JIS B 6190-10:2018 工作機械試験方法通則―第10部:プロービングシステムの測定性能評価方法 | ページ 9

38
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
A 目標スキャン線(CCW)は,XY平面内の赤道上にある。
B 目標スキャン線(CW)は,赤道上8 mm(球の直径は25 mm),XY平面に平行である。
C,D 目標スキャン線C(CCW)及びD(CW)は,それぞれZX及びZY平面にあり,極を通る。
E,F 目標スキャン線E(CCW)及びF(CW)は,Y=+8 mm及びY=−8 mmで,それぞれZX平面に平行
である。
G,H 目標スキャン線G(CW)及びH(CCW)は,X=−8 mm及びX=+8 mmで,それぞれZY平面に平行
である。
図B.1−目標スキャン線及び三次元スキャニング性能試験のための移動に必要な方向
B.5.3 試験の準備及び手順
a) 工作機械の測定体積内で工作物を代表する位置に,寸法及び形状が校正された直径約25 mmの基準球
を位置決めする。
b) 使用者は,指定した測定体積内で基準球の取付位置を自由に選択できる。ただし,基準球はプロービ
ングシステムのパラメータ設定に使用する位置に定置しないほうがよい。
c) スタイラスチップ及び基準球(複数可)は,測定又は試験結果に影響を与える可能性が全く残らない
ように,プロービングシステムのパラメータ設定前に清浄にするのが望ましい。
d) プロービングシステムは,製造業者の指示に従ってパラメータ設定されたことを確認する。
e) 基準球の中心座標は,5点以上の離散点でプロービングして測定する。基準球の測定中心にWCSデー
タム点を設定する。
f) 基準球をスキャンするためにB.5.2に示した球の測定シーケンスを使用する。表B.1の値に従って球
の名目上の位置を設定するために基準球を10回スキャンするのが望ましい。
g) (中間点での)最初の測定の第1スキャンシーケンスの開始から,(中間点での)最後の測定の最後の
スキャンシーケンスの終わりまで試験を実施するのにかかった試験時間TSC,3Dを記録する。
注記 基準球そのものは,この試験中に移動させない。基準球測定用のスキャン経路は,基準球が規
定された公称位置に配置されていると仮定して生成される。

――――― [JIS B 6190-10 pdf 41] ―――――

                                                                                             39
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
表B.1−三次元スキャニング性能試験におけるX,Y及びZ軸のオフセット
測定回数 基準位置に対する公称中心位置
mm
X Y Z
1 0 0 0
2 0 RXY 0
3 RXY 0 0
4 −RXY 0 0
5 0 −RXY 0
6 0 0 RZPOS
7 0 0 −RZNEG
8 R×0.683 R×0.183 R×0.707
9 R×(−0.500) R×0.500 R×0.707
10 R×(−0.183) R×(−0.683) R×0.707
注記1 RXYは,製造業者の指定したXY平面上のスキャニング測定の範囲。
注記2 RZPOS及びRZENGは,製造業者の指定したZ軸の測定範囲(それぞれ正負の実
体状態)。
注記3 Rは,RXY,RZPOS及びRZENGの最小値。
B.5.4 結果の解析
受渡当事者間で協定したフィルタリングアルゴリズム及びパラメータは,三次元スキャニング性能試験
の解析に使用することができる。フィルタリングを適用する場合には,パラメータ及び使用するアルゴリ
ズムは,試験結果(B.4を参照)と共に記載するのが望ましい。
各球の測定は,次のように進める。
− 全8回のスキャンで求めたスタイラスチップ中心点の全てを使用してガウス(最小二乗)球(関連形
体)の中心位置及び直径を算出する。中心座標の値XSC,3D YSC,3D及びZSC,3D,並びに球の直径DSC,3Dを
記録する。
− 測定したそれぞれのスキャン点について,球の中心までの半径rを算出する[次の項目a)に従って]。
− 求めた半径rの範囲としてスキャニングプロービング誤差FSC,3Dを算出する。
上記のデータを使用して次に進む。
a) 1回目の測定で記録した球の中心位置から,210回目の測定で記録したXSC,3D,YSC,3D及びZSC,3Dの球
中心位置の最大距離として三次元スキャニング位置の再現性ESC,3D,POSを算出する。
b) スタイラスチップの直径と校正された試験球の直径との和から,10回測定したDSC,3Dの最大偏差とし
て三次元スキャニング直径の誤差ESC,3D,DIAを算出する。スキャニングシステムは,スタイラスチップ
のパラメータ設定した直径を報告できる場合には,その値を使用するのが望ましい。それ以外の場合
は,スタイラスチップの公称直径を使用するのが望ましい。
c) 10回の測定において形状の値FSC,3Dの最大値として三次元スキャニング形状誤差ESC,3D,FORMを算出す
る。
注記 試験球の形状誤差は,三次元スキャニング形状誤差ESC,3D,FORMに含まれる。
d) 三次元スキャン時間TSC,3Dを報告する。

