この規格ページの目次
88
B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
主軸穴にはめたテストバーを回転軸の代表とする場合は,回転軸にテストバーを正確に心合わせできな
いために,許容値を設けなければならない。主軸を回転させると,テストバーの軸線は,双曲線(又はテ
ストバーの回転軸線と交差するときはテーパ面)を描き,測定平面内で二つの位置B−B'を取る(図119
参照)。
平行度の測定は,これらの条件下では,主軸の回転角度位置に影響されるが,主軸を180°回転させて
から,もう一度測定を行うのがよい。二つの読みの平均が,与えられた平面における平行度の偏差を示す。
また,テストバーを平均位置A(“振れの平均位置”と呼ばれる)まで回して,この位置だけで測定を行
ってもよい。
最初の方法は,二番目の方法とほぼ同じ速さで測定できるが,それよりも精度が高い。
注記 用語“振れの平均位置”とは,変位計の測定子を測定平面内で回転軸を代表する円筒面に当て
て,回転軸をゆっくり回転させたときの変位計の読みが,最大値と最小値との平均を示すとき
の主軸の回転位置。
A 回転軸 B'
B 0°におけるテストバーの軸線 A
B' 180°におけるテストバーの軸線 B
図119−回転軸に対するテストバーのアライメントの影響
12.3.2.2 二つの面の平行度
12.3.2.2.1 一般
二つの面の平行度の測定は,次による。測定は,2方向,できれば互いに直角な2方向について行うの
が望ましい。
線(又は面)は,与えられた長さ(又は面積)(例えば,300 mm又は300 mm×300 mm),又は面全体で
測定する。
線(又は面)の間の角度は,与えられた平面(水平,垂直,測定対象の表面と垂直,測定対象の軸と交
差など)上で評価してもよい。平行度の許容値は,異なる面であれば,違っていてもよい。
12.3.2.2.2 直定規と変位計とによる測定
変位計を平らな底面をもつ測定台に取り付け,それを直定規に接触させたまま,指定した距離だけ一つ
の面上を移動させる。測定子は,もう一つの面に沿って滑らせる(図120参照)。
読み(距離の変化)はグラフに表示し,その結果から基準直線を求める。この基準直線の傾きが与えら
れた方向における測定対象面間の角度偏差を表す。
一般に,測定は,測定範囲の両端だけで行ってもよい。角度偏差(正接)は,これら二つの読みの差及
び測定長さの両方から求める。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 91] ―――――
89
B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
1 基準(データム)面 23
2 対象面
3 変位計
4 案内用直定規 4 1
図120−変位計と直定規とによる2平面間の平行度誤差の測定
12.3.2.2.3 精密水準器による測定
精密水準器を比較する二つの面に渡した測定台に載せる。測定台を面に沿って移動させ,次々に精密水
準器の読みを取る。d(図121参照)を乗じた読みは,基準直線を求めるために用いる2平面の相対偏差を
与える。基準直線の向き(角度)が平行度誤差になる。
二つの面に測定台を渡すことが困難な場合には,測定台を用いないで水平面を測定基準とし,各平面に
沿って読みを取る(12.1.3参照)。二つの基準直線を12.1.3に従って評価する。それらの向き(角度)の差
が平行度誤差になる。
2
1 3
1 案内用直定規
2 精密水準器
3 測定台
d 測定ベース長さ d
図121−精密水準器による平行度誤差の測定
12.3.2.3 二つの軸の平行度
12.3.2.3.1 一般
測定は,次の二平面内で行う。
− 二つの軸を含む平面内。
注記 この表現は,二つの軸の一つを含み,もう一方の軸にできるだけ近くにとった平面を意味す
る。
− 第二の平面内。できれば,最初の平面に直角な面内。
12.3.2.3.2 二つの軸を含む平面内での平行度
測定器を適切な形状の底面をもった測定台に取り付けて,二つの軸のうちの一方の軸を代表する円筒面
に沿って滑らせる。その測定子を第二の軸を代表する円筒面に沿って滑らせる。
測定点において,2軸間の読みの最小値を求めるため,測定器を軸に直角な方向に僅かに揺り動かす(図
122参照)。必要があれば,測定台を載せる側の軸が測定中に支持している測定台の質量によって生じるた
わみを考慮する。
12.3.2.3.3 第一の平面と垂直な第二の平面内での平行度
この測定方法は,もう一つ平面を追加する必要がある。できれば二つの軸を含む平面に平行な平面を追
――――― [JIS B 6190-1 pdf 92] ―――――
90
B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
加する。
追加平面があれば,この二つの軸が機械の機能面と平行であることから,各軸のこの平面に対する平行
度は,別々に12.3.2.4に規定する方法で求める。追加平面がなければ,測定は,気泡管の調整ができる精
密水準器を用いて理論上の平面を基準として行うのが望ましい。そのためには,二つの軸を代表している
二つの円筒面上に精密水準器を置いて,その目盛を0に設定するのが望ましい。二つの軸が同一水平面内
にない場合には,補助として固定形又は調整可能な測定台を使用してもよい(図123参照)。
精密水準器を所定の距離だけ軸に沿って移動させ,読みを取る。読みに2軸間の距離を乗じる。例えば,
この距離が300 mmで,精密水準器の読みが0.06 mm/1 000 mmであれば,2軸間の相対偏差は,0.06×0.3
=0.018 mmとなる。この相対偏差から基準直線を求める。基準直線の向き(角度)が平行度誤差となる。
図122−二つの軸を含む平面内での 図123−二つの軸の平行度誤差の測定に
2軸の平行度誤差の測定 補助として用いる測定台
12.3.2.4 軸と面との平行度
測定器を平らな底面をもつ測定台に取り付けて,面に沿って所定の距離だけ動かす。その測定子は,軸
を代表する円筒面に沿って滑らせる(図124参照)。
