この規格ページの目次
4
A 1218 : 2020
図4−水浸減圧容器の例
c) 減圧吸水装置 減圧吸水装置は,貯水槽,給水瓶,透明アスピレーター瓶などで構成する。この装置
を用いる場合の透水円筒は,その上下端を排水口及び給水口をもつ蓋並びに底板で水密に保持できる
もの(図5参照)。
図5−減圧吸水装置の例
5.1.4 計測器具
計測器具は,次による。
a) メスシリンダー メスシリンダーは,測定水量の1/100以下の目盛をもつもの。
b) ストップウォッチ又は時計 1秒単位で測定できるもの。
c) 温度計 温度計は,最小目盛1 ℃まで判読できるもの。
5.2 試料及び供試体の作製
試料及び供試体の作製は,次による。
a) 供試体を締め固めて作製する場合には,JIS A 1201に規定する方法によって得られた試料を,よく混
合して含水比が均一になったものを準備する。
b) 試料の土粒子の密度ρs(Mg/m3)をJIS A 1202に規定する方法によって求める。
c) 透水円筒の内径をノギスではかり,断面積A(mm2)を求める。
――――― [JIS A 1218 pdf 6] ―――――
5
A 1218 : 2020
d) 透水円筒を有孔板に固定し,フィルターを設置する。
e) 試料をフィルターの上に入れ,層状に締め固める。各層の厚さは,締固め後の厚さが15.0 mm又は最
大粒径の1.5倍のうちの大きい方とする。JIS A 1210によってモールド内に締め固めた試料は,その
まま透水試験用供試体として使用することができる。
f) 締固め後の供試体の長さL(mm)をノギスではかる。
なお,JIS A 1210によってモールド内に締め固めた試料を,透水試験用供試体として使用する場合
には,フィルターの厚さ分を差し引いて供試体の長さを求める。
g) 試験前の供試体の質量m(g)をはかる。
h) 試験前の試料の含水比をJIS A 1203に規定する方法によって求め,試験前の供試体の含水比w(%)
とする。
i) 乱さない試料を供試体として用いる場合は,供試体と透水円筒内面との隙間を漏水防止材で密封する。
この場合,供試体の質量m(g),断面積A(mm2)及び長さL(mm)をあらかじめ求めておく。また,
供試体成形時の削りくずから,供試体と同じ含水状態の試料を取り,試験前の含水比w(%)をJIS A
1203に規定する方法によって求める。
j) 供試体の上面にフィルターを設置した後,透水円筒の上部に有孔板を取り付ける。
5.3 供試体の飽和度を高める方法
供試体の飽和度を高めるための方法は,次による。
a) 一般 次のいずれかの方法によって脱気を行う。用いる水は,煮沸又は減圧によって十分脱気した水
とする。供試体の底部からの水浸によって,十分飽和度を高められる粗砂又はれき(礫)の場合は,
脱気過程を省略してもよい。また,この場合は,脱気水を用いなくてもよい。
b) 水浸脱気法 水を満たした水浸減圧容器に透水円筒を入れ,真空ポンプで容器内を徐々に減圧する。
透水円筒から気泡が出なくなることを目視で確認した後,容器内の圧力を徐々に大気圧に戻す(図4
参照)。
c) 吸水脱気法 透水円筒を減圧吸水装置に連結し,真空ポンプによる透水円筒内の減圧操作,及び給水
瓶からの給水操作を交互に,アスピレーター瓶に気泡が出なくなるまで繰り返す(図5参照)。
5.4 試験方法
試験方法は,次による。
a) 透水円筒の上部に給水側水槽を取り付け,越流水槽に水を満たす。
b) 給水側水槽に注水して越流口から越流させ,給水側の水位を一定に保つ。
c) 越流水槽からの越流量がほぼ一定になるのを待って,測定時間Δt(s)の間の流出水量Q(mm3)をメ
スシリンダーではかる。
d) 給水側水槽の水位と越流水槽の水位との差h(mm)をはかる。
e) 越流水槽の中の水温T(℃)をはかり,測定時の水温とする。
f) c) 及びe) の操作を繰り返し,3回以上の測定を行う。
g) 測定終了後,透水円筒から供試体全量を取り出す。
なお,供試体が余分な水を吸水しないよう十分注意を払う。
h) 試験後の供試体の含水比wf(%)をJIS A 1203に規定する方法によって求める。ただし,保水性の低
