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A 1441-2 : 2007
C.2 側路伝搬音の確認 測定の前に,側路伝搬による音の放射面が測定面に近接してあるかどうか,特
にそれが測定領域内に含まれているかどうかを調べることは有効である。図C.2は,側路伝搬面の一部が
測定領域に含まれている場合を示している。測定領域に含まれる側路伝搬面による影響が,隔壁の準音響
透過損失の推定で無視できるためには,隔壁から放射される音響パワーが,測定領域内の対象とする面以
外の部分(側路伝搬による放射面)から放射される音響パワーに比べてはるかに大きくならなければなら
ない。そのような側路伝搬による放射面が測定領域に含まれている場合には,測定対象試料のインテンシ
ティ準音響透過損失が過小評価される傾向となる。
1 : 測定面
備考 太線は,測定領域に含まれる側路伝搬面の部分を示す。
図C.2 隔壁からの放射パワーを推定するための測定面のモデル図
測定面を図のように設定し,側路伝搬面を覆わない条件では,経路D-d,F-d並びにD-f及びF-fの一部
分が測定に含まれる。
隣接する放射面が,測定対象の表面のインテンシティ準音響透過損失の推定に影響しているかどうかを
調べるには,次の方法による。まず,測定面及び測定距離 dを設定する。表面インテンシティ
M LIn M sLIn Fs
のおおよその大きさを知るために,測定面上の対角線に沿ったインテンシティの垂直成分を用いる(6.4.1
参照)。次に,プローブを側路伝搬面の方向に向け,測定面内の一本の線に沿ってインテンシティを測定す
る。そのときの側路伝搬面からの距離は dとする。このインテンシティを
M LInFs とする。
LnI Ms 又は LInFs の測定において,音場の条件が十分でない[式(15)が満たされない]場合,受音室内に
吸音を付加するなどの方法で,音場を改善する。ただし,吸音材料は,測定領域内に設置してはならない。
測定空間に含まれるすべての側路伝搬面について,次の式の関係が満たされる必要がある。
SM
LIn M sLIn Fs 10 log10 10 (C.1)
SF
ここに, S :
F 測定領域に含まれる側路伝搬面の部分の面積 (m2)
M 式(7)で定義される測定面の総面積 (m2)
S :
この条件が満たされない場合,測定領域に含まれる側路伝搬面は,部分的に覆わなければならない。最
も実際的で適切な遮へい(蔽)の方法としては,50 mm厚の多孔質繊維吸音材を挿入して13 mm厚の石こ
うボードで覆えばよい。測定領域内に含まれる遮へい(蔽)面の接合部及び端部は,不要な吸音の原因と
なるので,テープをは(貼)る必要がある。このような処理をした後,その効果を調べるために試験を繰
り返す。
――――― [JIS A 1441-2 pdf 21] ―――――
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A 1441-2 : 2007
C.3 側路伝搬音響透過損失 この規格による測定方法は,現場又は側路伝搬測定用の実験室における特
定された透過経路の側路伝搬音響透過損失の測定及び順位付けに用いることもできる。それによって得ら
れる測定結果は,準音響透過損失を改善するためにどの部分を処理すべきかを決める場合にも,また,側
路伝搬モデルの構築(例えば,EN 12354-1)の上でも有効である。
準音響透過損失を決定している個々の室表面の相対的な寄与度は,個々の面から放射される音響パワー
を単純に比較することによって評価できる。その音響パワーは,平均ノーマル音響インテンシティ[式(18)]
と測定面の総面積[式(19)]との積として計算される。
音源室において側路伝搬を防ぐための特別の処理をしていない場合,受音室で測定される音響パワーに
は,種々の経路からの寄与が含まれる。図C.1において,受音室の表面fを対象とした場合,測定される
音響パワーには,少なくともF-f及びD-fの二つの側路伝搬経路の寄与が含まれる。側路伝搬面fに関する
インテンシティ音響透過損失は,式(10)によって与えられる。
図C.1で明らかなように,経路F-fを絶縁するため,又はこの経路の側路伝搬音響透過損失の推定値を
得るためには,隔壁Dの音源側を覆わなければならない。同様に,その他の経路について同様の推定を行
うためには,音源室の面Fを覆う必要がある。遮へい(蔽)すべき面を適切に選定すれば,式(10)を用い
て,特定の経路についての側路伝搬音響透過損失の推定値を得ることができる。
C.4 JIS A 1417による測定値と調整インテンシティ準音響透過損失との関係 二室間の遮音性能の測定
にJIS A 1417の方法がしばしば用いられているが,音源室及び受音室に側路伝搬を防ぐための処理が何ら
施されていない場合には,この方法によって得られる二室間の音響透過及び準音響透過損失の測定結果に
は,直接透過成分だけでなく側路伝搬経路による成分も含まれている。同様の推定値をこの規格に規定す
る音響インテンシティによる方法で得るためには,式(C.2)に示すとおり,隔壁及びすべての側路伝搬面に
ついて放射音のインテンシティを推定する必要がある。
S
RI Lp1 6 10 log10 10 log10 SM j101.0LInj KC (C.2)
S0
j
ここに, j : 受音室内のすべての音響放射面の番号
これによって,側路伝搬による放射面を遮へい(蔽)しない状態で,JIS A 1417によって測定される結
果と直接比較することができる。
逆に言えば,遮へい(蔽)によって音源室のすべての側路伝搬経路をなくし,また壁・床・天井のよう
に明確に区別できる面ごとに測定面を設定することによって,インテンシティ準音響透過損失は,JIS A
1416によって得られる音響透過損失に近づく。現場測定では試料の内部損失及び周辺支持条件の違いが避
けられず,これによって,異なる方法による測定結果を比較することが難しくなる。
――――― [JIS A 1441-2 pdf 22] ―――――
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A 1441-2 : 2007
附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表
ISO 15186-2:2003 音響−音響インテンシティ法による建築物及び建築部
JIS A 1441-2:2007 音響−音響インテンシティ法による建築物及び建築部材の空気音遮
断性能の測定方法−第2部 : 現場における測定 材の空気音遮断性能の測定方法−第2部 : 現場測定
(I) ISの規定 (II) (III) 国際規格の規定 (V) ISと国際規格との技術的差異
