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Z 8850 : 2018 (ISO 27891 : 2015)
おける標準偏差から算出できると近似する。p価粒子の割合1,2,3に対する不確かさをそれぞれu(1),
u(2),u(3)と表現すると,相対不確かさur(MCC)は式(9)で与えられる。
100
ur MCC u2 1 4u2 2 9u2 (9)
p p
p≧1
この不確かさは,プラトー領域に適用される(D.1参照)。プラトー領域から外れた,より複雑な場合に
ついては,この規格では取り扱わない。
偏り補正係数β及びその不確かさの計算手順は,附属書Gに示す。
FCAEの入口流量が,被験CPCを校正するときとFCAEが校正されたときとで異なる場合,その差に比
例した影響が検出効率の決定において生じる。6.2.7 b)に記載されているように,FCAE流量は校正済の流
量計を用いて各手順ごとに計測し,規定された許容範囲内になければならない。FCAE流量に伴う不確か
さは,この許容範囲によって決められる。流量がずれていた場合,補正を行って不確かさを小さくするこ
ともできるが,この規格では扱わない。
6.3.5 f)で示された5回の繰返し測定から,検出効率測定の短期間での繰返し性を推定することができる。
繰返し測定の標準偏差は,後述の不確かさの計算に含まれる。5回の繰返し測定から求めた不確かさは測
定ごとに異なる値になり,その測定にだけ適用できる。
粒径の不確かさが検出効率の不確かさに重大な影響を与える場合については,附属書Mに手引を記載す
る。
検出効率の不確かさの計算を表3に示す。
表3−FCAEを用いた校正における相対不確かさの要素
要素 記号 参照 補足
FCAE検出効率 ur(FCAE) CAEの校正証明書から引用 FCAEの読み取り値に対す
る%として表記する。
多価帯電補正 ur(MCC) 式(9) %として表記する。
分流器の偏り補正係数 ur(β) 式(G.9) %として表記する。
(流量が等しくない場合は附属書Gを参照) ur(β)=100 u(β)/β
FCAE流量の偏差 ur(qFCAE)6.2.7 b) %として表記する。
繰返し性 6.3.5 f)
ur(ηrep) %として表記する。
ur(ηrep)=100 σ (ηrep)/ηCPC
全ての要素は,標準偏差に基づく相対標準不確かさとして表される。
相対合成標準不確かさは,式(10)で与えられる。
uc,r ur2 FCAE ur2 MCC ur2 ur2 qFCAEur2 rep (10)
相対拡張不確かさUr(η)は,相対合成標準不確かさに包含係数kを乗じ,Ur(η)=k uc,r(η)として求める。通
常,k=2を使用する。
附属書Iにその実施例を示す。
6.4.4 粒子数濃度
CPC校正証明書に記載する粒子数濃度は,例えば,装置の測定方式が変わる場合など,CPCの応答に非
線形性が予想されるときに特に重要な情報を与える。校正証明書に記載する濃度は,多価帯電補正又は流
量補正を行った後の,FCAEによって測定した濃度の算術平均とする。粒子数濃度に対しては不確かさを
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評価する必要はない。粒子数濃度の不確かさには,分流器の偏り補正係数以外の全ての要素の不確かさが
含まれ,そのため検出効率の不確かさより若干小さい。
校正後の被験CPCを使った測定に対する不確かさの評価はより複雑である(附属書N参照)。
7 CPCを参照装置として用いた校正
7.1 設備及び手順の概要
参照CPCを参照装置として用いる場合の校正設備を図6に示す。実線で示したものは全て校正作業に必
要な要素であり(箇条5参照),エアロゾル発生器,エアロゾル調整器,DEMCに入れるエアロゾルの湿
度を測るための湿度計,電荷調整装置,DEMC,補助エア,混合器,分流器,参照CPC,及び被験CPCが
含まれる。この図には含まれていないが,測定の開始時及び終了時に補助エアの相対湿度を計測するため
の湿度計も用いなければならない。また,各装置の体積流量を計測する際には圧力計が必要になることが
ある。
DEMCからの校正エアロゾルの流量がDEMC下流にある装置の流量の合計よりも高い場合,余計な空
気は余剰排気として排出しなければならない。図には示されていないが,恒温槽又は測定室の温度を連続
測定する温度計も用いなければならない。
図6に破線で示す要素は設置を推奨するものであり,必須ではない。例えば,恒温槽並びにDEMCシー
ス流及び補助エアの熱交換器は,校正設備全体の温度を安定させるために使用する。モニタCPCは,校正
エアロゾルの安定性を確認するために使用する。補助エアの流量は,スロットルバルブで調節するか,又
は圧縮空気にマスフローコントローラを取り付けて調節する。
