この規格ページの目次
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Z 8825 : 2013
nm sin
m np sinp
記号は箇条4を参照。
3.14
繰返し精度(装置)[repeatability (instrument)]
同一の部分試料に対してある特性を複数回,測定した結果における一致の程度。この場合,短い期間に
同一の条件で同じ装置によって同一のオペレータが測定する。
注記 この種の繰返し精度は,サンプリング及び分散による変動を含まない。
3.15
繰返し精度(方法)[repeatability (method)]
異なる部分試料に対してある特性を複数回,測定した結果における一致の程度。この場合,短い期間に
同一の条件で同じ装置によって同一のオペレータが測定する。
注記 この種の繰返し精度は,サンプリング及び分散による変動を含む。
3.16
再現性[reproducibility (method)]
異なる部分試料に対してある特性を複数回,測定した結果における一致の程度。この場合,異なるオペ
レータによって試料は調製され,同一の方法に従って類似した装置で測定される。
3.17
(光)散乱(scattering)
異なる光学的な特性をもつ二つの媒体界面において起きる光の伝ぱの変化。
3.18
散乱角, 燿 scattering angle)
入射光軸方向と散乱光の方向との間の角度。
3.19
散乱パターン(scattering pattern)
光散乱強度の角度パターンI( しくは半径パターンI(r) 又は,検出器の感度及び配置を考慮した光強
度に対応するエネルギー値のパターン。
3.20
単散乱(single scattering)
粒子群全体による全散乱パターンに対する一つの粒子からの寄与が,他の粒子からの散乱に対して独立
である散乱。
3.21
全量測定(single shot analysis)
容器内の全試料が使用される解析。
3.22
透過率(transmittance)
粒子によって減衰しなかった光の入射光に対する割合。
注記1 透過率はパーセントで表示される。
注記2 割合で表示される場合,減衰率(3.10)と透過率との和は“1”になる。
注記3 ISO 13320:2009では光透過(transmission)を用語として挙げているが,この規格では透過率
――――― [JIS Z 8825 pdf 6] ―――――
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Z 8825 : 2013
を用語として用いる。
3.23
粒子径分布の幅(width of size distribution)
粒子径分布(PSD)の幅。比x90 / x10で与えられる。
注記 正規分布に対しては,標準偏差(絶対値) は変動係数CVがしばしば用いられる。その場
合,平均から±2 ‰ 囲に全体の95 %が,そして,±3 ‰ 囲に全体の約99.7 %が入る。
x90とx10との差(x90−x10)は2.6 ‰歛 する。
3.24
検出器(光)(detector)
光を電気信号(光電流)に変換する素子。アレイ形検出器など,複数の検出素子からなる検出器の場合
には,個々の検出素子の信号が解析に用いられる。
3.25
標準物質(RM,reference material)
一つ以上の指定された特性について,十分均質かつ安定であり,測定プロセスでの使用目的に適するよ
うに作製された物質。この規格では,測定プロセスの精度を評価するために参照対象として用いる。
注記 JIS Q 0035:2008[4]を適用。
3.26
認証標準物質(CRM,certified reference material)
一つ以上の指定された特性について,計量学的に妥当な手順によって値付けされ,指定された特性の値
及びその不確かさ,並びに計量学的トレーサビリティーを記載した認証書がついている標準物質。この規
格では,測定の正確さを評価するために参照対象として用いる。
注記 JIS Q 0035:2008[4]を適用。
4 記号
この規格で用いる主な記号は,次による。
Aj 粒子径区間jの消散係数
C 粒子濃度,体積分率
CV 変動係数
f レンズの焦点距離
i 虚数単位 1
in n番目の検出器の光電流
I( 粒子による散乱光強度の角度方向分布
Ih 任意の角度において水平に偏光された光の強度
I(r) 粒子による散乱光強度の検出器上での半径方向分布(検出器によって測定された散乱パターン)
Iv 任意の角度において垂直に偏光された光強度
J1 一次の第一種ベッセル関数
k 媒体中での波数 : 2 πnm / λ
la 散乱物体から検出器までの距離
lb 粒子が含まれている光の透過長さ(光路長)
Ln n番目の検出器の信号ベクトル
――――― [JIS Z 8825 pdf 7] ―――――
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Z 8825 : 2013
