JIS A 1416:2000 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法 | ページ 6

22
A 1416 : 2000
周波数 (Hz) 音響透過損失 (dB)
100 27
125 28
160 29
200 30
250 31
315 32
附属書4表2 試料の最大透過損失
推奨される試料としては,例えば,制振鋼板(鉄板−樹脂−鉄板,総厚2.2mm程度)をチャンネル枠に
リベット止めし,すき間処理したものが挙げられる。
備考1. ここで推奨する試料では,5 000Hzまでの全周波数範囲にわたって遮音特性に共鳴の影響が
現われない。したがって,本体の7.で規定した通常の反復性試験にも適した材料である。
2. この種の試料を測定することがない試験装置では,その装置で通常測定される試料のうちの
代表的なものを用いてもよい。
参考 チャンネル枠とは,コの字形の断面をもつ溝形軽量形鋼を用い,その側面に試料を留め付ける
ために四角く組んだ枠をいう。

2.5 連続移動スピーカの使用

 音源室,受音室の両方で音圧レベルを測定する間,一つの経路上をスピ
ーカを自動的に移動させる方法をとってもよい。その場合,移動経路長は1.6m以上とする。また,音源
スピーカとして全指向性のものを用いる。指向性をもった音源を用いる場合には,移動経路の各点から最
も近いマイクロホン位置について,移動経路全体について,この附属書の1.2で述べた方法でチェックを
行う。
4本の対角線を含んで,この附属書の2.2の要件を満たす室内空間を通る何本かの移動経路を設定し,こ
の附属書の2.4に述べた試料の音響透過損失の測定をする。そのうち,Sj[式(6)参照]が最小となる経路
を実際の測定では用いる。

――――― [JIS A 1416 pdf 26] ―――――

                                                                                             23
A 1416 : 2000
附属書5(参考) 側路伝搬の測定
音源室から受音室に透過する音響パワーは,次のような経路の伝搬音が合成されたものと考えることが
できる。
WDd : 測定対象の隔壁に入射し,それから直接放射されるパワー
WDf : 測定対象の隔壁に入射し,側路伝搬経路となる構造を伝わって放射されるパワー
Wfd : 側路伝搬経路となる構造に入射し,測定対象の隔壁から放射されるパワー
WFf : 側路伝搬経路となる構造に入射し,それから放射されるパワー
Wleak : すき間や空調ダクトなどを通して(空気音として)透過するパワー
側路伝搬を測定する必要がある場合は,次の方法のいずれかによる。
a) 隔壁部材の両側の面を厚さ13mmのせっこうボードなどの板状材料で覆う。その場合,その材料の枠
は測定対象の隔壁から振動的に絶縁し,板と空気層で構成される系の共振周波数は対象とする測定周
波数範囲よりも十分に低くなるようにする必要がある。また,空気層には吸音材料を挿入する。これ
によって,WDd,WDf及びWFdを小さくすることができ,この状態で測定される準音響透過損失は,
Wleakが十分に小さいとすればWFfが支配的となる。さらに,側路伝搬経路となりそうな面を同様な方
法で覆うことによって,主要な側路伝搬経路を見つけることもできる。
b) 測定対象の隔壁の表面及び受音室内で側路伝搬が生じている面の平均振動速度を測定する。測定対象
の隔壁の表面の平均振動速度レベルは,次の式で計算する。
21 22 2
n
L 10 log 20

(pdf 一覧ページ番号 )

                                         n
ここに, v1,v2,···vn : 測定対象の隔壁面上のn個の測定点における垂直方
向の振動速度の実効値
v0 : 基準の振動速度 (10-9m/s)
備考 上の式の基準の振動速度の値は,ISO 1683 : 1983 Acoustics−Preferred reference quantities for
acoustic levelsによる。建築音響の分野では,5×10-8m/sが基準の振動速度として用いられるこ
ともある。したがって,式(1)によって計算する場合には,必ず基準の振動速度を付記する必要
がある。
振動ピックアップは,質量インピーダンスが試料面の駆動点インピーダンスに比べて十分小さいものを
使用し,試料表面にしっかり固定する。
試料又は側路伝搬経路となる構造のコインシデンス限界周波数が測定対象周波数に比べて低い場合には,
受音室内の面積がSkの特定の要素kから放射される音響パワーWkは,次の式で求められる。
2
Wk cSk k k (2)
2k
ここに, 痿 表面に垂直方向の振動速度の2乗平均値の空間平均値
放射効率(コインシデンス限界周波数以上では1としてよい。)
空気の特性インピーダンス
以上のような方法で側路伝搬経路となる構造から放射されるパワーが求められる場合には,準音響透過
損失 (dB) は,次の式で推定することができる。

――――― [JIS A 1416 pdf 27] ―――――

24
A 1416 : 2000
W1
R Df Ff 10 log10 (3)
WDf WFf
備考 以上に述べた方法で信頼性の高い結果を得るために必要とされる種々の条件が満たされる場合
には,音響インテンシティ測定法を用いることによって側路伝搬成分を直接測定することがで
きる。この方法によった場合には,試験報告書にその旨を記載する。

