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A 8311 : 2018 (ISO 5006 : 2017)
ならない。視覚補助装置は,箇条7の要求事項に適合しなければならない。
鏡による間接視界を判定するため,直接視界の測定手順(箇条7)と同じ手順を適用し,視界測定円(VTC)
及び機側長方形境界(RB)に対する鏡による光源からの反射を測定及び記録する。鏡を配置した扇形視野
に関し,視界測定円(VTC)では8.3.2の規定と同じ電球間隔を用い,機側長方形境界(RB)では8.3.3の
規定と同じ電球間隔を用いる。
視覚補助装置をこの規格及びJIS A 8333規格群の両方の性能要求事項に適合するために使用する場合は,
両方の評価で視覚補助装置の配置を変更してはならない(例えば,JIS A 8333規格群の要求事項に適合さ
せるために調整した鏡は,その後,この規格の要求事項に適合させるために再度調整してはならない。)。
8.3.2 視界測定円(VTC)での測定
該当する扇形視野に対し,表1に規定する電球間隔に調節し,光源を8.2.2及び8.2.3に規定するように
配置する。
遮影が隣接する扇形視野にまたがる場合,扇形視野各部に対して表1に規定する電球間隔を使用してで
きる遮影のうち,より大きな遮影ができる方の扇形視野の遮影に対して表1で規定する性能要求基準を用
いて,(またがる)遮影の全幅で評価する。
機械の垂直な構成部品が複数隣接している場合,当該の扇形視野に対して規定されている電球間隔より
も狭い間隔の電球取付棒を使用して最小遮影を判定してもよい(8.2.2も参照)。
2個の隣接する遮影の間の最小間隔は,10.1に規定する要求事項を考慮しなければならない。
視界測定円(VTC)上での遮影の弦の長さを判定できるよう,基準地表面上の視界測定円(VTC)にお
ける遮影を記録する。
100 mm未満の幅の遮影は,記録する必要はない。
(例えば,ドアロック,カップホルダ,握りのような)機械の構成部品によって視界測定円(VTC)上
の遮影が広くなっている場合,視界測定円(VTC)の内側及び外側1 m以内の遮影を測定してもよい。測
定円の内側1 m又は外側1 mで遮影が狭くなっている場合は,視界測定円(VTC)での遮影の幅として適
用してもよい。
測定を暗い環境で行ってもよく,その場合は,機械の構成部品による影を,直接,視界測定円(VTC)
で測ることができる。また,測定地表面に配置された鏡を使用し,フィラメントからの光線を視認する線
を引いて遮影が発生する点を判定できる。
8.3.3 機側長方形境界(RB)での測定
8.3.3.1 機側長方形境界(RB)での測定のため,表1に規定する電球間隔に調節し,光源を8.2.2及び8.2.4
に規定するように配置する。表2に規定する高さの垂直試験体を使用して,図3及び図4に示すように機
側長方形境界(RB)に沿って遮影を評価する。
車体屈折(アーティキュレートフレーム)式ダンパの前部及びグレーダの後部では,機械から機側長方
形境界(RB)までの距離X又は距離Yは,表1に示す値とする。
8.3.3.2 機側長方形境界(RB)上で機械の構成部品によって光源を直接視認できない箇所に印を付け,そ
れらの遮影をそのX座標及びY座標と共に記録する。遮影の幅(M)が機側長方形境界(RB)上で300 mm
を超える場合は,光源に対する直角方向の遮影の幅MEを測定し(図3参照),MEを遮影の幅として記録
する。
垂直試験体の頂部が遮影にかかった場合は,垂直試験体を少なくとも200 mmの高さで見ることができ
るか確認する。見ることができる場合は,機側長方形境界(RB)上でのこの部分は評価すべき遮影には加
えない。
――――― [JIS A 8311 pdf 11] ―――――
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測定を暗い環境で行ってもよく,その場合は,機械の構成部品による影は,垂直試験体上に直接記録す
ることができ,又は垂直試験体に配置された鏡を使用してフィラメントからの光線を視認する線を引いて
遮影が発生する点を判定できる。垂直試験体の試験体高さ以下の部分の視認性は,試験体に鏡を上下させ
て使用することによって確認できる。
200 mm未満の幅の遮影は,記録する必要はない。
機械の垂直な構成部品が複数隣接している場合,最大よりも狭い光源間隔を使用して最小遮影を判定し
てもよい(8.2.2も参照)。
単位 m
記号
RB 機側長方形境界
C 垂直試験体
D 光源中心点(FPCP)
図4−機側長方形境界(RB)での測定
8.3.3.3 ショベル系掘削機の右側視界は,作業装置を最初は走行姿勢にして機側長方形境界(RB)を評価
