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B 7443-3 : 2015 (ISO 15530-3 : 2011)
適用しなければならない。特に,(座標測定機の計算機のソフトウェア経由で適用する補正のような)誤差
補償機能が,使用者の品質マニュアルに記載されている場合は,適用しなければならない。
座標測定機は,測定作業(測定器の作業関連校正,JIS B 0642参照)に関する手順書があれば,手順書
に記載された座標測定機の仕様を,測定作業に関する手順書がなければ,製造業者の仕様を達成しなけれ
ばならない。したがって,座標測定機の総合的な測定特性を校正する必要はない(測定器の総合的な校正
は,JIS B 0642参照)。
5.2 類似性
測定方法は,次の類似性をもたなければならない。
a) 実際の測定(7.2.2参照)で使用する測定物又は測定標準の寸法及び幾何特性と,測定不確かさの評価
(7.2.3参照)で使用する校正された測定物又は測定標準の寸法及び幾何特性との類似性。
注記1 測定不確かさに影響する繰返し条件としては,例えば,位置,姿勢などがある。
b) 測定不確かさの評価と実際の測定との測定手順の類似性。
注記2 測定不確かさに影響する繰返し条件は,例えば,取扱い,交換,固定,測定点の間の経過時
間,測定物又は測定標準の取付け及び取外しの手順,測定力,速度などである。
c) 測定不確かさの評価と実際の測定との環境条件(全ての変動を含む。)の類似性。
注記3 測定不確かさに影響する繰返し条件は,例えば,温度,温度の安定時間及び(使用する場合
は)温度の補正である。
表2に,類似性の要求事項を示す。
表2−測定すべき測定物又は測定標準と測定不確かさの評価で使用する校正された
測定物又は測定標準との類似性の要求事項
項目 要求事項
寸法特性 寸法 次の範囲で同一
− 250 mmを超える場合は10 %以下
− 250 mm以下の場合は25 mm以下
角度 ±5°の範囲で同一
形状誤差及び表面性状 機能特性に関して類似している
材料特性(例えば,熱膨張係数, 機能特性に関して類似している
弾性,硬さなど)
測定戦略 同一
プローブ構成 同一
注記 座標測定機によって測定する場合の,測定手順,測定点の数,測定点の配置などを測定戦略という。
表2の要求事項を満たした場合は,温度条件の類似性を保証したとみなす。校正された測定物を使った
測定不確かさの評価は,特に,校正されていない測定物の測定時の温度の範囲を含まなければならない。
測定する測定物又は標準の熱膨張係数のばらつきが大きい場合は,この不確かさの成分を考慮しなければ
ならない(7.3.3及び7.3.4参照)。
プローブのアプローチ距離の違いによって誤差が変化する座標測定機がある。例えば,小さな内部形体
(穴など)のように,プローブアプローチ距離が形体の大きさによって制限される場合がある。この場合
にも,プローブアプローチ距離が同一であることを確保する必要がある。
――――― [JIS B 7443-3 pdf 6] ―――――
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6 校正された測定物を使った不確かさ評価の原理
測定不確かさの評価は,実際の測定と同じ方法・条件で行う一連の測定で行う。唯一の違いは,測定す
る測定物の代わりに,一つ以上の校正された測定物(参照標準として使用する。)を測定することである。
測定によって得られた結果とこれらの校正された測定物の既知の校正値との差を測定不確かさを評価する
ために用いる。
測定不確かさは,次の不確かさの成分で構成する。
a) 測定手順による成分
b) 校正された測定物の校正による成分
c) 複数の測定する測定物間のばらつき(形状偏差,熱膨張係数及び表面性状の変化)による成分
環境条件の全ての変動の効果を,測定不確かさの評価を実施するために含むことが望ましい。
7 不確かさ評価の手順
7.1 測定機器
校正された測定物(参照標準として使用する。)を使った不確かさの評価には,次の機器を用いる。
a) 測定作業に使用するスタイラス
b) 少なくとも一つの校正された測定物
校正された測定物の測定特性は,測定作業の要求事項を達成するために,既知で十分に小さな不確かさ
で,校正されたものでなければならない。
測定作業に使用するスタイラスを交換した場合は,プローブのパラメータを再設定しなければならない。
校正された測定物の校正の不確かさは,実際の測定及び測定不確かさの評価で採用する測定戦略に関し
て有効でなければならない。すなわち,校正された測定物の測定対象量は測定不確かさの評価手順で評価