mrel 媒体に対する粒子の相対屈折率
M モデルマトリックス : 全ての粒子径区間ごとに粒子単位体積当たりで計算された検出器の信号を含
む。
nIp 粒子の屈折率の虚数部(吸収項)
nm 媒体の屈折率の実数部
np 粒子の屈折率の実数部
Np 粒子の複素屈折率
O 減衰率(=1−透過率)
r 焦点面内における焦点からの動径長
V 粒子径区間に含まれる粒子体積のベクトル(V1, V2, ... Vn)
Vj 粒子径区間jに含まれる粒子体積
v 乾式分散器内における粒子速度
x 粒子径
xj 粒子径区間jの幾何平均径(区間jの代表径)
x50 中位(メジアン)径 : ここでは,体積基準。すなわち,粒子の体積で50 %がこの径より小さく,50 %
が大きい。
x10 積算粒子径分布の10 %に対応した粒子径(体積基準)
x90 積算粒子径分布の90 %に対応した粒子径(体積基準)
α 粒子径パラメータ(無次元),πxnm / λ
ΔQ3,j 粒子径区間jの体積分率
光の進行方向に対する散乱角
媒体中での光線と境界面法線との角度 : スネルの法則で使用される。3.13,注記参照
粒子中での光線と境界面法線との角度 : スネルの法則で使用される。3.13,注記参照
λ 真空中における照射光(源)の波長
標準偏差
ω 角周波数
5 原理
レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定は,粒子による光散乱の角度分布(散乱パターン)が粒子径
に依存する現象に基づく。
適正な液体,又はガス中に適正濃度で分散された試料を単色光(通常はレーザ光)ビームが横切るよう
に通過させる。粒子によって様々な角度に散乱された光は複数の光強度検出器で測定され,散乱パターン
に対応する測定値が次の解析のために記録される。測定域における試料濃度などが適正範囲にあれば,粒
子群からの光散乱パターンは,個々の単一粒子からの散乱パターンの総和と等しい。理論的に計算した,
想定される粒子径分画からの散乱パターンの重ね合わせが,測定された散乱パターンに最もよく一致する
ように各分画の寄与率を求める数学的逆問題を解くことで,体積基準の粒子径分布を求める。理論的背景
を附属書Aに示す。
注記1 均一で球形な単一粒子からの散乱パターンは,ミー(Mie)が導出した光散乱理論式によっ
て広い粒子径範囲にわたって記述される(ミー理論の詳細については,参考文献[6-8]参照)。
粒子径が比較的大きい場合(粒子径パラメータα=πxnm / λ>10)において,散乱角の小さい
――――― [JIS Z 8825 pdf 8] ―――――
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Z 8825 : 2013
範囲(前方小角散乱)では粒子の輪郭での回折が支配的になり,フラウンホーファ
(Fraunhoher)回折式がミー理論式の良い近似式として適用できる(フラウンホーファ回折
近似)。この近似は,粒子及び媒質の光学パラメータ(屈折率)を必要としないという点で便
利である。粒子径が比較的小さい場合,及び/又は,透過性が高い粒子の場合には,一般的
にミー理論を適用する。フラウンホーファ回折近似のほかにも,幾つかの近似がミー理論に
基づく散乱パターンの計算に用いられている。これら,理論的散乱パターン算出法のバリエ
ーションは一般に光学モデルと呼ばれる。適切な光学モデルの選択は,適切な粒子径分布を
得るためには重要である。
注記2 理論的な散乱パターンが,均質な球形粒子の散乱である点に留意が必要である。その点で,
レーザ回折・散乱法で得られる粒子径分布は,球形粒子を前提とした分布(球等価粒子径分
布)である。試料粒子が非球形の場合,仮に単一粒子の解析結果であってさえも(等価)分
布があるような結果が得られる。凝集体を測定する場合には,基本的には凝集体サイズに対
応した結果が得られるが,その凝集構造及び形状も測定結果として得られる(等価)粒子径
分布に影響を与える。
注記3 ミー理論に基づいて散乱パターンを求めるためには,粒子及び媒質の屈折率が必須である。
正しい散乱パターン理論値に基づく粒子径評価のためには正しい屈折率を用いることが必要
であるが,一方,例えば,粒子の屈折率に,バルク材料の屈折率の測定値(参考文献[19-29])
をそのまま用いてよいかどうかは必ずしも自明ではない。屈折率は波長に依存するため,屈
折率測定に用いた光の波長が,粒子径測定で用いられている光源の波長と一致しているとは
限らない点にも留意が必要である。レーザ回折・散乱法において,妥当な屈折率を得るため
のガイドラインは現状でも研究課題ではあるが,幾つかの方法が提案されている(参考文献
[30-33])。
6 レーザ回折・散乱装置
6.1 装置の構成
レーザ回折・散乱装置の構成例の概念図を,図1に示す。
光源としては,単一波長で,直進するコヒーレントなビーム(光線)を生成するもの(一般的にはレー
