JIS B 8203:2005 鋳鉄ボイラ―構造

JIS B 8203:2005 規格概要

この規格 B8203は、暖房,給湯などの熱源として使用する鋳鉄製の蒸気ボイラ及び温水ボイラ並びにそれらの附属設備の構造について規定。

JISB8203 規格全文情報

規格番号
JIS B8203 
規格名称
鋳鉄ボイラ―構造
規格名称英語訳
Cast iron boilers -- Construction
制定年月日
1950年11月23日
最新改正日
2015年10月26日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

27.060.30
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
圧力容器・ボイラ 2021
改訂:履歴
1950-11-23 制定日, 1953-11-07 改正日, 1956-10-27 改正日, 1959-10-27 確認日, 1960-01-01 改正日, 1963-01-01 確認日, 1965-04-01 改正日, 1968-03-01 確認日, 1971-03-01 確認日, 1974-03-01 確認日, 1974-12-01 改正日, 1978-05-01 改正日, 1986-10-15 確認日, 1992-09-15 確認日, 1995-07-15 改正日, 2005-03-25 改正日, 2010-05-25 確認日, 2015-10-26 確認
ページ
JIS B 8203:2005 PDF [8]
                                                                                   B 8203 : 2005

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ボイ
ラ協会(JBA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)であ
る。
これによって,JIS B 8203:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案件,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本
工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案件,又は出願
公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS B 8203 pdf 1] ―――――

B 8203 : 2005

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 材料・・・・[2]
  •  5. 構造・・・・[2]
  •  5.1 構造の制限・・・・[2]
  •  5.2 厚さの制限・・・・[2]
  •  5.3 検査穴・・・・[2]
  •  5.4 安全低水位・・・・[2]
  •  6. 附属装置・・・・[2]
  •  6.1 安全装置・・・・[2]
  •  6.2 水面測定装置,圧力計及び温度計・・・・[3]
  •  6.3 止め弁,ブロー弁又はブローコック・・・・[4]
  •  6.4 蒸気管・温水管・補給水管その他・・・・[4]
  •  7. 水圧試験・・・・[5]
  •  8. 破壊試験・・・・[5]
  •  8.1 破壊試験の方法・・・・[6]
  •  8.2 最高使用圧力の算定・・・・[6]
  •  8.3 破壊試験の省略・・・・[6]
  •  9. 表示・・・・[6]

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS B 8203 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 8203 : 2005

鋳鉄ボイラ − 構造

Cast iron boilers-Construction

1. 適用範囲

 この規格は,暖房,給湯などの熱源として使用する鋳鉄製の蒸気ボイラ及び温水ボイラ(以
下,ボイラという。)並びにそれらの附属設備の構造について規定する。
なお,圧力及び温度の制限並びに適用除外は,次による。
a) 圧力及び温度の制限
1) 蒸気ボイラで,最高使用圧力0.1 MPa以下のもの。
2) 温水ボイラで,最高使用圧力0.5 MPa以下,温水の温度が120 ℃以下のもの。
3) 温水ボイラで8.による破壊試験を実施し,これに適合する場合には,最高使用圧力が1 MPa以下の
もの。
b) 適用除外 次のいずれかに該当するものには,この規格を適用しない。
1) 伝熱面積0.5 m2以下の蒸気ボイラ。
2) 伝熱面積2 m2以下の蒸気ボイラで,次の2.1)又は2.2)に示すもの。
2.1) 大気に開放した蒸気管(内径25 mm以上)をもっているもの。
2.2) ボイラの蒸気部に取り付けた圧力0.05 MPa以下のU形の立て管(内径25 mm以上)をもってい
るもの。
3) ボイラの最高使用圧力0.1 MPa以下の温水ボイラで,伝熱面積4 m2以下のもの。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 2001 バルブの呼び径及び口径
JIS B 7505 ブルドン管圧力計
JIS B 8210 蒸気用及びガス用ばね安全弁
JIS B 8211 ボイラ−水面計ガラス
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS Z 2201 金属材料引張試験片

3. 定義

 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。
a) 圧力 大気圧以上の圧力。一般に圧力計に示される圧力(ゲージ圧力)。
b) ボイラの最高使用圧力 ボイラ各部の最高使用圧力の最小値以下で,構造上ボイラを安全に使用でき
ると定めた圧力。
c) セクション ボイラ本体を形成する箱形中空の鋳鉄製容器。鋳鉄ボイラは数個以上のセクションを組

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B 8203 : 2005
み合わせて構成される。セクションには,その構造によって,前セクション,中セクション,後セク
ションなどがある。
d) 伝熱面積 片面が燃焼ガスなどに触れ,他の面が水に触れる面を,燃焼ガスなどの側において測った
面積。
1) ひれの両面が燃焼ガスなどに触れるものは,伝熱の種類に応じて,それぞれ表1に規定する係数を
ひれの片面の面積に乗じて得た面積を,ひれがない場合の面積に加えた面積。
表 1
伝熱の種類 係数
両面に放射熱を受ける場合 1.0
片面に放射熱,他面に接触熱を受ける場合 0.7
両面に接触熱を受ける場合 0.4
2) ひれの片面が燃焼ガスなどに触れるものは,伝熱の種類に応じて,それぞれ表2に規定する係数を
ひれの片面の面積に乗じて得た面積を,ひれがない場合の面積に加えた面積。
表 2
伝熱の種類 係数
放射熱を受ける場合 0.5
接触熱を受ける場合 0.2
3) スタッドの全周が燃焼ガスなどに触れるものは,スタッドの側面の面積の和の15 %の面積を,ス
タッドがない場合の面積に加えた面積。
4) 耐火れんがで覆った面は,面の外側の壁面に対する投影面積。

