JIS A 1304:2017 建築構造部分の耐火試験方法 | ページ 4

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位置に設置する。
− 試験体頂部における幅の中央
− 試験体頂部におけるスタッド,中方立ての線上
− スタッドとランナー(レール)との連結部
− 固定端における高さの中央
− 自由端における高さの中央
− 水平方向の継目に隣接した幅の中央(特に正圧部分)
− 鉛直方向の継目に隣接した高さの中央(特に正圧部分)
なお,ねじ,くぎ,ステープルなどの留め具がある場合,その合計面積が任意の直径150 mmの円
内で1 %以下であれば,このような留め具上に固定熱電対を設置しない。また,表面の直径が12 mm
未満の留め具上には,試験体を貫通している場合を除き,固定熱電対を設置しない。必要な場合,直
径が12 mm未満の留め具に対しては,5.5.6.1の規定によらない特別の測定装置を用いてもよい。
c) 固定熱電対用の断熱パッドは,ガラス繊維又はアルミニウム製のテープを用いて,試験体の非加熱面
に取り付ける。テープの貼付けに支障があるなどの場合には,耐火接着剤を用いてもよい。銅ディス
クと試験体間,及び銅ディスクとパッド間は,その隙間が最小となるよう,可能な限り密着させ,耐
火接着剤が入り込んではならない。上記の方法に加え,銅ディスクを避け,断熱パッドだけに対し,
ステープル,ピン,ねじ,クリップなどを用いてもよい。
非加熱面が繊維質の断熱材のように,形状が不安定な材料である場合,固定熱電対の取付けによっ
て当該材料の厚さが10 %以上変化してはならない。
d) 試験中,非加熱面で高温になったと考えられる任意の位置に対し,最高温度測定のため,可動熱電対
を用いることができる。可動熱電対の適用時間は,定常温度状態が得られるまでとする。ただし,20
秒間以内に150 ℃の温度に到達しない場合はそこで測定を終える。可動熱電対による測定は,固定熱
電対と同様に,明らかに温度が高くなるか低くなるねじ,くぎ,ステープルなどの留め具位置を避け
て行う。
5.5.7 変形の測定装置及び適用方法
5.5.7.1 変形測定装置
試験体が荷重を支持する構造部分の場合に,荷重支持能力の確認として試験体の変形量及び変形速度を
測定するため,機械的,光学的又は電気的な仕組みによる変位計などの変形測定装置を用いる。また,荷
重支持の有無にかかわらず,たわみ,伸びなどの加熱によって生じる変形を測定する場合にも,同様の変
形測定装置を用いる。
いずれの場合でも,変形測定装置は,加熱による測定値のゆらぎを防止するため,必要な予防策を講じ
たものとする。
5.5.7.2 適用方法
変形測定装置の適用方法は,次による。
a) 測定値のゼロ点は,加熱開始前の載荷後に変形が安定した時点で測定されるたわみ及び軸方向変形の
状態とする。
b) 鉛直部材で荷重を支持する構造部分(柱及び壁)の場合,荷重支持能力の確認のため,試験体の軸方
向変形(収縮量)を測定する。
c) 水平部材で荷重を支持する構造部分(はり,床及び屋根)の場合,荷重支持能力の確認のため,試験
体のたわみを最大量生じると予測される箇所で測定する(単純支持の場合,通常これは支点間の中央

