JIS B 7721:2018 引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法 | ページ 2

4
B 7721 : 2018 (ISO 7500-1 : 2015)
しようとする等級と同等又はより優れたものでなければならない。おもりを使用する場合,おもりによっ
て生じる力の相対誤差は,0.1 %以内でなければならない。
質量m(kg)のおもりによって生じる力の参照値F(N)は,式(1)によって求める。
ρair
F mg 1 (1)
ρm
この力は,近似式(2)に置き換えて求めることができる。
F=mg (2)
力の相対誤差は,質量とその場所の重力加速度との相対誤差から,式(3)によって求めることができる。
ΔF Δm Δg

(pdf 一覧ページ番号 )

                          F    m     g

6.2 分解能の決定

6.2.1  アナログ表示
目盛線の太さは均一で,指針の幅は,目盛線の幅とほぼ同じでなければならない。
指示計の分解能rは,指針の幅と,二つの隣接する目盛線の中心間の距離(目幅)との比に,目幅が示
す力を乗じて求めるものとする。推奨する比は,1/2,1/5又は1/10であり,1目盛の1/10を決定するため
には,目幅が2.5 mm以上であることが必要となる。
6.2.2 デジタル表示
分解能は,指示計上の最下位の数字の1増分であるとみなす。
6.2.3 読みの変動
読みの変動が,分解能に対して6.2.1又は6.2.2で計算した値より大きい場合,この分解能rは,変動範
囲の半分に1増分を加えたものとする。ただし,読みの変動は,力計が無負荷で,かつ,あらゆる電気ノ
イズの合計を決定するためにモータ及び/又は駆動機構,並びに制御機構が作動した状態で評価する。
注記1 この細分箇条は,システムノイズによる分解能について規定したもので,例えば油圧式試験
機のような制御誤差を説明するものではない。
注記2 自動レンジ設定装置の場合,システムの分解能又はゲインの変化によって,指示計の分解能
も変化する。
6.2.4 単位
分解能rは,力の単位で表記する。

6.3 力指示計の相対分解能の事前決定

  力指示計の相対分解能aは,式(4)によって求める。
a 100 (4)
i
ここに, r : 6.2で規定した分解能(N)
Fi : 試験機の力指示計の読み(N)
この相対分解能は,個々の力について決定する。相対分解能は,試験機を分類しようとする等級に対し
て,表2に規定した値を超えてはならない。

6.4 校正方法

6.4.1  力計の調芯
引張力計は,曲げの影響が最小となるように取り付ける(JIS B 7728参照)。圧縮力計の調芯の場合,試
験機に内蔵球座がなければ,球座付きの耐圧盤を取り付ける。

――――― [JIS B 7721 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
B 7721 : 2018 (ISO 7500-1 : 2015)
圧縮耐圧盤を使用しない試験機の圧縮力及び引張力の校正を行う場合,力計は植込みボルト(スタッド
ボルト)などを用いて取り付けてよい。この場合,力計は類似の状態,すなわち植込みボルトなどを取り
付けた状態で校正されていなければならず,また試験機の校正中には各測定シリーズの前に力計の位置を
120°ずつ回転しなければならない。
試験機が,例えば,上部作業エリアで圧縮試験及び下部作業エリアで引張試験,又は上部作業エリアで
引張試験及び下部作業エリアで圧縮試験ができるように二つの作業エリアをもっていて,力の作用及び力
指示計(力計測系)が共通の場合2)には,どちらか一方の校正を行えばよい。証明書には適切なコメント 3)
を記載することが望ましい。
注2) 力の作用及び力指示計(力計測系)が共通の場合とは,圧縮試験でも引張試験でも力計測系の
主要構成部(ラムシリンダシステム,てこなど)に加わる力の作用方向及び力の伝達方法が同
じで,かつ,力指示計での指示が共通となるような,油圧式,てこ式などの試験機のことであ
る。これらの試験機では,試験部材に加わる力が圧縮力方向又は引張力方向と異なっても,力
計測系の指示は原理的に同じになる。ロードセル式の試験機では,引張用と圧縮用との2台の
ロードセルを使用し二つの作業エリアをもつ場合には力計測系が共通でなく,引張・圧縮両用
のロードセルを使用する場合にはロードセルに加わる力の作用方向が異なるため,力の作用及
び力指示計(力計測系)が共通の場合に該当しない。
3) 適切なコメントとは,校正した力の方向,及びどちらか一方の力の方向で校正した結果が,も
う一方の力の方向でも使用できる旨を明記することをいう。
6.4.2 温度補正
校正は,10 ℃35 ℃の周囲温度で実施する。校正時の温度は,校正報告書及び/又は検証報告書に記
載する。
力計の温度が安定する時間を十分にとり,その温度変動は,各測定シリーズの開始から終了までの間に
2 ℃を超えてはならない。必要な場合は,読み値に温度補正する(JIS B 7728参照)。
6.4.3 試験機と力計の予備負荷
校正手順の直前に,力計を試験機に設置して,ゼロと測定する最大の力との間で,少なくとも3回の予
備負荷を実施する。
6.4.4 手順
校正は,次のいずれかの手順,又は組み合わせた手順で実施する。
a) 試験機の力指示計が指示する公称力Fiを加え,力計が指示する力の参照値Fを記録する。
b) 力計が指示する公称力の参照値Fを試験機に加え,試験機の力指示計が指示する力Fiを記録する。
ここで,公称とは,各回の測定の間で正確に同一の力を加える必要がないことを意味する。しかし,ほ
ぼ同一の力であることが望ましい。
6.4.5 試験力の負荷
3回の測定シリーズは,力を増加させて実施する。異なる5点以上の試験力が与えられない試験機にお
いては,それぞれの力についての相対誤差が,分類しようとする等級に応じて表2に示す値を超えてはな
らない。5点以上の力が与えられる場合は,校正しようとする測定レンジ上限値の20 %100 %の間で,
ほぼ等間隔の少なくとも5点で測定する。
測定レンジ上限値の20 %未満の範囲で校正を行う場合は,20 %以上の測定点に加えて補足的な測定点で
も校正を行う。測定レンジ上限値の20 %未満では1桁ごとに5点以上の測定点を次のように選定する。隣
接する測定点の比は2を超えてはならない。例えば,測定レンジ上限値のおおよそ10 %,7 %,4 %,2 %,

