JIS A 2104:2018 住宅用窓のエネルギー性能―計算手順 | ページ 2

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比によって決まり,建物仕様及び気象条件によって異なる値となる。
3.3
熱損失
室内外気温差による窓の貫流熱と窓の通気による熱移動との合計。ただし,夜間放射による熱損失は含
まない。
注記1 室内設定温度より外気温が低い時間帯には熱損失の値が正となり,室内設定温度より外気温
が高い時間帯には熱損失の値が負となる。この規格では,それぞれの時間帯を“熱損失が正
の時間帯”,“熱損失が負の時間帯”という。
注記2 熱損失が負の時間帯には実質的には室外から室内へ熱が移動するが,この規格ではこれを負
の熱損失として扱う。
3.4
熱取得
日射による窓の日射熱取得及び夜間放射による窓の熱損失の合計。
3.5
熱貫流率
室内外温度差による窓の貫流による熱流量を窓面積及び室内外温度差で除した値。窓の断熱性能を表す。
注記1 グレージング,フレーム及び/又は日射遮蔽物を含む開口部全体の熱貫流率は,Uwで示す。
注記2 この規格では,JIS A 0202で規定する定義を変更している。
3.6
日射熱取得率
日射を受ける窓から室内側へ侵入する熱流量を窓面積及び窓の室外側で受照する日射強度で除した値。
窓の日射取得性能及び日射遮蔽性能を表す。
注記1 JIS A 2103など日本国内では日射熱取得率の記号にηを用いることが一般的であるが,この
規格では対応国際規格に従って記号gを用いる。
注記2 グレージング,フレーム及び/又は日射遮蔽物を含む開口部全体の日射熱取得率は,gwで示
す。
3.7
通気量
圧力差によって窓を通過する空気量。圧力差及び窓の気密性能によって決まる。
3.8
ひさし効果係数
窓の上部又は左右に建築的に設置されるひさし及び/又は袖壁による窓の日射遮蔽の効果について,ひ
さし及び袖壁のない窓の月間積算の受照日射強度に対するひさし及び/又は袖壁のある窓の月間積算の受
照日射強度の比で表したもの。01の値をとる。
注記 ひさし及び袖壁がない場合には係数は1となる。
3.9
斜入射効果係数
ひさしのない窓の月間積算の受照日射量に対するひさしのない窓からの月間積算の日射熱取得の比を垂
直入射時の窓の日射熱取得率で除した値。01の値をとる。附属書JDを参照。
注記 窓ガラスへの直達日射の入射角によって窓の日射熱取得率は時々刻々変化し,また,天空日射

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及び地表面反射日射に対する窓の日射熱取得率は垂直入射時の窓の日射熱取得率とは異なるた
め,垂直入射時の日射熱取得率から月間平均の窓の日射熱取得率を求めるために導入した係数
である。
3.10
夜間放射量
地表面放射量と下向き大気放射量との差。地表面放射とは,地表面から大気圏外に向けて行われる放射
を,下向き大気放射とは大気から地表面へ向かう放射を表す。地表面放射量は地表面温度を外気温と同じ
と仮定して計算される。
3.11
熱移動係数
室内外温度差1 ℃当たりの貫流及び通気による熱流量。
注記1 窓の通気による熱移動係数は,8.4参照。
注記2 建物全体の貫流及び通気による熱移動係数は,附属書Aを参照。
注記3 この規格では,JIS A 0202で規定する定義を変更している。
3.12
熱収支比
対象期間における建物全体の日射熱取得及び内部発熱の和を貫流,換気及び通気による熱移動で除した
値(附属書JBによる。)。
3.13
窓面積
グレージング面積とフレーム面積との総和。
注記 JIS A 2102-1,JIS A 4706などによって求めることができる。

4 記号及び単位

  この規格で用いる記号及び単位は,JIS A 0202によるほか,表1による。
表1−記号及び単位
記号 数量 単位
A 面積 m2
c 比熱 J/(kgK)
E 夜間放射量 W/m2
F,f 係数 −
g 日射熱取得率 −
H 熱移動係数 W/K
h 表面熱伝達率 W/(m2K)
Isol 日射強度 W/m2
L 通気量 m3/h
PWE 窓のエネルギー性能 kWh/m2
p 気圧 Pa
Q 熱量 kWh
t 時間,期間 h
U 熱貫流率 W/(m2K)
γ 傾斜角 °

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表1−記号及び単位(続き)
記号 数量 単位
Γ 熱収支比 −
ε 放射率 −
η ユーティリゼーションファクタ −
θ セルシウス温度 ℃
ρ 密度 kg/m3
注記 これらの記号は,可能な限りISO 13790の記号と同一とした。
この規格では,エネルギー性能はキロワット時毎平方メートル(kWh/m2)で計算する。必要に応じて,
これらの値を他の単位に変換してもよい。この規格で用いる添え字を表2に示す。
表2−添え字
avg 時間平均
base 基準点
C 冷房
C,nd 冷房負荷又は建物の冷房負荷
E エネルギー
e 外部,外側,外壁
gn 取得
H 暖房
H,nd 暖房負荷又は建物の暖房負荷
ht 熱伝達
i,j,k,n ダミー整数
int 内部(熱及び温度)
m 月間,指定月
室内設定温度より外気温が低い(熱損失が正)時間帯
室内設定温度より外気温が高い(熱損失が負)時間帯
nd 負荷
ob 障害物
or 方位
p 気圧
ref 参照
set 設定点
sh 日射遮蔽物,ひさし
sol 日射(熱取得)
tr 伝達
V 換気設備
ve 通気,換気
w 窓
Δ 差
ang 斜入射

