JIS A 4811:2017 家庭用室内ブラインドに附属するコードの要求事項―子どもの安全性 | ページ 5

                                                                                             19
A 4811 : 2017
附属書C
(参考)
安全器具テンションデバイス
C.1 一般
この附属書は,室内ブラインドの操作コードに関する安全対策において,海外規格又は海外法規で規定
されている安全器具である“テンションデバイス(tension device)”に関する内容を参考情報として記載し
たものである。
C.2 海外で使用されているテンションデバイス
室内ブラインドの操作コードに関する安全対策に関して海外規格などでは,図C.1に示す“テンション
デバイス(tension device)”が安全器具として規定されている。テンションデバイスとは,室内ブラインド
の操作コード付近の壁に固定する器具で,滑車と同様の機能を果たし,操作コードのたるみをなくすこと
によって,子どもの頭部が入ることを防止するものである。室内ブラインドに同こん(梱)されて販売さ
れるものであり,施工業者又は消費者が壁に主にねじ止め固定するものである。
A
テンションデバイス
拡大図A
図C.1−テンションデバイスを設置した室内ブラインドの例

――――― [JIS A 4811 pdf 21] ―――――

20
A 4811 : 2017
C.3 テンションデバイスに関する海外規格
海外規格及び海外法規では,テンションデバイスに関して,表C.1に示す内容が規定されている。
表C.1−海外規格及び海外法規におけるテンションデバイスに関する概要
国 海外規格 試験方法及び基準
及び海外法規
アメリカ ANSI/WCMA A100.1 ・ コード又はテンションデバイス自体への取付け警告表示タグの内容
CSA Z600 ・ テンションデバイスは,製造業者がコードに決められた手順で取り付
けること。正しく取り付けられていない場合は,室内ブラインドが動
作しないように設計されていなければならない。
・ テンションデバイスは,木材の基盤に取り付けるための留め具及び施
工要領書とともに供給しなければならない。留め具は,留め具製造業
者の最小定格値又は試験による解放力20 lb(89 N)を備えなければな
らない。
・ テンションデバイスは,耐久性のための試験要求事項に従うこと。
欧州 EN 16433 ・ テンションデバイスを構成しているコード,制御機構,張力を保持す
る装置を含めて,水平荷重を加えた場合に破損することがあってはな
らない。水平荷重は,EN 13120で規定されている荷重がコードに掛か
るまで,ループの高さの中間位置で,コードに衝撃荷重が掛からない
ように少しずつ荷重を加え,10秒間荷重を加え続けること。
韓国 安全品質表示対象工産品・ テンションデバイスを設置した際に,コードと壁との間は10 cm以内
の安全品質表示基準 でなければならない。

――――― [JIS A 4811 pdf 22] ―――――

                                                                                             21
A 4811 : 2017
附属書D
(参考)
表示及び取扱説明書の禁止事項及び注意事項の例
D.1 一般
室内ブラインドに附属するコードが子どもの首に偶発的に絡まるリスクが報告されている[1]。
この附属書は,室内ブラインドに附属するコードを正しくかつ安全に使用するための表示及び取扱説明
書に記載する禁止事項及び注意事項の例を示す。
D.2 表示及び取扱説明書に記載する禁止事項及び注意事項の例
室内ブラインド本体,室内ブラインドに附属したタグシートなどに表示するコードに関する禁止事項及
び注意事項の例,並びに取扱説明書に記載する禁止事項及び注意事項の例を次に示す。
注記1 レイアウト例は,図D.1及び図D.2に示す。
a) コードなどが子どもの首に偶発的に引っ掛かるリスクがある旨
b) コードなどを子どもの手に触れさせない旨
c) コードなどの近くにソファー,ベッドなどを置かない旨
d) 解除ジョイント(セーフティージョイント)に関する事項
e) クリップなどに関する事項
注記2 クリップなどは,室内ブラインド本体と別の部品であるので,使用者による紛失などが考
えられる。そのため,子どもの手が届かない高さにコードを保持する手順,及びその必要
性を使用者に理解しやすく伝える。
f) ボトムコードの取外しに関する事項
コードやチェーンが体に巻きついたり、引っかかるようなことを
しないでください。事故の恐れがあります。
コードやチェーンが コードやチェーンが
体に巻きついたり、 体に巻きついたり、
引っかかるようなこ 引っかかるようなこ
とをしないでくださ とをしないでくださ
い。事故の恐れがあ い。事故の恐れがあ
ります。 ります。
図D.1−タグシートの表示レイアウト例

――――― [JIS A 4811 pdf 23] ―――――

22
A 4811 : 2017
チャイルドセーフティー安全上のご注意
子どもは思わぬ行動を取ります。大人の常識は通用しません。
子どもをコードやチェーンで遊ばせないように注意してください。
コードやチェーンが体に巻きついたり、引っかかるようなことをしないでく
ださい。事故の恐れがあります。
小さなお子さまがいるご家庭では、ブラインドやスクリーンのコードやチェ
ーン類の近くにソファーやベッドを置かないでください。ソファーやベッド
に上がれば手が届き、事故の恐れがあります。
■ 事故が起きたり、危険を感じたら製造メーカーにご連絡ください。事故の再発防止や安全性の向上のため
情報提供をお願いします。
■ セーフティージョイントやクリップをご使用になっても、事故が完全に回避されるわけではありません。
コードやチェーンの危険性を十分に認識されたうえでご使用をお願いします。
図D.2−取扱説明書の表示レイアウト例
参考文献 [1] 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 Injury Alert(傷害速報)No.36カーテンの留
め紐による縊頸(いっけい)

JIS A 4811:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 4811:2017の関連規格と引用規格一覧