――――― [JIS B 7721 pdf 7] ―――――

6
B 7721 : 2018 (ISO 7500-1 : 2015)
1 %,0.7 %,0.4 %,0.2 %,0.1 %のように校正レンジの下限値に至るまでの測定点を選んで,下限値を含
む測定点で実施する。校正レンジの最小桁については,不完全な桁である場合もあり,必ずしも5点の測
定点で実施しなくてもよい。
校正レンジの下限値は,分解能rに次の値を乗じた値を下回ってはならない。
− 0.5級については400
− 1級については200
− 2級については100
− 3級については67
自動レンジ切替式指示計付きの試験機では,分解能が変わらない測定レンジで,少なくとも2か所の測
定点で校正する。
それぞれの測定シリーズの前に,力計の位置を120°ずつ回転して変更してもよい。変更した場合には,
1回の予備負荷を測定シリーズの前に実施する。
個々の測定点について,その試験機の力計測系の相対指示誤差及び相対繰り返し誤差を求める(6.5参照)。
各回の測定シリーズの前にゼロを調整する。ゼロの読みは,力を完全に除いてから約30秒後に読み取る。
アナログ指示計の場合には,指針がゼロ近くで自由に平衡し,デジタル指示計の場合には,ゼロ以下の値
が,例えば負号表示によって,明確に表示することを確認する。
各回の測定シリーズの相対ゼロ誤差は,式(5)によって求める。
0i
f0 100 (5)
N
6.4.6 附属品の検証
附属品(置針,記録計など)の正しい作動状態及び摩擦による抵抗を,次のいずれかの方法で,試験機
を附属品付きで使用する場合と附属品なしで使用する場合とに区分し,検証しなければならない。
a) 試験機を附属品付きで通常使用する場合には,使用する各測定レンジに対して,附属品を接続した状
態で試験力を増加させて測定シリーズを3回実施し(6.4.5参照),補足的に,使用する最小のレンジ
に対して附属品なしで測定シリーズを1回実施する。
b) 試験機を附属品なしで通常使用する場合には,使用する各測定レンジに対して,附属品を接続しない
状態で試験力を増加させて測定シリーズを3回実施し(6.4.5参照),補足的に,使用する最小のレン
ジに対して附属品を接続して測定シリーズを1回実施する。
いずれの場合も,相対指示誤差qは3回の通常測定シリーズから計算し,相対繰り返し誤差bは4回の
測定シリーズから計算する(6.5.1及び6.5.2参照)。b及びqで得られた値は,分類しようとする等級に応
じて表2に示す値に適合するものとし,校正手順によって,式(6)又は式(7)も満足しなければならない。
− 一定の力の指示値による校正
Fi Fc
100 ≦ 1.5qal

(pdf 一覧ページ番号 )

                                Fc
− 一定の力の参照値による校正
Fic F
100 ≦1.5qal (7)
F
式(6)及び式(7)のqalの値は,分類しようとする等級に応じて表2に示す相対指示誤差の最大値とする。
6.4.7 ピストン位置の違いによる影響の検証
油圧ジャッキ方式によって試験力を確保する油圧式試験機については,ピストンの位置の違いによる影