い試料の場合は,省略してもよい。
なお,試験後の湿潤状態にある供試体全量の質量を測定後,炉乾燥し,試験後の含水比を求めても
よい。
――――― [JIS A 1218 pdf 7] ―――――
6
A 1218 : 2020
5.5 計算
計算は,次による。計算結果は,本文に記載がある場合を除き,四捨五入によって有効数字3桁に丸め
る。
a) 供試体の乾燥密度ρd(Mg/m3),間隙比e及び飽和度Sr(%)は,次の式(1),式(2)及び式(3)によって
算出する。
m
d 1 000 (1)
w
A L 1
100
s
e 1 (2)
d
攀 s
Sr (3)
w
ここに, ρd : 乾燥密度(Mg/m3)
e : 間隙比
Sr : 飽和度(%)
m : 供試体の質量(g)
A : 供試体の断面積(mm2)
L : 供試体の長さ(mm)
w : 含水比(%)
ρs : JIS A 1202によって求めた土粒子の密度(Mg/m3)
ρw : 水の密度(Mg/m3)
1/100 : %を小数に換算するための係数
1 000 : 単位を換算するための係数
b) 測定時の水温T(℃)における透水係数kTは,次の式(4)によって算出する。
L Q 1
k (4)
h A t 1 000
ここに, kT : 温度T ℃における透水係数(m/s)
h : 水位差(mm)
Q : 流出水量(mm3)
Δt : 測定時間(s)
1/1 000 : 単位を換算するための係数
c) 温度15 ℃における透水係数k15(m/s)は,次の式(5)によって算出する。透水係数k15は,5.4で測定し
た結果から求めた透水係数の算術平均値とする。
k15 (5)
15
ここに, k15 : 温度15 ℃における透水係数(m/s)
ηT : 温度T ℃の水の粘性係数(Pa・s)
η15 : 温度15 ℃の水の粘性係数(Pa・s)
ηT/η15 : 温度15 ℃における透水係数を求めるための補正係数
で,表1から求める。
――――― [JIS A 1218 pdf 8] ―――――
7
A 1218 : 2020
表1−温度15 ℃に対するT ℃の粘性係数の比
温度 温度T(℃)の整数1桁目の値
T℃ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1.575 1.521 1.470 1.424 1.378 1.336 1.295 1.255 1.217 1.181
10 1.149 1.116 1.085 1.055 1.027 1.000 0.975 0.950 0.925 0.902
20 0.880 0.859 0.839 0.819 0.800 0.782 0.764 0.748 0.731 0.715
30 0.700 0.685 0.671 0.657 0.645 0.632 0.620 0.607 0.596 0.584
40 0.574 0.564 0.554 0.544 0.535 0.525 0.517 0.507 0.498 0.490
注記 表の見方 21 ℃の場合,縦軸で20を,横軸で1を選択し,縦横で交差した0.859を粘
性係数の比とする。
d) 試験後の供試体の含水比wf(%)を用いて飽和度Sr(%)を式(1),式(2)及び式(3)に準じて算出する。
ただし,保水性の低い試料の場合は,飽和度の計算を省略してもよい。
6 変水位透水試験
6.1 試験器具
6.1.1 透水試験器具
透水試験器具は,次による(図2参照)。
a) 透水円筒 透水円筒は,注水孔のある上蓋及び排水孔のある底板によって内部を気密にできる円筒で,
試料の最大粒径の10倍以上の内径と長さとをもつもの。ただし,粒径幅の広い試料に対しては,試料
の最大粒径の5倍以上であれば許容してもよい。透水円筒は,通常,内径(100±0.3)mm,長さ(120
±0.3)mmのものを用いる。
なお,粒径幅の広い試料とは,均等係数Ucが10以上のものをいう。
b) スタンドパイプ スタンドパイプは,長さ1 000 mm程度の透明管で,目盛又は標尺を付けたもの。
試料の透水性に応じて,管の内径が(5±0.3)mm,(20±0.3)mm又は(50±0.3)mmのものを用い
