JIS A 8312:1996 土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則

JIS A 8312:1996 規格概要

この規格 A8312は、ISO 6165に定義された土工機械に,恒久的にはり付ける安全標識と危険表示図記号のデザイン及び適用のための通則を規定。安全標識の目的の概要を示し,基本的な安全標識の様式を定め,安全標識に用いる色彩を指定し,かつ,一つの安全標識を構成する各区画を作成する際の指針を示す。

JISA8312 規格全文情報

規格番号
JIS A8312 
規格名称
土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則
規格名称英語訳
Earth-moving machinery -- Safety signs and hazard pictorials -- General principles
制定年月日
1996年9月20日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 9244:1995(IDT)
国際規格分類

ICS

01.080.20, 53.100
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
土木 II 2020, 図記号 2020
改訂:履歴
1996-09-20 制定日, 2002-02-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS A 8312:1996 PDF [40]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
A 8312-1996
(ISO 9244 : 1995)

土工機械−安全標識及び危険表示図記号−通則

Earth-moving machinery−Safety signs and hazard pictorials −General principles

序文

この規格は,1995年第1版として発行されたISO 9244 (Earth-moving machinery−Safety signs and hazard
pictorials−General principles) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工
業規格である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,土工機械に用いる安全標識及び危険表示図記号についての国際規格を規定するため,
ISO/TC127/SC2が作成したISO 9244をもとにしている。安全標識は,機械・装置の使用及び保守の際に遭
遇するかもしれない危険を,運転者・作業者に警告するために,国際的に用いるものである。これらの危
険は,設計によって回避したり,防護することが不可能な機能的な構成部分に典型的に生じる。これらの
危険は,多くは機械に固有なものであり,それらへの対策は,一般的な取組みよりも,特定の安全標識に
よるのが最善の取組み方である。
この規格の規定には,EC,米国及び世界の他の国々の法的要求事項を満足する安全標識を含んでいる。こ
の規格に含まれる二つの様式は,prEN 5099-1と合致しており,他の二つの様式は,安全標識に関する米国
の国家規格 (ANSI Z535.4) と合致している。
危険表示図記号の種類及び新しい危険表示図記号の制作のための指針は,附属書(参考)に示されている。
後日,新しい危険表示図記号が附属書に追加されることもある。附属書以外の図記号が,適宜,制作して
使用されることもあり得る。
1. 適用範囲
この規格は,ISO 6165に定義された土工機械に,恒久的にはり付ける安全標識と危険表示図記号のデザ
イン及び適用のための通則を規定する。この規格は,安全標識の目的の概要を示し,基本的な安全標識の
様式を定め,安全標識に用いる色彩を指定し,かつ,一つの安全標識を構成する各区画を作成する際の指
針を示す。
2. 引用規格
次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定を構成する。この原国際規
格の発行の時点では,引用規格は,ここに示す年度の版が有効であった。すべての規格は改正されるもの
であり,この規格に基づくことに合意した関係者は,この引用規格の最新版を適用する可能性を調べるこ

――――― [JIS A 8312 pdf 1] ―――――

2
A 8312-1996 (ISO 9244 : 1995)
とに努めるのがよい。
ISO 6165 : 1987 Earth-moving machinery−Basic types−Vocabulary
参考 JIS A 8308-1992(土工機械−基本的機種の用語)が,この国際規格の内容とほぼ一致している。
3. 安全標識の目的
3.1 安全標識の目的は,次のとおりである。
− 運転者・作業者に現存するか,又は潜在する危険について警告する。
− 危険を明らかにする。
− 危険の性質を述べる。
− 危険によって発生する可能性がある傷害について説明する。
− 運転者・作業者に危険を回避する方法を教える。
3.2 この規格の目的を達成するためには,安全標識を,機械に明確に表示し,はっきりと見える位置に
取り付け,損傷及び滅失に対して耐えられるように十分に保護し,また,合理的な長期間の寿命 (reasonably
long life) が期待できるようにすることが望ましい。
3.3 安全標識及び危険表示図記号は,機械上に表示するか,又は運転整備取扱説明書中に使用すること
ができる。機械上の安全標識及び危険表示図記号は,危険の存在する場所,又は危険を予防する制御装置
の近くに表示する。
3.4 機械に安全標識及び危険表示図記号を過度に使用すると,その効果が減少する可能性があるので,
その必要性及び使用が多くなりすぎないように注意する。
備考 経験的に,安全標識及び危険表示図記号は,おおよそ7個を超えて使用すると,その効果が減
少するといわれている。
3.5 安全標識及び危険表示図記号は,特別な注意を必要とする部分を強調するように,運転整備取扱説
明書中に使用することもできる。これらを説明書類に使用する場合には,3.4に述べた注意事項は該当しな
い。
4. 安全標識の様式
4.1 安全標識は,製品の運転に関連する危険についての情報を伝える,2個以上の長方形の区画の周囲を
縁取りしたものからなる。
4.2 安全標識の標準様式は,次の4種類とする。
− 2区画安全標識 : 信号区画,伝言文区画(4.4参照)
− 3区画安全標識 : 信号区画,図記号区画,伝言文区画(4.5参照)
− 2区画安全標識 : 図記号区画,伝言文区画(4.6参照)
− 2区画安全標識 : 2個の図記号区画(4.7参照)
4.3 安全標識は,横形でもよいが,通常は,縦形を推奨する。安全標識の様式及び形の最終選択は,危
険を知らせるためにどれが最も有効であるかを判断し,その製品が販売される地域の地理上及び言語上の
位置付け,法律上の要件,並びに安全標識に使用できるスペースを考慮して,決定することが望ましい。
4.4 2区画安全標識 : 信号区画,伝言文区画(図1参照)
信号区画には,安全警告の記号及び3種類の信号の区別を表す言葉(注意,警告,危険)のうちの一つ
を記載する。伝言文区画には,危険を述べ,危険に遭遇した場合の結果を説明し,かつ危険を回避する方
法を指示した伝言文を記載する。