5 原理

5.1 はじめに

  窓のエネルギー性能は,暖房期,冷房期,それぞれのエネルギー性能指標PWEで表される。あらゆる窓

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の傾斜角γにおいても,この手順に従う。PWE,HとPWE,Cの値は,1年当たりの窓の単位面積当たりの熱負
荷であり,すなわち,標準建物の暖冷房熱負荷に対する窓の寄与を表す。PWE,Hは窓の暖房エネルギー性能
指標であり,PWE,Cは窓の冷房エネルギー性能指標であり,いずれもキロワット時毎平方メートル(kWh/m2)
で表される。
注記1 この値が小さいほどエネルギー性能に優れた窓であることを意味し,この値が負となる場合
には,建物の窓以外の要素に起因する暖房負荷又は冷房負荷を削減するポテンシャルを窓が
もつことを意味する。
注記2 ISO 13790では月別,期間別及び時刻別のエネルギー収支計算法,並びにそれぞれの手順が
示されているが,この規格では月別のエネルギー収支計算法を採用する。
なお,この規格では,窓による標準建物の熱負荷は,暖房,冷房,換気などの装置にはよらないとみな
す。

5.2 暖房エネルギー性能

  一つの窓の暖房のエネルギー性能は,式(1)によって計算する。
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QH, nd,w ,m,i
PWE, H,i (1)
m 1 Aw ,i
ここに, PWE,H,i : 窓iの暖房エネルギー性能(kWh/m2)
i : 窓の番号
Aw,i : 窓iの(投影)窓面積(m2)
QH,nd,w,m,i : 暖房モードでの窓iによる月別(m)の正味の熱損失(6.2
によって計算する。)(kWh)
窓が複数ある場合の暖房のエネルギー性能は,式(2)によって計算する。
Aw ,iPWE, H,i
i
PWE, H (2)
Aw ,i
i
注記 想定する住宅の全ての窓の暖房エネルギー性能を求める場合は,式(2)ではその住宅内の全ての
窓iについて総和をとる。住宅の窓のうち特定の方位を向く全ての窓の暖房エネルギー性能を
求める場合は,式(2)では住宅内のその方位を向く窓iについてだけ総和をとる。

5.3 冷房エネルギー性能

  一つの窓の冷房のエネルギー性能は,式(3)によって計算する。
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QC,nd,w ,m,i
PWE,C,i (3)
m 1 Aw ,i
ここに, PWE,C,i : 窓iの冷房エネルギー性能(kWh/m2)
i : 窓の番号
Aw,i : 窓iの(投影)窓面積(m2)
QC,nd,w,m,i : 冷房モードでの窓iによる月別(m)の正味の熱取得(6.3
によって計算する。)(kWh)
窓が複数ある場合の冷房のエネルギー性能は,式(4)によって計算する。
Aw ,iPWE, C,i
i
PWE,C (4)
Aw ,i
i
注記 想定する住宅の全ての窓の冷房エネルギー性能を求める場合は,式(4)ではその住宅内の全ての

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窓iについて総和をとる。住宅の窓のうち特定の方位を向く全ての窓の冷房エネルギー性能を
求める場合は,式(4)では住宅内のその方位を向く窓iについてだけ総和をとる。

6 方法及び基本方程式

6.1 概要

  この規格を適用する際は,次のステップに従って窓のエネルギー性能を計算する。
計算手順は四つのステップから成る。各ステップで,一連の入力データを収集し,その後に計算を行う。
図1に,計算ステップ,必要となる入力データのフローチャート及びデータの主要な出典を示す。詳細
な手順は6.26.4による。ここでは一般原則だけを示す。
− ステップ1 : 気象−気象データの準備 窓のエネルギー性能を評価する対象の地域の気象データ(外
気温,並びに与条件の方位及び傾斜角での窓に対する日射量)を選択する。
− ステップ2 : 建物−標準建物データの準備 標準設備(暖房,冷房及び換気)並びにその運転方法を
含む一つ(又は一連)の標準建物及び室内条件について適切なデータを選択する。
− ステップ3 : 窓−窓の熱性能の準備 窓の熱性能(熱貫流率,日射熱取得率,及び通気による熱移動
係数)を用意する。
− ステップ4 : 計算−窓のエネルギー性能の計算 気象データ(ステップ1),建物データ(ステップ2)
及び窓データ(ステップ3)から,暖房モードにおける窓の正味の熱損失及び冷房モードにおける窓
の正味の熱取得を月別に計算する。
最後に,暖房モードにおける窓のエネルギー性能PWE,H及び冷房モードにおける窓のエネルギー性能
PWE,Cをそれぞれ計算する。この手順は,箇条5による。

――――― [JIS A 2104 pdf 10] ―――――

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JIS A 2104:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 18292:2011(MOD)

JIS A 2104:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 2104:2018の関連規格と引用規格一覧