する測定対象量と同じでなければならない。
7.2 不確かさ評価の実行方法
7.2.1 一般事項
座標測定機の使用者は,技術的な要求事項に従って測定手順(すなわち,測定戦略)を自由に決めるこ
とができる。ただし,実際の測定の手順及び条件と不確かさ評価の手順及び条件とが同じでなければなら
ない。
7.2.2 実際の測定
実際の測定の1サイクルは,測定物の設置と測定物の1回以上の測定とからなる(図1参照)。
測定物の設置
測定サイクル
測定物の測定
図1−非置換測定の手順
測定する測定物の位置及び姿勢は,不確かさ評価の対象となる範囲内で自由である。
――――― [JIS B 7443-3 pdf 7] ―――――
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7.2.3 不確かさの評価
不確かさの評価は,次のとおりとする。
− 校正された測定物を,測定しようとする(実際の)測定物の代わりに測定する。校正された測定物及
び測定しようとする(実際の)測定物は,5.2で規定する類似性の要求事項を満足しなければならない。
− 測定物の特別な取付け及び取外しの手順は,不確かさ評価の中で実行しなければならない。
− 不確かさの評価のために十分なサンプル数を得るために,校正された測定物を少なくとも10回の測定
サイクルで,合計で20回以上測定しなければならない。例えば,測定サイクルにつきただ一つの校正
された測定物を測定する場合には,測定サイクルは20回が最小である。
− 不確かさ評価の間に,校正された測定物の位置及び姿勢は,実際の測定の手順によって可能な範囲で,
系統的に変えることができる。
− 7.2.2で規定する測定サイクルは,温度条件の類似性を確保するために実際の測定に含む全ての行為を
含まなければならない。例えば,不確かさ評価において全ての測定物を設置していなくても,あたか
も完全な測定を実行するかのように同じ位置を座標測定機は経由(ダミー測定)しなければならない。
7.3 不確かさの計算
7.3.1 一般事項
校正証明書又は測定報告書において,測定結果(y)及びその拡張不確かさ(U)はy±Uの形式で表現
しなければならない。ここでUは約95 %の包含確率に対して,包含係数k=2として求める。
測定を実行する場合には,表3に示す不確かさの成分を基本的に考慮し,次の標準不確かさによって計
算しなければならない。
ucal 校正証明書に記載された校正された測定物の校正による標準不確かさ
up 測定手順に付随する標準不確かさ
ub 校正された測定物を使って評価する測定手順の系統誤差に付随する標準不確かさ
uw 材料特性及び製造時のばらつきに付随する標準不確かさ(熱膨張係数,形状誤差,粗さ,弾性
及び塑性のばらつき)
測定するパラメータの測定の拡張不確かさ(U)は,これらの標準不確かさから,次のように計算する。
2cal 2p 2b 2w
U k u u u u
包含係数kは,約95 %の包含確率に対してはk=2を選ぶことが望ましい。表3に測定に関する不確か
さの成分を示す。
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表3−不確かさの成分及び不確かさ評価の考察の例
不確かさの成分 評価方法[GUM a)に従う] 記号
座標測定機の幾何誤差 タイプA評価 左の項目を総合した評価up
座標測定機の温度
座標測定機のドリフト
測定物の温度
プロービングシステムの系統誤差
座標測定機の繰返し誤差
座標測定機のスケールの分解能
座標測定機の温度勾配
プロービングシステムの偶然誤差
プローブ交換の不確かさ
測定手順によって誘導される誤差(固定,ハン
ドリングなど)
汚れによって誘導される誤差
測定戦略によって誘導される誤差
校正された測定物の校正の不確かさ タイプB評価 ucal
upに寄与する全ての成分と校正された測定物の タイプB評価 ub
評価との間の温度環境
測定物と校正された測定物との差 タイプA評価又はタイプB評価 uw
− 粗さ
− 形状
− 熱膨張係数
− 弾性
注記 この不確かさの成分のリストは例示であり,必ずしも全ての成分項目を示しているものではない。
注a) SO/IEC Guide 98-3 (TS Z 0033)
それぞれの標準不確かさは,7.3.27.3.4によって評価する。
7.3.2 校正された測定物の標準不確かさ(ucal)
標準不確かさ(ucal)は,校正証明書に記載の校正の拡張不確かさ(Ucal)及び包含係数(k)から計算す
る。
calUcal
u
k