――――― [JIS B 7721 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
B 7721 : 2018 (ISO 7500-1 : 2015)
響を,3回の測定シリーズにおいて,最小測定レンジについて評価する(6.4.5参照)。各回の測定シリーズ
は,ピストンの位置を変えて行わなければならない。
ダブルピストン式油圧式試験機の場合は,両方のピストンについて行う。
6.4.8 相対往復誤差の決定
相対往復誤差νの決定は,依頼者から要求を受けた場合にだけ行う。これは同一の測定点で,最初に力
を増加させながら,次に力を減少させながら校正を行い,決定する。この場合,使用する力計は,JIS B 7728
に基づいた校正方法によって減少方向の力でも校正したものでなければならない。相対往復誤差は,減少
させながら行う1回の測定シリーズによって決定する。
力の増加及び減少で得られた値の差から,一定の力の指示値による場合には,相対往復誤差(図1参照)
は,式(8)によって求める。一定の力の参照値による特別な場合には,相対往復誤差は,式(9)によって求め
る。
F F'
v 100 (8)
F
Fi' Fi
v 100 (9)
F
この決定は,試験機の最小レンジ及び最大レンジについて行う。
Y
Fi′
Fi
F′ F X
X 力の参照値
Y 試験機の力指示計の読み
図1−相対往復誤差決定の概念

6.5 力指示計の評価

6.5.1  相対指示誤差
個々の測定点について,3回の測定シリーズによって相対指示誤差を式(10)式(13)によって求める。
Fi1 F1
q1 (10)
F1
Fi2 F2
q2 (11)
F2
Fi3 F3
q3 (12)
F3

――――― [JIS B 7721 pdf 9] ―――――

8
B 7721 : 2018 (ISO 7500-1 : 2015)
q1 q2 q3
q (13)
3
ここで,添字1,2及び3は,個々の測定点における読み及び計算値が,何番目の測定シリーズに対応し
ているかを示す。
6.5.2 相対繰り返し誤差
相対繰り返し誤差bは,個々の測定点でのqmaxとqminとの差であり,式(14)によって求める。
b=qmax−qmin (14)
ここに, qmax : q1,q2及びq3の最大値
qmin : q1,q2及びq3の最小値
6.5.3 2台の力計間の一致性
一つの測定レンジを校正するために2台の力計が必要な場合には,両力計に同一の公称試験力を加える
(6.1参照)。それぞれの力計で得られた相対指示誤差の差は,分類しようとする等級に応じて表2に示す
相対繰り返し誤差を超えてはならない。すなわち,
|qT1−qT2|≦bal (15)
ここに, qT1 : 力計1による測定で得られた相対指示誤差
qT2 : 力計2による測定で得られた相対指示誤差
bal : 表2に示す相対繰り返し誤差の上限値
代替的な方法として,それぞれの力計による測定値の不確かさを評価し,その不確かさを,それぞれの
力計による測定で得られた相対指示誤差の差と比較し,式(16)を満足することを確認することでも可能で
ある。
2 2
qT1 qT2 ≦ UT1 UT 2 (16)
ここに, UT1 : 同一の測定点で力計1によって行った測定の拡張不確かさ(測
定値に対する百分率で表示)
UT2 : 同一の測定点で力計2によって行った測定の拡張不確かさ(測
定値に対する百分率で表示)

7 試験機の等級

  適切な等級によって試験機を特徴付けるための,力計測系の種々の相対誤差及び力指示計の相対分解能
の上限値を表2に示す。
該当する場合,一台の試験機の全てのレンジの等級は,附属品の検証(6.4.6参照),ピストン位置の違
いによる影響の検証(6.4.7参照)又は相対往復誤差によって決まる等級によっても制限される。
試験機の力指示計の各測定レンジの等級は,測定レンジ上限値の少なくとも20 %100 %の測定範囲で
全ての検証を満足する場合にだけ,付与することができる。
表2−力計測系の特性値
単位 %
試験機の 相対指示誤差 相対繰り返し誤差 相対往復誤差a) 相対ゼロ誤差 相対分解能
等級 q b f0 a
0.5 ±0.5 0.5 ±0.75 ±0.05 0.25
1 ±1.0 1.0 ±1.5 ±0.1 0.5
2 ±2.0 2.0 ±3.0 ±0.2 1.0
3 ±3.0 3.0 ±4.5 ±0.3 1.5
注a) 相対往復誤差の決定は,依頼者からの要求がある場合にだけ行う(6.4.8参照)。

――――― [JIS B 7721 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 7721:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7500-1:2015(IDT)

JIS B 7721:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7721:2018の関連規格と引用規格一覧