JIS Z 8813:1994 規格概要
この規格 Z8813は、環境空気中に浮遊する粉じんの濃度を測定する方法の一般要求事項について規定。
JISZ8813 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8813
- 規格名称
- 浮遊粉じん濃度測定方法通則
- 規格名称英語訳
- Measuring methods for suspended particulate matter concentration in air-general requirements
- 制定年月日
- 1969年11月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 13.040.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1969-11-01 制定日, 1975-11-01 確認日, 1979-03-01 改正日, 1984-07-01 確認日, 1989-02-01 確認日, 1994-12-01 改正日, 2000-06-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS Z 8813:1994 PDF [14]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8813-1994
浮遊粉じん濃度測定方法通則
Measuring methods for suspended particulate matter concentration in air-general requirements
1. 適用範囲 この規格は,環境空気(以下,空気という。)中に浮遊する粉じん(1)の濃度を測定する方法
の一般要求事項について規定する。
注(1) 空気中の粒子状物質(ここでは,ダスト,ヒューム,ミストを含む。)。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7954 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器
JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器
JIS K 0901 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法
JIS Z 8761 フロート形面積流量計による流量測定方法
JIS Z 8762 絞り機構による流量測定方法
JIS Z 8814 ロウボリウムエアサンプラ
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 総粉じん 一定流量で吸引する開口形の粉じん捕集装置によって捕集される粉じん。
(2) 個数濃度 単位体積の空気中に浮遊する粉じん粒子の個数。単位は,個/cm3で表す。
(3) 質量濃度 単位体積の空気中に浮遊する粉じんの質量。単位は,mg/m3で表す。
(4) 相対濃度 質量濃度又は個数濃度と一定の相対関係にある物理量を,測定することによって得られる
質量濃度又は個数濃度と1対1の関係にあるもの。
(5) 粒径 幾何的又は物理的性質に基づいて定められる粒子の大きさ。物理的性質によるものには,空気
力学径,ストークス径,光学的相当径などがある。単位は
(6) 分粒 粉じんを粗大粒子(2)と微小粒子とに分離すること。
注(2) 目的によって粒径10 上,7 上,5 上又は2 上などをいう。これら未満のも
のを粗大粒子に対して微小粒子という。
(7) 粒径区分 特定の粒径より大きい粒子だけを選別して,個数濃度又は粒子数の測定を行う場合におけ
る粒径の選別範囲。粒径区分は粒径の値で表す。
(8) 限界粒子径 分粒装置を通過することができる粒子の最大粒径。
3. 測定対象 測定は,総粉じんを対象とする場合,分粒操作によってある範囲の粗大粒子(2)を除いたも
のを対象とする場合,及び粒径別濃度を求める場合とがある。
――――― [JIS Z 8813 pdf 1] ―――――
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Z 8813-1994
4. 分粒方法の種類 分粒方法の種類は,次のとおりとする。
(1) 重力沈降法 粗大粒子が重力によって沈降することを利用する方法。薄い平板を一定間隔で複数枚平
行に重ね合わせた構造の分粒装置を水平に保った状態で空気を吸引したとき,平行板の間を空気が通
り抜ける間に粗大粒子は板上に沈降し,測定する限界粒子径以下の粒子だけが通過する。この方法は,
主に粗大粒子の除去のために使用する。
(2) 慣性衝突法 衝突板に粒子を含んだ空気を吹きつけたときに,慣性力の大きい粗大粒子か衝突板に捕
集されることを利用する方法。衝突ノズルの出口に衝突板をノズルと直角に配置した構造で,これに
