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4.2 精度
精度の表現は,適用される計測諸量によって変わる。質量流量,密度及び体積流量の精度に
関する具体的な規定については,それぞれ6.2,7.3及び8.3を参照する。他の計測諸量については,9.を参
照する。
備考 製造業者の精度表現は,具体的な基準条件に対して与えられることが望ましい。使用条件が校
正条件と著しく異なるとメータの性能に影響する場合がある。
4.3 設置
4.3.1 一般 製造業者は,好ましい設置方法について取扱説明書などに記載し,使用上のすべての制限に
ついても記載するのが望ましい(附属書Cを参照)。
設置方法は,コリオリメータの運転寿命が最大になるように,また,計測性能が損なわれないように設
置する。損傷を引起し,計測に誤差を引起すような固体又は蒸気の除去のために,必要に応じて,ストレ
ーナ,フィルタ,空気分離器(蒸気分離器)又は他の保護装置を,メータの上流側に置くことが望ましい。
コリオリメータは,一般に流れの主流路中に置かれるが,密度計測に対しては,バイパスラインにも置
くことができる。
4.3.2 設置基準 次の事項を考慮する。
a) 現地校正が要求される場合には,外部の計量器とマスタメータとの接続を考慮し,コリオリメータの
設置には,十分なスペースを取る。
b) 配管接続等級及び種類,材質並びに使用される機器類の寸法
c) 危険場所の等級
d) コリオリメータへの気候及び環境の影響。例えば,温度,湿度,腐食大気,機械的衝撃,振動,電磁
場
e) 設置及び支持要件
4.3.3 全体の配管要件 計器の計測性能が損なわれないように,流量検出器は,振動管が計測される流体
で完全に充満されるように設置しなくてはならない。製造業者は,計器から気体をパージする,又は液体
を排出することが必要な場合には,その手段を規定する。
4.3.4 取付姿勢 詰まり,付着,ガスたまり,凝縮たまり又は固体の沈殿は,メータの性能に影響を与え
ることがある。コリオリメータの取付姿勢は,メータの用途と振動管の幾何学的形状とによるが,製造業
者によって推奨されることが望ましい。
4.3.5 流れの状態及び必要直管長 コリオリメータの性能は,上流又は下流の配管構成によって起きる旋
回流又は不均一な速度分布によって,通常は影響されない。特別な直管長は,普通必要ないが,良好な配
管施工法は,常に念頭におくことが望ましい。
4.3.6 バルブ コリオリメータの取外し及びゼロ調整のために,設置される上流又は下流のバルブは,ど
んな形のものでもよいが,確実に流れを閉止しなくてはならない。コリオリメータと直列に付く制御弁は,
メータの中をできるだけ高い圧力に保ち,キャビテーション又はフラッシングを起こさないように,下流
側に設置するのが望ましい。
4.3.7 洗浄 ある用途に対して,例えば,衛生用コリオリメータは,現地洗浄を必要とする場合があり,
次の方法によって達成できる。
a) 機械的手段(ピグの使用又は超音波)
b) 自己排液(セルフドレーン)
c) 流体的手段
− 殺菌[スチーム洗浄,SIP(sterilization in place)]
――――― [JIS B 7555 pdf 6] ―――――
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− 化学的又は生物学的洗浄[CIP(cleaning in place)]
備考1. 洗浄流体が使われた後,相互汚染を避けるよう注意を要する。
2. 流量検出器の接液材料は,プロセス流体及び洗浄流体に腐食されないものでなければならな
い。
4.3.8 液圧及び機械的振動 製造業者は,プロセスで考えられる影響又は他の外部から機械的に受ける振
動の影響を評価できるように,計器の作動周波数範囲を明確にすることが望ましい。メータの性能が作動
周波数以外の周波数によって影響されることもある。
これらの影響は,計器の適切な据付け又は締付けによって大きく左右されることがある。
機械的振動又は流体振動が大きい環境では,脈動減衰装置(4.4.7参照),振動遮断器及び/又は可ぎょ
う(撓)継手の使用を配慮することが望ましい。
4.3.9 フラッシング及び/又はキャビテーション 比較的高い流速の液体がコリオリメータに流れると
き,局所的な圧力損失が生じ,メータ内部にフラッシング及び/又はキャビテーションが引起されること
がある。
コリオリメータ(また,その直前,直後。)でのフラッシング及びキャビテーションは,常に避けなくて
はならない。フラッシング及びキャビテーションは,計測誤差を生じ,センサを損傷する原因となること
がある。
4.3.10 配管応力及びねじれ 流量検出器は,運転の間に軸方向の曲げ及びねじれ力を受けることがある。
これらの力の変化は,プロセス上の温度及び/又は圧力の変化に基づくもので,コリオリメータの性能に
影響を及ぼすことがある。外力がメータに生じないように取り付ける。