る。
c) 有孔板 有孔板は,5.1.1 c) による。
d) フィルター フィルターは,5.1.1 d) による。フィルターに土粒子の侵入が懸念される場合は,供試
体とフィルターとの間に圧縮性の小さな親水性薄膜を用いてもよい。
e) 貯水槽
f) 越流水槽 越流水槽は,5.1.1 e) による。
g) 試験用水 試験用水は,5.1.1 f) による。
6.1.2 供試体作製器具
供試体作製器具は,5.1.2による。
6.1.3 供試体の飽和度を高める装置及び器具
供試体の飽和度を高める装置及び器具は,5.1.3による。
6.1.4 計測器具
計測器具は,次による。
a) ストップウォッチ又は時計 1秒単位で測定できるもの。
b) 温度計 温度計は,最小目盛1 ℃まで判読できるもの。
――――― [JIS A 1218 pdf 9] ―――――
8
A 1218 : 2020
6.2 試料及び供試体の作製
試料及び供試体の作製は,5.2による。
6.3 供試体の飽和度を高める方法
供試体の飽和度を高める方法は,5.3による。
6.4 試験方法
試験方法は,次による。
a) 透水円筒の上蓋にスタンドパイプと貯水槽とを連結し,水を満たした越流水槽に沈める。
b) スタンドパイプの断面積a(mm2)を求め,スタンドパイプに越流水槽の水面からはかった高さh1及
びh2を設定する。
c) 図2のバルブBを閉じ,バルブAを開いて貯水槽の水をスタンドパイプに満たした後,バルブAを
閉じる。
d) バルブBを開いて,スタンドパイプの水面がh1(mm)及びh2(mm)を通過した時刻t1及びt2を記録
する。
e) 越流水槽の中の水温T(℃)をはかり,これを,測定時の水温とする。
f) c) 及びe) の操作を繰り返し,測定時間(t2−t1)(s)の値がほぼ一定となったことを確認した後,3回
以上の測定を行う。
g) 測定終了後,透水円筒から供試体全量を取り出す。このとき,供試体が余分な水を吸水しないよう十
分注意を払う。
h) 試験後の供試体の含水比wf(%)をJIS A 1203に規定する方法によって求める。ただし,保水性の低
い試料の場合は,省略してもよい。
なお,試験後の湿潤状態にある供試体全量の質量を測定してから炉乾燥し,試験後の含水比を求め
てもよい。
6.5 計算
計算は,次による。計算結果は,本文に記載がある場合を除き,四捨五入によって有効数字3桁に丸め
る。
a) 供試体の乾燥密度ρd(Mg/m3),間隙比e及び飽和度Sr(%)は,式(1),式(2)及び式(3)によって算出
する。
b) 測定時の水温T(℃)における透水係数kTは,次の式(6)によって算出する。
a L h1 1
k .2303 log10 (6)
A t2 t1 h2 1 000
ここに, kT : 温度T ℃における透水係数(m/s)
a : スタンドパイプの断面積(mm2)
L : 供試体の長さ(mm)
A : 供試体の断面積(mm2)
t1 : 測定開始時刻
t2 : 測定終了時刻
t2−t1 : 測定時間(s)
h1 : 時刻t1における水位差(mm)
h2 : 時刻t2における水位差(mm)
2.303 : 対数の底の変換による係数
1/1 000 : 単位を換算するための係数
――――― [JIS A 1218 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS A 1218:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.080 : 土質.土壌学 > 13.080.01 : 土質及び土壌学一般
JIS A 1218:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0207:2018
- 地盤工学用語
- JISA1201:2020
- 地盤材料試験のための乱した土の試料調製方法
- JISA1202:2020
- 土粒子の密度試験方法
- JISA1203:2020
- 土の含水比試験方法
- JISA1210:2020
- 突固めによる土の締固め試験方法
- JISB7507:2016
- ノギス