注記 参照CPCを除き,構成要素とそれぞれの要件はFCAEとの比較を行う場合(箇条6)と同じで
ある。
注記 破線で示す要素は必須ではないが,使用することが望ましい。また,熱交換器は実線で示されているが,必須
ではない。
図6−CPCを基準測定装置とする典型的な校正設備
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7.2以降に記載する校正手順の概略を表4に示す。
表4−CPCを参照装置とするCPC校正手順
7.2 準備
7.2.2 エアロゾル発生器及びエアロゾル調整器(未知の場合,粒径分布を測定)
7.2.3 他の機器(マスフローコントローラなど)
7.2.4 DEMC及びシースエア調整器(ISO 15900に従う)
7.2.5 参照CPC
ゼロカウント確認 : 1秒間当たりの平均値を少なくとも5分間測定し,算術平均値は0.1 cm-3未満である。
高レスポンス確認を行う。
流量の測定を15分間に5回繰り返して行い,CVが2 %未満である。
7.2.6 被験CPC
ゼロカウント確認 : 1秒間当たりの平均値を少なくとも5分間測定し,算術平均値は0.1 cm-3未満である。
高レスポンス確認を行う。
流量の測定を5分間に5回繰り返して行い,CVが2 %未満である。
7.2.7 測定装置及びエアロゾル発生器/調整器をDEMCへ接続する。
DEMC流量を,シースエア対サンプル比が7:1以上となるように設定する(電圧はオフ)。
参照CPCの流量を測定する。
参照CPCゼロ確認 : 30秒間当たりの算術平均値を2分間測定し,算術平均値が1 cm-3未満である。校正
をより低い濃度へ拡張する場合,参照CPCの算術平均値は0.1 cm-3未満である(附属書H)。
被験CPCゼロ確認 : 30秒間当たりの算術平均値を2分間測定し,算術平均値が1 cm-3未満である。校正
をより低い濃度へ拡張する場合,参照CPCの算術平均値は0.1 cm-3未満である(附属書H)。
式(14)を用い,参照CPCの最小濃度レベルを決定する。
7.3 検出効率の測定
7.3.2 DEMCの粒径設定
7.3.3 一次エアロゾルの調整
濃度は電荷調整装置の許容範囲内である。
多価帯電粒子の割合は0.1未満である。
参照CPCの許容範囲内に濃度を調整する。
7.3.4 分流器の偏りβの測定
7.3.5 被験CPCの検出効率測定
開始時のゼロ測定のためにDEMCの電圧を0 V(又は電圧オフ)に設定する。
− 1分間,参照CPC及び被験CPCの測定値を記録し,最後の30秒間を計算に用いる。
− 参照CPC,被験CPCのいずれの算術平均も1 cm-3未満である。
目標の粒径に合わせるため,DEMCの電圧を調整する。
− 180秒間,参照CPC及び被験CPCの測定値を記録し,最後の30秒間×5回の測定値を計算に使用
する。
− 五つの30秒間のデータのCVが3 %未満,又は標準偏差が0.5 cm-3未満である。
五つの30秒間のデータのそれぞれに対し,検出効率ηCPC,iを算出する。
検出効率の算術平均 ηCPC を計算する。
全てのηCPC,iが ηCPC ±0.02を満たす。
7.3.6 異なる濃度での測定(任意)
7.3.3を行い,その後7.3.5を実行する。
7.3.7 異なる粒径での測定(任意)
7.3.2以降を実行する。
7.3.8 最初の測定点の繰返し
5点より多く測定を行った場合,最初の測定をもう一度行う。最初の測定との検出効率の違いは±0.025
である。
7.3.9 結果を校正証明書に記入する。
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図7は検出効率の算出に関連する情報を図にまとめたものである。
7.3.5 b)
7.3.3 c)及び
附属書D
p及びCN
式(D.19)又は
式(D.14),式(D.16)及び式(D.17)
注記 一重線の四角は計算で得られた値,二重線の四角は測定値,角が丸い四角は校正証明書から得た値である。
図7−参照CPCを用いた校正における検出効率を算出するためのパラメータ及び数式の関係図
7.2 準備
7.2.1 一般的な準備
7.2.27.2.6において,全ての装置が製造業者の仕様に基づいて正常に動作していることを個別に確認し,
続いて,7.2.7にて装置を準備し(図6に従う。),校正設備全体の動作確認を行う。全ての確認試験が合格
となるまで,7.3の検出効率の校正作業へ進んではならない。
7.2.2 一次エアロゾル
製造業者の推奨する手順に従って一次エアロゾル発生源を始動する。エアロゾル調整器通過後の粒径分
布が未知の場合,例えば,DEMCを参照CPCと組み合わせてDMASとして用いて,粒径分布を測定する
ことを強く推奨する。一次エアロゾル中の相対蒸気成分(水,分散媒,又は溶媒)が40 %未満であること
を確認する。
7.2.3 他の機器
