JIS A 8334:2006 土工機械―取扱説明書―内容及び様式 | ページ 2

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A 8334 : 2006 (ISO 6750 : 2005)
対象とする。取扱説明書は,機械の使用者が取り組みやすいように,順序立てて筋道の通った適切な情報
を紹介しなければならない。
4.3.2 取扱説明書は,初めに,安全の注意事項を紹介し,次に,操作の説明及び運転上の指示項目を紹介
しなければならない。記述の程度(水準)は,機械の形式及び運転員の果たすべき任務による。
4.3.3 現場での組立てが必要な機械は,機械の初期設定の手順を含む組立て指示を,含まなければならな
い。特殊工具,試験機器又は校正機器が必要な場合は,取扱説明書にその旨を記述しなければならない。

4.4 機械の識別

4.4.1  型式/形式名称 この記述は,運転員が取扱説明書の対象となる機械を,直ちに見分けられなけれ
ばならない。
4.4.2 製品識別番号(PIN) 取扱説明書は,運転員がPIN(JIS A 8313参照)を見つけて,かつ,見分け
られるように記述しなければならない。また,製造業者と連絡ができるように,所要の追加的な記述をす
る。
4.5

序文

4.5.1  序文は,取扱説明書が機械の一部として供給される重要なものであることを,説明しなければなら
ない(中古機械の場合も同じ)。
4.5.2 取扱説明書は,安全警告記号について図1により説明しなければならない(JIS A 8312参照)。
安全警告記号は,取扱説明書の中で,重要な,かつ,安全上の伝達事項を見分けるためのものである。
この記号があるときは注意を要し,自身の安全に関係するので,記号に続く文言を注意深く読み,他の運
転員にも知らせなければならない。
図 1 安全警告記号

4.6 用途(意図された使用)

 取扱説明書のこの箇条は,機械及び認可されたアタッチメントの用途を
定義しなければならない。それ以外の使用は,用途外(意図に反する)使用と考えられる。機械が交換可
能の作業機を使用するよう設計されている場合は,機械に適切な作業機の形式及びそれらをどのように適
切に使用するかをはっきりと記述しなければならない。
機械周囲の危険となる場所を記述し,その危険な場所は,立入禁止とするよう,指示しなければならな
い。

4.7 内容

 主な分野を見分け,それがどこにあるかを見つけられるように取扱説明書には目次を設けな
ければならない。主な分野の初めのページ番号を,はっきり示さなければならない。
取扱説明書は,最小限4.7.14.7.7に規定する事項を含まなければならない。適宜,取扱説明書の他の分
野/箇条を参照して,同じ事項が不必要に繰り返されるのを避けなければならない。
4.7.1 はしがき はしがきは,取扱説明書についての記述として,
− 機械の安全で正しい使用及び整備を意図しており,
− 手近に使えるよう常に機械に備え,
− 機械を,初めて使用し始める前に,また,整備を行う前によく読み,
− 紛失,破損又は読めなくなった場合は,直ちに交換すべきことを記載しなければならない。
4.7.2 機械についての記述及び説明 この項目は,機械本体(JIS A 8411-1参照)及び製造業者が承認し