接続配管によって,コリオリメータ上に過度の応力が及ぼされないような手段をとることが望ましい。
4.3.11 センサ間相互干渉 2台以上のコリオリメータが一緒に近くに設置されると,機械的継手を経由し
て,影響が生じることがある。これは,相互干渉(クロス・トーク)によるものである。製造業者は,相
互干渉を防止する方法について顧客の相談に応じるのが望ましい。
4.4 プロセス条件及び流体特性による影響
4.4.1 一般 密度・粘度のような流体特性及び圧力・温度のようなプロセス条件の変化は,メータの性能
に影響することがある。これらの影響は,関連するパラメータによって異なる作用をする(6.3,7.5,8.4
及び9.5参照)。
4.4.2 用途及び流動特性 与えられた用途に対して最適なメータを選定するには,コリオリメータが受け
るプロセス条件の範囲を確定することが重要である。これらのプロセス条件は,次による。
a) 運転流量及び次の流動特性 : 一方向又は両方向。連続,間欠又は変動。
b) 運転密度の範囲
c) 運転温度の範囲
d) 運転圧力の範囲
e) フラッシング及び/又はキャビテーションが生じない液体圧力
f) 許容圧力損失
g) 運転粘度の範囲
h) 蒸気圧力,二相流及び腐食性を含む計測流体の特性
i) 腐食性添加物又は異物のメータへの影響,並びに液体の流れに入り込むことのある摩耗粒子などの異
物の量及び大きさ
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4.4.3 多相流 混合液,液体中に均一に固体の混ざった混合液又は低率の気体が均一に液体に混ざった混
合液は,問題なく計測できる場合が多い。不均一に混合物を含む多相流の用途では,計測誤差が大きくな
り使用できない場合もある。気泡又は凝縮物がメータにたまらないよう注意する。
4.4.4 プロセス流体の影響 振動管の内面における材料の壊食,腐食及び付着(ときには,皮膜に属する。)
は,当初は,計測誤差を生じ,長期的には,センサを破損することもある。
4.4.5 温度影響 温度の変化は,センサ材料の特性に影響を与え,さらにセンサの挙動に影響する。この
影響は,通常変換器で補正される。
4.4.6 圧力影響 静圧力の変化は,センサの精度に影響することがあるので,製造業者は,その程度を明
らかにすることが望ましい。この影響は,精密な計測及び特別な構造並びに特殊寸法のメータの場合を除
いて,通常,補正しない。
4.4.7 脈動流の影響 コリオリメータは,一般的に脈動流に使うことができる。しかし,脈動がメータの
性能に影響することがある(4.3.8参照)。その場合には,脈動減衰装置が使えるかどうかを製造業者に問
い合わせる。
4.4.8 粘度影響 高い粘度の流体は,特に流動開始時に駆動装置からエネルギーを吸収することがある。
また,メータの構造によっては,この現象は,流れが適切になるまで振動管に瞬間的な失速を引起こすこ
とがある。この現象に対して,通常,変換器から警報が出ることが望ましい。
4.5 圧力損失
圧力損失は,流体が流量検出器の中を流れることによって生じる。この損失の大きさは,
振動管の寸法及び幾何形状並びにプロセス流体の質量流量(速度)及び動粘度との関数である。製造業者
は,基準条件下で生じる圧力損失を明らかにし,運転時に発生する圧力損失を計算するために必要な情報
を提供することが望ましい。配管系の総圧力がメータによる圧力損失を補うだけ十分に高いことを確認す
る。
4.6 安全
4.6.1 一般 メータは,メータの仕様を超えた条件で使用しないほうがよい。メータは,要求される危険
場所等級にも適合するのが望ましい。
4.6.2 耐圧試験 組立の完成した流量検出器の接液部は,適切な規格に沿った耐圧試験を行う。
4.6.3 機械的応力 メータは,振動管から発生するあらゆる負荷,温度,圧力及び配管振動に耐えるよう
に設計するのが望ましい。使用者は,常にセンサの限界を把握して使用する。
4.6.4 壊食(Erosion) 固体微粒子を含む流体又はキャビテーションを生じている流体は,流動中にメ
ータ内部に壊食を起こすことがある。壊食の影響は,メータの大きさ,幾何形状,粒子サイズ及び摩耗性
並びに流速に依存するので,メータのそれぞれの使用形態によって注意する。
4.6.5 腐食(Corrosion) 接液材料に対する電食などの腐食は,センサの運転寿命に悪い影響を与えるこ
とがある。センサの構成材料は,プロセス流体及び洗浄流体に耐えるように選定しなくてはならない。流
れがない場合又は空の管では,腐食及び電食に特に注意が必要である。すべての接液部材料の仕様が明ら
かにされることが望ましい。
4.6.6 ハウジング設計 ハウジングは,流量検出器が運転を妨げられるような有害な影響(ごみ,結露及
び機械的干渉。)を周囲から受けないように,設計するのが望ましい。コリオリメータの振動管が破損する
と,振動管を覆うハウジングは,ハウジングを破損する可能性のあるプロセス流体と条件とにさらされる
