JIS B 0633:2001 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―表面性状評価の方式及び手順 | ページ 2

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B 0633 : 2001 (ISO 4288 : 1996)

5.4 測定の不確かさ

 要求値に合致しているかどうかを明らかにするために,パラメータの測定値は,
ISO 14253-1の規定による測定の不確かさを考慮して,指示された許容限界値と比較しなければならない。
測定値と許容限界の上限値及び下限値とを比較する場合には,測定の不確かさは,16%ルールで述べた表
面の不均一性への配慮とは別に,評価されなければならない。

6. パラメータの評価

6.1 一般事項

 表面性状パラメータは,表面欠陥の記述に用いることはできない。そのために,スクラ
ッチ,空孔などの表面欠陥は,表面性状の評価の対象としてはならない。
対象面が要求仕様に一致しているかどうかの判断には,一つの評価長さから求めた表面性状パラメータ
の測定値の集合(指定されたパラメータの測定値群)を用いなければならない。
対象面が要求仕様に合致しているかどうかの決定の信頼性,及び同一表面の表面性状パラメータの平均
値の精度は,表面性状パラメータを得る評価長さ内の基準長さの数及び評価長さの数,すなわち,対象面
上の測定数に依存する。

6.2 粗さパラメータ

 評価長さが基準長さの5倍にならない場合,標準偏差を基準長さの5倍に等しい
評価長さを用いて求めた値に換算し,JIS B 0601による粗さパラメータの上限値及び下限値を計算し直す。
図1の各 それぞれ 地 添字の5は,用いた基準長さの数)。
算は,次の式による。
n
5 n
5
ここに,nは用いた基準長さの数(5未満)である。
参考1. 用いた基準長さの数が5未満の場合の16%ルールによるパラメータの測定値の上限値は,
+ のデータから求めた平均値, の式による換算値である。
2. 用いた基準長さの数が5以上の場合には,得られた標準偏差をそのまま適用する。
測定数が多く,評価長さが長いほど,対象面が要求仕様に合致しているかどうかの判断の信頼性は高く
なり,パラメータの平均値の不確かさは小さくなる。
しかしながら,測定数を増やすと測定の時間及びコストが増加する。そのために,信頼性とコストとの
妥協が必要となる(附属書A参照)。

――――― [JIS B 0633 pdf 6] ―――――

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図1

7. 触針式表面粗さ測定機による評価の方式及び手順

7.1 粗さパラメータのためのカットオフ値決定の基本ルール

 基準長さが,図面又は製品技術情報の要
求事項に指示されている場合には,カットオフ値 指示された基準長さに等しくなければならない。
(図面又は製品技術情報に)粗さパラメータに対する指示事項(測定方向などの指示)がない場合,又は
基準長さが指示されていない場合には,カットオフ値は7.2の手順によって選択する。

7.2 粗さパラメータの測定

 測定方向が指示されていない場合には,高さ方向のパラメータ (Ra, Rz) が
最大になる測定方向に,対象面を設定する。この方向は,対象面の筋目に直角である。等方性の表面では,
測定方向は任意に設定してよい。
測定は,最悪の値になると考えられる表面部分に対して行わなければならない。これは,視覚的な判断
によって行うことができる。互いに独立した測定結果を得るために,複数の測定をこの表面部分で等分布
(偏らない位置)するように行わなければならない。
粗さパラメータの値を求めるためには,まず表面を視覚的に観察し,粗さ曲線が周期的であるか非周期
的であるかの判断を行う。特に指示がない場合には,この判断に基づいて,7.2.1及び7.2.2に規定する手
順のどちらかを実行する。もし特別な測定手順に従う場合には,それを仕様書及び測定の手順書に記載し
なければならない。
参考 等方性の表面とは,測定方向によって粗さ曲線の性質が異ならない表面をいう。
7.2.1 非周期的な粗さ曲線のための評価手順 非周期的な粗さ曲線をもつ表面では,次のステップからな
る評価手順によらなければならない。
a) 未知の粗さパラメータであるRa,Rz,Rz1max又はRSmは,例えば,視覚検査,比較用表面粗さ標準
片,測定断面曲線(JIS B 0651参照)の記録波形など,適切と思われる手段を用いて推定する。
b) ステップa)によって推定されたRa,Rz,Rz1max又はRSmを用いて,表1,表2又は表3から基準長
さを推定する。