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た装備,機能,作業装置及び追加機器(JIS A 8411-2参照)についての詳細に記述しなければならない。
また,次の事項を,考慮しなければならない。
− 例えば,原動機,変速機,ブレーキ装置,かじ取り装置,圧力容器,運転室などの主要な構成部品の
表示及び名称
− 作業装置,その機能,及び機械本体との関係の表示
− 本体及び構成部品の製品銘板(例えば,PIN番号,キャブ番号,原動機番号,車軸番号など)の位置
を示す説明図
− 安全標識及びその他の説明の位置を示す説明図
− 計器盤の配置図(例えばスイッチ,計器,操作灯火,アワメータ)
適宜,構成部品は識別し,特定の形式の土工機械に関して固有の用語は,この規格の箇条2.に掲載の,
その形式に関連する用語及び仕様項目の規格の用語及び定義を利用して定義しなければならない。
4.7.2.1 製品銘板及び構成部品銘板 取扱説明書は,機械にちょう(貼)付する製品銘板及び構成部品銘
板の位置及び内訳を,記述しなければならない。図2に例を示す。
符号
1 原動機銘板。例えば,形式表示,製品番号及び製造番号を含める。
2 運転員保護装置の銘板。例えば,型式,認証及び保護構造の製造番号を含める。
3 製品銘板。例えば,製品識別番号及び型式/形式名称を含める。
4 座席の識別銘板(JIS A 8304参照)。
5 後部車軸の銘板。例えば,製品番号及び製造番号を含める。
6 前部車軸の銘板。例えば,製品番号及び製造番号を含める。
7 変速機の銘板。例えば,製品番号及び製造番号を含める。
図 2 製品及び構成部品の位置及び内訳の表示方法の例
4.7.2.2 安全標識及びその他の表示 取扱説明書は,機械にちょう(貼)付される安全標識及びその他の
表示銘板類の位置及び内訳を,に記述しなければならない。図3に例を示す。
取扱説明書は,デカール,銘板及び説明表示が,紛失し,損傷し,又はペンキをかぶり,取付けが緩む,
読めなくなるなどしたときは,交換することを記述しなければならない。

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1 取扱説明書を読め
2 はさまれの危険
3 高温表面警告
4 蓄電池の端子を接続−取扱説明書を読め
5 機械後進警告
6 給油脂表
7 つり上げ箇所及びアイ
8 固縛箇所
9 切断の危険
10 非常口
備考 記号及び説明は適宜追加してもよい。
図 3 安全標識及びその他の説明事項の位置及び内訳の表示の例
4.7.3 機械操作に関する記述 取扱説明書は,次の事項に関する節を必ず含まなければならない。
− 一般的な仕様項目及び機械に関する記述
− 操縦装置,表示装置の目的,機能,作業モードなどの詳細な表示及び説明(例えば図を用いて)
− 機械で用いるシンボルの表示及び説明
− 正規アタッチメント
− 販売会社の住所
− 正規アタッチメント扱いの電気系統,油圧系統及び構造部品の取付箇所(定格能力を含む。)
− 機械又は作業装置の正しい安全な運転操作の説明
4.7.4 運転操作の説明 取扱説明書は,運転員に機械の用途(意図する使用)を説明しなければならない。
同様に,用途外の(意図しない使用)誤用及び悪用を避けることを説明しなければならない。運転操作の
説明は,次の事項に関して重要な規則及び助言を与えなければならない。

