JIS B 7611-3:2015 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第3部:分銅及びおもり―取引又は証明用 | ページ 2

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図3−ノックをもつ分銅

6 構造

  分銅又はおもりの構造は,次による。
a) 分銅の表す量が150 gの分銅は,調整孔をもってもよい。ただし,110 gの分銅は,調整孔がない
ことが望ましい。
b) 分銅の表す量が100 g以上の分銅は,調整孔をもつことが望ましい。ただし,ステンレス鋼製の20
200 gの分銅については,任意とする。
c) おもりは,調整孔をもってもよい。
d) 分銅又はおもりの調整孔は,容易に質量を調整することができないように確実に塞がれていなければ
ならない。
e) 調整孔は,異物又は堆積物の蓄積を防止する構造で密閉,防水かつ気密であることが望ましい。さら
に,調整孔の容積は,分銅又はおもりの全容積の1/4を超えないことが望ましい。
f) 分銅又はおもりの調整孔は,初期調整後,その調整孔における全容積の約1/2の空きがあることが望
ましい。
g) 直方体の分銅は,調整孔を取っ手の内部に形成するか,又は分銅の直立部の側面か,上面のいずれか
にもつことが望ましい。
h) 分銅又はおもりの調整孔を塞ぐものの表面は,調整孔の周囲の面と一様であり,かつ,滑らかでなけ
ればならない。
i) 調整のために調整孔に詰める金属は,分銅の表す量又は“おもりの質量”の1/20以下でなければなら
ない。
j) 調整孔は一つでなければならない。ただし,修理された分銅又はおもりは調整孔を二つもってもよい。
k) 定量おもりがもつおもりの質量は,そのおもりの表す量と次の値との積でなければならない。
− おもりの表す量が500 g未満の場合,10/100
− おもりの表す量が500 g以上30 kg未満の場合,6/100
− おもりの表す量が30 kg以上の場合,5/100

7 材料

  分銅又はおもりの材料は,次による。
a) 通常の使用条件及び使用目的において,質量変化が検定公差に比べて無視できる品質のものでなけれ
ばならない。
b) 分銅の材料は,黄銅,ニッケル,洋銀,ステンレス鋼又は次の全ての性質を満たす金属でなければな
らない。ただし,1 g未満の分銅はアルミニウム又はアルミニウム合金,5 kg以上の分銅は鋳鉄又は軟
鋼であってもよい。また,ノックをもつ分銅のノックの材料は銅であってもよい。

――――― [JIS B 7611-3 pdf 6] ―――――

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なお,鋳鉄を用いる場合は,ねずみ鋳鉄が望ましい。
− ブリネル硬さが,48 HBW以上
− 耐腐食性が,黄銅と同等又はそれ以上
− 密度が,6 500 kg/m3以上,9 500 kg/m3以下
− 表面酸化等による質量変化が,温度20 ℃及び湿度60 %の空気中に20日間放置したときに100 gに
つき0.2 mg以下
c) おもりの材料は,黄銅,ニッケル,洋銀,ステンレス鋼,ダイカスト用亜鉛合金又はb) に示した四
つの全ての性質を満たす金属でなければならない。ただし,質量が200 g以上のおもりは鋳鉄又は軟
鋼であってもよい。
なお,鋳鉄を用いる場合は,ねずみ鋳鉄が望ましい。
d) 直方体分銅の取っ手は,継目無鋼管2) で製作するか,又は分銅の本体と一体となった鋳鉄でなければ
ならない。
注2) 継目無鋼管については,JIS G 3429,JIS G 3465などがある。

8 磁性

  分銅又はおもりの磁性は,次による。
a) 最大磁気分極μ0Mは,800 μTを超えないことが望ましい。
b) 磁気分極を求める方法は,JIS B 7609の附属書B(分銅の試験方法)による。

9 密度

  分銅又はおもりの密度は,次による。
a) 分銅又はおもりに用いる材料の密度 爰 空気の密度が規定の空気密度(1.2 kg/m3)から10 %偏って
も,検定公差の1/4を超える誤差を生じないものが望ましい。
b) 密度 爰 法は,JIS B 7609の附属書Bによる。

