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ur(qcal,cert) : qFCAE,calの測定に使用した流量計の相対標準不確かさ
大きな差が見られた場合,FCAEの流量制御に問題がある可能性がある。
qFCAEの相対標準不確かさを,式(4)で計算する。
ur qFCAE qFCAE,cal
qFCAE,cert (4)
3qFCAE,cert
流量は,同じ温度及び気圧に換算して比較しなければならない。FCAEの流量制御方式によっては,
異なる補正を適用しなければならない(附属書J参照)。
注記1 流量の測定結果は,気体の組成に影響される。詳細を,附属書Jに記載する。
注記2 FCAE入口圧の変化に伴って流量が変化し得ることを考慮し,6.2.5 c)で行った流量測定を
ここで繰り返し行っている。
c) 被験CPCの流量測定 校正済の流量計を分流器と被験CPC入口との間に挿入し,被験CPCの体積流
量を測定する。測定値を,被験CPC指示流量値又は公称流量値のいずれかと比較する。後者は,被験
CPCが流量値を指示しない場合,又は被験CPCが公称流量値を粒子数濃度の計算に使用している場
合に適用する。二つの流量の差は,被験CPCの製造業者が定める仕様の範囲内であることが望ましい。
これを満たさない場合,顧客へ連絡する。大きな差が見られた場合,被験CPCのオリフィス又はポン
プに問題がある可能性がある。測定によって得られた被験CPCの流量値を,被験CPCの指示値又は
公称値とともに校正証明書に記載する。
流量は,同じ温度及び気圧に換算して比較しなければならない。被験CPCの流量制御方式によって
は,異なる補正を適用しなければならない(附属書J参照)。
注記1 流量の測定結果は,気体の組成に影響される。詳細を,附属書Jに記載する。
注記2 被験CPC入口圧の変化に伴って流量が変化し得ることを考慮し,6.2.6 c)で行った流量測定
をここで繰り返し行っている。
d) ゼロ確認 DEMCの電圧を0 V(又はオフ)に設定する。FCAE及び被験CPCの指示値はいずれも,
6.2.5 a)及び6.2.6 a)で行ったゼロ確認での値と同程度でなければならない。FCAEに対しては,1秒間
の読取り間隔でCQ×qFCAEの測定を少なくとも2分間行い,ゼロ補正の後,30秒間の算術平均の絶対
値と標準偏差とを算出する。算術平均の絶対値は1 fC/s未満,標準偏差は0.5 fC/s未満でなければな
らない。被験CPCに対しては,1秒間の読取り間隔で記録した濃度CN,CPCの算術平均が1 cm-3未満で
なければならない。これらのいずれかが満たされない場合,校正設備内に漏れがないか確認する。ゼ
ロレベルの増加が生じ得る他の原因として,DEMC入口での粒子濃度が過度に高いこと,DEMC内の
フィルタへの過負荷,DEMC内のフィルタの不具合などが考えられる。
e) CAEの最小レベルの決定 粒子濃度をゼロに維持したままの状態で,FCAEのCQ×qFCAEを1秒間の
読取り間隔で30秒間記録し,その算術平均(CQ×qFCAE) meanと標準偏差σC,Q×q,FCAEとを算出する。式(5)
を用いて(CQ×qFCAE) minを計算する。
CQ qFCAE CQ qFCAE (5)
3σC,Q q,FCAE
min mean
こうして求めた(CQ×qFCAE) minを,校正証明書に記載されたCQ×qFCAEのうち最小のものと比較する。
値のより大きい方を“最小CQ×qFCAEレベル”と定義し,校正を行ってよいCQ×qFCAEの最小値(ただ
し,FCAE入口を基準とした値)とする。
FCAE及び被験CPCの指示値,流量,圧力,温度,補助エア流量(記録が可能な場合),DEMCの
シース及びサンプル流量,湿度など,全てのパラメータを記録する。これらの情報は,校正証明書に
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記載するものである(箇条8及び附属書C参照)。
6.3 検出効率の測定手順
6.3.1 一般
目標とする粒径,及び目標とする粒子数濃度における被験CPCの検出効率の測定手順を,次に示す。
6.3.2 DEMCの粒径設定
DEMCから取り出される1価帯電粒子の粒径が目標の粒径と一致するよう,DEMCの粒径設定を調節す
る。
注記 校正は大きい粒径から始め,直線性の試験(同じ粒径での異なる濃度レベルでの測定)もその
