JIS B 1761:2022 両歯面かみ合い試験機の評価方法及び受入検査 | ページ 4

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B 1761 : 2022
附属書B
(参考)
適合判定における不確かさの扱い
B.1 測定不確かさの算出
この附属書では,両歯面かみ合い試験機が最大許容測定誤差を満たしているかどうかの適合判定を行う
ということを主眼に,その場合に用いられる不確かさの考え方についての一例を示す。ここで示す不確か
さの考え方は,あくまで一例であり,他の考え方もあり得る。ただし,その場合でも,ISO/IEC Guide 98-
3(以下,GUMという。)に従うことが望ましい。
検査用基準器を用いて両歯面かみ合い試験機の測定性能を検査する場合の検査結果の不確かさの要因は,
大きく二つに分けられる。一つが使用した検査用基準器に起因する不確かさであり,もう一つが検査とい
う行為に起因する不確かさである。
ここでの不確かさは,全てGUMで定義された標準不確かさである。適合判定においては,検査結果の
不確かさを考慮に入れて,測定誤差Eと最大許容測定誤差MPE(E)との大小関係を比較する。考慮の仕方
については,B.6に示す。
B.2 両歯面1ピッチかみ合い偏差測定誤差の検査結果の不確かさの算出
B.2.1 一般
両歯面1ピッチかみ合い偏差測定誤差は,両歯面かみ合い偏差参照基準器を測定したときの,全てのピ
ッチ数の個別両歯面1ピッチかみ合い偏差測定誤差の絶対値の最大値である。
両歯面かみ合い試験機によって,個別両歯面1ピッチかみ合い偏差の測定値を出力できるものと,でき
ないものとがある。これら二つの場合について,それぞれの考え方を次に示す。
B.2.2 個別両歯面1ピッチかみ合い偏差が出力できる場合
全ての個別両歯面1ピッチかみ合い偏差測定誤差の絶対値の最大値が,測定誤差Eである。
この場合の検査結果の不確かさufidに含まれるものは,検査用基準器の校正値の不確かさuC及び測定作
業に起因する不確かさuMだけであり,式(B.1)による。
ufid= uM2 (B.1)
B.2.3 個別両歯面1ピッチかみ合い偏差が出力できない場合
この場合,個別両歯面1ピッチかみ合い偏差は,未知である。両歯面1ピッチかみ合い偏差の測定値M
とその校正値Cとが同じであっても,全く違う両歯面かみ合い偏差線図を描く可能性もあり,全く違う両
歯面かみ合い偏差線図が得られているにもかかわらず,単に数値だけが一致しているということが起こり
得る。その危険性を回避する考え方の一つを次に示す。
両歯面1ピッチかみ合い偏差の測定値Mとその校正値Cとの差を両歯面1ピッチかみ合い偏差の測定

――――― [JIS B 1761 pdf 16] ―――――

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誤差Eとみなす。
校正証明書に記載されている両歯面かみ合い偏差参照基準器の全てのピッチ数の個別両歯面1ピッチか
み合い偏差の校正値のばらつきを不確かさの要因として扱う。校正証明書に記載された全てのピッチ数の
個別両歯面1ピッチかみ合い偏差の標準偏差をuCfとすると,検査結果の不確かさufidは,式(B.2)による。
ufid= uM2+uCf2 (B.2)
B.3 両歯面全かみ合い偏差測定誤差の検査結果の不確かさの算出
両歯面全かみ合い偏差測定誤差は,両歯面かみ合い偏差偏心基準器を測定したときの両歯面かみ合い偏
差の測定値Mとその校正値Cとの差であり,測定誤差Eは,式(B.3)による。
E=M−C (B.3)
両歯面1ピッチかみ合い偏差測定誤差の検査結果の不確かさufは,両歯面全かみ合い偏差測定誤差の測
定の不確かさの要因として扱う。検査結果の不確かさuFidは,式(B.4)による。
uFid= uM2+uf2 (B.4)
B.4 両歯面かみ合い中心距離測定誤差の検査結果の不確かさの算出
両歯面かみ合い中心距離測定誤差は,両歯面かみ合い中心距離基準器を測定したときの両歯面かみ合い
中心距離の測定値Mとその校正値Cとの差であり,測定誤差Eは,式(B.5)による。
E=M−C (B.5)
この場合の検査結果の不確かさuadに含まれるものは,検査用基準器の校正値の不確かさuC及び測定作
業に起因する不確かさuMだけであり,式(B.6)による。
uad= uM2 (B.6)
B.5 測定作業に起因する不確かさ
測定という作業に起因する不確かさ[検査の不確かさ(test uncertainty)]に含まれる要因には様々なもの
がある。例えば,検査用基準器の設置姿勢による変形,校正時との測定力の不一致,温度による影響など
である。
不確かさの算出は,GUMに従って行い,不確かさの要因を列挙する段階においてはできる限り詳細に
吟味することが望ましい。しかし,それらの要因から計算される合成標準不確かさに実質的に大きく影響
を与える要因は,場合によって2個3個であることが多い。
B.6 適合判定における不確かさの取扱い
仕様との適合判定においては,JIS B 0641-1に従い,検査結果にその不確かさを考慮して,最大許容誤
差と比較する。ここで,“考慮する”とは,具体的には,検査結果に不確かさを加えた数値を検査結果とし

――――― [JIS B 1761 pdf 17] ―――――

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て扱うことを意味する。これは,言い換えると,合否判定基準が不確かさの分だけ小さくなることを意味
する。
不確かさが最大許容誤差に比べて十分に小さくない場合,ほとんどの検査結果が不適合となり,極端な
場合として,不確かさが最大許容誤差より大きい場合は,全ての検査結果が不適合となる。このようなこ
とが起こらないよう,製造業者は不確かさを十分に考慮し,余裕をもった最大許容誤差を設定することが
望ましい。
参考文献
[1] ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM:1995)
[2] JIS B 0641-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査−第1部 : 仕様に
対する合否判定基準

JIS B 1761:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1761:2022の関連規格と引用規格一覧