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A 4710 : 2015
表3−熱箱法による熱貫流率測定の不確かさ分析に関する記号及び単位
記号 名称 単位
Asp 試験体伝熱面積 m2
Asur 取付パネルの伝熱面積 m2
取付パネルの熱伝導率 W/(m・K)
dsur 取付パネルの厚さ m
熱箱からの損失熱量 W
攀 最攀 端部損失熱量 W
椀 熱箱に供給される熱量 W
試験体を通過する熱量 W
取付パネルを通過する熱量 W
環境温度 ℃
攀 低温側空気温度 ℃
椀 高温側空気温度 ℃
Ucal 校正板の熱貫流率 W/(m2・K)
Um (測定された)試験体の熱貫流率 W/(m2・K)
Ust 標準化(された試験体の)熱貫流率 W/(m2・K)
ステファン・ボルツマン定数5.67×10−8 W/(m2・K4)
Δθ 温度差 K
∂ 変動関数
Δθsur取付パネルの表面温度差 K
熱箱法による不確かさ分析については,附属書Eに示す。
4 測定原理
試験体の熱貫流率Uは,JIS A 1420に規定する校正熱箱法(CHB法)又は保護熱箱法(GHB法)によ
って測定する。
注記 この規格では,CHB法の測定原理を示す。
熱貫流率の測定は,二つの段階によって行う。第1段階は,熱抵抗が既知の2枚の校正板を用いて測定
する。この測定から,試験する試験体と同等の平均表面放射率をもつ校正板の両側の表面熱伝達率(放射
及び対流)及び取付パネルの熱抵抗が求められる。第2段階は,取付パネルの開口部に窓又はドアの試験
体を取り付けて測定する。このとき,試験装置は,校正時の高温側及び低温側の送風ファンの設定と同じ
状態とする。
CHB法における主な熱流は,図1のようになる。熱貫流率は,試験体両側の空気温度及びバッフルなど
の表面温度を測定し,附属書Aによって環境温度を算出して式(1)によって求める。
ΦinΦl ΦsurΦedge
U (1)
Δ n・A
熱箱からの損失熱量Φlは,JIS A 1420に従って求める。
取付パネルは,熱箱と同様な大きさで試験体を設置する開口部をもち,規定の位置に試験体を取り付け
ることができる(図2参照)。取付パネルと校正板(又は試験体)との境界における端部熱量Φedgeは,線
熱貫流率Ψを用いて個別に求められる。端部熱流は,校正板の位置,厚さ及び熱抵抗(熱伝導率)を関数
とする線熱貫流率Ψを用いて附属書Bに示す表によって求めることができる。また,測定結果は,試験時
の表面熱伝達率から標準の表面熱伝達率に補正して表す。
測定においては,例えば,高温側と低温側との間を等圧にする,又は内側の接合部をシールして,試験
――――― [JIS A 4710 pdf 6] ―――――
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体の漏気が測定結果に影響を与えないようにする。
注記 取付パネルは,境界の端部の熱量も含んで校正することもできる。
図1−測定原理
単位 mm
図2−取付パネルと校正板又は試験体との位置
――――― [JIS A 4710 pdf 7] ―――――
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5 試験装置及び試験体
5.1 一般
試験装置は,図3に示す構成とする。試験装置の構成及び機能は,この規格で修正した部分以外はJIS A
1420に規定する要求事項に従う。
図3−校正熱箱法試験装置(断面)
5.2 取付パネル
取付パネルは,高い断熱性をもち,高温側と低温側とを隔て,窓又はドアの試験体を正確な位置に取り
付けることができるものとする。取付パネルの大きさは,熱箱の開口部と同じ大きさとし,厚さは,最低
厚さを100 mmとするか又は試験体の最大厚さのうち厚い方とする。取付パネルの心材となる材料は,熱
伝導率が安定していて,その値は0.04 W/(m・K) 以下とする。取付パネルの剛性を上げるために両側に合
板,プラスチックシートなどを貼り付けることができる。取付パネルの開口部には,図2に示すように,
実際の施工に準じて妥当な位置に試験体を取り付け,又は試験体の取付位置と同じ位置に校正板を設置で
きるものとし,熱伝導率が0.04 W/(m・K) 以上(薄い非金属テープ以外)の材料は開口部に用いてはなら
ない。また,試験体を取り付ける開口部は取付パネルの中央とする。取付パネル及びバッフル板の表面は,
0.8以上の高い放射率の材料で仕上げる。
5.3 校正板
校正板は,試験体とほぼ同様な大きさとする。校正板は,表面熱伝達率,取付パネルの熱抵抗などの試
験条件を設定するために用いる。
校正板は,次のような要件を満足するものとする。
a) 校正板又はその心材は,熱伝導率又は熱抵抗が既知で均質の材料とする。また,材料は,経時変化の
影響があってはならないものとする。
b) 校正板の表面の性状は,試験体と類似させる。表面の放射率は,既知(例えば,フロートガラス)又
はJIS R 3106によって測定する。
c) 校正板は,校正時の条件において試験体の熱流密度が含まれるものとし,様々な断熱性の試験体に対
