JIS A 1441-2:2007 音響―音響インテンシティ法による建築物及び建築部材の空気音遮断性能の測定方法―第2部:現場における測定 | ページ 4

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A 1441-2 : 2007
附属書A(参考)調整項KC
この規格に従って測定した結果とJIS A 1417及びJIS A 1428に規定する通常の測定法による結果とを比
較する場合,測定法の違いに起因する測定値の系統的な差を調整するための調整項が必要となる。
この規格では,調整項KCの値を,次の方法によって求める。
JIS A 1417及びJIS A 1428による従来法の測定値で,受音室の諸元が明らかな場合には,次の式で計算
される値とする。
Sb 2 (A.1)
KC 10 log10 1
8V2
ここに, Sb 2 : 受音室内の全表面積 (m2)
V :
2 受音室の容積 (m3)
周波数帯域の中心周波数の音の波長 (m)
参考 原国際規格には受音室の諸元が不明の場合の計算方法も記載しているが,極めて特殊な条件から
求められた方法であり,この規格に記載することは適切でないので削除した。

――――― [JIS A 1441-2 pdf 16] ―――――

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附属書B(参考)この規格による測定の精度及び測定値の偏り
B.1 一般事項 この附属書は,同一の設置条件及び取付け条件で,同じ建築部材をこの規格によって測
定した場合に,JIS A 1417及びJIS A 1428によって規定する準音響透過損失を再現する精度を推定する方
法について述べる。
すべての側路伝搬による放射面が遮へい(蔽)されていない場合には,JIS A 1417に規定する通常の方
法によって測定される準音響透過損失には,受音室に至るすべての側路伝搬の寄与が含まれ,インテンシ
ティ法による方法によってそれに対応する測定値を得るには,受音室のすべての面から放射されるインテ
ンシティを総計する必要がある。インテンシティ法による場合,すべての主要な放射面から放射される音
響パワーの測定に不備があると,次に記述するバイアス項K2の値は,負で大きな値となる。したがって,
このバイアス項K2の値によって,すべての主要放射面からの放射音響パワーが,的確に測定されいるかど
うかを確かめることができる。
B.2 バイアス項K2の推定 この規格の方法による遮音性能の測定結果( RIm )をJIS A 1417に規定される
R
従来法による測定結果(140 )と比較する場合,測定法の違いに起因する測定値の系統的な差(偏り)を調
整するための項K2が必要となる。
K2 R140 RIm (B.1)
偏りが生じる原因は,すべての場合について明らかになっているわけではない。
この規格で規定する測定方法において生じる偏り及び測定精度は,測定対象試料及び受音室の測定環境
の双方に関係すると推定される。この理由によって,この規格の測定方法を適用したすべての測定に適用
できる,単一の偏り推定量を設定することは不可能である。しかし,その値の範囲を示すことは可能であ
る。
JIS A 1441-1に規定する方法によって,ドア,窓及び壁の遮音性能を測定した場合の測定精度及び偏り
を図B.1に示す。これは,この規格の方法による測定では精度が最も高い場合に相当し,受音室が大きく,
その諸元が明確で,側路伝搬による音の放射が十分に抑えられている場合に適用できる。

――――― [JIS A 1441-2 pdf 17] ―――――

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2,d
(B)
推定されるバイアス項 K
周波数 (Hz)
備考1. データ(参考文献6から引用)は,ドア,窓及び壁について,
3か所の試験機関において測定した結果の平均値である。
2. 測定精度は,サンプルのバイアス項K2の平均 (太線)及び
標準偏差(上下の線)で表す。
図B.1 JIS A 1416による測定結果がJIS A 1441-1の方法によって再現される精度の推定
強い側路伝搬があり,かつ,受音室が小さい現場における測定は,測定精度の上で最悪の条件である。
側路伝搬の影響を調べるために作られた実験施設2か所で測定された結果を,図B.2及び図B.3に示す。
,
2(B)
d
推定されるバイアス項 K
周波数 (Hz)
備考 このデータは,同一試験機関において測定された14条件に
ついての結果である。測定精度は,サンプルのバイアス項
K2の平均(太線)及び標準偏差(上下の線)で表す。
図B.2 重量均質構造壁を対象として,JIS A 1417による測定結果が
この規格の方法によって再現される精度の推定
図B.2に示すデータは,同一の試験機関で実施された重量均質構造の14の測定結果である。これらのデ
ータで,バイアス項K2は,図B.1に示すJIS A 1441-1によって測定された結果と似ているが,値は大きく
なっている。図B.1及び図B.2における標準偏差を比較すると,一つの試験機関における一連の測定値(図
B.2)の方が小さい値となっている。これは,異なる測定機関の間でK2に差が生じる可能性があることを
示しており,受音室の条件及び測定対象試料が異なることが原因であると考えられる。