必要な補助装置の電源を全て入れ,安定させる。すなわち,電荷調整装置,校正済の圧力計,校正済の
温度計,参照CPC及び被験CPCの流量を計測するための校正済の流量計,及び湿度計の電源を入れ,安
定化させる。
校正設備に加えることが推奨されている装置,例えば,モニタCPC,マスフローメータ,マスフローコ
ントローラ,圧力,温度計なども電源を入れ,製造業者の取扱説明書に従って準備する。DEMC及び他の
機器を含む校正設備全体を恒温槽の中に入れている場合,目標の温度に設定し,全体の温度が安定するま
で待つ。
7.2.4 DEMC
DEMCの電源を入れ,ISO 15900に従って確認試験を行い,目標の流量に設定する。シースエア調整器
が安定するのを待つ。
7.2.5 参照CPC
参照CPCの電源を入れ,飽和部・凝縮部・光学系部が規定の温度に到達するのを待つ。少なくとも30
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分間暖機する。作動液を変更した場合,少なくとも1時間暖機する。
参照CPCのゼロレベル及び流量を,校正設備に接続していない状態で確認する。全てのインジケータ(温
度,流量,圧力など)は,装置の動作が正常であることを示していなければならない。校正設備に接続す
る前に次の作業項目を実施し,参照CPCが正常に動作していることを確認する。
a) ゼロカウント確認 ゼロカウントの確認のために,少なくとも一つのHEPAフィルタを参照CPCの入
口に装着する(特に,低い濃度を得るために,HEPAフィルタをもう一つ直列に接続しなければなら
ないことがある。)。1秒間の読取り間隔,1秒間平均の条件で,少なくとも5分間,参照CPCに濃度
を計測させる。あらゆる漏れを解消した後,算術平均濃度は0.1 cm-3未満でなければならない。
この要求を満たさない場合,製造業者に連絡する。
b) 高レスポンス確認 参照CPCが粒子を検知できることを確認する単純な確認を行う。例えば,室内空
気の粒子数濃度が500 cm-3より高い場合,室内空気の計測によって試験することができる。この方法
による試験を行った場合,参照CPCで計測された個数濃度は500 cm-3より高いことが望ましい。また,
十分に高い個数濃度が見込める他の粒子源からのエアロゾルをこの試験に用いてもよい。又は,製造
業者の推奨する方法に従う。この要求を満たさない場合,製造業者に連絡する。
c) 流量測定 校正設備に接続していない状態で,参照CPCの公称入口流量(校正証明書を参照)を圧損
の少ない校正済の流量計を用いて測定する(附属書J参照)。流量は安定していなければならず,15
分間に均等の間隔で5回以上測定した計測値のCVが2 %未満でなければならない。流量には顕著な
増加又は減少の傾向が見られないことが望ましい。これを満たさない場合,参照CPCを更に長い時間
をかけて安定させ,参照CPCのポンプ又は吸引源への接続を確認し,再度測定する。流量試験に2回
失敗した場合,参照CPCは製造業者による確認が必要である。
参照CPC入口流量の測定値の算術平均(qCPC,ref,cal,amb)を,同じ時間に取得した参照CPC指示流量
値の算術平均,又は参照CPCの公称流量値(qCPC,ref,amb)と比較する。後者は,参照CPCが流量値を
指示しない場合,又は参照CPCが公称流量値を電荷量濃度の計算に使用している場合に適用する。二
つの流量値の差は,参照CPCの製造業者が定める精度rq,CPC,ref(%)以内であることが望ましい。精度
を超える差が見られた場合,製造業者に問い合わせる。
さらに,流量qCPC,ref,cal,ambを参照CPCの校正証明書に記載された流量qCPC,ref,certと比較する。その差
は式(11)を満たさなければならない。
qCPC,ref,cert
qCPC,ref,cal,amb
2 ur2 (qcal,cert )
ur2 (qCPC,ref,cert ) 1 qr2
3 (11)
,CPC,ref
qCPC,ref,cert
ここに, ur(qCPC,ref,cert) : 校正証明書に記載された参照CPC入口流量の相対標
準不確かさ
ur(qcal,cert) : qCPC,ref,cal,ambの測定に使用した流量計の相対標準不確か
さ
大きな差が見られた場合,参照CPCの流量制御に問題がある可能性がある。
流量は,同じ温度及び気圧に換算して比較しなければならない。参照CPCの流量制御方式によって
は,異なる補正を適用しなければならない(附属書J参照)。
7.2.6 被験CPC
CPCが校正のために輸送されてきた場合,一般には作動液が排出された状態にある。この場合,被験
CPCの電源を入れ,必要な作動液を規定量注入し,飽和部・凝縮部・光学系部が規定の温度に到達するの
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