粒径で行うことを強く推奨する。大きい粒径とは,被験CPCの検出効率が最大となっているよ
うな粒径で,検出効率が50 %となる粒径の3倍以上の粒径を指す。その後,検出効率が急激に
変化する粒径域で測定を行うとよい。これは,検出効率曲線の傾きが急な粒径域での測定には,
発生器で生成する粒子の粒径分布を調整し直す必要があり,その調整作業に時間を要するため
である。
6.3.3 一次エアロゾルの調整
校正エアロゾルの濃度が検出効率測定の目標濃度になるよう,エアロゾル調整器を調節する。このとき,
次の要求事項を満たされなければならない。
a) 最小濃度レベル 濃度は,6.2.7 e)で定めた最小CQ×qFCAEレベル以上でなければならない。
b) 最大濃度レベル 濃度は,FCAEの校正証明書に記載された,FCAEが測定できる最大の電荷量濃度
より低くなければならない。
また,後段の電荷調整装置において平衡帯電状態が得られるよう,かつ,粒子の電荷に由来する偏
りがDEMCにおいて生じないよう,調整器後の一次エアロゾルの個数濃度の総量は,十分に低くなけ
ればならない。これを確認する方法を附属書Kに記載する。
c) 多価帯電粒子の割合Φ 多価帯電粒子の割合Φは0.1未満でなければならない。まず,p価の粒子の
割合[p,式(6)参照]を附属書Dに記載された方法のうち一つによって決定し,続いて式(7)を用いて
多価帯電粒子の割合(Φ)を算出する。Φ<0.1を満たさない場合,校正を先に進めてはならない。Φ
は,一次エアロゾルの粒径分布の最頻径又は幾何標準偏差を調節することによって低減できる。
DEMCから取り出されるエアロゾル中のp価粒子の割合pは,式(6)で表される。
p CN dp CN dp (6)
p≧1
ここに, CN(dp) : p価粒子の濃度
多価帯電粒子の割合Φは,式(7)で表される。
Φ p (7)
p≧2
注記1 DEMCに印加される電圧の極性によって,取り出される粒子の電荷は正の場合も負の場合も
あり得る。この規格では,pを電荷数の絶対値と定義する。
注記2 多価帯電粒子の割合を低減するため,一次エアロゾルの幾何平均径を,被験CPCの検出効率
を測定する粒径より小さい粒径に設定することを強く推奨する。
注記3 二つのDEMCを直列につなぎ,その間に電荷調整装置を取り付けたタンデムDEMCを使用
できる場合,多価帯電粒子の割合Φを大幅に低減できる。
注記4 多価帯電粒子の割合は,参考文献[60]に記載された方法によって減らすことができる。
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6.3.4 分流器の偏りβの測定
分流器の偏り測定を附属書Gに従って実行する。得られた偏り(β)が1.05より大きい場合,又は0.95
より小さい場合,校正エアロゾルが不均一な原因を調べる。
6.3.5 被験CPCの検出効率測定
被験CPCの検出効率を次の手順によって決定する(附属書L参照)。
a) 最初のDEMC電圧0 V(又はオフ)での記録 DEMCの電圧を0 V(又はオフ)に設定し,FCAEの
電荷量濃度及び被験CPCの個数濃度を1秒間の読取り間隔で1分間記録する。それぞれの1分間計測
の最後の30秒間の測定結果に対し,FCAEの場合は電荷量濃度の算術平均(CQ,0,0)及び標準偏差,被
験CPCの場合は個数濃度の算術平均を算出する。
ゼロ補正を行ったFCAE電荷量濃度と入口流量との積について,算術平均の絶対値は1 fC/s未満,
かつ,標準偏差は0.5 fC/s未満でなければならない。被験CPCの個数濃度の算術平均は1 cm-3未満で
なければならない。これらを満たさない場合,測定は無効である。発生器又は他の不安定要因を調べ
た後,上記の測定を繰り返す。
b) 目標粒径及び目標濃度での記録 FCAEの電荷量濃度及び被験CPCの個数濃度を1秒間の読取り間隔
で1分間記録する。それぞれの1分間計測の最後の30秒間の測定結果に対し,FCAEの場合は電荷量
濃度の算術平均(CQ,1)及び標準偏差,被験CPCの場合は個数濃度の算術平均(CN,CPC,1)及び標準偏
差を算出する。
FCAE電荷量濃度と入口流量との積については,CVが3 %未満,又は標準偏差が0.5 fC/s未満でな
ければならない。被験CPCの個数濃度については,CVが3 %未満,又は標準偏差が0.5 cm-3未満で
なければならない。これらの基準は,FCAE及び被験CPCの両方が満たさなければならない。基準は,