4. 材料

 ボイラの主要材料は,JIS G 5501のFC150又はこれと同等以上のものとする。

5. 構造

5.1 構造の制限

 ボイラは,所定のセクションを組み合わせて構成した組合せ式とする。

5.2 厚さの制限

 ボイラの本体の厚さは,最高使用圧力0.3 MPa以下の場合は8 mm以上,最高使用圧力
0.3 MPaを超える場合は10 mm以上とする。ただし,8.による破壊試験を実施することによって最高使用
圧力を求める場合はこの限りでない。

5.3 検査穴

 ボイラには,水室の下部に内径25 mm以上の検査穴を設ける。

5.4 安全低水位

 蒸気ボイラの安全低水位は,そのボイラのセクションの壁面温度がいかなる場合でも
230 ℃を超えないことを保証できる位置に定める。

6. 附属装置

6.1 安全装置

6.1.1  安全弁 安全弁は,次による。
a) 蒸気ボイラには,1個以上の安全弁を備え,内部の圧力が最高使用圧力に0.034 MPaを加えた値を超
えないようにしなければならない。安全弁は少なくとも1個は,0.1 MPa以下で吹き出すものでなけ
ればならない。ただし,圧力を0.1 MPaを超えて上昇させない安全装置は,これを安全弁とみなす。

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b) 安全弁の構造は,JIS B 8210による。
6.1.2 安全弁の取付け 安全弁は,ボイラ本体の容易に検査できる位置に直接取り付ける。
また,安全弁は,弁軸を鉛直に取り付けなければならない。
6.1.3 安全弁の大きさ 蒸気ボイラの安全弁は,ボイラの最大蒸発量以上を吹き出すようにその大きさ及
び数を決めなければならない。ただし,安全弁の呼び径はJIS B 2001による20 A以上125 A以下としなけ
ればならない。
安全弁の吹出し量は,JIS B 8210の附属書によって算定する。
6.1.4 逃し弁又は逃し管 逃し弁又は逃し管は,次による。
a) 温水ボイラには,逃し弁又は開放形膨張タンクに連絡する逃し管を備えなければならない。膨張タン
クには,最高使用圧力で水を逃すあふれ管を備える。
b) 逃し弁は,ボイラの最高使用圧力に達すると,直ちに作用するものとする。
6.1.5 逃し弁又は逃し管の取付け 逃し弁は,温水ボイラ本体に直接取り付ける。逃し管は,温水ボイラ
本体又は止め弁を備えない温水取出管(通常の場合,立上り管)に取り付ける。
取出管の内径は,逃し弁又は逃し管の径より小であってはならない。
6.1.6 逃し弁の大きさ 逃し弁の径は呼び径15 A以上とし,ボイラの圧力が最高使用圧力以上その10%
(その値が0.034 MPa未満のときは0.034 MPaとする。)を超えないように,逃し弁の径及び個数を定める。
6.1.7 逃し管の大きさ 逃し管は伝熱面積に応じ,表3による。
表 3
伝熱面積 m2 逃し管の内径 mm
10未満 25以上
10以上15未満 30以上
15以上20未満 40以上
20以上 50以上
6.1.8 温水温度自動制御装置 温水ボイラで圧力が0.3 MPaを超えるものには,温水温度が120 ℃を超
えないよう温水温度自動制御装置を備える。

6.2 水面測定装置,圧力計及び温度計

6.2.1  水面測定装置 蒸気ボイラには,二つ以上の水面測定装置を備え,少なくともその一つは,ガラス
水面計とする。ただし,低水位燃料遮断装置又は自動水位制御装置をもつものであって,ガラス水面計に
沈殿物がたまらない構造の呼び径8 A以上の排水弁又は排水コックを備える場合はこの限りでない。
ガラス水面計には,JIS B 8211に適合するガラス管を用い,随時掃除及び点検できる構造とする。
6.2.2 水面計及び験水コックの取付け ガラス水面計及び験水コックは,これによって見られる最低水位
が安全低水位となる位置に取り付ける。
水面測定装置として験水コックを設ける場合は,ガラス水面計のガラス管取付位置と同じ高さの範囲に
2個以上取り付けなければならない。
6.2.3 圧力計 圧力計は,次による。
a) 蒸気ボイラには,その蒸気室,水面計を取り付けた水柱管又は水柱管への蒸気管のいずれかに,十分
な大きさのサイホン又はこれに代わる装置を,間に挟んで圧力計を取り付ける。この場合,サイホン
管の内径は6.5 mm以上とする。
なお,コックを取り付ける場合は,圧力計への連絡管の垂直な部分に取り付けるものとし,コック
のハンドルは,コックが開いている場合,これを取り付けた管に平行なものとする。

――――― [JIS B 8203 pdf 5] ―――――

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JIS B 8203:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8203:2005の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB2001:1987
バルブの呼び径及び口径
JISB7505:1999
ブルドン管圧力計
JISB8210:2017
安全弁
JISB8211:1994
ボイラ―水面計ガラス
JISG5501:1995
ねずみ鋳鉄品
JISZ2201:1950
医療用遠心沈デン器
JISZ2201:1998
金属材料引張試験片