JIS B 1584-5:2014 滑り軸受―巻きブシュ―第5部:外径寸法の測定方法 | ページ 3

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B 1584-5 : 2014

dch,1=20.062 mm
dch,a,1=20.052 mm
dch,a,2=20.048 mm
(dch,a,1−dch,1)=−0.010 mmで0.030 mm以下
したがって,C=−0.020 mm

9.5 測定上の注意点

  測定上の注意点は,次による。
a) 測定機器に起因するものは,次による。
− 上側と下側の測定用ブロックがずれている。
− 測定用ブロックが測定器に正しく装着されていない。
− 締め代が正しくない(クリアランスが大きすぎるか,伝達装置,ダイヤルゲージの損傷など)。
− 測定用ブロック又は基準プラグに損傷及び摩耗がある。
− 測定用ブロックの幅bch,1がブシュの幅Bより小さい。
− 設定力Fchが計算値と一致していない。
b) ブシュに起因する誤差は,ブシュが損傷・変形していることによる。また,ブシュの外周面及び合わ
せ目にグリース,汚れ,ばりなどがあることによる。
c) 測定手順における人的要因は,次による。
− 設定力を間違ってセットする。
− ブシュと測定用ブロックとが中央にセットされていない。
− ブシュの合わせ目が上側の測定用ブロックの鉛直上方に向いていない。
− 実測値dch,a,1及びdch,a,2の測定値読み間違い。
− 補正量の計算誤り又はセット誤り。
− 外径寸法Doの計算誤り。

10 測定方法B

10.1 ゲージ

  この試験は,二つのリングゲージを用いる。一つは図面表記されたブシュ外径寸法の公差上限値を内径
寸法とする通りリングゲージ,もう一つはブシュ外径寸法の公差下限値を内径寸法とする止まりリングゲ
ージとする。
両方ともブシュを挿入する際の損傷又は試験中のミスを避けるために,端面の角部に挟角の面取り(図
7参照)又は丸みをもたなければならない。

10.2 ゲージに対する規定

  一般的に,リングゲージはロックウェル硬さ(HRC)6064とし焼なまししていない鋼材を用いるが,
受渡当事者間の協定によって別の硬度の鋼材を用いてもよい。リングゲージの幅は,(面取り部を除き)ブ
シュの幅の最大値以上でなければならない。通りリングゲージと止まりリングゲージとの内径寸法の上下
限値は,JIS B 0401-2に規定する公差域クラスJS3とする。
リングゲージの摩耗は,ISO/R 1938に規定する公差等級IT8のy1値(摩耗限界)を超えてはならない。

――――― [JIS B 1584-5 pdf 11] ―――――

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B 1584-5 : 2014
単位 mm
図7−リングゲージの代表例

10.3 手順

  入口の面取り側からブシュをリングゲージに挿入する。最大力250 Nで手で容易に通りリングゲージに
通り,同じ力で止まりリングゲージに通ってはならない。ただし,力は測定不可の場合,参考値とする。
ブシュが真円でない場合又は合わせ目が閉じなかったりする場合,試験精度が低下するため,測定方法
Aの方が望ましい。

10.4 測定上の注意点

  測定上の注意点は,次による。
a) リングゲージの損傷及び摩耗。
b) リングゲージに案内用面取り部がない。
c) ブシュを傾けた状態でリングゲージに挿入し,かじりが発生した場合。
d) ブシュをリングゲージに挿入する際の力のかけすぎ。
e) リングゲージの幅がブシュの幅より小さい。
f) 自由状態のブシュの真円度の値が高い,又は合わせ目の隙間が大きい。
g) ブシュの損傷・変形がある。また,ブシュの外周面(裏金表面)及び合わせ目にグリース,汚れ,ば
りなどがある。

11 測定方法D

11.1 ゲージ

  この試験は,精密測定テープを用いる。

11.2 測定機器

  測定機器の代表例を,図8に示す。

――――― [JIS B 1584-5 pdf 12] ―――――

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1 精密測定テープ
2 ダイヤルゲージ(指示計)
3 テンションハンドル
4 セッティングプラグ
5 ブシュ
図8−測定機器の代表例

11.3 手順

  測定テープは,ブシュの外径の呼び寸法Doと同寸法のプラグとで校正する。指示計は,測定テープの終
点に接しておき校正しておく。
ブシュ測定後,セッティングプラグの校正値とブシュの測定値との差であるΔzDを指示計から読み取る。
ブシュ外径寸法Doは,次の式(2)によって算出する。
zD
Do dch,2 (2)