空気を吸引し粗大粒子を衝突板に衝突させて捕集し,測定する限界粒子径以下の粒子を通過させるも
のである。この方法は,粗大粒子の除去及び粒径別の試料捕集の両方の目的のために使用する。
(3) 遠心分離法 粗大粒子を遠心力によって取り除く方法。空気流が本体内部でらせん状に回転する構造
の分粒装置に空気を流したとき,粗大粒子は遠心力によって壁面に沿って下方に落下し,測定する限
界粒子径以下の粒子が通過するものである。この方法は主に粗大粒子の除去のために使用する。
(4) 静電分粒法 イオン中で荷電した粒子を直流電界中に導き,粒子の電気的移動度の違いによって分粒
する方法。この方法は,主に微小な粒子の粒径別濃度を求めるものである。
(5) 拡散分粒法 粒子が目の細かい管路,スクリーンなどを通過する際に,ブラウン拡散運動によって,
管壁及びスクリーン外壁に沈着され,粒径によって透過率が異なることを利用する方法。
5. 測定方法の種類 測定方法は,大別して次の2種類とする。
(1) 浮遊測定方法 空気中に浮遊する粉じんを浮遊状態のまま,その濃度を測定する方法で,表1による。
表1 浮遊測定方法
濃度測定方法 測定方法の説明 濃度表示 自動化(5)の有無
散乱光法
散乱光を測定す mg/m3(4)
単位時間当たりの散乱光量によって測定する。 あり
る方法 粒子計数法 粒子個々の散乱光によって測定する。 個/cm3 あり
吸光光度法
吸光度を測定す 透過光量を吸光光度計で測定する。 mg/m3(4) なし
る方法
その他の方法 凝縮核計数法(3) 個/cm3
凝縮成長させた微小粒子を散乱光によって測定する。 なし
注(3) 測定器には,粒子計数器を用いる。
(4) 相対濃度から求める。
(5) IS B 7954及びJIS B 9921に自動測定器として規定される方法。
(2) 捕集測定方法 空気中に浮遊する粉じんを捕集して,その濃度を測定する方法で表2による。
――――― [JIS Z 8813 pdf 2] ―――――
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Z 8813-1994
表2 捕集測定方法
捕集方法 濃度測定方法(6) 濃度表示 自動化の有無(8)
ろ過式 ひょう量法 mg/m3 なし
吸収法 mg/m3 あり
吸光光度法 mg/m3(7) あり
計数法 個/cm3 なし
フィルタ振動法 mg/m3 なし
衝突式 ひょう量法 mg/m3 なし
圧電天びん法 mg/m3 あり
計数法 個/cm3 なし
静電式 圧電天びん法 mg/m3 あり
計数法 個/cm3 なし
注(6) 濃度は,ひょう量法では天びん,吸収法では 計
測装置,圧電天びん法では圧電結晶素子による電気的
計測,吸光光度法では吸光光度計,計数法では顕微鏡,
フィルタ振動法では振動ひょう量素子を用いて測定
する。
(7) 相対濃度から求める。
(8) IS B 7954に自動測定器として規定される方法。
6. 測定方法
6.1 浮遊測定方法
6.1.1 一般 浮遊測定方法のうち,質量濃度を求める方法としては,散乱光法又は吸光光度法を適用し,
個数濃度を求める方法としては,粒子計数法及び凝縮核粒子計数法を適用する。
6.1.2 散乱光法 散乱光法では,浮遊粉じんに光を照射し,粉じんから発した散乱光の量を,次によって
測定する。この散乱光の強さを光電変換素子で電気信号に変換して計測し,相対濃度として表示する。
(1) 装置 図1に示すような構成で,空気吸引口,分粒部,光源部,受光部,吸引ファンなどからなる。
光源として白色光,レーザなどを用いる。受光部は光電変換素子などで散乱光を検出し,電気信号に
変換する。
図1 散乱光法の装置の構成例
(2) 測定方法 空気を吸引しながら粉じんによる散乱光を連続的に測定し,光電変換して積算することに
よって瞬時値1時間の周期で粉じん濃度を求める。この測定法での粉じん濃度は単位時間のカウン
ト数(例えば,counts per minute : c. p. m)として相対濃度で表されるので,変換係数を乗じて質量濃
度を求める。
――――― [JIS Z 8813 pdf 3] ―――――
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Z 8813-1994
6.1.3 吸光光度法 吸光光度法では,浮遊粉じんに光を照射し,粉じんによる光の減衰量を次によって測
定する。この光の透過率の変化を光電変換素子で電気信号に変換して測定し,相対濃度として表示する。
(1) 装置 図2に示すような構成で,トンネル・暗箱などの両側に対立させた光源と受光部とを設置し,
光源からの光を受光部で測定する。
(2) 測定方法 高濃度の粉じんを含む空気に光を照射し,粉じんによる光の透過率を連続的に測定する。
粉じんの濃度を,光の透過率の対数値に比例する相対濃度として求める。
図2 吸光光度法の装置の構成例