各測定点で,測定器を軸と直角な方向に僅かに揺り動かして,読みの最小値を読み取る。
軸が旋回する場合には,中央位置と旋回の両端の位置とで測定を行えば十分である(図125参照)。
注記 円筒面で軸を代表させることについては,12.3.2.1を参照。
図124−軸と平面との平行度誤差の測定 図125−平面と旋回する軸との平行度誤差の測定
12.3.2.5 直進軸と面との平行度
12.3.2.5.1 面が運動部品上にある場合の測定
変位計を機械の固定部品に取り付け,測定子を測定対象とする面に直角に当てる。
運動部品は,例えば機種別の規格に規定された距離だけ移動させるのが望ましい。
一般に,この種の測定方法は,工作物をテーブル上に取り付けるフライス盤及び研削盤に適用する。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 93] ―――――
91
B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
変位計は,図126に示すように主軸端に取り付け,テーブルを移動させ,読みを取る。その読みから基
準平面を決める。基準平面の向き(角度)が平行度誤差になる。
2 1
1 主軸端
3
2 変位計
3 ブロックゲージ(オプション) 4
4 運動するテーブル
図126−軸と運動する平面との平行度誤差の測定
12.3.2.5.2 面が運動部品上にない場合の測定
測定器を運動部品に取り付け,運動部品と一緒に所定の距離だけ移動させる。測定子は,測定対象とす
る面に直角に当てて,それに沿って滑らせる(図127参照)。
測定子を測定対象とする面に直接当てられない場合(例えば,狭い溝の側面)の測定は,次のいずれか
の方法によってもよい。
− アングルレバーを使用(図128参照)
− 適切な形状の基準器を使用(図129参照)
図127−軸と固定平面との 図128−平行度誤差の測定に 図129−平行度誤差の測定に
平行度誤差の測定 用いるアングルレバー 用いる特別な基準器
12.3.2.6 軸と二つの面の交線との平行度
測定器を二つの面にはまる適切な形状の底面をもった測定台に取り付ける。次に,測定器を交差する二
つの面の交線に沿って所定の距離だけ移動させ,測定子を,軸を代表する円筒面に沿って滑らす(図130
参照)。できる限り,測定は,工作機械の運転にとって最も重要な直交2平面内で行う。
注記 円筒面で軸を代表させることについては,12.3.2.1を参照。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 94] ―――――
92
B 6190-1 : 2016 (ISO 230-1 : 2012)
図130−二つの平面の交線と軸との平行度誤差の測定
12.3.2.7 運動軸と二つの面の交線との平行度
二つの面のそれぞれと機能点の軌跡との平行度は,12.3.2.5に従って別々に測定しなければならない。交
線の位置は,平面の位置から推定する。
12.3.2.8 二つの面の交線と第三の面との平行度
交線と第三の面とが互いに測定しやすい位置に配置されている場合には,測定台及び精密水準器を使用
する(図131参照)。
精密水準器を載せた測定台を交線に沿って移動させ,角度の読みの変化にdを乗じ,偏差を算出する。
この偏差は,基準直線及び平行度誤差を求めるために用いる。平行度の評価については,12.3.2.2.3を参照。
第三の面が測定しやすい位置にない場合には,測定台と変位計とを用いる(図132参照)。その測定子を
第三の面に直角に当てて,交線に沿って次々に読みを取る。他の測定手順については,12.3.2.2.2を参照。
測定台の座面の角度は,二つの面の交差角と正確に一致していなければならない。これは,ベンガラな
どの塗布剤で確認できる。
1
2
2
2
2
d 2
1 精密水準器
2 座面
d 測定基準長さ
図131−二つの平面の交線と第三の面との 図132−二つの平面の交線とそれらと交差する
平行度誤差の測定 第三の面との平行度誤差の測定
12.3.2.9 二つの面の交線の平行度
この測定は,12.3.2.6と同様に行う。
測定器の測定子を一方の交線を形成する面に沿って滑るVブロックに当てる。測定は,互いに直角な2
平面について行わなければならない(図133参照)。
――――― [JIS B 6190-1 pdf 95] ―――――
次のページ PDF 96
JIS B 6190-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 230-1:2012(IDT)
JIS B 6190-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6190-1:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0021:1998
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―幾何公差表示方式―形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式
- JISB0641-1:2020
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
- JISB0680:2007
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度
- JISB6190-2:2016
- 工作機械試験方法通則―第2部:数値制御による位置決め精度試験
- JISB6190-3:2014
- 工作機械試験方法通則―第3部:熱変形試験
- JISB6190-4:2008
- 工作機械試験方法通則―第4部:数値制御による円運動精度試験
- JISB6190-7:2019
- 工作機械試験方法通則―第7部:回転軸の幾何精度試験
- JISB6196:2006
- 工作機械―対角位置決め精度試験方法通則
- JISB6310:2003
- 産業オートメーションシステム―機械及び装置の制御―座標系及び運動の記号