しなければならない。車輪式ショベル系掘削機では,製造業者が公道走行姿勢として指定する代替走行姿
勢で評価してもよい。
作業装置を最初は走行姿勢として,バケットを地表より上方に保ちつつ作業装置を動作範囲で操作しな
ければならない。
次のいずれかを用いて,機械の運転員の側方反対側(例えば,運転員がいる側に対して,動作する作業
装置の,向こう側)の視覚補助装置が,遮られるか否かを判定してもよい。
− 電球取付棒を,FPCP(光源中心点)から評価対象の視覚補助装置に向けて引いた線に垂直とし,その
棒の上での両目の間隔405 mmを想定して行う計算機による試験模擬による。
− 視点を光源点と同じ高さとした着座運転員による。運転員は,両目の間隔405 mmを模擬するように
動作することを許されなければならない。
(特定のブーム位置で鏡の方向の視認性が妨げられるため)間接視界の不足によって,遮影がもたらさ
れる場合は,その遮影の方向の直接視界を確実としなければならない。機械の寸法によってそれが技術的
に不可能な場合は,次の要求事項を適用しなければならない。
a) (例えば,動作する作業装置に対して運転員の)反対側の側方に機側長方形境界(RB)を見張る視覚
補助装置が二つある場合,両方とも遮られることがあってはならない。
b) (運転員の)反対側の側方に,機側長方形境界(RB)の側面を見張る視覚補助装置が一つしかない場
合,作業機の動作によって遮られてはならない。
――――― [JIS A 8311 pdf 12] ―――――
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公道走行だけに限定して使用される鏡(例えば,JIS A 8333規格群を適用する典形的には車輪式ショベ
ル系掘削機の鏡)は,作業装置の指定された走行姿勢では遮られなければ,作業装置のほかの動作で遮ら
れてもよい。
9 算定方法
9.1 視界測定円(VTC)又は機側長方形境界(RB)での遮影計算手順
視界測定円(VTC)又は機側長方形境界(RB)での遮影を判定するために,計算手順を用いてもよい。
規定する計算手順は,試験方法の代替手段となり得る。
左右の目の間隔sの双眼視界に対して,遮影(x)は,式(1)によって与えられる(図5参照)。
注記 この式(1)は,遮影の近似計算で,遮影の長さが増大するに従って誤差が拡大するが,遮影の幅
が5 m以内では実測による確認なしでも許容できる精度である。
b s
x r s (1)
a
ここに, a : 光源電球フィラメントと遮影を生じる構成部品との距離(mm)
b : 光源中心点(FPCP)と構成部品の中央を結ぶ半径方向に対し
て直角となる部分とを水平方向に測定した遮影を生じる構成
部品の幅(mm)
r : 光源中心点(FPCP)直下の測定地表面への投影点から視界測
定円(VTC)又は機側長方形境界(RB)への半径又は距離(mm)
s : 両目の間隔による双眼視界を模擬するために用いる光源電球
フィラメント間の距離(mm)
x : 視界測定円(VTC)に接する遮影の幅又は機側長方形境界(RB)
での遮影の有効長さ(図3のME)(mm)
注記 図中の記号の定義は,式(1)参照
図5−遮影算定方法
――――― [JIS A 8311 pdf 13] ―――――
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9.2 計算機による試験模擬
この規格の規定を,計算機による試験模擬で遮影を判定し,結果を試験報告としてもよい。
10 評価方法及び性能基準
10.1 視界測定円(VTC)上での視界性能基準
視界測定円(VTC)上での二つの隣接する遮影の間隔は,700 mm以上でなければならない。そうでな
い場合は,隣接する二つの遮影及びその間隔を合わせて単一の遮影として報告しなければならない。
隣接する狭い遮影は,その間隔も合わせてより大きな単一の遮影とし,数も減じて報告してもよい。
測定の結果,遮影がないか又は直接視界若しくは間接視界による遮影が表1に規定する性能基準以下の
場合は,当該機械はこの規格の要求事項に適合する。
注記1 機種及び運転質量ごとに視界性能基準を表1にまとめて示す。表1の左端の欄は,機械の種
類及び運転質量による区分を示している。視界測定円(VTC)上での扇形視野A部,B部,
C部,D部,E部及びF部に対して視界性能基準が規定されている。扇形視野各部に対して,
第1行目は光源電球フィラメント間隔の最大許容値を示し,ほかの行は扇形視野各部におけ
る遮影の数及び幅の許容値を示している。
注記2 扇形視野A部,B部及びC部に対する目の間隔65 mmでの視界測定は,試験目的であり,
通常運転員が頭部及び目を最大405 mmまで動かす可能性は考慮されていない。運転員が実