10 表面の状態

  分銅又はおもりの表面の状態は,次による。
a) 正常な使用条件下において,分銅又はおもりの表面の品質は,その表面の状態が原因である質量のい
かなる変化についても,検定公差に対して影響のないものでなければならない。
b) 分銅の基底部及び丸みなどの部分も含む表面は,滑らかでなければならない。
c) 分銅の表す量が1 g以上の円筒形の形状の分銅又はおもりの質量が1 g以上のそのおもりの表面は,滑
らかで,目視試験によって多孔性が認められない仕上げ3) のものでなければならない。
d) 形状が直方体の分銅の表面の仕上げは,良質の砂型で注意深く鋳造したねずみ鋳鉄の表面と同等でな
ければならない。
e) 鋳鉄など,さびが生じるおそれのある材料が用いられている分銅又はおもりは,めっきその他の表面
加工が施されており,かつ,その加工された表面の物質が容易に離しないものでなければならない。
注3) 多孔性が認められない仕上げの中には,梨地状の光沢のない状態に仕上げた“梨地仕上げ”
がある。この梨地仕上げについては,JIS G 0203などがある。

――――― [JIS B 7611-3 pdf 7] ―――――

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11 調整

  分銅又はおもりの調整は,次による。
a) 分銅の表す量が,1 g未満の板状の分銅は,切断,研磨及び研削で調整しなければならない。
b) 調整孔のない円筒形の形状の分銅は,研磨によって調整しなければならない。
c) 調整孔をもつ場合は,分銅若しくはおもりと同じ材料,又は鉛を加除して調整しなければならない。
ただし,取り除ける材料が残っていない場合は,研磨して調整してもよい。

12 表記

  分銅又はおもりの表記は,次による。
a) 分銅は,計量単位4) の種類に応じて,表2に規定した分銅の表す量が,上面又は側面に表記されなけ
ればならない。また,分銅の表面の品質及び分銅の質量の安定性が,分銅に表記をすることによって
影響を受けないように表記することが望ましい。
注4) 計量法によって定められた質量の計量単位は,キログラム,グラム,ミリグラム及びトン,
並びに特殊な計量に用いるカラット,当分の間法定計量単位とみなされるポンドなどがある。
表2−分銅の表す量
計量単位 分銅の表す量
ミリグラム 10 mg,20 mg,50 mg,100 mg,200 mg,500 mg
グラム 1 g,2 g,5 g,10 g,20 g,50 g,100 g,200 g,500 g
キログラム 1 kg,2 kg,5 kg,10 kg,20 kg
カラット 0.05 ct,0.1 ct,0.2 ct,0.5 ct,1 ct,2 ct,5 ct,10 ct,20 ct,50 ct,100 ct
オンス 0.001 oz,0.002 oz,0.005 oz,0.01 oz,0.02 oz,0.05 oz,0.1 oz,0.2 oz,
0.5 oz,1 oz,2 oz,4 oz,8 oz
ポンド 1 lb,2 lb,4 lb,5 lb,7 lb,10 lb,14 lb,20 lb,28 lb,50 lb,56 lb
グレーン 0.2 gr,0.5 gr,1 gr,2 gr,5 gr,10 gr,20 gr,50 gr,100 gr,200 gr,500
gr,1 000 gr,2 000 gr,4 000 gr
b) 分銅の表す量が1 g以上の円筒形の形状の分銅は,ノブの上面にくぼみ又は浮き彫りで分銅の表す量
を表記することが望ましい。
c) 分銅の表す量が1 kg以上の直方体の形状の分銅は,その分銅本体上にくぼみ又は浮き彫りで分銅の表
す量を表記することが望ましい。
d) 分銅は,製造業者のマークを次の位置にくぼみ又は浮き彫りで表記してもよい。
1) 直方体分銅の中央部
2) 円筒形分銅の上面
3) 取っ手付きの円筒形分銅については円筒上面
e) 定量おもりは,その見やすい箇所に,おもりの表す量及びその直近に“用”の文字を,表記しなけれ
ばならない。
f) 定量増おもりは,その見やすい箇所に,おもりの質量と掛量との比の分数,及び掛量を表記しなけれ
ばならない。また,おもりの質量と掛量との比の分数は,1/5,1/10,1/50,1/100,1/200及び1/500
のいずれかの値でなければならない。

