JIS Z 8807:2012 固体の密度及び比重の測定方法 | ページ 3

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f) 標準物質及び試料固体が一定温度tになった後,注射器,ろ紙などによって,標準物質のメニスカス
の最下端を標線に合わせ比重瓶を取り出す。
g) 比重瓶をよく拭いた後,室温になるまで放置し,ひょう量する(W3)。
h) 比重瓶から試料固体を取り出し,標準物質を泡の入らないように比重瓶に満たす。
i) 栓をし,比重瓶を恒温槽に入れる。標準物質が一定温度tになった後,注射器,ろ紙などによって,
標準物質のメニスカスの最下端を標線に合わせ比重瓶を取り出す。
j) よく拭いた後,室温になるまで放置し,ひょう量する(W4)。
注記 比重瓶を拭く場合,乾布でこすると静電荷を生じ,量ったとき1 mgくらいの差を生じること
があるから注意する必要がある。

6.4 計算

  計算は,次による。
a) 温度tにおける試料固体の密度 變 算は,次の式(8)を用いて行う。
W2 W1
t S air air (8)
W4 W1 W3 W2
ここに, 温度tにおける試料固体の密度(kg/m3)
W1 : 比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)
W2 : 試料固体が入った比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)
W3 : 試料固体及び標準物質が入った比重瓶の空気中でのひょう量
値(kg)
W4 : 標準物質が入った比重瓶の空気中でのひょう量値(kg)
温度tにおける標準物質の密度(kg/m3)
愀椀 測定中の空気の密度(kg/m3)
標準物質として水を用いた場合,その密度は,表1を参照して求めてもよい。空気の密度は,表2
及び表3を参照して求めるか,又は式(2)若しくは式(7)によって求める。
b) 試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,表1によって求めるか,又は式(1)によ
って計算する。温度t0の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重t/t0 ℃と表記し,温度t0を明
示する。

6.5 測定結果の不確かさ要因

  比重瓶による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。
a) 標準物質の不確かさ
b) 試料固体の温度測定の不確かさ
c) 天びんによる比重瓶ひょう量の不確かさ
d) 実験標準偏差

7 ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法

7.1 測定原理及び特徴

7.1.1  測定原理
液体を入れたルシャテリエ比重瓶に質量既知の試料固体を入れる。試料固体による液面の上昇から試料
固体の体積を求め,試料固体の質量及び体積から密度及び比重を求める。
7.1.2 特徴
ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。
a) ほとんど全ての固体に使用することができる。

――――― [JIS Z 8807 pdf 11] ―――――

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b) 標準物質(液体)の密度を基準とする密度及び比重の測定方法である。
c) 通常の比重瓶と異なり,メニスカスを標線に合わせる必要がなく,操作が比較的簡単である。

7.2 測定に用いる器具

  測定に用いる器具は,次による。
a) ルシャテリエ比重瓶 ルシャテリエ比重瓶は,図2に示すように二つの球部A及びBと,目盛線のあ
る管部C及びDとからなる比重瓶である。目盛線は,体積目盛である。密度及び比重の測定の結果の
国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,体積目盛を,主として箇条5のa),又は必
要に応じて,箇条5のc)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質で校
正する必要がある。
図2−ルシャテリエ比重瓶(例)
b) 天びん 要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果
の国家計量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校
正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。
c) 温度計 要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計
量標準へのトレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された
温度計を用いる。
d) 恒温槽 要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を使用する。

7.3 測定

  測定は,次による。
a) ルシャテリエ比重瓶のC部にメニスカスがくるように液体を入れる。
b) 恒温槽中に浸し,液体が一定温度tになったとき,メニスカスをC目盛で読み取る(L1)。
c) 試料固体を空気中でひょう量する(W)。
d) 試料固体をメニスカスがD部にくるように入れる。
e) 比重瓶を恒温槽中に浸し,一定温度tに保ち,メニスカスをD目盛で読み取る(L2)。

7.4 計算

  計算は,次による。
a) 温度tにおける試料固体の密度 變 算は,次の式(9)を用いて行う。
W
t air (9)
L2 L1
ここに, 温度tにおける試料固体の密度(kg/m3)
W : 試料固体の空気中でのひょう量値(kg)

――――― [JIS Z 8807 pdf 12] ―――――

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L1 : 試料固体を比重瓶に入れる前の温度tにおけるメニスカスの
読み(m3)
L2 : 試料固体を比重瓶に入れた後の温度tにおけるメニスカスの
読み(m3)
愀椀 空気の密度(kg/m3)
b) 試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,表1によって求めるか,又は式(1)によ
って計算する。温度t0の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重t/t0 ℃と表記し,温度t0を明
示する。