――――― [JIS A 8312 pdf 2] ―――――

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A 8312-1996 (ISO 9244 : 1995)
図1 2区画安全標識
4.5 3区画安全標識 : 信号区画,図記号区画,伝言文区画(図2参照)
信号区画には,安全警告の記号及び3種類の信号の区別を表す言葉のうちの一つを記載する。図記号区
画には,危険内容の図記号を,場合によっては危険内容の図記号と危険回避の図記号とを組み合わせたも
のを記載する。伝言文区画には,危険を述べ,危険に遭遇した場合の結果を説明し,かつ,危険を回避す
る方法を指示した伝言文を記載する。
図2 3区画安全標識
4.6 2区画安全標識 : 図記号区画,伝言文区画(図3参照)
図記号区画には,安全警告の三角形(図6参照)で囲まれた危険内容の図記号か,又は一般用安全警告
の記号(図7参照)だけを記載する。伝言文区画には,危険を述べ,危険に遭遇した場合の結果を説明し,
かつ,危険を回避する方法を指示した伝言文を記載する。

――――― [JIS A 8312 pdf 3] ―――――

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A 8312-1996 (ISO 9244 : 1995)
図3 2区画安全標識
4.7 2区画安全標識 : 2個の図記号区画(図4参照)
第1の図記号区画は,危険内容の図記号区画であって,安全警告の三角形で囲まれた危険内容の図記号
か,又は一般用安全警告の記号だけを記載する。第2の図記号区画は,危険回避の図記号区画であって,
危険回避の図記号を記載する。
図4 2区画安全標識
4.8 状況によっては,前述の標準様式の変形が適切である場合がある。
5. 信号区画
5.1 安全標識の信号区画には,安全警告の記号,及び3種類の信号の区別を表す言葉のうちの一つを記
載する。
5.2 信号の区別を表す言葉のうちの一つを記載した安全標識に用いる安全警告の記号は,図5に示すも
のとし,3種類の信号の区別を表す言葉のうちの一つを記載した安全標識に使用する。

――――― [JIS A 8312 pdf 4] ―――――

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A 8312-1996 (ISO 9244 : 1995)
図5 信号の区別を表す言葉のうちの一つを
記載した安全標識に用いる安全警告の記号
5.3 安全標識は,危険状態の相対的な重大性に従って,信号の区別を表す言葉を使用して分類してもよ
い。
5.3.1 信号の区別は,危険,警告及び注意の3種類とする。これらの言葉は,それを見る人に危険の存在,
及びその重大性について警告を発する。
5.3.2 3種類の信号の区別を表す言葉は,人体に対して傷害を起こす危険にだけ使用する。これらの言葉
の選択は,次に示すように,危険に遭遇する可能性の評価,及び危険に遭遇した場合に起こり得る結果の
評価に基づいて行う。
− 危険 危険という言葉は,回避されなかった場合には死亡又は重大な傷害を招く,切迫した危険な状
態を示す。危険という言葉で表示する安全標識は,控え目に,かつ,最も重大な危険を表す状態に対
してだけに使用するのがよい。
− 警告 警告という言葉は,回避されなかった場合には死亡又は重大な傷害を招くことがあり得る潜在
的に危険な状態を示す。警告という言葉で表示する危険は,危険という言葉で表示する危険よりも傷
害又は死亡のリスクの度合いが低いことを表す。
− 注意 注意という言葉は,回避されなかった場合には軽度の又は中程度の傷害を招くかもしれない潜
在的に危険な状態を示す。注意は,また,人体に対する傷害を招くことがあり得るできごとに関連す
る,不安全な行為に対して警告するためにも使用してもよい。
6. 図記号区画
6.1 安全標識の図記号区画には,危険内容の図記号,危険回避の図記号,又は単独の一般用安全警告の
記号を記載する。
6.2 安全標識に使用する図記号は,次に示す危険内容及び危険回避の2種類の基本形式とする。
− 危険内容の図記号 危険内容の図記号は,危険内容を,また一般に危険を回避しなかった場合の結果
を視覚的に表す。
− 危険回避の図記号 危険回避の図記号は,危険を回避する方法について視覚的に表す。
6.2.1 危険内容の図記号は,危険を明確に表示し,指示に従わない場合に起こり得る結果を表示するもの
ほど良い。危険回避の図記号は,運転者・作業者に及ぶ危険を回避するために必要な処置を明りょう(瞭)
に表示するものほど良い。
6.2.2 一般にはなかなか困難なことではあるが,2種類の図記号を組み合わせて一つにすることは可能で
ある。危険内容の図記号が,最も頻繁に使用される。伝言文を補ったり,伝言文に置き換えるために,危
険回避の図記号を使用してもよい。

――――― [JIS A 8312 pdf 5] ―――――

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