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部である)。
d) 軸方向変形(収縮量)は,基準位置を明確にした上で,片方又は両方の端部で測定する。
e) たわみは,変形の最大量を測定するために,支点間の中央部を含む複数箇所で計測する。
5.5.8 内部温度の測定装置及び適用方法
5.5.8.1 内部温度測定装置
試験体の内部温度に関する情報が要求される場合,それらを測定するため,熱電対を用いる。この熱電
対は,通常,試験体にあらかじめ組み込まれ,例えば,試験体内部の鋼材の温度を測定するときには,試
験体の作製時に対象となる鋼材の表面に熱電対を取り付けておく。
使用する熱電対は,温度範囲及び対象材料に応じて適切な特性をもつ種類を選択しなければならないが,
特に必要がない限り,JIS C 1602に規定するクラス2を満たす性能をもつ素線径0.65 mmのK熱電対が望
ましい。
注記 構造耐力上主要な部分が鋼材又はその他の金属材料で造られていて,高温特性の情報が知られ
ているとき,鋼材温度(又はその他の材料温度)の測定結果は,破壊の予測及びその結果を評
価する手法の補助となる。同様に,コンクリート及び木材に関する内部温度の測定結果もまた,
破壊,劣化,熱分解(炭化)などの性状の予測及びその結果を評価する手法の補助となる。
5.5.8.2 適用方法
内部温度測定装置の適用方法は,次による。
a) 内部温度測定のための熱電対は,試験体の耐火性能に影響しないように設置する。
b) 測温接点は,ねじなどの留め具を使用するか,又は鋼材に対しては溶接,かしめなどの適切な方法に
よって,目的の位置に確実に取り付ける。可能な限り熱電対素線が測温接点よりも高温にならないよ
うに配置する。
注記 熱電対先端の,測温接点から長さ50 mmの部分は,可能な限り,等温領域に置くことが望ま
しい。
c) 測定点は,構造部分全体を代表している温度が得られるよう配置することが望ましい。例えば,柱及
びはりの場合,温度差が生じ得る断面内の各部及び加熱長さ方向の全長に関して,網羅的かつ均等に
配置する。
5.5.9 測定装置の精度
測定装置は,付随する記録装置なども含め,次の精度レベルを満たすものを用いる。
a) 測定 : 加熱温度 ±15 ℃
雰囲気温度及び非加熱面温度 ±4 ℃
その他 ±10 ℃
b) 炉内圧力測定 : ±2 Pa
c) 荷重測定 : 要求値の ±2.5 %
d) 変形測定 : 軸方向変形(収縮量又は伸び) ±0.5 mm
その他 ±2 mm

――――― [JIS A 1304 pdf 17] ―――――

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6 試験条件

6.1 一般

  試験において適用する温度,炉内圧力,荷重などは,通常,6.26.6の規定に従うものとする。
ただし,これらに規定された試験条件の範囲を超える場合,試験体にとってより厳しい条件であれば,
この超過によって試験が自動的に無効とはならない。また,そのような場合には,受渡当事者間の協議に
よって,試験は有効であると判断してもよい。

6.2 加熱温度及びその許容差

  加熱温度及びその許容差は,次による。
a) 加熱温度は,試験開始からの経過時間(以下,箇条6においては“時間”という。)に対して定められ,
表2及び図11の標準加熱曲線A又は標準加熱曲線Bによる。
なお,標準加熱曲線Aは,式(1)による。
T )1
345 log10 8(t 20 (1)
ここに, T : 加熱温度(℃)
t : 時間(分)
表2−加熱温度条件(標準加熱曲線)
時間 : t(分) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
標準加熱曲線A(℃) 576 678 739 781 815 842 865 885 902 918 932 945
標準加熱曲線B(℃) 540 705 760 795 820 840 860 880 895 905 915 925
時間 : t(分) 65 70 75 80 85 90 95 100 110 120 130 140
標準加熱曲線A(℃) 957 968 979 988 997 1 006 1 014 1 022 1 036 1 049 1 061 1 072
標準加熱曲線B(℃) 935 945 955 965 975 980 985 990 1 000 1 010 1 015 1 025
時間 : t(分) 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240
標準加熱曲線A(℃) 1 0821 092 1 101 1 110 1 118 1 126 1 133 1 140 1 146 1 153
標準加熱曲線B(℃) 1 0301 040 1 045 1 050 1 060 1 065 1 070 1 080 1 085 1 095

――――― [JIS A 1304 pdf 18] ―――――

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1200
1100
1000
900
温800
度700
600
(℃) 500
400
300
200
100
0
0 30 60 90 120 150 180 210 240

時 間 (min)
間(分)
a) 標準加熱曲線A
1200
1100
1000
900
温 800
度 700
600
(℃) 500
400
300
200
100
0
0 30 60 90 120 150 180 210 240

時 間 (min)
間(分)
b) 標準加熱曲線B
図11−標準加熱曲線(A及びB)
b) 加熱温度の許容差は,次による。
1) 標準加熱曲線Aの場合 5.5.1の規定に従って測定した加熱温度の時間温度面積と,標準加熱曲線A
の時間温度面積との偏差百分率は,式(2)によって求め,次の時間に応じた値より小さいものとする。
1.1) 5 1.2) 10 1.3) 30 1.4) >60に対し,2.5 %
A AS
de 100 (2)
AS
ここに, de : 偏差百分率
A : 測定された実際の加熱温度曲線下の面積
AS : 標準加熱曲線A下の面積
t : 時間(分)
全ての面積は,同じ方法,すなわち,1.1)に対しては1分を超えない間隔,1.2)1.4)に対しては5分を
超えない間隔で面積を合計することによって算定し,時間ゼロからの累積値とする。