――――― [JIS B 6190-10 pdf 42] ―――――

40
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
B.6 二次元スキャニング性能試験,ESC,2D,POS,ESC,2D,DIA,ESC,2D,FORM及びTSC,2D(ErrorSCanning,2D,POSition,
ErrorSCanning,2D,DIAmeter,ErrorSCanning,2D,FORM及びTimeSC,2D)
B.6.1 一般
この試験は,測定工具経路が形体と正確に調整されていないときの直径,位置,及び基準リングの形状
を計算するためのプロービングシステムの能力を決定する。この試験は,基準リングを測定することがで
きるプロービングシステムに適用し,インプロセス測定時の工作物の位置の偏りをシミュレーションする。
プローブは,この試験では全二次元測定範囲にわたって運転する。
B.6.2 基準リング測定シーケンス
基準リングは,時計回りの円測定と反時計回りの円測定とを交互に使用してスキャンするのが望ましい。
例えば,最初のスキャンは,時計回りで行い,次に反時計回りで,更にその次は,時計回りで行うように
交互に行うのが望ましい。
目標スキャン線まで移動し,接近する方向及び送り速度は,製造業者の推奨に従うのが望ましい。
B.6.3 試験の準備及び手順
a) 寸法及び形状が校正された穴径約30 mmの基準リングを取り付け,その穴の軸が機械のZ軸と平行に
なるように基準リングをMCSに合わせる。
b) 使用者は,指定された測定体積内で基準リングの取付位置を自由に選択することができる。ただし,
そのリングは,プロービングシステムのパラメータ設定に使用した位置には取り付けないほうがよい。
c) スタイラスチップ,基準球及び基準リングは,測定又は試験結果に影響を与える可能性が全く残らな
いように,プロービングシステムのパラメータ設定前に清浄にするのが望ましい。
d) プロービングシステムは,製造業者の指示に従ってパラメータ設定が行われたことを確認する。
e) 基準リングの座標は,4点以上の離散点でプロービングして測定する。基準リングの測定中心にWCS
データム点を設定する。
f) 表B.2に従って形体の公称位置を設定し,連続スキャンモードで基準リングを9回測定する。
g) 各測定について,円測定用にスキャニングシステムに内蔵の解析結果を使用して,中心座標XSC,2D,
YSC,2D,その直径DSC,2D及びその形状FSC,2Dを記録する。
h) (中間点での)最初の測定の第1スキャンシーケンスの開始から,(中間点での)最後の測定の最後の
スキャンシーケンスの終わりまでの試験の実施にかかった試験時間TSC,2Dを記録する。
表B.2−二次元スキャニング性能試験におけるX,Y及びZ軸のオフセット
測定回数 基準位置に対する公称中心位置
mm
X Y Z
1 0.000 0.000 0
2 RXY×0.000 RXY×1.000 0
3 RXY×0.707 RXY×0.707 0
4 RXY×1.000 RXY×0.000 0
5 RXY×0.707 RXY×(−0.707) 0
6 RXY×0.000 RXY×(−1.000) 0
7 RXY×(−0.707) RXY×(−0.707) 0
8 RXY×(−1.000) RXY×0.000 0
9 RXY×(−0.707) RXY×0.707 0
注記 RXYは,製造業者の指定したXY平面上のスキャニング測定の範囲。

――――― [JIS B 6190-10 pdf 43] ―――――

                                                                                             41
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
注記 基準リングは,移動させない。測定のためのプロービング経路は,形体(工作物)が指定した
公称位置に配置されると仮定して生成する。
B.6.4 結果の解析
a) 1回目の測定で記録した基準リングの中心位置から,29回目の測定で記録したその中心位置の最大
距離として二次元スキャニング位置の再現性ESC,2D,POSを算出する。
b) 校正された基準リングの直径から9回の測定値の最大偏差として二次元スキャニング直径の誤差
ESC,2D,DIAを算出する。
c) 9回の測定において形状の値FSC,2Dの最大値として二次元スキャニング形状誤差ESC,2D,FORMを算出する。
注記 基準リングの形状誤差は,二次元スキャニング形状誤差ESC,2D,FORMに含まれる。
d) 二次元スキャン時間TSC,2Dを報告する。

――――― [JIS B 6190-10 pdf 44] ―――――

42
B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
参考文献
[1] JIS B 0680 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度
[2] JIS B 0021 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
[3] JIS B 7440-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査−第1部 :
用語
[4] JIS B 7440-2 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査−第2部 :
長さ測定
[5] JIS B 7440-4 製品の幾何特性仕様(GPS)−座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査−第4部 :
スキャニング測定
[6] JIS B 6336-1 マシニングセンタ−試験条件−第 1 部 : 水平主軸をもつ機械の幾何精度(水平 Z 軸)
[7] ISO/TS 23165,Geometrical product specifications (GPS)−Guidelines for the evaluation of coordinate
measuring machine (CMM) est uncertainty
[8] JIS B 0641-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査−第 1 部 : 仕様に対
する合否判定基準
[9] ISO 14253-2,Geometrical product specifications (GPS) −Inspection by measurement of workpieces and
measuring equipment−Part 2: Guidance for the estimation of uncertainty in GPS measurement, in
calibration of measuring equipment and in product verification
[10] ASME B89.7.3.1-2001,Guidelines for decision rules−Considering measurement uncertainty in determining
conformance to specifications
[11] ASME B89.4.1-1997,Methods for performance evaluation of Coordinate Measuring Machines
[12] ASME B5.54-2005,Methods for Performance evaluation of Computer Numerically Controlled Machining
Centers
[13] VDI/VDE 2617-1,Accuracy of Coordinate Measuring Machines−Characteristics and their Checking−
Generalities
[14] VDI/VDE 2617-3,Accuracy of Coordinate Measuring Machines−Characteristics and their Checking−
Characteristic Parameters and their Checking−Components of Measurement Deviation on the Machine
[15] ISO/TR 230-9,Test code for machine tools−Part 9: Estimation of measurement uncertainty for machine tool
tests according to series ISO 230, basic equations

JIS B 6190-10:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 230-10:2016(IDT)

JIS B 6190-10:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 6190-10:2018の関連規格と引用規格一覧