校正の不確かさが,測定で使われるのと同じ測定対象量を表現することを確実にするために,ISO/IEC
Guide 98-3の3.3.2による。これによれない場合は,更に他の不確かさの成分を考慮に加えなければならな
い。
7.3.3 測定手順による不確かさ
7.3.3.1 測定手順の標準不確かさ(up)
標準不確かさupは,次の式によって計算する。
n
1 2
up yiy
n 1 i1
n
y : 測定結果の平均値で, y 1 iy
ここに,
n i1
n : 測定回数
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7.3.3.2 系統誤差(b)
ほとんどの場合に,座標測定機の指示値(yi)と校正された測定物の校正値(xcal)との間に次式の系統
誤差(b)が観測される。
b y xcal
GUMの推奨に従って,測定結果を系統誤差によって補正しなければならない。これができない場合に
は,次のように表現する。
Y y b U
校正証明書に系統誤差(b)を記載することは重要である。
7.3.3.3 系統誤差の標準不確かさ(ub)
系統誤差(b)は,校正された測定物を用いて20回以上の繰返し測定によって評価する。bに付随する
標準不確かさは,これらの測定の平均値の標準不確かさを含む。この平均の標準不確かさは,少なくとも
20回の測定という要求に対しては微小であり,結果として,この評価手順では無視できる。
しかしながら,bに付随する標準不確かさは,校正された測定物の熱膨張係数の不確かさの効果を含ん
でいる。この量は無視することはできず,温度補償機能のある座標測定機及び温度補償機能のない座標測
定機の両方に関して,含むことが望ましい。
この場合,不確かさ(ub)は,次式によって求める。
ub T 20 ℃ uαl
ここに, uα : 校正された測定物の熱膨張係数の標準不確かさ。これは,通
常は測定する測定物の熱膨張係数の標準不確かさと同じであ
る。校正された測定物の熱膨張係数が校正され,測定の評価
手順で使用する座標測定機が温度補償機能をもっている場合
には,式の中のuαの項は,校正された熱膨張係数に付随する
不確かさになる。
T : 測定不確かさの評価を行っている間の校正された測定物の平
均温度
l : 測定する寸法
注記1 ubの式は,uwtの式(7.3.4参照)と同じである。ubの式は,校正された測定物の熱膨張係数の
不確かさを説明している。uwtの式は,測定すべき(実際の)校正されていない測定物の熱膨
張係数のばらつきの不確かさを説明している。
注記2 不確かさ(ub)は,温度補償を使う座標測定機及び使わない座標測定機の両方で必要である。
前者の場合は,不確かさは,正しくない熱膨張の補正に付随した誤差を表す。後者の場合は,
不確かさは,校正された測定物の熱膨張係数と校正されていない測定物の熱膨張係数の分布
の中心との差を表す。
7.3.4 材料特性及び製造時のばらつきに付随する標準不確かさ(uw)
製造工程を変えることによる測定物の形状誤差及び粗さのばらつき,材料を変えることによる弾性のば
らつき,校正されていない測定物の表面性状などが測定不確かさに影響する。標準不確かさ(uwp)は,こ
れらの影響を含む。校正された測定物を使う場合は,不確かさの成分(uwp)は,部分的に考慮しているこ
とに注意する。複数の校正された測定物が使われ,全ての測定された測定物が,類似性の要求事項を満足
しているならば,この成分は重要ではなく,無視することができる。同様に,校正されていない測定物の
ばらつきが無視できる場合には,この成分は重要ではない。製造工程の不確かさの成分が無視できない場
合には,付加的な成分がuwpを考慮しなければならない。形状及び粗さのそれぞれの公差は,これらの成
分を評価するために使われる。
――――― [JIS B 7443-3 pdf 10] ―――――
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JIS B 7443-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15530-3:2011(IDT)
JIS B 7443-3:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
JIS B 7443-3:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7440-1:2003
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第1部:用語