――――― [JIS B 0633 pdf 7] ―――――

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c) 表面粗さ測定機によって,ステップb)で推定した基準長さを用いて,Ra,Rz,Rz1max又はRSmの測
定値を求める。
d) a,Rz,Rz1max又はRSmの測定値と,推定された基準長さに該当する表1,表2又は表3のRa,Rz,
Rz1max又はRSmの範囲とを比較する。もし測定値が推定された基準長さに該当するパラメータの範
囲外であれば,測定値に合わせて測定機の基準長さを長い方又は短い方に変更する。次に,変更した
基準長さによって測定値を求め,再度表1,表2又は表3の値と比較する。この時点で,表1,表2
又は表3で推奨する測定値と基準長さとの組合せが満足されていなければならない。
e) ステップd)において,短い方の基準長さが試されていなければ,短い方の基準長さによるRa,Rz,
Rz1max又はRSmの測定値を求める。得られたRa,Rz,Rz1max又はRSmの測定値と基準長さとの組
合せが表1,表2又は表3の組合せになっているかどうかを確かめる。
f) ステップd)における最終設定が表1,表2又は表3に一致していれば,用いた基準長さ及びRa,Rz,
Rz1max又はRSmの測定値は正しいとする。もしステップe)においても,表1,表2又は表3に推奨
されている組合せになった場合には,短い方の基準長さ及びRa,Rz,Rz1max又はRSmの測定値が正
しいとする。
g) ここまでのステップで推定された基準長さを用いて,要求されているパラメータの測定値を求める。
7.2.2 周期的な粗さ曲線のための評価手順 周期的な粗さ曲線をもつ表面では,次の手順によらなければ
ならない。
a) 未知の粗さ曲線のパラメータRSmを,測定断面曲線の記録波形から推定する。
b) 推定されたパラメータRSmに該当する基準長さを表3から決める。
c) ステップb)によって決定された基準長さを用いて,RSmの値を測定する。
d) ステップc)によるRSmの測定値に該当する表3の基準長さが,ステップb)において求められた値より
小さいか又は大きい値であれば,小さい方か又は大きい方の基準長さを用いる。
e) ここまでのステップで推定された基準長さを用いて要求。されているパラメータの測定値を求める。
表1 非周期的な輪郭曲線の粗さパラメータRa, Rq, Rsk, Rku, R 煎 荷曲線
及び確率密度関数とそれらに関連するパラメータの基準長さ(研削加工面の例)
Ra 粗さ曲線の基準長さ (lr) m 粗さ曲線の評価長さ (ln) m
(0.006) 0.02 0.1 2 10 表2 非周期的な輪郭曲線の粗さパラメータRz, Rv, Rp, Rc及びRtのための基準長さ
(研削加工面の例)
Rz(1), Rz1max(2) 粗さ曲線の基準長さ (lr) m 粗さ曲線の評価長さ (ln) m
(0.025) 0.1 0.5 10 50 注(1) zは,Rz, Rv, Rp, Rc及びRtを測定する際に用いる。
(2) z1maxは,Rz1max, Rv1max, Rp1max及びRc1maxを測定する際にだけ用いる。

――――― [JIS B 0633 pdf 8] ―――――

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表3 周期的な粗さ曲線の粗さパラメータの測定及び周期的・非周期的な輪郭曲線のRSm測定
のための基準長さ
RSm mm 粗さ曲線の基準長さ (lr) m 粗さ曲線の評価長さ (ln) m
0.013 0.04 0.13 0.4 1.3

――――― [JIS B 0633 pdf 9] ―――――

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附属書A(参考) 表面粗さ評価の簡易手順
A.1 一般事項 次の例は,表面粗さの数多い評価法のうちの一つである。
ここに示す評価手順は,この規格で規定された完全な評価手順に対する単なる一つの近似的な方法にす
ぎない。
A.2 視覚による評価 例えば,表面粗さが指示された表面より良いか悪いかが明確に判断できる場合,又
は表面の機能に大きく影響する表面欠陥が見られる場合など,高い精度の評価を必要としない場合には,
視覚によって対象面の評価を行う。
もし視覚による評価が困難な場合には,比較用表面粗さ標準片を用いて,触覚及び視覚による比較方式
で評価を行ってもよい。
A.3 測定による評価 もし比較方式の評価が困難な場合には,視覚評価によって最悪の値が予想される表
面部分に対し,測定を行う。
A.3.1 パラメータ記号に添字“max”が付いていない場合,次の条件が満たされれば,この表面は受け入れ
られ,評価手順も終了する。
− 最初に測定した値が,指示された値(図面指示値)の70%を超えない。
− 最初の3個の測定値が,指示された値を超えない。
− 最初の6個の測定値のうちの2個以上が,指示された値を超えない。
− 最初の12個の測定値のうちの3個以上が,指示された値を超えない。
この条件が満たされない場合には,表面の受け入れは拒否されることになる。
表面の受け入れを拒否する前に,12個より多い測定値を求めてもよい。例えば,25個の測定値を求めて,
指示された値を超える数が4個以下であれば,表面は受け入れられる。
A.3.2 パラメータ記号に添字“max”が付いている場合には,通常は少なくとも3個の測定値を求める。こ
れらは,最悪の値をとると予想される表面部分(例えば,特に深い溝が観察される部分)から測定するか,
又は表面が均質と見られる場合には,等間隔に測定する。
A.3.3 最も信頼のおける評価は,表面粗さ測定機によって行われるので,厳密な評価が要求される場合に
は,最初から表面粗さ測定機を用いなければならない。

――――― [JIS B 0633 pdf 10] ―――――

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  • ISO 4288:1996(IDT)

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