この規格ページの目次
2
B 2710-3 : 2008
も,この方法に準じて行えばよい。ただし,トレーリングリーフについては,通常,この試験は行わない。
なお,試験に先立ち,ばねには規定の最大作用力を加え,これに耐え得ることを確認する。
6.2 試験装置
試験装置は,供試ばねを安定に保持し,静的試験力を連続的,かつ,滑らかに変化させつつ加えること
ができるもので,力及びたわみの計測機構を備えるものとする。ばねは,変形を妨げることのないように,
できるだけ摩擦の少ない方法で支持する。一般的なばねに用いる押し具の例を図1に示す。この押し具を
図2の例のように荷重点に載せて試験力を加える。
なお,胴締めのある場合には押し具は用いず,胴締め金具の中心に直接試験力を加えてよい。
単位 mm
図1−押し具の例
図2−ばね特性試験におけるばねの支持例
6.3 指定力によるたわみの測定
指定力によるたわみは,供試ばねに静的試験力を徐々に増しながら加え,力が指定力に達したときのた
わみを測定して求める。指定力は,受渡当事者間の協定によるが,差し支えない限り,設計で考慮した常
用力に等しい大きさとする。試験力の精度は,供試ばねの最大作用力の1 %以内とし,たわみは,JIS Z 8401
によって1 mm単位の数値に丸める。
6.4 スパン又はストレートスパンの測定
スパンは,供試ばねに静的試験力を徐々に増しながら加え,力が指定力に達したときの値を測定する。
ストレートスパンは,反りを観測しつつ規定の静的試験力を加え,目玉径を含まないリーフの反りがゼロ
となったときの値を測定する。試験力の精度は,供試ばねの最大作用力の1 %以内とし,スパン又はスト
レートスパンは,JIS Z 8401によって0.5 mm単位の数値に丸める。
なお,ストレートスパンを求める場合には,そのときの試験力を併せて記録しておくことが望ましい。
――――― [JIS B 2710-3 pdf 6] ―――――
3
B 2710-3 : 2008
6.5 ばね定数の求め方
ばね定数は,6.3に示したばね特性評価の基準とする指定力とは別に,それより大きい第二の指定力を加
えたときのたわみを測定し,式(1)によって求める。ばね定数の数値は,おおむね数値の1 %までを表示す
るように,JIS Z 8401によって適宜丸める。
第二の指定力の大きさは,受渡当事者間の協定によって定めるが,差し支えない限り,基準とする指定
力の1.21.5倍程度に選ぶのがよい。ただし,設計で考慮した最大作用力を超えない範囲とする。
F2 F1
k (1)
x2 x1
ここに, k : ばね定数
F1 : ばね特性評価の基準とする指定力(6.3参照)
F2 : ばね定数評価の基準とする第二の指定力
x1 : F1におけるたわみ
x2 : F2におけるたわみ
なお,プログレッシブばねなどでは,第二指定力より更に大きい第三,第四の指定力を設け,その間の
第二のばね定数を求めることがある。ただし,指定力はいずれも設計で考慮した最大作用力を超えない範
囲とする。測定及び計算の方法は上記に準じる。
7 動ばね特性試験
7.1 一般事項
動ばね特性試験は,重ね板ばねに規定の繰返したわみを加え,力−たわみ特性を測定して,動ばね定数
及び板間摩擦力を評価するもので,次によって行う。ここでは,基本的なマルチリーフスプリングについ
てだけ示すが,その他のばねについても,ここに示す方法に準じて行えばよい。
なお,トレーリングリーフについては,通常,この試験は行わない。
7.2 試験装置
試験装置は,供試ばねを規定の使用状態と同一の機能をもつように安定に保持し,変位制御によってば
ねに規定の繰返したわみを加えることができるもので,その間の試験力を計測し,たわみとともに記録で
きる機能をもつものとする。
なお,重ね板ばねの動ばね定数は5 Hz以下では周波数に依存しないので,測定は準静的に行ってもよい。
7.3 予備加振
重ね板ばねの力−たわみ特性は,組立て後の初期状態から,リーフ間の接触状態が定常になるまでの間,
徐々に変化する。このため供試ばねには試験に先立ち予備加振を行い,リーフ間の接触状態の定常化を図
ることが必要である。予備加振は,指定力におけるたわみをxとするとき,ほぼ0.2 x1.8 xの間で,加振
中の作用力変動がほぼ定常に達するまでの間,おおむね15万回を目安として,10 Hz以下の速度で行う
(図3参照)。ただし,1.8 xは,設計で考慮したばねの最大作用力に対応するたわみ値を超えてはならな
い。
――――― [JIS B 2710-3 pdf 7] ―――――
4
B 2710-3 : 2008
図3−予備加振の条件
7.4 力-たわみ特性の記録
力−たわみ特性は,図4のように考えて求める。
図4−重ね板ばねの力−たわみ特性
まず,初期状態のばねは,原点Oから点Bに至る直線1の挙動を示す。予備加振によって定常状態にな
ったばねは,点F,Dを結ぶ曲線2と点D,Fを結ぶ曲線3とで構成するヒステリシス特性を示す。ヒス
テリシス特性は,たわみ振幅 堰 柿 試験に際しては 火 階に変え,降順にそれぞれのヒ