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− 整備及び安全に関係した要素が適切な状態となっているか,機械の使用前点検を行う。
− 機械をどのように使用するのか,よく読み理解する。
− 後写鏡などを適切に調節し,視界が損なわれていないかを確認する。
− ROPS及びシートベルト装置が,機械にきちんと装着されているかを点検する。
− 機械の運転操作の安全に関係するすべての必要な装置を点検,使用する。
− すべての操縦装置を検査する。
− 始動手順に従う。
− 機械の稼動現場,その作業者などに関して,適切なやり方で対処する。
− 適切な停止手順に従う。
− 機械に装着された消火器又は他の非常用機器の使用方法を理解する。
− 斜面及び狭い場所での使用。
4.7.5 定期点検 取扱説明書のこの箇条には,機械の整備作業に関係した安全規則を含まなければならな
い。機械の保証に影響しかねない有害な取扱いに対する警告を含まなければならない。機械は,次の安全
事項を含む“整備位置”で,水平面上に設置しなければならない。
− もしあれば車体の結合部を固定する。
− 作業装置を地上に降ろす。リフトアーム,ダンパの荷台などの作業装置を持ち上げておく機械の場合
は,機械的な方法で固定しなければならない。
− 駐車ブレーキを作動。
− 原動機を停止し,始動用のキーを抜いておく。
− プラグ類を外す前に,容器及び配管の圧力を抜いておく。
− 車輪に車止めをかませる。
− 蓄電池系統の回路を切っておく。
− 警告用の荷札を取り付け,整備中であることを,他の整備員などに知らせる。
4.7.5.1 運転員に対する整備の指示 取扱説明書のこの箇条には,運転員が機械を点検,整備を行う場合
に適用する安全規則を含まなければならない。運転員は,整備を行うための十分な知識をもち,教育を受
けなければならない。安全のため,運転員は,適宜保護具を着用するよう指示される。
4.7.5.2 定期整備間隔 取扱説明書は,適切な整備時期,定期点検間隔などの事項の記述を含まなければ
ならない。取扱説明書は,運転員に推奨された間隔で規定の整備を行うよう指示しなければならない。定
期整備は,JIS A 8310に規定する操縦装置などの識別記号を,用いて指示しなければならない。
4.7.6 劣化防止及び保管
4.7.6.1 一般 取扱説明書のこの箇条は,機械を長期的及び短期的に保管するために,必要とされる,工
具又は特殊装置を含む説明及び情報を,運転員に与えなければならない。保管のための所要事項,道具,
所要の作業,定期的点検,試運転,保管期間の限度,保管温度その他を説明するのがよい。
備考 短期保管は,最長2か月間を対象とし,長期保管は,2か月を超える期間を対象とする(JIS A
8347参照)。
4.7.6.2 長期保管の予備作業 長期保管に先立って行うべき次の事項を,説明しなければならない。
− 機械を洗浄し,防せい(錆)のために塗装を補修しておく。
− 外気にさらされる部分にさび止剤を施し,機械を十分潤滑しておき,持上げ用シリンダ,チルト用シ
リンダなどの,非塗装の表面にグリースを施しておく。油圧シリンダのピストンは,適切であればで
きるだけ引き込んでおく。

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− タイヤの空気圧は,推奨値としておく。
− 燃料タンク及び作動油タンクは,満タンとしておく。
− 不凍液を点検し,適宜水抜きをしておく。
− 排気筒には,ふたをしておく(屋外に駐機などの場合)。
4.7.6.3 長期保管後の供用 長期保管後の機械を供用する準備手順を,規定しなければならない(JIS A
8347参照)。
4.7.7 機械−技術仕様 取扱説明書は,機械の機能に関する主要な技術的仕様項目を記述しなければなら
ない。少なくとも,次の事項を,この規格の箇条2.に掲載の,用語及び仕様項目の規格で定義する用語を
適宜用いて,記述しなければならない。
− 電気系統(蓄電池,灯火類,ヒューズなど)
− キャブ(ROPS,TOPS,FOPSなどの保護構造,暖房及び換気,運転座席,規格適合結果)
− 機械の能力,持ち上げ高さ,作業範囲,全長,全高,(かじ取り)回転直径,転倒負荷,定格負荷(ペ
イロード),前車軸・後車軸・ボギー車軸の許容負荷,掘削深さ,機械本体及び構成部品の質量,走行
速度(JIS A 8319参照),(かじ取り)回転寸法(JIS A 8303参照),その他適用する作業装置の組合せ
など,関係する図を添えて示す。
− 例えば,フィルタを含む原動機,フィルタを含む変速機及びトルクコンバータ,終減速機を含む前後
の車軸,油圧系統,作動油タンク,燃料タンク,冷却系統,水タンク,油槽式クリーナなど,気体圧
力容器の容量と,潤滑油の交換・充てん液量・気体量総容量

5. 言葉の使用

  “危険”,“警告”及び“注意”の言葉は,人体に対して障害を起こす危険があり得る場
合に使用する。言葉の説明は,JIS A 8312による。“重要”及び“注記”は,取扱説明書で重要点を強調す
るのに用いても,差し支えない。

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JIS A 8334:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6750:2005(IDT)

JIS A 8334:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8334:2006の関連規格と引用規格一覧