――――― [JIS A 1416 pdf 28] ―――――

                                                                                             25
A 1416 : 2000
附属書6(参考) 総合損失係数の測定

1. 一般事項

 弱く結合された他の物理システムとの間でエネルギーの授受を行っている物理システムを
考える。
定常状態で振動しているシステムの周波数帯域 (f± ‰ 氏 エネルギーをEとする。同じ周波
数帯域について,周波数fに相当する時間内に外力によってエネルギー 入され,Eは一定に保たれ
る。したがって,総合損失係数 愀 次の式で表される。
E
total (1)
2 E
システムとしては,例えば,一枚の壁又はそれとほぼ同じ面密度をもつ強く連結された複合壁を考える
ことができる。
このようなシステムに連結される他のシステムとしては,弾性的な結合を通してそのシステムに連結又
は接触しているある体積をもつ空気,異なる質量をもつ壁やパーティションなどが考えられる。総合損失
係数には,内部損失,端部の損失,放射損失などが含まれる。

2. 測定

 衝撃加振による場合,システムの         愀         ヲ       到     係は,次の式で表される。
2.2
total (2)
fTR
残響時間は,そのシステムのいろいろな位置における振動速度又は加速度を測定することによって測定
することができる。その値は,最大レベルに対して−5dBから−20dBまでの間の減衰曲線から求める。典
型的な壁構造 (1020m2) については,代表的な2測定点×3加振点×2測定の12本の減衰曲線の平均値
を求める。
加振方法としては,加振器又はゴムクッション付きのハンマーによる衝撃加振による。ハンマーの質量
は,おおむね加振する壁の100cm2の質量に相当させる。
残響時間が0.02秒以下になり,通常の空気音の残響時間測定用のデータ処理方法をそのまま適用するこ
とができないことが多い。減衰曲線に対するフィルタや実効値検波器の影響を避けるために,次の方法を
用いることができる。
残響減衰をテープレコーダ又はトランジェントメモリにいったん記録し,それを逆方向に再生する。そ
の場合,必要に応じて再生速度を遅くしてもよい。フィルタの中心周波数は再生速度に応じて変化させる
必要がある。フィルタの帯域幅Bと測定される残響時間の積が順方向分析の場合には16,逆方向分析の場
合には4以上となるようにする。実効値検波器の時定数は小さくする必要がある。時定数 齒 値検
出器の等価的な残響時間TRはTR=13.8 方向分析の場合,このTRの値は測定される残響時間の
半分よりも短くする必要がある。一方,逆方向分析による場合には,TRは測定される残響時間の4倍まで
長くしてもよい。

――――― [JIS A 1416 pdf 29] ―――――

26
A 1416 : 2000
附属書7(参考) 低周波数帯域の測定に関する注意事項

1. 一般事項

 室容積が50100m3程度の試験室では,低周波数帯域(一般に約400Hz以下,特に100Hz
以下)において拡散音場になっているとは考えられない。このような条件の場合,室の寸法を最も低い周
波数の波長以上にするというような一般的な要件を満たすことはできない。低周波数帯域では室のモード
数が少ないので,室全体にわたって明りょうな定在波がたつ。
励振できる室のモードは,音源の位置によって大きく異なる。音響透過損失の測定結果は,室内に励振
されたモードによって大きな影響を受ける。低周波数帯域における測定では,反復性がそれほどわるくな
くても,他の試験装置による測定結果との再現性や適合性が非常に劣ることが多い。すなわち,試験装置
によって測定結果が大きく変化する。
測定結果のばらつきを少なくするためには,試験室の励振方法や音場のサンプリング方法及び試験室の
特別の要件などについて,付加的な努力が必要となる。室容積が小さい試験室や寸法比の条件が十分でな
い試験室は,低周波数帯域の測定には使用できない。試験室の各辺の少なくとも一つは,最も低い周波数
帯域の中心周波数の音の波長に相当する長さ,もう一つの辺の長さが少なくとも半波長分に相当する必要
があり,また,それぞれの要件を満たして音源及びマイクロホンを設置できる空間が必要である。

2. 最小距離

 約1/4波長の距離から室の境界に近づくにつれ,音圧レベルが上昇する。マイクロホンと
室の境界との最小距離(本体の6.2.2参照)は,50Hz帯域の測定では100Hz帯域の測定の場合に対して倍
というように,直線的に増加させる必要がある。マイクロホン位置と室の境界との距離の最大値は1.2m
程度とする。これは,マイクロホン位置と試料の表面との距離についても同様である。

3. 音圧レベルの測定

 信頼性の高い室内平均音圧レベルを得るためには,マイクロホン位置の数を増や
す必要がある。マイクロホン位置は,可能な限り室内に均等に分布させる。移動マイクロホンを用いる場
合,可能な範囲で室内を一様にサンプルできるようにする。室寸法が1波長の半分に近くなるような非常
に低い周波数では,室の中央の部分で非常に低い音圧レベルが観測される。したがって,この領域の外に
もマイクロホン位置を適切に設定する必要がある。

4. 音源の設置位置

 容積が小さい室内での低周波数帯域の測定における拡散性の不足を補うために,音
場を異なった状態に励振して測定し,その結果を平均する方法もある程度有効である。そのために,スピ
ーカ位置の数を3以上とする。音源スピーカを連続移動する方法も推奨される。

5. 平均化時間

 狭い帯域幅及び少ないモードの重なり合いを考慮して,50Hz帯域の測定では平均化時間
は15秒(100Hz帯域の場合の約3倍)以上とする。移動マイクロホンを用いる場合の平均化時間は60秒
以上とする。

――――― [JIS A 1416 pdf 30] ―――――

次のページ PDF 31

JIS A 1416:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 140-1:1997(MOD)
  • ISO 140-3:1995(MOD)

JIS A 1416:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1416:2000の関連規格と引用規格一覧