ザ又は他の波長幅の狭い光源)が用いられる。光源から出た光は,照射光学系に入り,これによって分散
粒子系に照射するのに適したビームを得る。
輸送媒体(液体又は気体)中に適正濃度に分散された試料粒子群は,測定領域の光線中を通過する。こ
の測定領域は,使用するレンズのワーキングディスタンスにあることが望ましい。スプレ又はエアロゾル
の測定では,プロセス中の粒子流れが直接,レーザビームを通過するようにする場合もある。乾式粉体の
場合には,乾式粉体分散器を用いることで機械的作用力によって分散させ,エアロゾルにすることもでき
る。この場合,供給器は極力一定の質量流量で試料を分散器に供給する。分散器は圧縮ガス又は減圧系に
よる圧力差のエネルギーを用いて粒子を分散させる。分散器から排出されたエアロゾルは測定領域に吹き
込まれ,通常は集じん(塵)用負圧管に吸引される。比較的サイズの大きい粒子の場合,分散が十分であ
れば,重力沈降によって測定領域へ導入する方法もある。一方,エマルション,ペースト状,粉末などの
試料では,流体中に分散させて測定領域へ導くこともできる。しばしば,分散剤(ぬれ性改良剤,分散安
定剤)及び/又は機械的作用力(かくはん,超音波振動)が,粒子の分散及び分散の安定化のために用い
られる。こうした湿式分散に対しては,循環系を用いるのが最も一般的である。こうした循環系は,光学
――――― [JIS Z 8825 pdf 9] ―――――
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Z 8825 : 2013
測定セル,かくはん機及び超音波発生器を備えた分散槽,ポンプ並びに配管で構成される。
記号
1 光源 5 前方散乱光検出器
2 照射光学系 6 透過光検出器
3 測定位置 7 広角度(側方)散乱光検出器
4 観測光学系
図1−レーザ回折・散乱装置の構成例の概念図
粒子による光散乱の角度分布(散乱パターン)の計測には,複数のシリコン検出器又はフォトダイオー
ド,及び/又はピクセルアレイ形検出器が用いられる。加えて,光軸中心に検出器を設置して非散乱光の
強度を測定することによって,減衰率を求めることができる。中心素子から得られる情報に基づき,検出
器又はレンズを移動させ,光軸又は焦点を自動的に再調整するような工夫もある。検出器の設置において
は,内部反射光が再び計測光学系に戻らないようにすることが望ましい。
コンピュータを用いて,測定系の制御,検出したデータの保存及びデータ処理を行う。また,光学モデ
ル(通常は検出器の形状・感度についての補正を加えた,粒子径区間単位体積当たりの散乱パターン行列)
の計算・保存及び粒子径分布計算(逆演算)を行う。コンピュータを用いて自動計測を行わせることもで
きる。
6.2 前方散乱光測定のための光学系
前方の散乱パターンの計測は,散乱光強度が大きいので重要である。特に,フラウンホーファ回折近似
を用いて測定を行う装置では,前方小角散乱光の検出だけで測定が行われる。典型的な2種類の光学系の
例を図2に示す。
図2 a) はフーリエ光学系,図2 b) は逆フーリエ光学系の模式図である。フーリエ光学系では,平行照
射光中に粒子を導入し,散乱光を集光レンズで検出器へ導く。一方,逆フーリエ光学系では,粒子は照射
光集光レンズの後ろに導入され,散乱光は直接,検出器に入る。逆フーリエ光学系の試料・検出器間距離
は,フーリエ光学系における集光レンズの焦点距離と等価になる。フーリエ光学系の特長は,比較的長い
有効測定域(光路長)を取れる点であり,これによって散乱粒子数を増加させることで散乱光強度を増強
することができる。一方,逆フーリエ光学系では比較的短い光路長範囲の粒子しか測定できないが,散乱
角の大きな散乱光を比較的簡単な光学系を用いて検出できる。
いずれの光学系でも,前方散乱光は複数素子からなる検出器で検出される。このような光学系によって,
一定の制約はあるが基本的に,光軸中の粒子の位置に依存しない散乱パターンが得られる。
――――― [JIS Z 8825 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8825:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13320:2009(MOD)
JIS Z 8825:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.120 : 粒度分析.ふるい分け
JIS Z 8825:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8819-1:1999
- 粒子径測定結果の表現―第1部:図示方法
- JISZ8819-2:2019
- 粒子径測定結果の表現―第2部:粒子径分布からの平均粒子径及びモーメントの計算
- JISZ8824:2004
- 粒子径測定のための試料調製―粉体の液中分散方法
- JISZ8833:2011
- 粒子特性を評価するための粉体材料の縮分