応するため熱抵抗の異なる2種類とする。
なお,1枚の校正板で試験体の熱流密度が含まれる場合はこの限りではない。
――――― [JIS A 4710 pdf 8] ―――――
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校正板の大きさは,1 600 mm×1 600 mmを標準とする。
校正板の熱抵抗又は校正板に使用する断熱材の熱抵抗又は熱伝導率は,JIS A 1412-1による保護熱板法
又はJIS A 1412-2による熱流計法を用いて平均温度015 ℃の範囲で測定する。
なお,試験機関などによって熱性能が証明されたものを校正板として用いることもできる。
取付パネルの開口部に取り付ける校正板の位置は,試験体の高温側からの取付位置と同じ位置に設置す
る(図2におけるd1寸法)。
注記 校正板の種類を,附属書Cに示す。
5.4 温度測定及びバッフルの位置
校正のために,高温側及び低温側の表面温度を測定する。校正板の測定点は,最低でも等面積に9分割
した長方形の中心に9点,取付パネルの表面は8点とし,取付パネルの見込み面は,最低でも各面の中心
に1点とする(図4)。温度測定器は,校正板の周縁から100 mm以上離す。また,空気温度及びバッフル
板の表面温度測定は,校正パネルの表面温度測定位置(最低9点)と同様な位置とする。
a) 温度測定器 温度センサは,JIS C 1602に規定するT熱電対と同等のものとするが,素線の線径は,
0.2 mm以下とする。温度センサ及び計測器は,定期的に校正する。表面温度を測定する場合,熱電対
は,接着剤又は表面の放射率が0.8以上の粘着テープを用いて貼り付ける。
b) バッフルの位置 高温側は,自然対流に近い状態とし,かくはん程度のファンを用いる。また,バッ
フルと取付パネルの高温側の表面との間は150 mm以上とする。低温側は,適切な風速を与え,バッ
フルと取付パネルの低温側の表面との間は100 mm以上とする。空気温度は,両側の(速度)境界層
の外側で測定する。
なお,この気流吹出し方法によれない場合には,附属書JBによってもよい。
5.5 風速測定
低温側の風速は,自由な流れ状態となっている位置で測定する。
なお,垂直又は水平な流れパターンを確認する場合,温度センサを試験体表面の境界層又は附属物の陰
になるような位置に置かないようにする。
――――― [JIS A 4710 pdf 9] ―――――
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単位 mm
図4−温度及び風速の測定位置
5.6 試験体
試験体は,取付パネルの開口部に気密に取り付ける。校正板を用いる場合の標準的な試験体寸法は,次
のとおりとする。
a) 窓及び引き違いサッシ 約 幅1 700 mm×高さ1 800 mm又は約 幅1 700 mm×高さ1 300 mm
b) ドア 約 幅900 mm×高さ1 900 mm
取付パネルと試験体間の隙間は,5 mm以下とし,取付パネル及び試験体の接合周辺は,両側ともテー
プ,コーキング又はマスキング材料でシールする。試験体の取付方法及び伝熱開口寸法の取り方を,附属
書JAに示す。
なお,試験体の伝熱開口面積は,0.8 m2以上とする。規定の伝熱開口面積を満たさない建具を試験体と
する場合,同一寸法の試験体を複数体並べ,全体の伝熱開口面積を0.8 m2以上として測定する。この場合,
1体の伝熱面積は0.2 m2以上とし,横並びで設置する。ただし,複数の試験体を横並びで設置することが
困難な場合は,縦並びで設置してもよい。また,試験体間に設置する取付パネルの幅は150 mm以上とす
る。
――――― [JIS A 4710 pdf 10] ―――――
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JIS A 4710:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 12567-1:2010(MOD)
JIS A 4710:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 4710:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0202:2008
- 断熱用語
- JISA1412-1:2016
- 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第1部:保護熱板法(GHP法)
- JISA1412-2:1999
- 熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第2部:熱流計法(HFM法)
- JISA1420:1999
- 建築用構成材の断熱性測定方法―校正熱箱法及び保護熱箱法
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISR3106:2019
- 板ガラスの透過率・反射率・放射率の試験方法及び建築用板ガラスの日射熱取得率の算定方法