――――― [JIS B 7611-3 pdf 8] ―――――

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13 検定

  構造検定及び器差検定の方法は,附属書JAによる。また,器差検定に使用する非自動はかり及び分銅
については,附属書JCによる。

14 使用中検査

  使用中検査及び器差検査の方法は,附属書JBによる。また,器差検査に使用する非自動はかり及び分
銅については,附属書JCによる。

15 対応関係

  この規格の箇条と特定計量器検定検査規則(以下,検則という。)項目との対応関係は,表3による。
表3−この規格の箇条と検則項目との対比表
この規格の箇条 検則の対応項目
12 表記 第三章第一節第一款第一目“表記事項”
7 材料 第三章第一節第一款第二目“材質”
第三章第一節第一款第三目“性能”
5 形状,6 構造,8 磁性,9 密度,10 表面の状態,
11 調整
4 検定公差 第三章第一節第二款“検定公差”
JA.1 構造検定の方法 第三章第一節第三款第一目“構造検定の方法”
JA.2 器差検定の方法 第三章第一節第三款第二目“器差検定の方法”
JB.1 性能に係る技術上の基準 第三章第二節第一款“性能に係る技術上の基準”
JB.2 使用公差 第三章第二節第二款“使用公差”
JB.3 性能に関する検査の方法 第三章第二節第三款第一目“性能に関する検査の
方法”
JB.4 器差検査の方法 第三章第二節第三款第二目“器差検査の方法”

――――― [JIS B 7611-3 pdf 9] ―――――

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附属書JA
(規定)
構造検定及び器差検定の方法
JA.1 構造検定の方法
構造検定の方法は,目視その他の必要と認められる適切な方法による。
注記 特定計量器の検定の合格条件としては,構造及び器差の要件がある。その構造要件を確認する
方法として,構造検定の方法が規定されている。構造検定の方法は,特定計量器ごとに定める
以外は,目視その他の必要と認められる適切な方法という規定であり,この規格の適用範囲で
ある分銅及びおもりにおける構造検定の方法については,別途の規定は定められていない(検
則第17条第1項参照)。
JA.2 器差検定の方法
JA.2.1 一般
器差検定に使用する標準器(以下,標準器という。)は,次による。
a) 非自動はかり 非自動はかりは,いずれか一つとする。
− 計量法第103条の規定によって基準器検査に合格し,かつ,有効期間内にある基準手動天びん又は
基準直示天びんであって,器差検定を受ける分銅又はおもりの検定公差以下の質量を感じるもの
− 計量法第103条の規定によって基準器検査に合格し,かつ,有効期間内にある基準台手動はかりで
あって,器差検定を受ける分銅又はおもりの検定公差の1/5以下の質量を感じるもの
− JC.1に規定する非自動はかりであって,基準手動天びん,基準台手動はかり又は基準直示天びんを
除いたもの
b) 基準分銅 計量法第103条の規定によって基準器検査に合格し,かつ,有効期間内にある基準分銅で
あって,基準分銅の器差が器差検定を受ける分銅又はおもりの検定公差の1/3を超えない基準分銅。
ただし,JC.2に規定する方法に適合し,器差が器差検定を受ける分銅又はおもりの検定公差の1/3を
超えない実用基準分銅を使用することができる。
JA.2.2 器差の算出及び器差の比較
検定に用いる非自動はかりの種類によって,次のいずれかの方法による。
a) 手動天びん以外の非自動はかりは,標準器と受験器(検定を受ける分銅又は検定を受けるおもり)と
の比較から受験器の真実の量を求める。
さらに,次の式によって器差を算出し,検定公差と比較する。
E I Q
ここに, E : 器差
I : 検定を受ける分銅の表す量又は検定を受けるおもりの質量
Q : 検定を受ける分銅又はおもりの真実の量
b) 手動天びんは,次の式が成立したときは,検定を受ける分銅又はおもりの器差が検定公差の基準を満
たす。
ns+(nsnΔ)≧n≧ns−(nsnΔ)

――――― [JIS B 7611-3 pdf 10] ―――――

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JIS B 7611-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • OIML R 111-1:2004(MOD)

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