JIS B 0023:1996 製図―幾何公差表示方式―最大実体公差方式及び最小実体公差方式 | ページ 2

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4.3 データム形体への最大実体公差方式の適用 最大実体公差方式をデータム形体に適用する場合には,
データム軸直線又は中心平面は,データム形体が両許容限界寸法内で最大実体状態から離れていると,公
差付き形体に関連して浮動 (floating) してもよい。浮動の値は,その最大実体寸法とデータム形体のはま
り合う寸法との差に等しい[図27(b)及び図27(c)参照]。
備考 データム形体がその最大実体寸法から離れた寸法分は,関連する公差付き形体の公差に加えな
い。
5. 最大実体公差方式の適用 設計者は,常に対象とする公差に最大実体公差方式の適用ができるかどう
かを決めなければならない。
備考 運動学的リンク機構,歯車中心,ねじ穴,しまりばめの穴など,公差を増加することによって
機能が損なわれる場合には,最大実体公差方式を適用しないほうがよい。
5.1 一群の穴に対する位置度公差 最大実体公差方式は,位置度公差とともに用いるのが最も一般的で
あるので,この項における説明のために位置度公差方式を用いる。
備考 実効寸法の計算には,ピン及び穴が最大実体寸法であり,かつ,完全形状であると仮定する。
5.1.1 一群の四つの穴に対する位置度公差の図面指示を図2に示す。
この穴のグループにはまり合う一群の四つの固定ピンのグループに対する位置度公差の図面指示を図4
に示す。
四つの穴の最小寸法は これは最大実体寸法である。
四つのピンの最大寸法は これは最大実体寸法である。
5.1.2 穴及びピンの最大実体寸法の差は,8.1−7.9=0.2である。
穴及びピンに対する位置度公差の合計は,この差 (0.2) を超えてはならない。この例において,この公
差は,穴及びピンに等しく配分される。すなわち,穴に対する位置度公差は 図2参照),そ
してピンに対する位置度公差は 図4参照)。
汝 域は,それらの理論的に正確な位置に置かれる(図3及び図5参照)。
位置度公差の増加は,個々の形体の実寸法に依存するので,個々の形体で異なってよい。
図2 図3

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図4 図5
5.1.3 図6は,それらのすべてが最大実体寸法であり,かつ,完全形状である四つの穴の円筒面を示す。
その軸線は,公差域内で極限の位置にある。
図8は,最大実体寸法にある対応するピンを示す。部品の組付けが最も好ましくない状態のもとで可能
であるということが図69から分かる。
5.1.3.1 図6の穴の一つを図7に拡大して示す。軸線に対する公差域は, 湧Y 齏
は, 蘰 は, 汝 域の極限の位置にあり, 蕣
を形成している。この 蕣 する包絡円筒は,理論的に正確な位置にあり,穴の表面に対して機能上の
境界を形成する。
図6 図7
5.1.3.2 図8のピンの一つを図9に拡大して示す。軸線に対する公差域は, ンの最大実体
寸法は, 虻到 は, 汝 域の極限の位置にあり,
絡円筒を形成している。この 接する包絡円筒は,ピンの実効状態である。

――――― [JIS B 0023 pdf 7] ―――――

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図8 図9
5.1.4 穴の寸法がその最大実体寸法よりも大きいとき,ピンの寸法がその最大実体寸法よりも小さいとき
に生じるすきまは,ピン・穴の位置度公差を増やすために使用される。ピンと穴との間にすきまが増加し,
個々の形体の実寸法によって,位置度公差の増加分はそれぞれ異なってもよい。
極限状態は,穴が最小実体寸法,すなわち, 10は,穴の表面が実効寸法の円筒
を越えなければ,その穴の軸線は 汝 域内にあればよいことを示している。
図11は,ピンに関して同様の内容を示している。ピンが最小実体寸法,すなわち,
位置度公差の公差域の直径は,
5.1.5 幾何公差の増加は,はまり合う相手部品に関係なく組付けの一つの部品に対して適用される。はま
り合う相手部品が組付けに最も不利な方向に,公差の極限の値で製作されたときでも,常に組付けは可能
である。なぜならば,はまり合う双方の部品のいずれも寸法と幾何公差との複合した公差を超えない,す
なわち,それらの実効状態を越えないからである。
図10 図11

――――― [JIS B 0023 pdf 8] ―――――

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5.2 データム平面に関連する軸の直角度公差
5.2.1 図12(a)の公差付き形体は,図12(b)に示す状態を満たさなければならない。すなわち,形体は実効
状態,
0.2) を超えてはならない。さらに,すべての局部実寸法は
母線又は軸線の真直度は局部実寸法に応じて,0.2···0.3を超えることはできない。例えば,すべての局部
実寸法が 真直度は0.2[図12(c)参照],すべての局部実寸法が 真直度は
[図12(d)参照]である。
図12(a) 図12(b)
図12(c) 図12(d)
5.2.2 図13(a)において,Mとともに追加の要求事項 E(JIS B 0024を参照)は,その形体が最大実体寸
法 13(b)]で完全形状の包絡面内になければならないことを要求している。この例において,局部
実寸法は, 瀰 かつ,真直度と真円度との複合された効果によって得
れた形体は包絡の条件を侵害することはない。例えば,母線又は軸線の真直度は,局部実寸法に応じて,0
M指示があるから,形体の局部実寸法が
···0.1を超えることはできない。しかしながら,直角度は,
であるときには[図13(b)参照],0.3(実効寸法= に増加させてもよい[図13(b)参照]。

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図13(a) 図13(b)
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6. Mを公差付き形体に適用する場合の例
6.1 軸線の真直度公差
(a) 図面指示
図14(a)
(b) 機能上の要求事項 公差付き形体は,次の要求事項を満たさなければならない。
− 形体の個々の局部実寸法は,0.2の寸法公差内になければならず,したがって,
を変動してもよい。
− 公差付き形体は,実効状態,すなわち, = ‰湛桟 の包絡円筒内
らない[図14(b)及び図14(c)参照]。
したがって,軸線は,形体のすべての直径が最大実体寸法 度公差の
差域内になければならないが[図14(b)参照],形体のすべての寸法が最小実体寸法
汝 域内で変動してもよい[図14(c)参照]。
備考1. 図14(b)及び図14(c)は,形体の寸法の極限の場合を説明している。実際には,形体は異なった
局部実寸法をもち,極限状態の間のどこかにある。

――――― [JIS B 0023 pdf 10] ―――――

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JIS B 0023:1996の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2692:1988(IDT)
  • ISO 2692:1988/AMENDMENT 1:1992(IDT)

JIS B 0023:1996の国際規格 ICS 分類一覧