3
A 3305 : 2020 (ISO 2394 : 2015)
所定の期間中,所定の信頼性の水準で,所定の偶発現象効果を含めて,終局限界状態の超過を避ける(構
造物又は構造部材の)能力。
注記 建築基準法令では,終局限界状態に相当するもの以外の状態も想定して,各種の荷重・外力が
作用するときに安全な構造とするための基準が定められている。
2.1.10
耐久性(durability)
環境作用の影響下において,所定の期間にわたり,計画された維持管理を基に設計時に要求された性能
を満足する,構造物又は構造部材の能力。
2.1.11
暴露事象(exposure events)
構造物に対して損傷の原因となる又は性能指標に影響を与える可能性がある事象。
2.1.12
アセスメント(assessment)
既存構造物の信頼性を確かめる目的で行われる一連の活動。
2.1.13
改修(upgrading)
構造性能を向上させる又は用途変更を可能にするために,既存構造物を改変する建設行為。
2.1.14
(構造物の)修復[repair (of a structure)]
損傷を受けたり劣化したりした構造物の状態を元に戻すこと。
2.1.15
補修(rehabilitation)
既存構造物の修復又は改修によって構造物をよみがえらせること。
2.1.16
モニタリング(monitoring)
構造物の状態,作用又は構造物の応答を,頻繁に又は継続的に,通常,長期にわたり,観察したり測定
したりすること。
2.1.17
点検(inspection)
品質管理及び構造物の現況を確かめるための状態評価として実施される現地調査。
2.1.18
(JISでは不採用とした。)
2.1.19
信頼性設計(reliability-based design)
構造物の所定の信頼性水準を確保するための設計手法。
2.1.20
部材信頼性(member reliability)
単一の支配的な破壊モードをもつ単一構造部材の信頼性。
2.1.21
システム信頼性(system reliability)
――――― [JIS A 3305 pdf 6] ―――――
4
A 3305 : 2020 (ISO 2394 : 2015)
複数の部材をもつシステム又は複数の破壊モードをもつ単一構造部材の信頼性。
2.1.22
母集団(population)
同一の確率表現(平均値など)が有効な要素の集合。
2.1.23
標本空間(outcome space)
ランダムな現象の全ての可能な結果の集合。
2.1.24
構成要素(constituent)
性能に寄与する要素又は材料。
2.1.25
性能指標(performance indicator)
構造物の特性を定量的に記載するための尺度となるパラメータ。
2.1.26
構造性能(structural performance)
安全性,使用性,耐久性及びロバスト性に関する構造物の能力(例 耐荷能力,剛性など)の程度。
2.1.27
耐力(resistance)
構造物(又はその一部)が破壊することなく作用に耐える能力。
2.1.28
品質管理(quality control)
構造物の設計,施工,使用及び撤去の品質を管理する活動。
2.1.29
損傷(damage)
構造性能に好ましくない影響を及ぼす可能性のある,構造物の状態の好ましくない変化。
2.1.30
倒壊(collapse)
構造物が崩壊機構に至ること。構造物(又はその一部)の分離及び落下を含む。
2.1.31
劣化(deterioration)
時間とともに,信頼性を含む構造性能が低下すること。
注記 劣化は,自然に発生する化学的,物理的,生物的作用,通常の又は過酷な環境作用,疲労の原
因となるような繰返し作用,使用による摩耗及び構造物の不適切な運用及び維持管理によって
引き起こされる。
2.1.32
使用性(serviceability)
予想されるあらゆる作用下で,通常用途のために適切に機能する,構造物又は構造部材の能力。
2.1.33
シナリオ記述(scenario description)
発生可能性を考慮しながら,性能指標に影響を与えるような様々な一連の事象を,選択して記述するこ
――――― [JIS A 3305 pdf 7] ―――――
5
A 3305 : 2020 (ISO 2394 : 2015)
と。
2.1.34
結果の重大性等級(consequence class)
構造物の破壊の,結果の重大性による分類。
2.1.35
(JISでは不採用とした。)
2.1.36
信頼性水準のレベル分け(reliability differentiation)
予想されるあらゆる破壊の結果及び建設費用を考慮に入れた,建設のための資源の社会経済学的最適化。
2.1.37
ハザードシナリオ(hazard scenario)
システムが経験する可能性があり,システムそのもの,人及び環境に危害を及ぼす可能性がある,過渡
的に変化する状況の集合。
2.1.38
リスク情報を活用した設計(risk-informed design)
人命喪失,負傷,環境の質の被害及び金銭的損失を含むあらゆるリスクを十分考慮して最適化する設計。
注記 リスクに基づく設計は,現時点では一般的に全ての国の国内規格規準においては認められてい
ない。
2.1.39
(JISでは不採用とした。)
2.1.40
リスク(risk)
不確定性が目的に及ぼす影響。
注記 意思決定理論の観点からは,リスクとは望ましくないあらゆる結果の期待値,すなわち,事象
の結果とその確率の積とを全て足し合わせたものである。
2.1.41
追加人命救助費用(marginal lifesaving cost)
追加の安全対策によって更に1人の生命を救うための費用の増分。
2.1.42
リスクスクリーニング(risk screening)
あらゆるハザードの状況に対して同定されるリスクの調査及び分類。
2.1.43
生活の質指標,LQI(Life Quality Index)
