JIS B 7981:2002 排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器 | ページ 4

14
B 7981 : 2002
整ガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値,スパン値の各々の平
均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
b) ゼロドリフト ゼロ調整用ガスを設定流量で導入し,24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指
示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率をゼロドリフトとする。
なお,記録計などのゼロ点を最大目盛値の5 %程度に設定して試験を行ってもよい。
c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間
後)及び中間に2回以上ゼロ調整用ガスに代えてスパン調整用ガスを導入し,指示記録する(2)。この
間におけるスパン指示値(3)の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を,スパン
ドリフトとする(4)。
注(2) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。
(3) ゼロ指示値の変動がある場合は,その変動を補正する。
(4) 大気圧の影響がみられるときは,その変動を補正する。
P0
スパンガス測定値 −初期指示値
P
スパンドリフト= 100
最大目盛値
ここに,P0 : 試験開始時の大気圧
P : 開始時と最大の気圧差を示す試験時の大気圧
なお,ゼロドリフトの影響がみられるときは,
P0
(スパンガス測定値−ゼロガス測定値) −初期指示値
スパンドリフト= P 100
最大目盛値
d) 指示誤差 標準ガスでゼロ校正,スパン校正を行った後,中間目盛りの濃度の標準ガスを導入し,指
示記録する。この指示値と標準ガス濃度指示値の差の最大目盛値に対する百分率を求める。
e) 応答時間 設定流量でゼロ調整用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン調整用ガスに切り換える。
このときの指示記録において,スパン調整用ガスを導入の時点から最終指示値の90 %に達するまで
の時間を応答時間とする。
f) 干渉成分の影響 標準ガスでゼロ校正,スパン校正を行った後,附属書4表1のガス(二酸化炭素,二
酸化窒素及びトルエン)を導入し,そのときの指示値を読み,次の式によって干渉成分の影響を調べる。
a= b 100
c
ここに,a : 干渉成分の影響(%)
b : ガス(二酸化炭素,二酸化窒素及びトルエン)の指示値(volppm)
c : 最大目盛値(volppm)
g) 試料ガスの流量の変化に対する安定性 設定流量のスパン調整用ガスを導入し,指示が安定したとき
の値をAとし,次に流量を設定値から+5 %変化させ,指示が安定したときの値をBとする。次に,
流量を設定値から−5 %変化させ,指示が安定したときの値をCとする。
B−A,C−Aのレンジの最大目盛値に対する百分率を求める。
h) 電圧変動に対する安定性 スパン調整用ガスを導入し,指示が安定していることを確認し,その値を
Aとする。次に,電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に変化させ,安定後の指示値をBとする。次に

――――― [JIS B 7981 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
B 7981 : 2002
定格電圧の−10 %の電圧に変化させ,安定後の指示値をCとする。B−A,C−Aのレンジの最大目盛
値に対する百分率を求める。
i) 耐電圧 計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流1 000 Vを1
分間加えて,異常の有無を調べる。
j) 絶縁抵抗 計測器の電気回路を閉の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1302に
規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。
3. 計測システムの性能試験 計測システムの性能試験は,次による。
なお,計測システムの補足性能について附属書7に示した。
3.1 試験条件 試験条件は,次による。
a) 設置された現場の周囲条件,測定レンジによる。ただし取扱説明書に記載された計測システムの許容
周囲条件であることを確認する。
b) 試験に用いるガス
スパンガス 〔附属書4表1〕
ゼロガス 〔附属書4表1〕
干渉影響試験用ガス 施設のガス組成に対応したガスで,通常の燃焼施設では,二酸化炭素,一
酸化炭素,一酸化窒素,二酸化窒素などが想定される。
3.2 試験方法 試験方法は,次による。
試験に先立ち,分析計にゼロガス,スパンガスを順次導入し,ゼロ,スパン校正を行う。
次に,計測システムの校正用ガス導入口からゼロガス,スパンガスを順次導入し,試料及び大気の漏れ,
混入がないことを確認したうえで,ゼロ,スパン校正を行う。
a) 最小検出感度 ゼロガスを設定流量で導入し,指示記録する。比較的短時間の間隔で30点以上の指示
値を読み取り,次の式によって最小検出感度(x)を調べる。
x0+2sx0
x= 100
c
ここに, 0x : ゼロガスによる指示(ブランク)値の平均値(volppm)
xs : ゼロガスによる指示(ブランク)値の標準偏差(volppm)
0
c : 最大目盛値(volppm)
b) 計測システム応答時間 計測システムの校正用ガス導入口から,最大目盛値の5090 %の濃度の二
酸化硫黄を含むガスを注入する。注入後,指示値が最終指示値の90 %に達するまでの平均時間を求
める。試料導入管の長さなどの関係で附属書3表1の規定値を満たさない場合は,その内容を附属書
4の3.3の試験報告書に記述する。
c) 施設ガスに対応した干渉成分の影響 試料採取部の出口から個々の干渉影響試験用ガスを導入して,
指示記録する。
干渉成分の影響Sは,次の式で計算する。
S= 1 nxsi ρmi100
ρFS i1ρsi
: 個々の干渉試験ガスの測定値(mg/m3)
ここに,xsi
siρ : 干渉影響試験ガスの濃度(mg/m3)
: 測定ガス中の干渉成分の濃度(mg/m3)
ρmi