――――― [JIS A 1304 pdf 19] ―――――

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また,試験開始後10分以降,加熱温度は,規定の温度から100 ℃以上下回ってはならない。
なお,多量の可燃材を含む試験体の場合,それらが着火したことで急速な温度上昇を生じたことが
明らかな場合,加熱制御が落ち着くまでの間,偏差百分率が上記に規定する値を超過してもよい。
2) 標準加熱曲線Bの場合 5.5.1の規定に従って測定した加熱温度の時間温度面積と,標準加熱曲線B
の時間温度面積との偏差百分率は,1時間までは±10 %,2時間までは±7.5 %,2時間を超えるも
のは±5 %より小さいものとする。
c) 試験開始に先立ち,加熱炉内の温度は50 ℃を超えてはならない。

6.3 炉内圧力

  炉内圧力の値は,特定の高さにおいて,乱流などに付随する圧力変動を無視した平均的な公称値であり,
同じ高さでの炉外の圧力との相対比較で得るものとする。炉内の高さ方向には,直線的な圧力勾配が存在
し,この勾配は炉内温度によって僅かに変化するが,炉内圧力条件を評価する際の平均値として高さ1 m
当たり8 Paと仮定してもよい。
5.5.2の規定に従い測定される炉内圧力を,次に示す目標値に対して,試験開始から5分までに±5 Paに,
また,試験開始から10分までに±3 Paに制御する。
a) 鉛直部材 仮想床位置上500 mmの高さで,炉内圧力ゼロが得られるよう加熱炉を制御する。ただし,
試験体上端での炉内圧力は20 Paを超えてはならず,中性帯高さは,それに応じて調整する。
b) 水平部材 試験体下面の下方100 mmで,炉内圧力が20 Paとなるよう加熱炉を制御する。ただし,
床の上面を加熱する場合は,この限りではない。

6.4 荷重

  試験体に加わる荷重(試験荷重)は,試験体の変形に追従できる載荷装置によって与えられ,要求値に
対し±5 %以内に保持する。
試験荷重は,材料の特性値を考慮して計算された確かな根拠に基づく値とする。また,別個の荷重支持
部材を含む区画部材にあっては,試験荷重はこれら部材の個数と比例させる。

6.5 拘束条件及び境界条件

  試験体は,試験中の各端部の拘束状態及び境界条件(周辺部材に対しての熱移動など)が実際の使用時
と近似となるように考慮して,試験体取付用枠又は加熱炉に設置する。実際の使用時の状態が特定できな
い場合,試験体の各端部は単純支持(ピン又はローラー)とする。

6.6 試験室内の環境

  加熱炉は試験室内に設置し,試験室内は,試験の妨げとなるような気流が生じない環境とする。
試験体の非加熱面温度を測定する場合,それらの平均値は,試験開始時点において,雰囲気温度の±5 ℃
以内とする。

7 試験手順

7.1 手順の概要(加熱試験)

  試験は,箇条5の規定による試験装置を用い,箇条4の規定によって準備された試験体について,箇条
6の規定による試験条件下で行う。
必要に応じて,載荷を省略することができる。また,注水試験(附属書JA)及び衝撃試験(附属書JB)
を追加することもできる。

7.2 試験体の設置及び拘束

  加熱炉に試験体を設置する。このとき,所定の拘束条件及び境界条件となるよう,必要に応じて試験体

――――― [JIS A 1304 pdf 20] ―――――

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JIS A 1304:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 834-1:1999(MOD)
  • ISO 834-1:1999/AMENDMENT 1:2012(MOD)
  • ISO 834-4:2000(MOD)
  • ISO 834-5:2000(MOD)
  • ISO 834-6:2000(MOD)
  • ISO 834-7:2000(MOD)
  • ISO 834-8:2002(MOD)
  • ISO 834-9:2003(MOD)

JIS A 1304:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1304:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1602:2015
熱電対
JISC1605:1955
放射線サーベイ・メータ
JISC1605:1995
シース熱電対