GDP,出生時平均余命及び労働時間に対する余暇時間の比の関数として表される,人命安全に関する社
会的選好及び投資能力の指標。
2.1.44
利用計画(utilisation plan)
構造物の(一つ以上の)用途を含み,維持管理要件と対応する要求性能を含む構造物の運用状態を記載
した計画。
――――― [JIS A 3305 pdf 8] ―――――
6
A 3305 : 2020 (ISO 2394 : 2015)
2.1.45
信頼性目標(reliability target)
できる限り近づけるべき,所定の平均的な許容破壊確率で表された目標。
注記 信頼性目標は一般的にはモデル依存であり,それぞれの場合に対して,使用されるモデルに基
づき,設定することが望ましい。
2.1.46
ロバスト性(robustness)
有害かつ予見できない事象(火災,爆発,衝撃など)又は人的過誤の結果に対し,元の原因から不釣合
いな程度に大きい被害を受けることなく耐えることができる構造物の能力。
2.1.46-1
損傷不感性(damage insensitivity)
2.1.46による。
2.1.47
ハザード(hazard)
異常かつ過酷な脅威(例 起こり得る異常な作用又は環境からの影響,不十分な強度及び剛性又は意図
された範囲からの有害な方向への過度な逸脱など。)。
2.2 設計及びアセスメントに関する用語
2.2.1
設計及びアセスメントの局面(design/assessment situations)
関連する限界状態を超過しないことが実証されるべきある特定の期間を示す物理的状態の集合。
注記 設計の局面(design situation)及びアセスメントの局面(assessment situation)とは,設計及びア
セスメントを行うに当たって想定する状況のことを指す。
2.2.2
永続的状況に対する設計の局面(persistent design situation)
構造物にとっての通常の使用状態。
2.2.3
過渡的状況に対する設計の局面(transient design situations)
建設中,修繕中などの,構造物の設計供用期間よりも極めて短い期間における使用又は暴露といった一
時的な状態。
2.2.4
偶発的状況に対する設計の局面(accidental design situations)
浸水,火災,爆発及び局所的破壊を含む,起こり得る例外的な構造物の使用及び暴露の状態を含む設計
の局面。
2.2.5
(JISでは不採用とした。)
2.2.6
破壊(failure)
限界状態を超過して,望ましくない領域に入ること。例えば,構造物若しくは構造部材の耐荷能力の不
足又は不十分な使用性,又は土若しくは岩の強度が抵抗を与える上で重要な役割を担う地盤の破壊若しく
は過度の変形。
――――― [JIS A 3305 pdf 9] ―――――
7
A 3305 : 2020 (ISO 2394 : 2015)
2.2.7
限界状態(limit states)
それを超えると構造物が設計における要求性能を満足できない状態。
2.2.8
終局限界状態(ultimate limit states)
最大耐荷能力に関わる限界状態。
注記 建築基準法令に定める構造計算のうち,限界耐力計算では,最大級の荷重・外力が作用すると
きの状態として“建築物の地上部分が倒壊・崩壊しないこと”を確かめる方法が定められてい
る。これらの方法で想定する状態が,終局限界状態の定義におおむね近いものである。
2.2.9
設計における要求性能(design criteria)
各限界状態に対して満たされるべき状態を定量的に定式化したもの。
2.2.10
使用限界状態(serviceability limit states)
通常の使用に関する機能を決定する基準に関わる限界状態。
注記 建築基準法令が定める構造計算のうち,限界耐力計算では,日常的な荷重・外力が作用すると
きの状態として“建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じないこと及びそれらの変形又は
振動によって建築物の使用上の支障が生じないこと”,中程度の荷重・外力が作用するときの状
態として“建築物の構造耐力上主要な部分に損傷が生じないこと又は建築物が損傷しないこと”
をそれぞれ確かめる方法が定められている。これらの方法で想定する状態が,使用限界状態の
定義におおむね近いものである。
2.2.11
不可逆的限界状態(irreversible limit states)
超過の原因となった作用が取り除かれても永続的に超過したままであるような限界状態。
2.2.12
可逆限界状態(reversible limit states)
一旦超過しても超過の原因となった作用が取り除かれれば非超過となる限界状態。
2.2.13
形式的限界状態(condition limit state)
明確に定義され,かつ,管理可能な,直接的な負の結果がない限界状態。明確に定義すること又は計算
することが難しい実際の限界状態の近似であることが多い。
注記 耐久性の観点に関連する適用においては,形式的限界状態は耐久限界状態と呼ばれることが多
い。
2.2.14
限界状態関数(limit state function)
基本変数の関数g(X1, X2, ···, Xn)。g(X1, X2, ···, Xn)=0のとき,限界状態を表す。
注記 限界状態関数の符号が正のときは設計における要求性能を満足している状態で,負のときは満
足していない状態である。
2.2.15
基本変数(basic variables)
――――― [JIS A 3305 pdf 10] ―――――
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JIS A 3305:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2394:2015(IDT)