6.1.4 粒子計数法 粒子計数法では,極めて清浄な環境の測定に用いる。この方法では,次によって,空
気を細く乱れがない流れにしてレーザなどの強いビームと交差させ,浮遊粉じんの1個1個の散乱光を検
出し,散乱光の発生回数から個数を,また散乱光の強さから粒径を測定し,単位体積の空気中に含まれる
粒子数と粒径分布を求める。
(1) 装置 図3に示すような構成で,少なくとも光源,空気吸引系,照射及び集光用の光学系,光電変換
部,波高分析部,内部参照光発生部並びに試験用入出力端子をもつものとする。光源としては,白色
光又はレーザを用いる。
図3 粒子計数法の装置の構成例
(2) 測定方法 粒子計数法では,約0.1 ヰ 度までの粒径範囲について粒径区分を分け,粒子
濃度又は粒子数を測定する。白色光を用いた装置では測定可能最小粒径は約0.3 レーザを用いた
装置では約0.1 出する粒子数が少なくとも数十個以上となるように測定時間を選ぶ。測
定結果は,単位体積当たりの特定粒径(例えば,0.5 槿 より大きい粒子の総個数で表示する。
粒子計数器は測定可能な最大個数濃度に限界がある(例えば,1 000個/cm3)。
――――― [JIS Z 8813 pdf 4] ―――――
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Z 8813-1994
6.1.5 凝縮核粒子計数法 凝縮核粒子計数法は,次によって,微小粒子を過飽和蒸気雰囲気中で凝縮成長
させ,6.1.4の光散乱粒子計数法で検出する。凝縮形成させる方法として加熱冷却形と蒸気混合形とがある。
加熱冷却形では微粒子を高温のn-ブチルアルコール蒸気中に通し,これを凝縮管で冷却することによって,
蒸気混合形では,常温(5ないし35℃)の試料空気と高温のアルコール蒸気とを混合することによってそ
れぞれ過飽和雰囲気を形成して,空気中の微粒子を核として凝縮成長させる。凝縮核粒子計数法は微粒子
が低濃度で存在するような濃度測定に適しているが,測定値として得られる情報は,測定可能な最小粒径
以上の総個数濃度であり,粒径に関する情報は含まれない。
(1) 装置 図4に示すような構成で,空気吸引部,飽和部(サチュレータ),凝縮部及び粒子計数器からな
る。
図4 凝縮核粒子計数法の装置の構成例
(2) 測定方法 測定開始までに測定装置を予熱するとともに,測定開始前に1分間以上吸引を行い,吸引
系内の微粒子が平衡状態に達するようにしてから,測定を実施する。
6.2 捕集測定方法
6.2.1 捕集方法 捕集方法は,次による。
(1) ろ過式 試料空気をJIS K 0901に規定するろ過材を通して吸引し,ろ過材上に粉じんを捕集する方式。
吸引流量によって,ロウボリウムエアサンプラ (JIS Z 8814) 又はハイボリウムエアサンプラを用いる。
(2) 衝突式 試料空気を衝突板上に衝突させ粉じんを捕集する方式。粉じんの付着を容易にし,再飛散を
防止するために付着面に粘着性物質を塗布する形式,粒子の(動力学的)粒径によって慣性が異なる
ことを利用して粒径別に捕集する多段多孔式インパクタなどがある。
(3) 静電式 高電圧によって粉じんに帯電させ,静電気力によって粉じんを捕集する方式。荷電するため
の方法としては直流又は周期的な電圧印加のコロナ放電などを用い,正の電荷を与えた後,捕集部で
加えられた電界によって光学顕微鏡用のスライドグラス,プラスチック,金属板などに粉じんを捕集
する。
6.2.2 濃度測定方法 濃度測定方法は,次による。
(1) ひょう量法 次によって,ろ過材又は衝突板に捕集した粉じん質量を捕集前後のひょう量差から求め,
吸引量で除して質量濃度を求める。
(1.1) 装置 0.01mgまで測定できる天びん。ただし,測定対象によってはこれよりも感度の悪い天びんを
使用してもよい。
――――― [JIS Z 8813 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8813:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.30 : 作業場所の雰囲気
JIS Z 8813:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7954:2001
- 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器
- JISB9921:2010
- 光散乱式気中粒子計数器―校正方法及び検証方法
- JISK0901:1991
- 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法
- JISZ8761:1992
- フロート形面積流量計による流量測定方法
- JISZ8762:1995
- 絞り機構による流量測定方法
- JISZ8814:2012
- ロウボリウム エアサンプラ