――――― [JIS B 7981 pdf 17] ―――――

16
B 7981 : 2002
: 測定レンジ(mg/m3)
ρFS
n : 干渉試験ガスの数
d) 総合性能 総合性能は,計測システムとJIS K 0103で規定された化学分析法又はJIS B 7981に適合す
ることが確認された異なる原理の計測システムとの比較測定によって求める。
煙突に約30 cm離して2個の試料採取部を取り付け,それぞれからの試料を試験計測システム及び
化学分析法又は比較計測システムに導入して測定する。
30分間の測定値を平均したものを1測定として,30測定以上を取得し,次の式によって,総合性能
(SA)を求める。
2 2
SA= SD −SM
SDは,次の式による。
2
n n
S= 1 2
zi 1 zi
D
n 1 i1 n i1
ここに,SA : 総合性能試験計測システムの標準偏差(mg/m3)
SM : 比較計測システム(又は化学成分法)の標準偏差(mg/m3)
SD : 両計測システムの測定値の差の標準偏差(mg/m3)
zi : 比較計測システム(又は化学成分法)の測定値(xi)と試験計測シ
ステムの測定値(yi)との差。
zi=xi−yi (mg/m3)
xi : 比較計測システム(又は化学成分法)の測定値(mg/m3)
yi : 試験計測システムの測定値(mg/m3)
n : 測定回数
比較計測システムと試験計測システムとの測定値の間の系統的な誤差の有無を検証するために
n
z= 1 xiyi
n i1
SD
を計算し,zが95 %信頼限界を外れる場合,又は, z 2 の場合は,無視できない系統的な誤
n
差が存在する。
系統的な誤差が測定レンジの2 %を超える場合,原因を調査し,対策する必要がある。
3.3 試験報告書 作成する計測システムの試験報告書は,次の項目を含むものとする。
a) この規格に関する内容
b) 試料に関するすべての内容確認
c) 実施した試験の内容,地域及び条件の詳細
d) 使用した校正用ガスの品質及び濃度の詳細
e) 性能試験結果と結果が性能値(附属書3表1)を満たしているか否かの記述
f) 試験を実施した日時

――――― [JIS B 7981 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
B 7981 : 2002
附属書5(参考) 炎光光度検出分析計
この附属書は,炎光光度検出分析計に関する事柄を説明するもので,規定の一部ではない。
1. 測定原理 還元性の水素炎に導入された二酸化硫黄が,炎中で還元される際に発する光のうち,394 nm
付近の発光強度を測定し,排ガス中の二酸化硫黄濃度を連続的に求める。この方式では炎中に導入される
二酸化硫黄が,56 最一椀湎 下となるよう試料ガスを清浄空気で希釈しなければならない。
備考 この方式では,二酸化硫黄と発光スペクトルが重なるガス,例えば,硫化水素,二硫化炭素な
ど及び消光作用のあるガス,例えば,炭化水素,二酸化炭素などの影響を無視できる場合又は
影響を除去できる場合に適用する。
2. 性能 測定範囲は025 volppmから03 000 volppmの間で適切なものを選ぶ。
主な計測器性能は,次による。
a) 繰返し性 最大目盛値の±2 %以内。
b) ドリフト 24時間におけるゼロ及びスパンドリフトは,最大目盛値の±2 %以内。
c) 応答時間 計測器本体の90 %応答時間は,4分間以下。
3. 構成 分析計は,附属書5図1のように,発光室,測光部,増幅器などからなる。
附属書5図1 炎光光度検出方式計測器の構成例

――――― [JIS B 7981 pdf 19] ―――――

18
B 7981 : 2002
附属書6(参考) 測定対象施設及び測定範囲
この附属書は,ISO 7935に示されている測定対象施設と測定範囲(以下,レンジという。)を記述するも
のであり,規定の一部ではない。
測定対象施設及びレンジを附属書6表1に示す。
なお,volppm表示の数値を参考までに右欄に示す。
附属書6表1 測定対象施設及びレンジ
測定対象施設(Facility) レンジ
g/m3 of SO21) volppm
無煙炭炉(Furnaces for hard coal) 0-10-8 0-3500-2 800
0-0.1
排煙脱硫装置付き無煙炭炉(Furnaces for hard coal with stack gas 0-35
desulfuration plant)
褐炭炉(Furnaces for brown coal) 0-0.10-3.0 0-350-1 050
重油炉(Furnaces for heavy fuel oil) 0-0.10-5.0 0-350-1 750
廃棄物焼却炉(Refuse incinerator) 0-0.40-1.0 0-1400-350
コークス炉(Coke oven) 0-1 0-350
石炭焼成炉(Calcar with heavy fuel oil) 0-5 0-1 750
硫酸回収プラント(Sulfuric acid recovery plant) 0-1 0-350
1) 101.32 kPa,273.15 K,乾燥ガスにおいて
なお,日本における硫黄酸化物の排出規制はK値規制であり,地域の区分ごとに排出口の高さに応じて
定められている。
q=K×10−3He2
q : 硫黄酸化物の量(Nm3/h)
K : 政令で定める地域ごとに規定された値(m/h)
He : 排出ガス量,温度などで補正した排出口の高さ(m)
総量規制の場合には,硫黄酸化物の濃度及び排出ガス量から硫黄酸化物の量を算出するものである。

――――― [JIS B 7981 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS B 7981:2002の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7935:1992(MOD)

JIS B 7981:2002の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7981:2002の関連規格と引用規格一覧