11.4 測定上の注意点

  測定上の注意点は,次による。
a) 合わせ目を閉じるためのテンションが足りない。
b) 測定テープがブシュの円周方向中心と合っていない。
c) ブシュの損傷・変形がある。また,ブシュの外周面(裏金表面)及び合わせ目にグリース,汚れ,ば
りなどがある。

12 ブシュの図面規定

  測定方法の選択に関する図面表記は,JIS B 1584-2による。

13 測定機器の管理規定

13.1 ゲージ

  ゲージは定期的に確認し,著しい損傷は修理し,寸法が変わった場合は記録しておく。

13.2 測定機器

  測定機器は精度を維持し,統計的手法を用いて定期的に管理する。

――――― [JIS B 1584-5 pdf 13] ―――――

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B 1584-5 : 2014
附属書JA
(参考)
測定方法Aにおける因子の要約及びその他の測定方法
JA.1 ブシュの外径寸法Doの測定方法Aに関する因子を,参考として次に示す。
a) 測定力Fchは,JIS B 1584-2によって計算する。
b) 測定用ブロック径dch,1及び基準プラグ径dch,2の寸法は,JIS B 1584-2によって計算する。
c) Δzの上限値及び下限値は,JIS B 1584-2によって計算する。
d) 補正量Cは,9.4に計算方法を示す。
e) ダイヤル読み値Δzから外径寸法に換算する計算式は,7.1に示す。
JA.2 本体に規定しないその他の測定機器としてクランプゲージの代表例を,図JA.1に示す。
図JA.1−クランプゲージの代表例
使用方法の概略を,次に示す。
a) 基準確認 クランプゲージ本体に寸法上限側のマスターゲージをセットし,トルクドライバによって
所定のトルクで締め付ける。このとき,クランプゲージ本体の基準線とクランプねじの目盛上限とが
一致していることを確認する。
寸法下限側のマスターゲージと入れ替え,同様にしてクランプゲージ本体の基準線とクランプねじ
の目盛下限とが一致していることを確認する。
b) ブシュの外径測定 クランプゲージ本体にブシュをセットし,トルクドライバによって所定のトルク
で締め付ける。このとき,クランプゲージの基準線とクランプねじの目盛とが重なった位置から外径
寸法を読み取る。
参考文献
JIS B 1584-6 滑り軸受−巻きブシュ−第6部 : 内径寸法の測定方法

――――― [JIS B 1584-5 pdf 14] ―――――

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B 1584-5 : 2014
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1584-5:2014 滑り軸受−巻きブシュ−第5部 : 外径寸法の測定方法 ISO 3547-5:2007,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 5: Checking the outside diameter
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技術的差
国際 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
2 引用規格
3 用語及び 用語及び定義を規定。 − − 追加 JISでは,使用者の理解を助ける
JISでは引用規格としてJIS B 0162-1
定義 及びJIS B 0163-2での規定を追加しために定義を設けた。
た。
7 測定方法 7.4その他の測定方法 6 JISとほぼ同じ。 追加 JISでは本体に規定しない測定方法 国内事情及び規格使用者の利便性
を附属書に示すことを追加した。 を考慮し,追加した。
8 外径寸法 7 JISとほぼ同じ。 追加 JISでは受渡当事者間の協定に従う 国内事情及び規格使用者の利便性
測定方法の ことを許容することを追加した。 を考慮し,追加した。
選定
9 測定方法 9.2測定用ブロック及 8.2 JISとほぼ同じ。 追加 ブロック及びプラグの幾何公差につ国内事情及び規格使用者の利便性
A び基準プラグに対する いては代表例とした。 を考慮し,追加したもので技術的
規定 ブロック及びプラグの製作許容差及な差異はない。
び摩耗限界について,JISでは推奨
値とした。
ブロック及びプラグの硬度について
JISでは受渡当事者間の協定に従う
ことを許容することを追加した。
10 測定方 10.2ゲージに対する規 9.2 JISとほぼ同じ。 追加 JISでは受渡当事者間の協定に従う 国内事情及び規格使用者の利便性
B1
法B 定 ことを許容することを追加した。 を考慮し,追加したもので技術的
5
な差異はない。
84-
10.3手順 9.3 手押しでの最大力250 N 追加 JISでは手押しでの力を測定不可の 国際規格の見直しの際,提案を行
5 : 2
としている。 ため,参考値としている。 う。
014
2

――――― [JIS B 1584-5 pdf 15] ―――――

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JIS B 1584-5:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3547-5:2007(MOD)

JIS B 1584-5:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1584-5:2014の関連規格と引用規格一覧