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
国際 項目ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
規格 表示箇所 : 本体,附属書
番号 表示方法 : 点線の下線
項目 内容 項目 内容 項目ごと 技術的差異の内容
番号 番号 の評価
1. 適用範囲 ISO 1 JISに同じ IDT
2. 引用規格 15186-2 2 JIS Z 8736-1 (ISO 9614MOD/追加 JIS Z 8736-1を引用規格 原国際規格改正時に変更を提案す
-1)が引用されているに に追加した。 る。
もかかわらず,参考文献
に記載されている。
3. 定義 3 JISに同じ IDT
4. 測定装置 4 JISに同じ IDT
5. 試験装置 5 JISに同じ IDT
6. 測定の手順 6
6.1 一般事項 6.1 JISに同じ IDT
6.2 音の発生 6.2 JISに同じ IDT
6.3 音源室における室内平均音圧レ 6.3 JISに同じ IDT
ベルの測定
6.4 受音室の適正に関する初期測定 6.4 JISに同じ IDT
6.5 受音側における平均ノーマル音 6.5
響インテンシティレベル測定
6.5.1 一般事項 6.5.1 JISに同じ IDT
6.5.2 測定面 6.5.2 JISに同じ IDT
A1
6.5.3 プローブの向き 6.5.3 JISに同じ IDT
441
6.5.4 測定面の適正 6.5.4 JISに同じ IDT
-
2 : 2
6.5.5 スキャニングによる場合の手順 6.5.5
007
4
――――― [JIS A 1441-2 pdf 23] ―――――
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A 1441-2 : 2007
A1
4
(I) ISの規定 (II) (III) 国際規格の規定 (V) ISと国際規格との技術的差異
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
4
国際 項目ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
41-
規格 表示箇所 : 本体,附属書
2 : 2
番号 表示方法 : 点線の下線
00
項目 内容 項目 内容 項目ごと 技術的差異の内容
7
番号 番号 の評価
6.5.5.1 一般事項 ISO 6.5.5.1 JISに同じ IDT
6.5.5.2 スキャニングの繰返し精 15186-2 6.5.5.2 誤った式[式(15)]をMOD/変更 正しい式[式(16)]に変 原国際規格改正時に変更を提案す
度の確認 基準としている。 更した。 る。
6.5.6 離散点による場合の手順 6.5.6 JISに同じ IDT
6.6 複数の分割面と音源位置 6.6 JISに同じ IDT
との組合せ
6.7 暗騒音 6.7 JISに同じ IDT
6.8 測定周波数範囲 6.8 JISに同じ IDT
6.9 所要測定量 6.9 JISに同じ IDT
7. 測定結果の表示 7 JISに同じ IDT
8. 試験報告書 8 JISに同じ IDT
附属書A 調整項 KC Annex A 受音室の寸法が不明 MOD/削除 受音室の寸法が不明の場 原国際規格改正時に変更を提案す
(参考) (normative) の場合の計算方法も 合の計算方法を削除し る。
規定されている。 た。
normativeである。 MOD/変更 特殊な条件から求められ 原国際規格改正時に変更を提案す
た例を基に規定されておる。
り,一般性がないので“参
考”とした。
附属書B この規格による測定の精 Annex B JISに同じ IDT
(参考) 度及び測定値の偏り (informative)
附属書C 側路伝搬音の測定とその Annex C JISに同じ IDT
(参考) 影響 (informative)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : MOD
――――― [JIS A 1441-2 pdf 24] ―――――
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A 1441-2 : 2007
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT·················· 技術的差異がない。
― MOD/削除········· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加········· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更········· 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD··············· 国際規格を修正している。
A1 441-
2 : 2007
4
――――― [JIS A 1441-2 pdf 25] ―――――
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JIS A 1441-2:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15186-2:2003(MOD)
JIS A 1441-2:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.120 : 建築物内外の保護 > 91.120.20 : 建築物における音響.音響絶縁
JIS A 1441-2:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1416:2000
- 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法
- JISA1417:2000
- 建築物の空気音遮断性能の測定方法
- JISA1419-1:2000
- 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法―第1部:空気音遮断性能
- JISA1428:2006
- 実験室における小形建築部品の空気音遮断性能の測定方法
- JISA1441-1:2007
- 音響―音響インテンシティ法による建築物及び建築部材の空気音遮断性能の測定方法―第1部:実験室における測定
- JISC1507:2006
- 電気音響―音響インテンシティ測定器―圧力形ペアマイクロホンによる測定
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器