――――― [JIS A 1441-2 pdf 18] ―――――

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2,d
(B)
推定されるバイアス項 K
周波数 (Hz)
備考1. 同一試験機関において測定された軽量二重壁の34の測定値か
ら求めたデータである。
測定精度は,サンプルのバイアス項K2の平均(太線)及び
標準偏差(上下の線)で表す。
2. この場合には,バイアス項K2は,図B.1及び図B.2に示され
る値より大きい。
図B.3 軽量二重壁構造を対象として,JIS A 1417による測定結果が
この規格の方法によって再現される精度の推定
図B.3に含まれているデータから,バイアス項が測定を行った面によるかどうかを調べた。その結果,
バイアス項は,ほぼ同程度となっていることが分かった。しかし,側路伝搬面の評価における不確かさは
大きくなっており,それは250 Hz以下の周波数で著しい。これは,次に示す項目を含めて幾つかの要因が
組み合わさったことによるものと考えられる。
− コインシデンス限界周波数(図B.3に示すデータではおおむね2 500 Hz)より十分に低い周波数では,
側路伝搬面からの放射パワーは極めて小さいので,効果の大きい遮へい(蔽)シールが必要である。
− 低い周波数で音圧−残留インテンシティ指数が小さい場合には,インテンシティの測定精度が低下す
る。
− 受音室において生じる低次モードによって,低い周波数で従来法である音圧法の精度が低下する。
− 測定点が振動励起接合部から遠ざかるに従って,側路伝搬面から放射されるインテンシティの傾きが
大きくなり,これによってサンプリング誤差が生じる。
図B.1図B.3を比較すると,予想される偏差が測定条件(特に側路伝搬音の程度及び室容積による)
によって決まるので,単一の偏りの値及び精度を規定することはできないことが分かる。しかし,測定値
は,一般的に図B.1,図B.2及び図B.3に示される範囲内に入ると考えられる。
B.3 測定精度 小形建築部品を含む建築部材に対する音圧法による測定結果を,調整インテンシティ音
響透過損失によって推定する場合の標準偏差は,図B.1,図B.2及び図B.3で示される範囲内に入ると考
えられる。

――――― [JIS A 1441-2 pdf 19] ―――――

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附属書C(参考)側路伝搬音の影響及びその測定
C.1 一般事項 JIS A 1416で規定する側路伝搬の低減に関する条件は,この規格の測定では必要ないため,
この規格の方法によって得られる測定値には,側路伝搬による成分が含まれていると考えられる。側路伝
搬の強さ及びその(インテンシティ)準音響透過損失に与える影響の程度は,建物の内装仕上げ及びそれ
らの接合部の条件によって変化する。
対象とする面を完全に取り囲む測定面を設定することによって,理論的には受音室の他の面から放射さ
れる音響パワーを含まないで,測定領域に含まれる面から放射される音響パワーだけを測定することが可
能である。したがって,インテンシティ準音響透過損失の推定値における側路伝搬経路の数は,受音室の
表面のうちのどの面が測定領域に含まれるかによる。
測定面を適切に設定すれば,インテンシティ法によって個々の部位からの音の放射を特定することがで
き,それらの大きさに順位を付けることも可能である。
この方法によれば,受音室における主要な側路伝搬を取り除く効果はあるものの,音源室で生じる側路
伝搬については,そのような効果はないことに注意する必要がある。図C.1は,壁又は床の接合部を含む
第一次側路伝搬経路だけを示したものであるが,壁・床・天井のような部位に分かれていても,受音室の
表面からは,いろいろな経路の側路伝搬があることが分かる。
備考 第一次側路伝搬経路とは,音源室内の一つ,一つの接合部及び受音室内の一つからなる一連の
経路のことである。
建築部材の仕様が同じであっても,この規格の方法で得られる現場測定値と,音源室及び受音室におけ
る側路伝搬を低減したJIS A 1441-1及びJIS A 1416に規定する方法によって得られる実験室測定の結果と
が必ずしも一致しないのは,上記による。
備考 図が複雑になるのを避けるために省略しているが,これ以外
の側路伝搬経路もあり得る。
図C.1 共通の壁で仕切られ一体構造の二室の間の直接伝搬経路及び
壁・床などの接合部を含む第一次側路伝搬経路のモデル図
側路伝搬による透過によって,受音室では外来騒音(測定対象以外の音)を増加するので,測定の条件
を満足させる[式(15)を満たす]ためには,受音室に十分な吸音を付加する必要がある。極端な場合には,
受音室で側路伝搬が生じている一つ又はそれ以上の面を覆ってしまう必要もある。

――――― [JIS A 1441-2 pdf 20] ―――――

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JIS A 1441-2:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15186-2:2003(MOD)

JIS A 1441-2:2007の国際規格 ICS 分類一覧

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