CV又は標準偏差のどちらでも容易な方を満たせばよい。これらを満たさない場合,その測定は無効
である。発生器又は他の不安定要因を調べた後,上記の測定を繰り返す。
c) EMC電圧0 V(又はオフ)での記録 DEMCの電圧を0 V(又はオフ)に設定し,FCAEの電荷量
濃度及び被験CPCの個数濃度を1秒間の読取り間隔で1分間記録する。それぞれの1分間計測の最後
の30秒間の測定結果に対し,FCAEの場合は電荷量濃度の算術平均(CQ,0,1)及び標準偏差,被験CPC
の場合は個数濃度の算術平均を算出する。
ゼロ補正を行ったFCAE電荷量濃度と入口流量との積について,算術平均の絶対値は1 fC/s未満,
かつ,標準偏差は0.5 fC/s未満でなければならない。被験CPCの個数濃度の算術平均は1 cm-3未満で
なければならない。これらを満たさない場合,測定は無効である。発生器又は他の不安定要因を調べ
た後,上記の測定を繰り返す。
d) 1価帯電粒子を仮定したFCAE個数濃度の計算 式(8)を使ってFCAE個数濃度(CN,FCAE,1)を計算す
る。粒子の電荷を1価と仮定することによって,i番目の測定における粒子数濃度を,ゼロ補正後の
電荷量濃度測定値から式(8)によって算出する。
CQ,i CQ,0,i
CQ,0,i 1 2
CN,FCAE,i (8)
e
ここに, CN,FCAE,i : 校正エアロゾルの計算された個数濃度
CQ,i : 粒子を計測しているときにFCAEによって記録された電荷
量濃度
CQ,0,i : DEMC電圧をゼロに設定したときにFCAEによって記録さ
れた電荷量濃度
e : 電気素量
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e) 被験CPCの検出効率の計算 一次エアロゾルの調整では校正エアロゾルを全て1価にできない場合,
附属書Dに示す補正を適用しなければならない。
附属書Dは,粒径の決定における多価帯電の影響についても数値化している。
FCAEに対する検出効率を校正証明書から引用し,附属書Dに記載された補正に用いなければなら
ない。
被験CPCの検出効率ηCPC,1を,附属書D中の式を使って計算する。
− 被験CPCの検出効率が粒径によらず一定であると分かっている粒径範囲での校正の場合,CN,FCAE,1
[d)],CN,CPC,1[b)],p[6.3.3 c)],β[6.3.4]及びηFCAE(FCAEの校正証明書から得られた値)を
式(D.18)に代入する。
− 被験CPCの検出効率が粒径に対し変化すると分かっている粒径範囲での校正の場合,CN,FCAE,1[d)],
CN,CPC,1[b)],p(及び附属書Dにおいて求めたCN[6.3.3 c)],β[6.3.4],ηFCAE(FCAEの校正証明
書から得られた値),及び被験CPCのプラトー効率推定値η'CPCを式(D.13),式(D.15)及び式(D.17)に
代入する。
使用した計算方法を校正証明書に記載する。
f) 測定の繰返し 手順b) d)を更に4回繰り返し,合計5回実行する。五つの検出効率の値ηCPC,i(i=1
5)から,この目標粒径及び目標濃度における検出効率の算術平均 ηCPC 及び標準偏差σ(ηrep)を算出す
る。全てのηCPC,iが η±0.02の範囲内に収まる場合にだけ,校正結果は有効である。
CPC
6.3.6 異なる濃度での測定
同じ粒径において異なる濃度での測定を行う場合,一次エアロゾルの濃度を調節する(まず6.3.3を実行
し,続いて6.3.5を実行する。)。多価帯電粒子の割合の測定[6.3.3 c)]は,繰り返し行う必要はない。分
流器の偏りの測定(6.3.4)及びFCAEの流量測定[6.2.7 b)]は行う必要はない。最大濃度レベルより低い
濃度の場合,電荷調整装置[6.3.3 b)]の再試験を行う必要はない。被験CPCの校正を,FCAEが校正され
た最小電荷量濃度より低い濃度で行う場合,附属書Hに記載された方法を適用できる。
DEMCの流量を調整しなければならない場合,又はFCAE及び被験CPCの入口圧力が変化するような
設定の変更を校正設備に対して行った場合,FCAE及び被験CPCの入口流量を測定し直す(6.2.7参照)。
6.3.7 異なる粒径での測定
異なる粒径において測定を行わなければならない場合,6.3.2以降を実行する。この場合,続く全ての項
目(6.3.36.3.6)を実行しなければならない。