ステリシス特性を記録する。
なお,たわみの最大値x+ 設計で考慮したばねの最大作用力に対応する値を超えないものとする。
また,たわみ振幅の個々の値は,図5の曲線を描くことを念頭において選ぶとよい。このためには,各値
の対数が等間隔に近くなるように選ぶとよい。例えば,0.1,0.2,0.5,1,2,5,10,20(mm)などであ
る。
7.5 動ばね定数の求め方
動ばね定数は,繰返し定常状態のばねにおいて,力の最大変化幅をたわみの最大変化幅で除すことによ
って求める。具体的には図4において,点D,Fを結ぶ対角線4のこう配を考えればよい。動ばね定数は,
――――― [JIS B 2710-3 pdf 8] ―――――
5
B 2710-3 : 2008
たわみ振幅に依存するので,求めた結果は図5に示すようなグラフとして提示する。曲線は,測定点を滑
らかに結んで描く。
図5−動ばね定数とたわみ振幅との関係
注記 たわみ振幅が大きくなると,動ばね定数keは,ばね定数k,すなわち図4の直線1のこう配に
近づく。
7.6 板間摩擦力の求め方
板間摩擦力は,繰返し定常状態のばねにおいて,指定力下のたわみで作用する力の上下限値の差として
求める。
図6−板間摩擦力とたわみ振幅との関係
具体的には図4で,点E,C間の距離に相当する力の幅 瀰 力はたわみ振幅に
依存するので,求めた結果は図6に示すようなグラフとして提示する。曲線は,測定点を滑らかに結んで
描く。
7.7 試験過程の記録
この試験においては,たわみ振幅を種々に変えながら加振中の作用力を測定するが,ばねの種類及び性
質によっては,作用力が試験条件の変え方の影響を受ける可能性が考えられる。このため,予備加振段階
を含め,試験の全過程の十分な記録を残すことが必要である。
――――― [JIS B 2710-3 pdf 9] ―――――
6
B 2710-3 : 2008
記録の内容及び項目は,測定及び記録の方法によって異なるが,典型的には,1たわみの平均値及び振
幅値,2それによる力の平均値及び振幅値,3繰返し回数,4繰返し速度を1ブロックとして,試験終了
までのすべてのブロックについて,時系列的に記録するものとする。ただし,実質的にこれと同等の効果
をもつ別の記録によってもよい。
8 ワインドアップ特性試験
8.1 一般事項
ワインドアップ特性試験は,ばねに指定力のもとで,規定の静的トルクを加えてワインドアップを起こ
させ,ワインドアップ特性及びワインドアップ応力を測定によって求めるもので,次によって行う。ここ
では,基本的なマルチリーフスプリングについて示すが,テーパリーフスプリング及び親子重ね板ばねに
ついても,ここに示す方法に準じて行えばよい。
なお,トレーリングリーフ及びまくらばねについては,この試験は行わない。
8.2 試験装置
試験装置は,供試ばねの両端を通常の使用条件と同等の状態で保持し,中央部に規定の指定力を加えた
状態で正負のワインドアップトルクを加え得る構造とし,かつ,トルクによるばねの回転中心又はその近
傍に設けた指標の位置及び回転を測定するための機能を備える。また,指定力は試験中に一定に保つこと
ができ,ワインドアップトルクは滑らかに,かつ,徐々に所定の大きさまで加え得るものとする。
ワインドアップ特性試験における標準的なばねの支持方法の例を,図7に示す。
図7−ワインドアップ特性試験におけるばねの支持例
この例では,ばねの中央部に取り付けたアームの先端に,水平力FWを作用させてワインドアップトル
クを加える構造としている。最終リーフの圧縮側表面の中心穴部分から水平力FW(N)の作用点Pまでの
アームの長さR(mm)は,受渡当事者間の協定による。ワインドアップトルクT(N mm)は,T=FW・R
として求める。ワインドアップは,ばねを自動車に組み付けたとき,加速及び減速に伴って発生するため,
通常,アームの長さRは静止時の車輪半径に等しくとる。
8.3 ワインドアップ特性の測定
ワインドアップ特性は,指定力下でワインドアップトルクを加えたとき,トルクに対する指標の回転角
を測定して求める。指標は,通常,最終リーフの圧縮側表面の中心穴付近に設け,測定結果はトルクと回
転角の関係線図として提示する。最大試験トルク及び試験の範囲は,受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS B 2710-3 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 2710-3:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.160 : ばね
JIS B 2710-3:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB2710-1:2008
- 重ね板ばね―第1部:用語
- JISB2710-1:2020
- 重ね板ばね―第1部:用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態