を参照して
求めるか,又は式(7)によって計算する。
Vs t, p 1
Vs t0 , p03 tt t0 tp p0 (21)
――――― [JIS Z 8804 pdf 22] ―――――
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Z 8804 : 2012
ここに, t : ms,sampleを測定したときの試料容器内温度(℃)
p : ms,sampleを測定したときの試料容器内圧力(Pa)
Vs(t,p) : 温度t及び圧力pでのシンカー体積(m3)
p0 : シンカー体積を校正したときの圧力(Pa)
t0 : シンカー体積を校正したときの温度(℃)
愀 温度tにおけるシンカーの線膨張係数(℃−1)
戀 温度tにおけるシンカーの等温圧縮率(Pa−1)
10.4.2 ダブルシンカーシステム
ダブルシンカーシステムでは,表面積が等しく体積の異なる二つのシンカーが使用される。体積の大き
なシンカーをシンカー1,もう一方のシンカーをシンカー2とすると,試料液体の密度は,次の式(22)によ
って計算される。
m1, sample
m2, sample m1, vacuum
m2, vacuum
t (22)
V1 V2
ここに, 試料液体の密度(kg/m3)
m1,vacuum : 真空排気した試料容器内でのシンカー1のひょう量値(kg)
m2,vacuum : 真空排気した試料容器内でのシンカー2のひょう量値(kg)
m1,sample : 試料を充した試料容器内でのシンカー1のひょう量値
(kg)
m2,sample : 試料を充した試料容器内でのシンカー2のひょう量値
(kg)
V1 : シンカー1の体積(m3)
V2 : シンカー2の体積(m3)
m1,sample及びm2,sampleを測定するときの測定容器内の温度及び圧力がシンカー体積の校正条件と異なる場
合には,シンカー体積を補正する。体積補正は,シングルシンカーシステムと同様に,式(21)を用いるか,
標準K液体を利用して行う。試料液体の比重は,水の密度で 銖 湛 度は,
表1によって求めるか,又は式(7)によって計算する。温度t0の水の密度を比重の算出に用いた場合には,
比重t/t0 ℃と表記し,t0を明示する。
10.5 測定結果の不確かさ要因
磁気浮上式密度計による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。
a) シンカー体積の不確かさ
b) 天びんによるシンカーひょう量の不確かさ
c) 試料液体の温度測定の不確かさ
d) 圧力測定の不確かさ
e) 実験標準偏差
11 測定の不確かさ
計量計測トレーサビリティを確保するなど,必要がある場合,この規格で規定する密度及び比重の測定
の不確かさを,標準物質の不確かさ,試料液体の温度測定の不確かさなどを考慮して求める。不確かさ評
価の一般的な方法については,不確かさ評価に関するJIS Z 8404-1 [7],JIS Z 8404-2 [8]及びISO/IEC Guide
98-3 [9]を参照する。
――――― [JIS Z 8804 pdf 23] ―――――
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参考文献
[1] H. Craig, "Isotopic variation in meteoric waters," Science 133, 1833-1834, 1961.
[2] M. Tanaka, G. Girard, R. Davis, A. Peuto and N. Bignell, "Recommended table for the density of water
between 0 C and 40 C based on recent experimental report," Metrologia 38, 301-309, 2001.
[3] A. Picard, R. S. Davis, M. Glser and K. Fujii, "Revised formula for the density of moist air CIPM-2007,"
Metrologia, 45, 149-155, 2008.
戀
[4] W. Wagner and A. Pru "The IAPWS formulation 1995 for the thermodynamic properties of ordinary water
substance for general and scientific use," J. Phys. Chem. Ref. Data, 31, 387-535, 2002.
C and 0.101325
[5] R. Masui, K. Fujii and M. Takenaka, "Determination of the absolute density of water at 16
MPa," Metrologia, 27, 333-362, 1995.
[6] A. H. Harvey, R. Span, K. Fujii, M. Tanaka and R. S. Davis, "Density of water: roles of the CIPM and
IAPWS standards," Metrologia, 46, 196-198, 2009.
[7] JIS Z 8404-1:2006 測定の不確かさ−第1部 : 測定の不確かさの評価における併行精度,再現精度
及び真度の推定値の利用の指針
[8] JIS Z 8404-2:2008 測定の不確かさ−第2部 : 測定の不確かさの評価における繰返し測定及び枝分
かれ実験の利用の指針
[9] ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement(GUM:1995)
[10] JIS B 7525 密度浮ひょう
[11] JIS K 2249-4 原油及び石油製品−密度の求め方−第4部 : 密度・質量・容量換算表
[12] JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
[13] JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8804:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS Z 8804:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISZ8807:2012
- 固体の密度及び比重の測定方法