DEMCの流量を調整しなければならない場合,又はFCAE及び被験CPCの入口圧力が変化するような
設定の変更を校正設備に対して行った場合,FCAE及び被験CPCの入口流量を測定し直す(6.2.7参照)。
注記1 同一の被験CPCに対して異なる粒径での検出効率を測定する場合,おおよそ同じ粒子数濃度
で測定を行うことを強く推奨する。これによって,CPCの非線形応答による影響を低減でき
る。
注記2 測定する濃度を選定する際,検出効率の不連続性を予期できるよう,製造業者の取扱説明書
を参照し,被験CPCの測定形式が切り替わる濃度についてあらかじめ調べておくのが望まし
い。
6.3.8 最初の測定点の繰返し
複数の測定点で校正を行った後,いずれかの測定装置の電源をオフにした場合,又は何か不具合が発生
した場合,最初の粒径及び濃度条件での測定を繰り返さなければならない。繰返しの測定では,多価帯電
粒子の割合の測定も行う。検出効率の変動は,±0.025でなければならない。さらに,FCAE及び被験CPC
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の流量は,6.2.7で最初に測ったときの値と5 %以内で一致することが望ましい。これらを満たさない場合,
行った測定は全て無効である。
注記 最初の点の繰返しは,3点の測定後でも,又はそれ以上の測定点を取った後でもよい。しかし
ながら,5点より多くの測定を行った後では,検出効率の変動が0.025を上回り,全ての測定結
果を失う危険性が高くなる。
6.3.9 校正証明書の準備
箇条8及び附属書Cに従って,結果を校正証明書に記載する。以上によって,被験CPCの検出効率の
校正を完了する。
6.4 測定不確かさ
6.4.1 一般
CPC校正の結果は,ある性状の粒子に対する,目標の粒径及び目標の粒子数濃度における検出効率ηで
表される。検出効率ηに対する不確かさ評価では,主に粒径(6.4.2)及び検出効率(6.4.3)に対して,明
確に定義された不確かさが必要とされる。粒子数濃度は不確かさ評価においてそれほど重要ではなく,検
出効率の不確かさにおおむね包含される(6.4.4)。
6.4.2 粒径
粒径は,校正エアロゾルを供給するDEMCによって決定される。粒径及びその不確かさはISO 15900に
従って決定しなければならない。
校正エアロゾルに多くの多価帯電粒子が含まれる場合,DEMCに設定した粒径よりも大きな粒子が多く
含まれている。附属書Dに記載された手順に沿って決定した割合pは,校正証明書に記載しなければなら
ない。割合の決定を行わなかった際は,使用した校正設備について予期される,多価帯電粒子の影響の度
合いを記載する。
6.4.3 検出効率
検出効率の測定結果に対する不確かさは,主に次の要素によって決定される。
− FCAEの検出効率(校正証明書に記載されている値)
− 多価帯電補正
− FCAE及び被験CPCに供給される粒子濃度との違い(分流器の偏り補正係数)
− FCAEの入口流量測定の精度及び変動
− 検出効率測定の繰返し性
− 粒径の違いがCPCの検出効率に大きく影響する場合,粒径の不確かさ
5.4.6 c)で示したように,FCAEは,校正がなされた電荷量濃度の範囲,又は電流及び流量の範囲が記載
された,有効期限内の校正証明書をもたなければならない。
注記 JIS Q 17025の5.10.4.4では,“顧客との合意がある場合を除き,校正証明書は校正周期に関す
る推奨を含んではならない。”とされている。参照装置の校正証明書に有効期限が記載されてい
ない場合は,校正を実施する者が設定した校正期限に基づいて参照装置の有効性を判定するこ
とが望ましい。
校正証明書は,FCAEによる電荷量濃度測定の不確かさ,又は電流及び流量の測定から求めた電荷量濃
度の不確かさを与える。後述の合成不確かさの計算では標準不確かさ(k=1)を用いるが,校正証明書に
記載された不確かさはしばしば拡張不確かさ(k=2,約95 %の信頼水準に相当)として表現されているの
で,注意が必要である。
多価帯電補正は附属書D中の式によってなされる。補正の不確かさは,多価帯電粒子の割合pの決定に
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JIS Z 8850:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.120 : 粒度分析.ふるい分け