際に視認する遮影の寸法は,65 mmの目の間隔によって測定した遮影寸法よりも小さくなる。
例えば,運転室建屋の支柱の幅が160 mmで光源中心点(FPCP)から570 mmの距離にある
とすると,目の左右間隔65 mmの光源で測定した遮影は2 000 mmとなるが,目の左右間隔
を205 mmとすれば遮影は完全に消滅する(図6参照)。
――――― [JIS A 8311 pdf 14] ―――――
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表1−視界性能基準
単位 mm
運転質量
(JIS A 8320 A B C D E F RB
空荷)m,t
第1行目は,機種ごとの目の間隔の許容値(光源電球フィラメント間隔の最大許容値)を示している。第2行目以降
は,遮影の数及び幅の許容値を示している。
ホイールローダ
m<10 65 205 205 205 205 65 405
------------
------------ ------------ ------------
------------ ------------------------
2-700 0 0 1-700及び 1-700及び (1-700及び 300
1-1 300 1-1 300 1-1 300)又は
(1-2 000)
10≦m≦25 65 205 205 205 205 65 405
------------
------------ ------------ ------------
------------ ------------------------
2-700又は 0 0 (1-700及び (1-700及び 3-1 300 300
1-1 300 1-1 300)又は
1-1 300)又は
(1-2 000) (1-2 000)
25------------
------------ ------------ ------------
------------ ------------------------
0 1-700及び 1-700及び (1-700及び (1-700及び 3-1 300 300
1-1 300 1-1 300 1-1 300)又は
1-1 300)又は
(1-2 000) (1-2 000)
スキッドステアローダ
全形式−車 65 65 65 205 405
輪式及び履 ------------
------------ ------------ ------------
-------------------------------------------------------
帯式 0 (1-700及び (1-700及び (2-2 100及び2-1 300)又は(2-4 000) a) 300
1-1 300)又は1-1 300)又は
(1-2 000) b) (1-2 000) b)
注記 例えば,機械の速度,視界測定円(VTC)への距離,機械の機動性などによって扇形視野各部に重大な危険源
がない場合は,この表で特定の基準を規定していない。
注a) これらの要求事項は,扇形視野D部,E部及びF部を通じて適用する。
b) これらの要求事項は,扇形視野A部,B部及びC部を通じて適用する。
――――― [JIS A 8311 pdf 15] ―――――
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JIS A 8311:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5006:2017(IDT)
JIS A 8311:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 8311:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA8308:2003
- 土工機械―基本機種―用語
- JISA8315:2010
- 土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
- JISA8318:2001
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- JISA8320:2001
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- JISA8338:2011
- 土工機械―危険検知装置及び視覚補助装置―性能要求事項及び試験
- JISA8338:2021
- 土工機械―物体検知装置及び視界補助装置―性能要求事項及び試験
- JISA8403-1:1996
- 土工機械―油圧ショベル―第1部:用語及び仕様項目