7.5 測定結果の不確かさ要因

  ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定の不確かさを見積もる場合,次の要因を考慮する。
a) 体積目盛の不確かさ
b) 試料固体の温度測定の不確かさ
c) 天びんによる試料ひょう量の不確かさ
d) 実験標準偏差

8 液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法

8.1 測定原理及び特徴

8.1.1  測定原理
試料固体を液体中に懸垂し,試料固体に作用する浮力の測定によって試料固体の密度及び比重を求める。
8.1.2 特徴
液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法の特徴は,次による。
a) 極めて精度の高い密度及び比重の測定が可能である。
b) 標準物質(液体)の密度を基準とする測定方法及び標準物質(固体)の密度を基準とする二つの測定
方法がある。

8.2 測定に用いる器具

  測定に用いる器具は,次による。
装置の構成例を図3及び図4に示す。

――――― [JIS Z 8807 pdf 13] ―――――

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A : 天びん
B : 懸垂用つり線
C : 試料固体
D : 温度計
E : 試料槽
F : 恒温槽
G : 荷重交換機構
H : 標準物質(液体)
図3−液中ひょう量法による密度及び比重の測定装置(液体を標準物質とする場合)(例)
A : 天びん
B : 懸垂用つり線
C : 試料固体
D : 温度計
E : 作動液体
F : 恒温槽
G : 荷重交換機構
H : 固体密度標準a
I : 固体密度標準b
図4−液中ひょう量法による密度及び比重の測定装置(固体を標準物質とする場合)(例)
a) 天びん 要求される精度に応じた質量測定性能をもつ天びんを使用する。密度及び比重の測定の結果
の国家計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな
方法で校正された分銅を用いて天びんの感度を校正する。

――――― [JIS Z 8807 pdf 14] ―――――

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b) 温度計 要求される精度に応じて校正された温度計を使用する。密度及び比重の測定の結果の国家計
量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,国家計量標準にトレーサブルな方法で校
正された温度計を用いる。
c) つり線 試料固体をつるのに十分な強さをもつものを使用する。
d) 試料槽 試料固体を沈める液体を入れるもので,シンカーをつったとき,壁に触れないような十分な
大きさをもつものとする。
e) 恒温槽 試料固体の温度を制御するもので,要求される精度に応じた温度の制御性能をもつ恒温槽を
使用する。
f) 標準物質 要求される精度に応じて校正された標準物質を用いる。密度及び比重の測定の結果の国家
計量標準への計量計測トレーサビリティを確保するためには,主として箇条5のa),又は必要に応じ
て,箇条5のb)若しくはc)に規定する,国家計量標準にトレーサブルな方法で校正された標準物質を
用いる。

8.3 測定

8.3.1  液体を標準物質とする場合
a) 試料固体を空気中でひょう量する(W1)。
b) 試料固体を一定温度tの標準物質中に沈める。
c) 試料固体が一定温度tになった後,荷重交換機構によって,試料固体をひょう量する(W2)。
8.3.2 固体を標準物質とする場合
a) 試料固体,固体標準物質a及び固体標準物質bをそれぞれ空気中でひょう量する。
b) 試料固体,固体標準物質a及び固体標準物質bを一定温度tの作動液体中に沈める。
c) 試料固体,固体標準物質a及び固体標準物質bが一定温度tになった後,荷重交換機構によって,そ
れぞれを作動液体中でひょう量する。

8.4 計算

8.4.1  液体を標準物質とする場合
a) 温度tにおける試料固体の密度 變 算は,次の式(10)を用いて行う。
W1
t S air (10)
air
W1 W2
ここに, 温度tにおける試料固体の密度(kg/m3)
W1 : 空気中での試料固体のひょう量値(kg)
W2 : 試料固体の標準物質中でのひょう量値(kg)
温度tにおける標準物質の密度(kg/m3)
愀椀 空気の密度(kg/m3)
b) 試料固体の密度を水の密度で除し比重を求める。水の密度は,表1によって求めるか,又は式(1)によ
って計算する。温度t0の水の密度を比重の算出に用いた場合には,比重t/t0 ℃と表記し,温度t0を明
示する。
8.4.2 固体を標準物質とする場合
a) 温度tにおける試料固体の密度 變 算は,次の式(11)を用いて行う。
W4 W7 W5 W8
a air b air
W3 W4 W5
t (11)
air
W3 W6 2

――――― [JIS Z 8807 pdf 15] ―――――

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