ことになる。したがって,次の項目について配慮する。
a) ハウジング内の圧力が設計限界を超えるか否か。
b) 流体が有毒,腐食性又は揮発性であるか否か,ハウジングから漏れるか否か。
――――― [JIS B 7555 pdf 8] ―――――
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このような問題を避ける確かなハウジングを設計するには,
1) 第2の圧力容器
2) 破裂板又は圧力逃がし弁,流体排出口,排気口など
を用意する。第2の圧力容器に関する指針については附属書Bを参照する。
4.6.7 洗浄 一般指針については,4.3.7を参照する。
洗浄条件(流体,温度,流量など)は,コリオリメータの材料と適合するように選択するのが望ましい。
4.7 変換器
コリオリメータは,1台で広範囲な計測データを提供する複合計器である。最も適切な変換
器を選定するに当たって,次の事項について考慮する。
a) 電気,電子,気候及び安全適合性。
b) 据付け,例えば,一体形か分離形か。
c) 出力の数及び形式
d) プログラミングの容易さ及びセキュリティ。
e) 適切な安定性と妥当な応答時間とを有する出力。アナログ出力の場合には,最小及び最大スパン調整。
f) システムエラーを示す出力。
g) 必要なオプション入力,例えば,遠隔ゼロ調整,積算リセット及び警報。
h) ディジタル通信の種類
5. 検査及び規格適合性
コリオリメータは,配管系の一部分(インライン計装)であるので,計器が他
のインライン機器に適用されるのと同様な試験を受けるのが基本である。
計器の校正及び/又は性能の確認に加えて,機械的要件を満足するために,次の任意の試験を実施する。
a) 寸法の確認
b) 使用者によって指定された場合には,トレーサブルな手順に従った耐圧試験を追加する。
c) 内部欠陥,例えば含有物を検出するため,及び溶接の完全さを実証するための流量検出器のX線試験
及び/又は超音波試験
上記試験の結果は,要求されたときに,証明報告書に記述するのが望ましい。
上記報告書に加えて,次の証明書を最終検査で利用するのが望ましい。
1) すべての圧力容器部品の材料証明書
2) 適合証明書(電気的場所の等級など)
3) 校正証明書及び試験結果
6. 質量流量計測
6.1 機器
6.1.1 作動原理 コリオリメータは,回転している物体中の質点が図1のx方向に動くときに,常に慣性
力が発生するという原理で作動する。この原理を図1に示す。
ある固定点Pに対し,角速度ωで回転しているチューブTの中を,一定流速vをもった質量δmの質点
が滑って行くとする。質点は,二つの成分に分けることのできる一つの加速度を受ける。その二つの成分
は,x,yを回転座標系とすると,
a) ω2×rに等しく,xの方向に向いた加速度ar
b) rに直角で2ω×vに等しく,yの負の方向に向いた加速度at
である。
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y
x
Δx
ω
δm
P v
ΔFC
r
T
図 1 コリオリメータの作動原理
質点に加速度atが生じると,質点には次に定義されるコリオリの力と呼ばれるΔFCが作用する。
ΔFc=2ω×ν×δm (1)
図1に示すように,密度ρの流体が回転しているチューブに沿って一定の速度vで流れているとき,チ
ューブのどの長さΔxにおいても,大きさΔFC=2ω×v×ρ×A×Δxの横方向のコリオリ力を受ける。こ
こに,Aはチューブ内部の断面積である。質量流量qmは,次のように表される。
qm=ν×ρ×A (2)
したがって,横方向のコリオリ力ΔFcは,次のように表される。
ΔFc=2ω×qm×Δx (3)
これから,回転しているチューブ上で流動流体によって発生したコリオリ力を(直接又は間接に)測定
すると,質量流量が分かる。これがコリオリメータの作動原理である。
6.1.2 構成 コリオリメータは,振動管,駆動装置,検出装置,温度センサ及びハウジングからなる流量
検出器並びに変換器で構成され,流量検出器及び変換器は,一体の場合と信号ケーブルで接続される場合
とがある。その構成概念図を,図2に示す。
変換器
検出装置
温度センサ
流れ
振動管
ハウジング 駆動装置
図 2 コリオリメータの構成
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JIS B 7555:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10790:1999(MOD)
JIS B 7555:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.120 : 流量の測定 > 17.120.10 : 閉水路における流れ
JIS B 7555:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語