JIS B 0160:2015 歯車―歯面の摩耗及び損傷―用語

JIS B 0160:2015 規格概要

この規格 B0160は、目視によって歯面の外観及び歯車に見られる摩耗及び損傷に使用する用語及び定義並びに原因及び対策について規定。

JISB0160 規格全文情報

規格番号
JIS B0160 
規格名称
歯車―歯面の摩耗及び損傷―用語
規格名称英語訳
Gears -- Wear and damage to gear teeth -- Terminology
制定年月日
1999年1月20日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 10825:1995(MOD)
国際規格分類

ICS

01.040.21, 21.200
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1999-01-20 制定日, 2005-01-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2015-01-20 改正日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS B 0160:2015 PDF [100]
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pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 用語及び定義・・・・[1]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[97]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS B 0160 pdf 1] ―――――

B 0160 : 2015

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
歯車工業会(JGMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)で
ある。これによって,JIS B 0160:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS B 0160 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 0160 : 2015

歯車−歯面の摩耗及び損傷−用語

Gears-Wear and damage to gear teeth-Terminology

序文

  この規格は,1995年に第1版として発行されたISO 10825を基とし,現在の実情に合わせるため,技術
的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格は,対応国際規格との差異が多いため,対応国際規格と一致している箇所に,側線又は
点線で下線を施してある。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,目視によって歯面の外観及び歯車に見られる摩耗及び損傷に使用する用語及び定義並びに
原因及び対策について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 10825:1995,Gears−Wear and damage to gear teeth−Terminology(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 用語及び定義

2.1   一般
各用語には歯車の歯に起きた現象,及び観察するときの要点を簡潔に示し,必要に応じて歯車の機能に
与える影響についても記載している。また,各用語に対してはその典型的と考えられる図を示し,分かり
やすいように説明を付けている。
歯車の損傷を観察するとき,二つの重要な視点がある。一つは,歯車を観察する機会があるごとに歯面
の健全性を確認することである。歯車の多くは壊れた場合の補修に時間を要するため,故障予知は重要な
視点である。歯面の観察だけから全てを知ることはできないが,歯車の寿命に関わる少しでも多くの情報
を得ることが重要である。こうした観点から,運転に伴う歯面の僅かな変化を捉えることが大切である。
もう一つは,歯車の損傷を観察し,その対策を講じようとするとき,損傷した最終局面だけが重要とい
うわけではないことである。歯車の損傷形態が時間とともに変化することはしばしば見受けられることで
あり,かつ,その初期状態こそ歯車の健全性を損なう原因であることが多い。初期状態の中には歯車の生
産段階において,既にその兆候を示すことがある。
こうしたことを踏まえ,損傷形態を歯車の運転前に起因するもの,損傷の一形態であるが,直ちに歯車
の機能をなくしたり,特別な要因が負荷されない限り致命的な害悪を及ぼさない損傷形態,時間の経過に
伴い,状況が悪化し致命的な損傷形態を引き起こすおそれのある経過的損傷形態,及び歯車の機能喪失に
絡む最終的損傷形態を意識して区別した。

――――― [JIS B 0160 pdf 3] ―――――

2
B 0160 : 2015
なお,観察された現象の発生原因の可能性及びその対策については触れていない。また,その損傷が見
かけ上類似した現象であっても,発生原因が明らかに異なる場合は損傷名を異なったものとし,損傷名か
ら発生原因及び対策がある程度把握できるよう配慮した。
また,説明の中で,この規格に採用されている損傷名を用いる場合には,その損傷名を太字で表した。
2.2
運転前欠陥(failure due to gear production and material)
歯車の運転前に生じている損傷。
主として加工,熱処理又は材料欠陥による。
歯車は,動力又は回転を伝達するための重要な役割を担い,装置の不具合時に行われる検査及び定期検
査で慎重に点検される。歯車の損傷はこうしたときに見つけられ,損傷原因の追及が始まる。このとき,
歯車の損傷又はその原因となる欠陥が運転前に既に存在しており,それが運転によって顕在化したに過ぎ
ない場合がしばしば見られる。
歯車は,その表面が直接大きな応力又は滑りを受けるので,その性能にとって,歯面の性状が極めて重
要であり,製造には十分な留意が必要である。
ここに含まれる損傷形態は,次による。
− 仕上げ歯面の加工不良
− 研削焼け
− 研削割れ
− 熱処理欠陥
− 材料欠陥
− 加工によるばり

――――― [JIS B 0160 pdf 4] ―――――

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B 0160 : 2015
2.2.1
仕上げ歯面の加工不良(malfinishing of tooth flank)
歯車の加工目そのものは損傷ではないが,好ましくない歯車の加工目の状態。
仕上げ加工目の観察は,加工の良否の判定に役立つ。加工目が好ましくない状態にある場合,期待した
歯車寿命を著しく低減させることがある。
例えば,歯車の歯元において,歯面のインボリュート曲線と歯底曲線とがずれて段差ができる場合には,
この点に応力が集中するので,歯の曲げ強度を著しく低下させる。又は,歯面がむしり取られたように,
ささくれだったような場合には面圧強度が著しく低下することがある。
また,加工目は加工方法に特有な規則的な模様を描くので,カッターマークの乱れ方によって,加工上
の問題点をある程度把握できる。
図1−ホブ切りにおける歯面不良の例 [1]
図2−正常な歯面の例 [1]
図1は,ホブ切りにおける歯面の不良の例である。歯面の送りマークがうねっており,その間隔が一定
でなく,歯幅方向に3本ごとに繰り返すうねりとなっている。これは工具の3条ホブの偏心が原因である。
このような場合には,歯形・歯すじ誤差ともに大きくなりやすい。
正常な場合の例を図2に示す。

――――― [JIS B 0160 pdf 5] ―――――

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