JIS B 0090-8:2013 光学素子及び光学システム用の製図手法―第8部:表面性状(粗さ及びうねり) | ページ 3

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5.3.2 微小欠陥による研磨段階の表示
許容微小欠陥数の表示は,図4に示すように,Pの文字の右に14の段階数を記載することによって示
す。対応する微小欠陥数の範囲は,表1による。
なお,研磨段階と推定表面粗さとの関係については,表A.1を参照。
図4−10 mm走査当たりの微小欠陥80未満の定量的指定がある光学的平滑面の表示
表1−微小欠陥の観点からの平滑化の段階の表示
研磨段階の呼び方 10 mmのサンプリング長さ当たりの微小欠陥数N
P1 80≦N<400
P2 16≦N<80
P3 3≦N<16
P4 N<3
5.3.3 二乗平均平方根表面粗さ及び二乗平均平方根表面うねりの表示
二乗平均平方根粗さ又は二乗平均平方根うねりの許容値は,図5に示すように,通過帯域の下限若しく
は上限の一方又はその両方の後に斜線“/”,その後にパラメータ記号とその許容値の順序にして一行で指
示する。
なお,許容値はマイクロメートル単位で,通過帯域はミリメートル単位で表示する。
この表示は,5.3.2の微小欠陥による研磨段階の表示で補足できる。
図5−10 mm走査当たりの微小欠陥16未満,通過帯域0.002 mm1 mmでRq0.005 μm以下の
定量的指定がある光学的平滑面の表示
例1 −1.0/Rq 0.002(通過帯域の上限とともに指示された面粗さ) : 附属書C参照。
例2 0.002−1.0/Rq 0.002(通過帯域とともに指示された面粗さ) : 附属書C参照。
例3 0.5−2.5/Wq 0.002(通過帯域とともに指示された面うねり) : 附属書C参照。
5.3.4 パワースペクトル密度関数の表示
パワースペクトル密度関数の最大許容値は,図6で示すように,水平線の下に,記号PSD及び4.3.4に
規定する値A及びBを斜線で分けて書くことによって示す。通過帯域の上限及び下限,ミリメートル単位
のC及びDは,図6のように記号PSDと斜線で分けて水平線の下に記載する。

――――― [JIS B 0090-8 pdf 11] ―――――

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この表示は,5.3.2の微小欠陥による研磨段階の表示で補足できる。
図6−通過帯域0.001 mm1 mmでPSD≦1.0/f2(nm2×mm)の光学的平滑面の表示
5.3.5 二乗平均平方根傾斜の表示
二乗平均平方根傾斜RΔqは,図7に示すように,マイクロラジアン単位の二乗平均平方根傾斜の最大許
容値を水平線の下に記載する。
図7−通過帯域0.01 mm5 mmで二乗平均平方根傾斜が0.7 μrad以下の光学的平滑面の表示
ミリメートル単位の通過帯域は,図7に示すように,水平線の下に記載する。
5.3.6 筋目の表示
筋目の表示は,図8に示すようにJIS B 0031による。筋目の表示がない場合は,面のパラメータは全て
の方向に与えると考える。
注記 筋目は,加工方法に応じて発生する。回転対称の筋目では,C(同心円状)又はR(放射状)
の筋目の記載が望ましい。一方向の筋目には,=(記号を図示した投影面に平行)又は⊥(記
号を図示した投影面に直角)が望ましい。
図8−通過帯域0.01 mm5 mmでWqが0.005 μm以下で筋目の方向が面の中心に対して
ほぼ同心円状とほぼ放射状である光学的平滑面の表示

5.4 位置

  表面性状の記号の先端は,表面を示す線,又は対応する補助線と接する[図2図8参照。これはJIS B
0090-1の附属書A(光学素子の製図の例)に示す例と同様。]。
また,データを表形式で示す場合(JIS B 0090-10参照),表面性状の記号及び指示は,対応図面中又は
割り当てられた面に示すことができる。全ての面の表面性状が同一な場合は,表面性状は注記に指示でき
る。

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附属書A
(参考)
微小欠陥による光学的平滑面の規定
微小欠陥の基礎的な研究は,参考文献[7]に記載されている。
研磨段階と表面粗さとの予想される相関関係の推定を表A.1に表す。
表A.1−研磨段階と表面粗さとの相関関係の推定
研磨段階の呼び方 通過帯域0.002 mm1.0 mmの
推定二乗平均平方根粗さ
単位 μm
P1 ≦0.008
P2 ≦0.004
P3 ≦0.002
P4 ≦0.001

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附属書B
(参考)
表面性状と散乱特性との関係
表面性状と散乱光角度分布との関係を表す解析的表現が存在することが,示されている([5]参照)。散
乱光は,光学システムの性能をひどく劣化させ,また,表面性状の測定は,散乱光の測定によって一般的
に容易なので,表面粗さと散乱光との関係を知るのには有益である。また,大部分の研磨面が,べき乗則
に従って光を散乱することが実験的に示されている([8][9]参照)。同様に,表面性状の2次元パワースペ
クトル密度関数と角度散乱微分との関係が理論的に得られている([10]参照)。さらに,1次元の形状測定
機で生データが得られ,それから求められる1次元パワースペクトル密度関数は,等方性表面では,2次
元パワースペクトル密度関数と容易に関係付けられる。1次元パワースペクトル密度関数は,次の式で表
す。
A
PSD= B
f
ここに, A : 定数(単位nm2×mm1−B)
f : 表面粗さの空間周波数(単位mm−1)
B : 空間周波数の増加に従ってPSDが減少するべき指数。大
部分の実在表面では,
1 パワースペクトル密度関数のこの記述は,測定のサンプリング長と関係する空間周波数の範囲では正し
い。最小空間周波数は,Dをサンプルが測定されたサンプリング長としたとき,1/Dである。最大空間周
波数は,Cを測定機が分解できる表面上の最短の横方向特性長としたとき,1/Cである(C及びDは,ミ
リメートル単位で表す。)。
図B.1は,B=2の場合の三つのパワースペクトル密度関数の例を示し,Aが小さくなると表面性状はよ
り滑らかさを増すことを示している。これらの曲線は単に説明用のものである。

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X 空間周波数 mm−1
Y パワースペクトル密度nm2×mm
1 普通の研磨のPSD (A=10 nm2×mm−1)
2 精密研磨のPSD (A=1 nm2×mm−1)
3 超研磨のPSD (A=0.1 nm2×mm−1)
図B.1−B=2の場合の三つのパワースペクトル密度関数の例

――――― [JIS B 0090-8 pdf 15] ―――――

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  • ISO 10110-8:2010(MOD)

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